ドキュメンタリー
「ドキュメンタリー」に関する記事
連載|牧口じゅんのシネマフル・ライフ『ノーマ東京 世界一のレストランが日本にやって来た』
連載|牧口じゅんのシネマフル・ライフ第7回 プロの何たるかを知る、滋味豊かなドキュメンタリー『ノーマ東京 世界一のレストランが日本にやって来た』近頃メディアでさまざまな分野のプロたちの素顔が紹介されているが、共通して見えてくるのは、彼らにとって仕事は単なる職ではなく一種の生き様であるということだ。なぜその仕事をするのか、どこまで努力すればいいのかといった疑問はそこにはない。ただ、高みを目指し、手が、足が、創造力が、そして心が自然に動きだす。Text by MAKIGUCHI June飽くなきチャレンジ精神と、枯れることのない情熱「世界のベストレストラン50」で4度の1位に輝き、7年連続で入賞を果たしたデンマークのレストラン「ノーマ」のオーナー・シェフ、レネ・レゼピもそんなプロのひとりだ。彼とそのチームを1年にわたって追ったドキュメンタリー『ノーマ東京 世界一のレストランが日本にやって来た』を観れば、だれもがそれを確信するだろう。2015年1月、マンダリン オリエンタル東京に5週間限...
『シューマンズ バー ブック』チャールズ・シューマン氏インタビュー|INTERVIEW
Bar Talks by Schumann|シューマンズ バー ブック映画『シューマンズ バー ブック』チャールズ・シューマン氏インタビューバーといえば、かっこいい大人のための特別の場所だ。居心地の良いリヴィングルームにもなるし、ゲストをもてなす客間にもなる。一流のバーマンは、客がその時々に求めるものに敏感だ。一定の距離を取り、決して馴れ合いにはならない。連れ立つ相手によっては、素知らぬふりもしてくれるし、話し相手になって欲しい時にはちょっとした愚痴も聞いてくれる。知人以上、友人未満といったところか。チャールズ・シューマンは、そんなバーマンの中でも伝説と呼ばれる男だ。先日、ドキュメンタリー映画『シューマンズ バー ブック』に出演した彼が来日した。日本の伝統的なバーがお気に入りで、何度も東京を訪れているという彼が、映画について、理想のバーについて語ってくれた。Photographs by SATO Yuki (KiliKiliVilla)Text by MAKIGUCHI Juneバ...
ドキュメンタリー映画『TSUKIJI WONDERLAND』のブルーレイ&DVDがリリース|MOVIE
MOVIE|世界で一番エキサイティングな食のワンダーランド「築地」世界が絶賛したフード・ドキュメンタリードキュメンタリー映画『TSUKIJI WONDERLAND』のブルーレイ&DVDが2017年7月26日(水)にリリースされる。日本の食文化、職人の生き様をありありと映しとった至高のフード・ドキュメンタリーだ。Text by WASEDA Kosaku(OPENERS)報道規制厳しい築地市場で長期取材を敢行昨年度、サン・セバスチャン国際映画祭、モントリオール世界映画祭ほか世界各国で上映されたドキュメンタリー映画『TSUKIJI WONDERLAND』(築地ワンダーランド)。本作のブルーレイ、DVDがリリースされる。報道規制が厳しい「築地市場」の深部に初めて長期取材を敢行し、日本の食文化の真髄に迫った。春夏秋冬の旬の魚、プロ意識と職人意識が織り成す人間模様や生き様。伝統、技術、情熱によって育まれた「築地」の真の姿を捉えた初のドキュメンタリーだ。今回のソフト化にあたり150名に取材した...
平均年齢83歳、世界を驚かせた“世界最高齢ダンスグループ”『はじまりはヒップホップ』|MOVIE
MOVIE|平均年齢83歳、世界を驚かせた“世界最高齢ダンスグループ”『はじまりはヒップホップ』2014年9月に本国ニュージーランドで公開されるや否や賞賛が相次ぎ、世界最大のドキュメンタリー映画祭であるアムステルダム国際ドキュメンタリー映画祭をはじめ各国の映画祭から 上映のオファーが殺到。その数実に40以上!そして、アカデミー賞の前哨戦として注目されるサンタバーバラ国際映画祭では観客賞を受賞。 世界を驚かせた“世界最高齢ダンスグループ”の挑戦を描いた「はじまりはヒップホップ」は、8月27日(土)シネスイッチ銀座ほか全国順次ロードショー。Text by OPENERS世界を笑顔で包んだ最高のドキュメンタリーが日本上陸! 舞台はニュージーランドの小さな島、ワイヘキ島。のどかな島で誕生した“世界最高齢のダンスグループ”の平均年齢はなんと83歳! 94歳のスターダンサーに元軍曹、主婦歴70年のベテラン、杖が相棒の人もいれば、目がほとんど見えない人も…。彼らが挑むのは、社交ダンスでもジ...
