ビル・ポーラッド監督『ラブ&マーシー 終わらないメロディー』|MOVIE

ビル・ポーラッド監督『ラブ&マーシー 終わらないメロディー』|MOVIE

MOVIE|「ザ・ビーチ・ボーイズ」のブライアン・ウィルソン、激動の半生を映画化ビル・ポーラッド監督『ラブ&マーシー 終わらないメロディー』1960年代に一世を風靡した「ザ・ビーチ・ボーイズ」の中心メンバーであったブライアン・ウィルソンの栄光と知られざる苦悩の半生を描いたビル・ポーラッド監督による『ラブ&マーシー 終わらないメロディー』。8月1日(土)より全国公開される。Text by YANAKA Tomomiことなる時代にあわせてふたりの俳優がブライアンを熱演時代を超えていまでも愛されるザ・ビーチ・ボーイズのメロディー。その曲の多くを生み出し、現在も“生きる伝説”といわれる、ブライアン・ウィルソンの半生が映画化された。ブライアン自身が映画化を認めたのは、昨年のアカデミー賞作品賞に輝いた『それでも夜は明ける』や『ツリー・オブ・ライフ』などを手がけた名プロデューサーとしても知られるビル・ポーラッド監督。天才の謎に包まれた心のうち、そして名曲が生まれるまでの秘密をつまびらかにする。ブ...
現代の若者たちの孤独や痛み、絶望、そして希望を描く『共犯』|MOVIE

現代の若者たちの孤独や痛み、絶望、そして希望を描く『共犯』|MOVIE

MOVIE|現代の若者たちの孤独や痛み、絶望、そして希望を描く台湾から到着した学園ミステリー『共犯』おなじ高校にかよう女子生徒の遺体を見つけてしまった男子生徒3人が、死の真相を突き止めようとする台湾発のサスペンスフルな学園ミステリー『共犯』。7月25日(土)より、新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショーされる。Text by YANAKA Tomomi監督は長編2作目のチャン・ロンジーこれまで数かずの名作青春映画を送り出してきた台湾からあたらしいスタイルの学園ミステリー『共犯』が到着した。メガホンを取ったのは、本作が長編2作目となるチャン・ロンジー監督。視覚障がいのピアニストを描き、多くの観客を感動の渦に巻き込んだ処女作『光にふれる』(2012年)から一転、学園ミステリーを借りて、現代の若者たちの孤独や痛み、絶望、そして希望を描くものとなった。メインキャストは6人の少年少女。本格的な演技経験があるのは台湾のドラマや映画などで活躍し、主人公ホアンに扮するウー・チエンホーと女学生チュウ役の...
世界が絶賛したアルゼンチン発の痛快コメディ『人生スイッチ』|MOVIE

世界が絶賛したアルゼンチン発の痛快コメディ『人生スイッチ』|MOVIE

MOVIE|アカデミー賞ノミネートやカンヌでの出品など世界が絶賛アルゼンチン発、爆発的人気を博したコメディ『人生スイッチ』アルゼンチンで昨年、歴代興行収入記録第1位を塗り替えたダミアン・ジフロン監督によるコメディ『人生スイッチ』。アカデミー賞の外国語映画賞へのノミネートや、カンヌ国際映画祭のコンペティション部門への正式出品を果たした話題作が、7月25日(土)よりヒューマントラストシネマ有楽町、シネマライズほか全国順次公開される。Text by YANAKA Tomomi6話のオムニバスで構成多くのひとが映画に親しむ映画大国、アルゼンチンで国中を熱狂させた映画『人生スイッチ』。6つのオムニバスストーリーからなる、まったく先読みを許さない展開と予想を超える圧巻のラストは世界をも席巻。映画好きの舌を巻き、そして爆笑を誘った映画がついに日本でも公開される。監督・脚本を務めたのは、ダミアン・ジフロン監督。アルゼンチンで注目されていた彼の才能にほれ込み、プロデューサーに名乗り出たのは、『オール...
4頭のラクダと愛犬とともにオーストラリアの砂漠を横断した女性の実話を描く『奇跡の2000マイル』|MOVIE

