時刻表示というアート。ジェラルド・ジェンタ「ジュネーブ」が持つ哲学

©LOUIS VUITTON

WATCH & JEWELRY / WATCH NEWS
2026年3月12日

時刻表示というアート。ジェラルド・ジェンタ「ジュネーブ」が持つ哲学

 

Gerald Genta|ジェラルド・ジェンタ ジュネーブ

 
ジェラルド・ジェンタの「ジュネーブ」コレクションに、時刻表示のみに特化した2つの新作クリエーションが加わった。ローズゴールドとホワイトゴールドというそれぞれ異なる素材を採用した2モデルは、「ジュネーブのエスプリ」とジェラルド・ジェンタの不朽の芸術的遺産を色濃く受け継ぎながら、コレクションの新章が始まった。
 

Text by WASEDA Kosaku

彫刻的フォルムと光の戯れ

 
ジェラルド・ジェンタは、1969年にスイス・ジュネーブで設立されたメゾン。創業者のジェラルド・ジェンタ氏は、仕様指示や妥協とは無縁の自由なものづくりへの情熱に突き動かされ、独自のデザイン言語を確立した。フォルムと機能の完璧なバランス、印象的なコントラスト、隠れた幾何学模様といったすべてが、彼の先見性あるビジョンを体現している。
 
2023年、メゾンは「ラ・ファブリク・デュ・タン ルイ・ヴィトン」の支援とマチュー・エジのアーティスティック・ディレクションのもとで復活を遂げた。「ラ・ファブリク・デュ・タン ルイ・ヴィトン」は、2人の先見の明を持つマスター・ウォッチメーカー、ミシェル・ナバスとエンリコ・バルバシーニによって創設されたアトリエだ。スイス・ジュネーブ州メイランに拠点を置き、デザイナー、エンジニア、職人たちが一堂に会して卓越性の探求を20年以上にわたり続けている。
 
ジェラルド・ジェンタやダニエル・ロートも傘下に持つこのマニュファクチュールは、「ラ・ファブリク・デ・ボワティエ」(ケース)、「ラ・ファブリク・デ・カドラン」(ダイアル)、「ラ・ファブリク・デ・ムーブマン」(ムーブメント)という3つの専門部門を擁し、伝統的な技術と最先端テクノロジーを融合させることで、「ジュネーブ・シール」を取得した作品を含む卓越した仕上げのウオッチを世に送り出している。
 
「ジュネーブ」という名は、単なる地名を超えた意味を持つ。ジェラルド・ジェンタ氏の生まれ故郷であり、メゾン復活の地でもあるジュネーブは、純粋な洗練と気取らない時計技術の粋を体現する場所だ。そのスピリットを宿した本コレクションに、時刻表示のみに特化した2つの新作クリエーションが加わった。
 
本コレクションは元々、ウオッチメイキング屈指の複雑機構である「ジュネーブ ミニッツ・リピーター」から始まった。今では、日常使いのウオッチを手元のアートへと昇華させる、タイムオンリーという新たな解釈へと進化を遂げている。
 
「ジュネーブのエスプリ」とジェラルド・ジェンタの不朽の芸術的遺産を色濃く受け継いだ2作は、ローズゴールドとホワイトゴールドというそれぞれ異なる表情で、コレクションに魅惑的な新章を刻む。
 
マチュー・エジがデザインした2つの新作は、スリムなフォルムと汎用性の高い38mmのケースサイズを採用。1970年代にジェンタ氏が考案したクッション型のケースは、オリジナルよりも柔らかな雰囲気にアップデートされ、大胆でありながら控えめ、ソフトでありながらシャープという稀有なバランスを実現している。
 
 
ラウンド型でもスクエア型でもないガドルーン装飾があしらわれたその輪郭は、流行を超越したタイムレスなシルエットを作り出している。エジはケースの輪郭をより際立たせるために、両サイドに幅広で短いラグをあえて採用した。こうした細部への意図が、ジェラルド・ジェンタらしい存在感を日常に馴染ませている。
 
そしてポリッシュ仕上げとサテン仕上げのコントラストが、ケースの現代的かつ控えめな美しさを強調する。ケースはすべて、自社のケース専門アトリエ「ラ・ファブリク・デ・ボワティエ」で丹念に製作されたものだ。
 
2つのセグメントで構成されるミニッツトラックダイアルも見逃せない。ケースのクッション型シェイプに沿う外側のセグメントと、完璧な円形を描く内側のセグメントが組み合わさることで、魅惑的な錯視効果を生み出し、柔らかな彩度の中に時と分の流れを映し出す。
 