天才シンガー、エイミー・ワインハウスの破滅的な人生を辿る『AMY エイミー』|MOVIE
MOVIE|天才シンガー、エイミー・ワインハウスの破滅的な人生を辿る『AMY エイミー』2011年7月23日に急逝したエイミー・ワインハウス。レディー・ガガら名だたるミュージシャンたちに賞賛され、世界中の音楽ファンに愛された彼女の生涯を描き、第88回アカデミー賞®長編ドキュメンタリー賞を受賞した傑作映画『AMY エイミー』が、7月16日(土)より角川シネマ有楽町ほか、全国ロードショー。Text by OPENERSエイミー・ワインハウスの歌詞にこめられた思いとは?あなたはエイミー・ワインハウスを知っているだろうか。彼女は2011年7月23日に急逝し、わずか27歳の若さで生涯を終えた。オリジナル・アルバムをたった2枚しか出していないにもかかわらず、セカンド・アルバム『Back to Black』が全世界で1200万枚のセールスを記録。シングル「Rehab」も大ヒットし、2008年のグラミー賞でグラミー賞5部門受賞を成し遂げた天才シンガーである。©Winehouse family©Ju...
チベットの壮大な巡礼旅を描くロードムービー『ラサへの歩き方〜祈りの2400km』|MOVIE
PATHS OF THE SOUL五体投地による巡礼旅を通して、チベットの人びとの潔く心地よい生きざまを描く7月23日公開、『ラサへの歩き方〜祈りの2400km』死ぬ前に聖地ラサへ行きたいという叔父の願いをを叶えるため、聖地ラサへの巡礼を決意する主人公、ニマ。話を聞きつけ、同行を願う村人が集まり、総勢11名による巡礼の旅が始まる。一行は、五体投地(ごたいとうち)で遠く離れた聖地へ、さらに聖山カイラス山へと向かう。チベットの小さな村の物語をドキュメンタリータッチで描いた、映画『ラサへの歩き方〜祈りの2400km』が2016年7月23日(土)より、シアター・イメージフォーラムほかにて封切りされる。Text by OPENERSほぼ1年かけて歩く、11人の村びとのチベット巡礼旅物語冒頭の舞台は、チベット・カム地方マルカム県プラ村。ニマの家では、父親が亡くなり、まだ四十九日が明けず、法事が行われていた。父の弟のヤンペルは、兄のように思い残すことなく、自分は死ぬ前に聖地ラサ行きたいと願う。ニ...
『ミスター・ダイナマイト:ファンクの帝王ジェームス・ブラウン』|MOVIE
MOVIE|『ミスター・ダイナマイト:ファンクの帝王ジェームス・ブラウン』ミック・ジャガーがプロデュースしたJBドキュメンタリー“ファンクの帝王”と呼ばれ現代のアーティストたちにいまもなお絶大な影響を与え続けるジェームス・ブラウン(James Brown)。JBの波乱に満ちた人生と絶頂期のライブ映像、そして、彼の魂を受け継いだアーティスト・関係者たちのインタビューで綴るソウルフル・ドキュメンタリー『ミスター・ダイナマイト:ファンクの帝王ジェームス・ブラウン』がここに誕生。6月18日(土)角川シネマ新宿ほか全国順次ロードショー。Text by OPENERSこれまでのジェームス・ブラウンのドキュメンタリーとは一線を画した映画“ファンクの帝王”と呼ばれ現代のアーティストたちにいまもなお絶大な影響を与え続けるジェームス・ブラウン(James Brown)。彼が音楽界に残した功績は計り知れない。だが、彼がどのようにスターダムをのし上がったかはなかなか知られてはいない。JBの知られざる素顔と...