4頭のラクダと愛犬とともにオーストラリアの砂漠を横断した女性の実話を描く『奇跡の2000マイル』|MOVIE

MOVIE|4頭のラクダと愛犬とともにオーストラリアの砂漠を横断した女性の実話を描くミア・ワシコウスカ主演のロードムービー『奇跡の2000マイル』人生に行き詰った女性が、ラクダ4頭と愛犬とともに、オーストラリア西部にある3000キロもの砂漠を踏破した実話に基づく『奇跡の2000マイル』。7月18日(土)より、有楽町スバル座、新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショーされる。Text by YANAKA Tomomi世界的ベストセラーをジョン・カラン監督が映画化実在する女性、ロビン・デヴィッドソンが成し遂げた型破りな冒険を基にしたロードムービー『奇跡の2000マイル』。当時、写真雑誌『ナショナル・ジオグラフィック』で報じられたほか、世界的ベストセラーとなったロビン自身の回顧録『ロビンが跳ねた-ラクダと犬と砂漠 オーストラリア砂漠横断の旅』がついに映画化された。メガホンを取ったのは、オーストラリアを拠点に活躍するジョン・カラン監督。また『英国王のスピーチ』とおなじく、イアン・カニングとエミー...
少年と少女の“ひと夏の冒険”を描く『ムーンライズ・キングダム』|MOVIE

少年と少女の“ひと夏の冒険”を描く『ムーンライズ・キングダム』|MOVIE

MOVIE|ウェス・アンダーソン監督の新境地少年と少女の“ひと夏の冒険”を描く『ムーンライズ・キングダム』12歳の少年と少女が駆け落ちしたことから起こる騒動を、ウェス・アンダーソン監督ならではのユーモアで描く『ムーンライズ・キングダム』が、2月8日(金)からTOHOシネマズシャンテほかで全国ロードショーされる。公開に先立ちOPENERSでは、1月16日(水)19:00から虎ノ門のニッショーホールで開かれる試写会に15組30名様をご招待する。Text by YANAKA Tomomiブルース・ウィリスら豪華俳優陣が不器用でいとおしい大人たちを好演本年度カンヌ国際映画祭のオープニングを飾るとともにコンペティション部門に正式出品されるなど、公開前から大きな話題を呼んだ『ムーンライズ・キングダム』。ウェス・アンダーソン監督は、少年と少女の“ひと夏の冒険”という、誰もが共感や哀愁を覚える明快なテーマで新境地を開拓したと評され、本年度アカデミー賞の最有力作品とも目される注目の映画が日本にも上陸...
奇才テリー・ギリアム監督最新作『ゼロの未来』|MOVIE

奇才テリー・ギリアム監督最新作『ゼロの未来』|MOVIE

MOVIE|近未来を舞台に、生きる意味と真実の愛を問いかける奇才テリー・ギリアム監督『ゼロの未来』近未来を舞台に奇才テリー・ギリアムが描くSFドラマ『ゼロの未来』。5月16日(土)よりロードショーされる。Text by YANAKA Tomomiオスカー俳優クリストフ・ヴァルツが孤独な男を熱演イギリスの伝説的なコメディアングループ、モンティ・パイソンの一員であり、『未来世紀ブラジル』や『12モンキーズ』といったSF作品からエンターテインメント作品に至るまで、その才能を遺憾なく発揮してきたテリー・ギリアム。彼の真骨頂でもある近未来を舞台に、生きる意味と真実の愛を問いかける『ゼロの未来』が日本でも公開される。主演には2度のオスカーに輝き、最近では『ビッグ・アイズ』などの出演で知られるクリストフ・ヴァルツ。抑圧された世界を生きる孤独な天才プログラマーが変化していくさまを力強く演じている。ヒロインを演じるのはフランスの女優、メラニー・ティエリー。さらにデヴィッド・シューリス、ルーカス・ヘッ...
『少年は残酷な弓を射る』 エズラ・ミラー インタビュー|INTERVIEW