「ジュネーブ タイム オンリー マローネ」は、光を捉え反射することで知られる4Nローズゴールドをケースと針に採用した温かみのあるモデル。グラデーションのスモーク加工を施した真鍮製ダイアルは、柔らかくブロンズ調の繊細な輝きを放ち、ブラウンのレザーストラップがレトロなエレガンスを引き立てる。
 
いっぽうの「ジュネーブ タイム オンリー グラファイト」は、ホワイトゴールドのケースとシルバー調の真鍮製ダイアルが、クールでメタリックな存在感を放つ。丸みを帯びたゴールドの針とインデックスが深みとコントラストを添え、個性的なクラフツマンシップへのジェンタ氏のこだわりを想起させる。ストラップにはグレーのカーフレザーを採用している。
 
ムーブメントは自動巻きムーブメント「ゼニス エリート GG-005P」が収まっており、オープンケースバック越しにその動きを眺めることができる。美しさを高めるために再設計された自社製ローターを装備し、50時間のパワーリザーブと4Hzの振動数を実現。158個の部品で構成されるムーブメントは一つひとつが丹念に仕上げられており、一見デリケートにも見えるが、日常使いにおける卓越した精度と信頼性を併せ持つ。
 
光、プロポーション、彫刻的な意図が調和するこの2作によって、「ジュネーブ」コレクションは新たな章が始まった。時刻表示のみという究極のシンプルさへと行き着いたことは、余分をそぎ落とした先にこそ美しさが宿るというジェンタ氏の哲学の体現だ。
 
 
ジュネーブ タイム オンリー マローネ
ケース素材|ローズゴールド 4N            
ケースサイズ|38 mm×8.15 mm
ダイアル|真鍮 - グレイン仕上げ
インデックス|ローズゴールド 4N
ミニッツ|ホワイトの転写
針|ローズゴールド 4N – ポリッシュ&ラウンド仕上げ – アローチップ型
ムーブメントキャリバー|GG-005P - 再設計されたローターを装備した「ゼニス エリート」
パワーリザーブ|50時間       
ストラップ|カーフスキンレザー
価格|2万5000スイスフラン(税抜)
 
 
ジュネーブ タイム オンリー グラファイト
ケース素材|ホワイトゴールド             
ケースサイズ|38 mm×8.15 mm
ダイアル|真鍮 - グレイン仕上げ
インデックス|ローズゴールド 4N
ミニッツ|ホワイトの転写
針|ローズゴールド 4N – ポリッシュ&ラウンド仕上げ – アローチップ型
ムーブメントキャリバー|GG-005P - 再設計されたローターを装備した「ゼニス エリート」
パワーリザーブ|50時間       
ストラップ|カーフスキンレザー
価格|2万5000スイスフラン(税抜)
 
問い合わせ先

ルイ・ヴィトン クライアントサービス

Tel.0120-00-1854
 

ジェラルド・ジェンタの時計に対するよくある質問

 
Q. 「ジュネーブ」コレクションの新作に共通するデザインの特徴は何ですか?
 
スリムなフォルムと38mmのケースサイズを採用し、1970年代にジェンタ氏が考案したクッション型ケースを現代的にアップデートしています。大胆でありながら繊細、ソフトでありながらシャープというバランスを追求した設計が特徴です。また、ポリッシュ仕上げとサテン仕上げのコントラストがケースの立体感を際立たせています。
 
 
Q. 2つのモデルはそれぞれどのような個性を持っていますか?
 
「ジュネーブ タイム オンリー マローネ」はローズゴールドケースにスモーク加工の亀甲型ダイアルを組み合わせ、ブロンズ鏡のような繊細な輝きが特徴です。一方「ジュネーブ タイム オンリー グラファイト」はホワイトゴールドケースにシルバー調の真鍮製ダイアルを採用し、クールでメタリックな印象を放ちます。どちらもブラウンまたはグレーのカーフレザーストラップを合わせ、エレガンスを引き立てています。
 
 
Q. このコレクションに込められたジェラルド・ジェンタの哲学とは何ですか?
 
「時刻表示のみというシンプルさへと行き着くことは、自分を手放した先にこそ美しさが宿る」というものです。余分な機能を一切排し、時を刻む本質だけを純粋に表現することを追求しています。
 
 
 
 
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