グザヴィエ・ボーヴォワ監督によるヒューマンコメディ『チャップリンからの贈りもの』|MOVIE
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2015年7月14日

グザヴィエ・ボーヴォワ監督によるヒューマンコメディ『チャップリンからの贈りもの』|MOVIE

MOVIE|実際にあったチャップリンの遺体誘拐事件を映画化

グザヴィエ・ボーヴォワ監督によるヒューマンコメディ『チャップリンからの贈りもの』

チャップリンの遺体が誘拐されるという実際にあった事件をもとに、グザヴィエ・ボーヴォワ監督がユーモアとほろ苦い人間味をくわえたヒューマンドラマ『チャップリンからの贈りもの』。7月18日(土)より、YEBIS GARDEN CINEMA、シネスイッチ銀座ほか全国順次公開される。

Text by YANAKA Tomomi

チャップリンの遺族が全面協力

1978年にスイスで実際に起きた“チャップリン遺体誘拐事件”が、40年近い歳月を経て映画化された。『神々と男たち』で2010年、カンヌ国際映画祭の審査員特別大賞を受賞した名監督グザヴィエ・ボーヴォワ監督の手で。

小悪党だが憎めないエディ役には、コメディアンとしても定評のあるブノワ・ポールヴールド。相棒のオスマン役、ロシュディ・ゼムと息のあった演技を見せている。さらにカトリーヌ・ドヌーヴとマルチェロ・マストロヤンニを両親にもつ、キアラ・マストロヤンニが華を添えるなど、個性豊かな演技派俳優が顔をそろえる。

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さらに音楽を手がけたのは、『シェルブールの雨傘』『ロシュフォールの恋人たち』などで知られる巨匠ミシェル・ルグラン。哀愁を誘う『ライムライト』のテーマ曲を巧みにアレンジし、全編をきらめくような音楽で彩る。

映画化にあたり、チャップリンの遺族が全面的に協力。実際にチャップリンが埋葬された墓地がロケ地として提供されたほか、亡くなるまで住んだ邸宅に当時のままの調度品をそろえ、孫娘のドロレス・チャップリンが未亡人を演じるシーンも盛り込まれた。さらに、息子のユージーン・チャップリンが、サーカスの支配人役として出演を果たしている。

身代金で生活を立て直そうと犯行を決意するエディとオスマン

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1977年、スイス・レマン湖畔の小さな町、ヴヴェイ。刑務所を出所したお調子者のエディを親友のオスマンが迎えた。オスマンの娘はまだ小さく、妻は入院中。医療費が払えなくなるほど貧しい生活を送っていた。そんなときにテレビから入ってきたのは、“喜劇王チャップリン死去”という衝撃のニュース。エディは埋葬されたチャップリンの棺を盗み、身代金で生活を立て直そうと、弱気のオスマンを巻き込んでの犯行を決意する。

しかし、詰めの甘い計画は次から次へとボロを出していく。しかもツキのなさにも見舞われ計画は崩壊寸前。追い詰められたオスマンは最後の賭けにでるのだった。

全編にわたりチャップリンへのオマージュが捧げられ、『ライムライト』『黄金狂時代』など名作を彷彿とさせるシーンが織り込まれた『チャップリンからの贈りもの』。実際の事件をハートウォーミングに仕上げた、グザヴィエ・ボーヴォワ監督の手腕が光る作品だ。

『チャップリンからの贈りもの』
7月18日(土)より、YEBIS GARDEN CINEMA、シネスイッチ銀座ほか全国順次ロードショー
監督・脚本|グザヴィエ・ボーヴォワ
出演|ブノワ・ポールヴールド、ロシュディ・ゼム、キアラ・マストロヤンニ
配給|ギャガ
2014年/フランス/115分/原題『La Rançon de la Gloire』

http://chaplin.gaga.ne.jp

© Marie-Julie Maille / Why Not Productions

           
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