『少年は残酷な弓を射る』 エズラ・ミラー インタビュー|INTERVIEW

INTERVIEW|話題の映画『少年は残酷な弓を射る』エズラ・ミラー インタビュー(1)ティルダ・スウィントン、ジョン・C・ライリー、 エズラ・ミラー、3人の圧倒的な演技は、眩暈(めまい)がするほどすばらしい(デイリー・テレグラフ紙)――衝撃的な内容と、400ページを超える長さから「映画化は困難」といわれてきた、英国女性作家文学賞の最高峰、オレンジ賞受賞のベストセラーがついに映画化。残酷さと美しさをあわせもつ息子ケヴィンを演じた新星エズラ・ミラーは、最旬のヤング・ハリウッドスターとして大きな注目を集めている。映画『少年は残酷な弓を射る』は、6月30日(土)よりTOHOシネマズシャンテにて公開される。Text by KAJII Makoto(OPENERS)ロスの路上で合格の知らせを聞いて、うれしくて踊り出した――最初にこの映画のオファーがあったときの印象を教えてください。すばらしいアートになるとおもいました。感情の視覚的・聴覚的な表現が書かれていた脚本がすばらしかったんです。息子ケ...
『イノセント・ガーデン』パク・チャヌク監督インタビュー|INTERVIEW

『イノセント・ガーデン』パク・チャヌク監督インタビュー|INTERVIEW

INTERVIEW|『イノセント・ガーデン』パク・チャヌク監督インタビュー(1)カンヌ映画祭で審査員特別大賞を受賞した『オールド・ボーイ』のほか、『JSA』など、タブーを恐れない作風で、韓国のみならず世界的な評価を獲得しているパク・チャヌク監督。5月31日(金)から公開となる最新作は、初のハリウッド進出も同時に果たした『イノセント・ガーデン』だ。主人公は18歳になったばかりの少女、インディア。交通事故で突然、父が亡くなり、ソリの合わない母との生活がはじまろうとするとき、見知らぬ叔父、チャーリーが彼女の前に現れる。物語が進むにつれて明かされる真実とは──? 観る者、誰もが衝撃を受ける、この映画に込めた想いを、パク監督本人に聞いた。Text by TASHIRO ItaruPhotographs (portrait) by KAMIYAMA Yosuke映像美と作り込んだディテール作品を観て、まず驚くのは圧倒的な映像の美しさ。主要な登場人物はインディアをはじめとする3人で、舞台も、彼ら...
グレン・クローズが女優人生をかけて製作『アルバート氏の人生』|MOVIE

グレン・クローズが女優人生をかけて製作『アルバート氏の人生』|MOVIE

MOVIE|男性として生きてきた女性が真のアイデンティティを取り戻すグレン・クローズが女優人生をかけ製作した『アルバート氏の人生』不遇な人生を生き抜くため、男性として孤独に生きなければならなかった女性を大女優グレン・クローズが演じた『アルバート氏の人生』が、2013年1月18日(金)からTOHOシネマズ シャンテほかでロードショーされる。Text by YANAKA Tomomi監督は『美しい人』などでクローズとタッグを組んだロドリゴ・ガルシアグレン・クローズが、オフ・ブロードウェイで舞台版『アルバート・ノッブス』の主役を演じたのは1982年のこと。そして、その演技でオビー賞を獲得。以来、「死ぬ前にこの役を大スクリーンで演じなければならない」という覚悟を抱いてきたという。そんな彼女がプロデューサー、共同脚本家、主演女優として、映画化を実現させたのが『アルバート氏の人生』だ。監督は『彼女を見ればわかること』や『美しい人』でクローズと組んだロドリゴ・ガルシアがメガホンを取り、競演の俳優...
旬の豪華キャストが集結した復讐劇『欲望のバージニア』|MOVIE

