現代の若者たちの孤独や痛み、絶望、そして希望を描く『共犯』|MOVIE
MOVIE|現代の若者たちの孤独や痛み、絶望、そして希望を描く
台湾から到着した学園ミステリー『共犯』
おなじ高校にかよう女子生徒の遺体を見つけてしまった男子生徒3人が、死の真相を突き止めようとする台湾発のサスペンスフルな学園ミステリー『共犯』。7月25日(土)より、新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショーされる。
Text by YANAKA Tomomi
監督は長編2作目のチャン・ロンジー
これまで数かずの名作青春映画を送り出してきた台湾からあたらしいスタイルの学園ミステリー『共犯』が到着した。メガホンを取ったのは、本作が長編2作目となるチャン・ロンジー監督。視覚障がいのピアニストを描き、多くの観客を感動の渦に巻き込んだ処女作『光にふれる』(2012年)から一転、学園ミステリーを借りて、現代の若者たちの孤独や痛み、絶望、そして希望を描くものとなった。
メインキャストは6人の少年少女。本格的な演技経験があるのは台湾のドラマや映画などで活躍し、主人公ホアンに扮するウー・チエンホーと女学生チュウ役のウェン・チェンリンのみ。しかしながら、全員がたしかな演技力で物語をけん引している。また、主題歌には台湾でも人気のあるflumpoolが自身のヒット曲でもある『強く儚く』を中国語で歌っているのにも注目だ。
ホアン、イエ、リンの3人の男子高校生がたどり着く真実とは?
通学途中、偶然とおりがかった路地で同じ高校の女子生徒シャーが変死しているのを発見したホアン、イエ、リンの3人の男子高校生。それまで口もきいたことがなかった3人だがこの奇妙な出会いをきっかけに関係を深めていく。
そんな3人の興味は、シャーの死の原因が自殺なのかどうなのかということ。真相を調べはじめた3人の前に、彼女が同級生からいじめられたのではないかという疑惑がもちあがる。
少年たちの犯人捜しから復讐に進むかと思いきや、思わぬ方向へと舵を切り、加速していく物語。いじめやSNS、誤解、仕返しといった日本にも相つうずる不安をもつ若者たちがたどり着く真実とは?
『共犯』
7月25日(土)より、新宿武蔵野館ほか全国順次公開
監督|チャン・ロンジー
出演|ウー・チエンホー、チェン・カイユアン、トン・ユィカイ、ヤオ・アイニン
配給|ザジフィルムズ/マクザム
2014年/台湾/89分
http://www.u-picc.com/kyouhan/
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