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2015年9月25日
理想の一献を目指す能登杜氏たちを追うドキュメンタリー『一献の系譜』|MOVIE
MOVIE|理想の一献を目指す能登杜氏たちを追うドキュメンタリー
継承される日本酒造りの記録『一献の系譜』
日本が世界に誇るお酒「日本酒」とその造り手「杜氏」。能登という風土が醸し出す、酒造りの世界を追ったオニバスドキュメンタリー『一献の系譜』が、9月26日(土)より新宿武蔵野館でロードショーされる。
Text by KUROMIYA Yuzu
大寒の時期、不眠不休で酒造りをおこなう杜氏たち
日本古来より親しまれてきた「日本酒」造りは、農閑期となる冬、農夫が現金稼ぎのために働きに出たことがはじまりだったという。家族と離れ、辛く厳しい現場で蔵全体の未来を左右するほど、大きな責任が課せられるひとりの選ばれし「杜氏」というポジション。
本作では、石川県能登半島を出身とする酒造りの技能集団「能登杜氏」を通して、日本酒造り、伝統の継承、そして自然豊かな能登という風土を描き出す。
おなじく能登を舞台にしたドキュメンタリー『ひとにぎりの塩』でも監督を務めた石井かほりが再びメガホンを取り、ナレーションは篠原ともえが担当した。
偉大な師の背中を追う若手の葛藤
全国の杜氏集団のなかでも、現在吟醸酒の礎を築いた有名杜氏たち四人衆「能登杜氏四天王」。彼らが築き遺したもの、それは後輩杜氏のなかに息づいていた。
4人全員を師とする現役トップの杜氏ふたり、永遠の挑戦者・坂口幸夫杜氏とミスターパーフェクト・家修杜氏。そしてそれにつづく若手杜氏たち。なかには、能登杜氏はじまって以来の初の女性杜氏のデビュー姿や、大きすぎる先輩の背中に追いつけないジレンマのなかにある者も。
大寒の時期、目に見えない菌と闘い理想の一献を目指す杜氏の姿を映し出す。