旬の豪華キャストが集結した復讐劇『欲望のバージニア』|MOVIE

MOVIE│アメリカがもっとも危険だった禁酒法時代が舞台旬の豪華キャストが集結した復讐劇『欲望のバージニア』禁酒法時代のアメリカを舞台に豪華キャストが出演する復讐劇『欲望のバージニア』が6月29日(土)から、丸の内TOEI、新宿バルト9ほかで全国順次公開される。Text by YANAKA Tomomi脚本と音楽はカリスマミュージシャン、ニック・ケイヴが担当アメリカがもっとも危険だったと言われる禁酒法時代に“不死身”と呼ばれた実在の兄弟を描く『欲望のバージニア』。いままさに旬の豪華キャストが勢ぞろいし、愛と復讐の一大エンターテインメントを繰り広げる!監督は『ザ・ロード』(2009年)で絶賛されたジョン・ヒルコート。また脚本と音楽はカリスマ的人気を誇るミュージシャンのニック・ケイヴが担当し、多彩な才能をあらためて知らしめた。度胸と頭脳でバージニア最強を誇り、惚れた女性にはとことんピュアな二男フォレストにトム・ハーディ、失敗を重ねながらも野心を叶える末っ子のジャックはシャイア・ラブーフ...
デヴィッド・クローネンバーグ監督『マップ・トゥ・ザ・スターズ』|MOVIE

デヴィッド・クローネンバーグ監督『マップ・トゥ・ザ・スターズ』|MOVIE

欲望、賞賛がうごめく街ハリウッドを舞台に豪華キャストが贈る群像劇デヴィッド・クローネンバーグ監督『マップ・トゥ・ザ・スターズ』デヴィッド・クローネンバーグ監督と女優ジュリアン・ムーアがタッグを組み、ハリウッドを舞台にした人間ドラマ『マップ・トゥ・ザ・スターズ』が新宿武蔵野館ほかで公開中。鬼才クローネンバーグ監督とハリウッドの実力ある豪華キャストが練り上げる群像劇の幕が開ける。Text by YANAKA Tomomi 脚本家ブルース・ワグナーの実体験にもとづく物語71歳にしてなお、意欲的な作品を次つぎと世に送り出しているデヴィッド・クローネンバーグ監督。狂気と甘美な幻想をはらんだ作品を数多く手がけてきた彼の新作は、ハリウッドでリムジン運転手だった脚本家ブルース・ワグナーの実体験にもとづく物語だ。 キャストは女優のハバナ役をジュリアン・ムーアが務め、本作の演技でカンヌ国際映画祭の最優秀女優を見事に獲得。また、ミア・ワシコウスカがクローネンバーグ監督の前作『コズモポリス』...
グザヴィエ・ボーヴォワ監督によるヒューマンコメディ『チャップリンからの贈りもの』|MOVIE

グザヴィエ・ボーヴォワ監督によるヒューマンコメディ『チャップリンからの贈りもの』|MOVIE

MOVIE|実際にあったチャップリンの遺体誘拐事件を映画化グザヴィエ・ボーヴォワ監督によるヒューマンコメディ『チャップリンからの贈りもの』チャップリンの遺体が誘拐されるという実際にあった事件をもとに、グザヴィエ・ボーヴォワ監督がユーモアとほろ苦い人間味をくわえたヒューマンドラマ『チャップリンからの贈りもの』。7月18日(土)より、YEBIS GARDEN CINEMA、シネスイッチ銀座ほか全国順次公開される。Text by YANAKA Tomomiチャップリンの遺族が全面協力1978年にスイスで実際に起きた“チャップリン遺体誘拐事件”が、40年近い歳月を経て映画化された。『神々と男たち』で2010年、カンヌ国際映画祭の審査員特別大賞を受賞した名監督グザヴィエ・ボーヴォワ監督の手で。小悪党だが憎めないエディ役には、コメディアンとしても定評のあるブノワ・ポールヴールド。相棒のオスマン役、ロシュディ・ゼムと息のあった演技を見せている。さらにカトリーヌ・ドヌーヴとマルチェロ・マストロヤン...
イラン人監督バフマン・ゴバディ × 女優モニカ・ベルッチ『サイの季節』|MOVIE