ドキュメンタリー『ザ・トゥルー・コスト~ファストファッション 真の代償~』|MOVIE
MOVIE|大量生産・大量消費の裏側に光を当てたドキュメンタリー『ザ・トゥルー・コスト~ファストファッション 真の代償~』消費されるファッションは、だれの犠牲で成り立っているのか。そんな知られざる真実に光を当てるドキュメンタリー『ザ・トゥルー・コスト~ファストファッション 真の代償~』が、11月14日(土)より渋谷アップリンクでロードショーされる。Text by YANAKA Tomomiファッションの向かうべき未来とは?私たちの洋服はどこで生み出されているのだろうか。タグに書かれた生産国の情報からは見えてこない、その実体を描いたドキュメンタリーが到着した。(写真左)ファッションブランドのサステイナビリティ(持続可能性)についてコンサルティングをおこなう「エコ・エイジ」のクリエイティブディレクター、リヴィア・ファースによると、ファストファッションで売られている女性服の平均寿命は5週間だという/(同右)インドの皮革工場が起こした水質汚染が原因で皮膚病を患った女性手がけたのは、フィクシ...
ミステリアスな人生を紐解くドキュメンタリー『氷の花火 山口小夜子』|MOVIE
MOVIE|没後8年、“東洋の神秘”のミステリアスな人生を紐解くドキュメンタリー『氷の花火 山口小夜子』世界中の人びとに“東洋の神秘”と称賛された伝説のモデル、山口小夜子。しかし、その人生は多くの謎に包まれていた――。彼女の人物像を紐解くドキュメンタリー『氷の花火 山口小夜子』が10月31日(土)より、シアター・イメージフォーラムにて公開される。Text by KUROMIYA Yuzuつねに時代の先端を走りつづけた彼女が目指したものとは写真提供:セルジュ・ルタンス1970年代初頭、欧米コンプレックスに陥っていた日本。そんななか“日本人であること”を武器にたったひとりで世界に挑んだ女性がいた。黒髪に切れ長の瞳、神秘的で妖艶な容姿でセンセーションを巻き起こした山口小夜子だ。イブ・サンローラン、ジャンポール・ゴルチエ、山本寛斎ら一流のファッションデザイナーに愛され、セルジュ・ルタンス、横須賀功光などトップクリエイターに多くのイマジネーションを与えた彼女だが、その正体はミステリアスだった...
MOVIE|知られざるワインビジネスの実態に迫る『世界一美しいボルドーの秘密』
MOVIE|ヴィンテージワインはだれの口に?知られざるワインビジネスの実態に迫る『世界一美しいボルドーの秘密』ラッセル・クロウがナレーションを担当。由緒あるシャトーのワインビジネスとワインに魅せられた人びとに迫ったドキュメンタリー『世界一美しいボルドーの秘密』が9月27日(土)より全国順次ロードショーされる。Text by KUROMIYA Yuzu増える中国での需要に対し、伝統あるシャトーはどう対抗するのか何世紀にもわたり、富と権力の象徴として、マリー・アントワネットなどにも愛されたボルドーワイン。1855年のパリ万国博覧会では、ナポレオン3世によって、初めて公式にワインが“格付け”された。第一級に選ばれた4つのシャトー、ラフィット、マルゴー、ラトゥール、オー・ブリオンと、1973年に昇格したムートン・ロートシルトは「5大シャトー」と称され、ボルドーは世界でのその地位を確立。いまもなお、多くの著名人やセレブリティたちを魅了しつづけている。だがボルドーワインの繁栄の裏には、世界市場...
ユニフランス・フィルムズ代表に訊く「フランス映画祭2015」にまつわる5つの話|INTERVIEW
INTERVIEW|ユニフランス・フィルムズ代表、イザベル・ジョルダーノに訊く「フランス映画祭2015」にまつわる5つの話最新のフランス映画がいち早く上映されるとともに、フランスから多くの映画人も来日する「フランス映画祭2015」が今年も華やかに開幕。6月26日(金)から29日(月)にかけて12作品の上映のほか、さまざまなイベントが繰り広げられる。OPENERSでは開幕に先駆けて、映画祭を主催するユニフランス・フィルムズの代表、イザベル・ジョルダーノ氏を直撃。どんな基準で作品を選んでいるのか、今年注目のニューフェイスはだれなのか、映画祭にまつわる5つの話を訊いた。Text by TANAKA Junko (OPENERS)「フランス映画祭2015」の概要を先に読む1. ズバリ、フランス映画の魅力とは?ひとことであらわすなら「ユニーク」ということになるでしょうか。おいしいワインといっしょで定義することは不可能です。映画の制作国別に見ても、フランスほど議論の対象になり、評価され、批判を...
