コミックから生まれた大ヒット作『ボヴァリー夫人とパン屋』|MOVIE
MOVIE|官能的でユーモラスな大人のためのファンタジー
コミックから生まれた大ヒット作『ボヴァリー夫人とパン屋』
パン屋を営む男性が自身の妄想と現実を交錯させる、官能的でユーモラスなフランス映画『ボヴァリー夫人とパン屋』が7月11日(土)より、シネスイッチ銀座ほかでロードショーされる。
Text by YANAKA Tomomi
名優ファブリス・ルキーニ×麗しき新鋭ジェマ・アータートン
ギュスターヴ・フローベールの最高傑作として知られる『ボヴァリー夫人』の世界を、隣人の美しい妻ジェマ・ボヴァリーと重ねてしまう平凡なパン屋を描いた『ボヴァリー夫人とパン屋』。イギリスの絵本作家、ポージー・シモンズの同名コミックを映画化し、本国フランスで興行成績1位を4週にわたって獲得した話題作が公開される。
メガホンを取ったのは、元女優であり、『ドライ・クリーニング』(1997年)がヴェネチア国際映画祭最優秀脚本賞などに輝いたアンヌ・フォンテーヌ監督。ノルマンディーの牧歌的な雰囲気のなか、大人のファンタジーのような作品を完成させた。
キャストには、主人公のパン屋マルタン役に、セザール賞を6回受賞している名優ファブリス・ルキーニが配され、抜群のユーモアセンスを発揮。また、『007 慰めの報酬』でボンドガールに抜擢されたイギリス人のジェマ・アータートンが見事なフランス語を披露し、小説と現実が絡み合う独自の世界観を体現している。
隣人に小説『ボヴァリー夫人』を重ねてしまうパン屋のマルタン
故郷のノルマンディーに戻り、父親の跡を継いでパン屋を営む文学好きのマルタン。彼の唯一の趣味は小説『ホヴァリー夫人』を読みふけることだった。
妻と子どもと平穏に暮らしていたある日、イギリス人夫婦が隣に越してきた。その妻の名はなんとジェマ・“ボヴァリー”。若く魅力的なジェマに魅了されながらも次第にマルタンは小説のなかのエマ・ボヴァリーと重ね合わせていってしまう。
しかし、小説の結末はといえば、不倫と借金の末に追い詰められ、ボヴァリー夫人が服毒自殺をしてしまうのだ。ジェマが小説のとおり悲劇的な運命をたどらないようマルタンはある行動に出るが……。
ノルマンディーの空気、パンの焼きあがる芳ばしい香り、そしてみずみずしい現代のボヴァリー夫人。エスプリの効いた大人のための物語が日本にも到着する。
『ボヴァリー夫人とパン屋』
7月11日(土)より、シネスイッチ銀座ほか全国公開
監督|アンヌ・フォンテーヌ
出演|ファブリス・ルキーニ、ジェマ・アータートン、ジェイソン・フレミング、ニールス・シュナイダー、イザベル・カンディエ
配給|コムストック・グループ
2014年/フランス/99分/原題『Gamma Bovey』
http://www.boverytopanya.com
© 2014 – Albertine Productions – Ciné-@ - Gaumont – Cinéfrance 1888 – France 2 Cinéma – British Film Institute