イラン人監督バフマン・ゴバディ × 女優モニカ・ベルッチ『サイの季節』|MOVIE

MOVIE|30年にわたって引き裂かれたふたりの愛の物語バフマン・ゴバディ × モニカ・ベルッチ『サイの季節』イラン人監督であり、現在もなお亡命状態を余儀なくされているバフマン・ゴバディの最新作であり、クルド系イラン人の詩人、サデク・カマンガルをモデルに描いた社会派ドラマ『サイの季節』。7月11日(土)より、シネマート新宿ほか全国ロードショーされる。Text by YANAKA Tomomiイラン革命で亡命した伝説的な俳優が鮮烈のスクリーン復帰デビュー作『酔っ払った馬の時間』(2000年)がカンヌ国際映画祭のカメラ・ドール(新人賞)を受賞したものの、前作『ペルシャ猫を誰も知らない』(2009年)では、イラン政府に許可を得ずに撮影したために亡命を強いられているバフマン・ゴマディ監督。彼の最新作は、国によって死んだことにされた男と、愛するひとと引き裂かれた女、そして欲情にとらわれた男の30年間にもわたる混沌と悪夢を描くものとなった。ヒロイン役にはイタリアを代表する女優、モニカ・ベルッチ...
コミックから生まれた大ヒット作『ボヴァリー夫人とパン屋』|MOVIE

コミックから生まれた大ヒット作『ボヴァリー夫人とパン屋』|MOVIE

MOVIE|官能的でユーモラスな大人のためのファンタジーコミックから生まれた大ヒット作『ボヴァリー夫人とパン屋』パン屋を営む男性が自身の妄想と現実を交錯させる、官能的でユーモラスなフランス映画『ボヴァリー夫人とパン屋』が7月11日(土)より、シネスイッチ銀座ほかでロードショーされる。Text by YANAKA Tomomi名優ファブリス・ルキーニ×麗しき新鋭ジェマ・アータートンギュスターヴ・フローベールの最高傑作として知られる『ボヴァリー夫人』の世界を、隣人の美しい妻ジェマ・ボヴァリーと重ねてしまう平凡なパン屋を描いた『ボヴァリー夫人とパン屋』。イギリスの絵本作家、ポージー・シモンズの同名コミックを映画化し、本国フランスで興行成績1位を4週にわたって獲得した話題作が公開される。メガホンを取ったのは、元女優であり、『ドライ・クリーニング』(1997年)がヴェネチア国際映画祭最優秀脚本賞などに輝いたアンヌ・フォンテーヌ監督。ノルマンディーの牧歌的な雰囲気のなか、大人のファンタジーのよ...
トルコ・カッパドキアを舞台にした重厚な人間ドラマ『雪の轍(わだち)』|MOVIE

トルコ・カッパドキアを舞台にした重厚な人間ドラマ『雪の轍(わだち)』|MOVIE

MOVIE|トルコ・カッパドキアを舞台にした重厚な人間ドラマカンヌでパルムドールに輝いたヌリ・ビルゲ・ジェイラン監督『雪の轍(わだち)』2014年のカンヌ国際映画祭で、最高賞となるパルムドールに輝いたヌリ・ビルゲ・ジェイラン監督の『雪の轍(わだち)』。世界遺産のトルコ・カッパドキアを舞台に繰り広げられる重厚な人間ドラマだ。6月27日(土)より、角川シネマ有楽町、新宿武蔵野館ほかで公開される。Text by YANAKA Tomomi人間の秘められた部分をあぶりだすトルコ映画界の巨匠として知られるヌリ・ビルゲ・ジェイラン。カンヌではすでに『昔々、アナトリアで』がグランプリに、『スリー・モンキーズ』が監督賞を受賞するなど、華々しいキャリアをもつ彼が昨年、満を持してパルムドールを受賞した作品が『雪の轍(わだち)』だ。なお、ジェイラン作品が日本の劇場で公開されるのは、本作がはじめてとなる。文豪チェーホフの著作に着想を得て、カッパドキアの地名の由来になった馬、シェイクスピアの一節、あたり一面...
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