世界一のステーキを求めて食べ歩くドキュメンタリー『ステーキ・レボリューション』|MOVIE
MOVIE|世界一のステーキを求めて世界20カ国を食べ歩く! ドキュメンタリー『ステーキ・レボリューション』 この世で一番おいしいステーキを探すために、世界20カ国、200を超えるステーキハウスをめぐるドキュメンタリー『ステーキ・レボリューション』が上陸。10月17日(土)より、YEBISU GARDEN CINEMA、109シネマズ二子玉川ほかで全国順次公開される。Text by YANAKA Tomomi「パリで最高の精肉店」が決める世界のステーキトップ10肉をただ焼くというシンプルな調理法でありながら、その肉質や手法によりその味を大きく変えるステーキ。“パリ一番の精肉店”の店主を案内人に、究極のステーキを求めて有名、無名のステーキハウスを食べ歩く『ステーキ・レボリューション』が到着した。監督を務めたのは、フランスが誇るシャロレー牛の繁殖農家出身でもあるフランク・リビエラ。本作は彼にとってはじめてのドキュメンタリーとなる。また世界中のステーキを食べ歩く案内人には、「レクスプレ...
『ブラジル・バン・バン・バン:ザ・ストーリー・オブ・ソンゼイラ』|MOVIE
MOVIE|ジャイルス・ピーターソン、サンバの国ブラジルを旅する『ブラジル・バン・バン・バン:ザ・ストーリー・オブ・ソンゼイラ~ジャイルス・ピーターソンとパーフェクトビートを探しもとめて~』世界でもっとも影響のあるDJとして知られるジャイルス・ピーターソンが、サンバの国ブラジルを旅しながら、“いまのブラジルを象徴する音楽”に挑むドキュメンタリー。『ブラジル・バン・バン・バン:ザ・ストーリー・オブ・ソンゼイラ~ジャイルス・ピーターソンとパーフェクトビートを探しもとめて~』が、10月9日(金)より渋谷アップリンクで公開される。Text by YANAKA Tomomiアルバム制作の傍ら、街に飛び出し歴史と文化の理解を深めるジャイルスこれまで多くのクラブミュージックを紹介し、親日家としても知られるジャイルス・ピーターソン。彼が10代のころから愛してやまない“音楽の楽園”、ブラジル・リオデジャネイロを旅するドキュメンタリーが上陸した。出演するのは、ジャイルスはもちろんのこと、ブラジルのサン...
発見された驚異の才能、ヴィヴィアン・マイヤーの謎に迫る|MOVIE
MOVIE|発見された驚異の才能、ヴィヴィアン・マイヤーの謎に迫る奇跡のドキュメンタリー『ヴィヴィアン・マイヤーを探して』もし彼女が自分の作品を世間に公表していたら、20世紀の写真史を変えていたかもしれない。謎の女性写真家の発見に至るまでを描いた奇跡のアート・ドキュメンタリー『ヴィヴィアン・マイヤーを探して』が、10月10日(土)よりロードショーされる。Text by KUROMIYA Yuzuいま明らかになる、ひとりの人間の時を超えて知る生きざまきっかけは2007年、アメリカ・シカゴ在住のジョン・マルーフが、オークションで手に入れた写真をブログにアップしたこと。すると熱狂的な賛辞がたくさん寄せられたのだ。この発見を世界の主要メディアが取り上げ、発売された写真集は全米売上1位を記録する。撮影者の名はヴィヴィアン・マイヤー。すでに故人で、職業は元ナニー(乳母)。15万枚以上の作品を残しながら、生前1枚も公表することがなかったという。ナニーがなぜこれほど優れた写真が撮れたのか? どうし...
理想の一献を目指す能登杜氏たちを追うドキュメンタリー『一献の系譜』|MOVIE
MOVIE|理想の一献を目指す能登杜氏たちを追うドキュメンタリー継承される日本酒造りの記録『一献の系譜』日本が世界に誇るお酒「日本酒」とその造り手「杜氏」。能登という風土が醸し出す、酒造りの世界を追ったオニバスドキュメンタリー『一献の系譜』が、9月26日(土)より新宿武蔵野館でロードショーされる。Text by KUROMIYA Yuzu大寒の時期、不眠不休で酒造りをおこなう杜氏たち日本古来より親しまれてきた「日本酒」造りは、農閑期となる冬、農夫が現金稼ぎのために働きに出たことがはじまりだったという。家族と離れ、辛く厳しい現場で蔵全体の未来を左右するほど、大きな責任が課せられるひとりの選ばれし「杜氏」というポジション。本作では、石川県能登半島を出身とする酒造りの技能集団「能登杜氏」を通して、日本酒造り、伝統の継承、そして自然豊かな能登という風土を描き出す。おなじく能登を舞台にしたドキュメンタリー『ひとにぎりの塩』でも監督を務めた石井かほりが再びメガホンを取り、ナレーションは篠原とも...