2013年お正月特集
「2013年お正月特集」に関する記事
ジム・ジャームッシュ監督4年ぶりの新作『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ』|MOVIE
MOVIE|何世紀もの間愛し合ってきた、吸血鬼のラブストーリージム・ジャームッシュ監督4年ぶりの新作『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ』(1)“孤高の映像作家”として、リスペクトを集めつづけるジム・ジャームッシュ監督。7年間温めつづけていた構想をもとに、4年ぶりに発表した新作が『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ』だ。何世紀にもわたり愛し合ってきた吸血鬼のラブストーリーが12月20日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほかで全国公開される。Text by YANAKA Tomomiティルダ・スウィントンが吸血鬼に!『ストレンジャー・ザン・パラダイス』(1984年)や『ブロークン・フラワーズ』(2005年)など、一貫してアウトサイダーを描いてきたジム・ジャームッシュ監督。“インディペンデント映画の巨匠”と呼ばれ、熱い支持を受けつづける彼が放つ新作は、何世紀もの間、人目を忍んで生きつづけてきた吸血鬼という、あらたなアウトサイダーの姿だった。ジャームッシュ監督のもとに、新旧の豪...
ART FILE 27|ダミアン・ハースト回顧展「Relics」|連載「世界のアート展から」
ART FILE 27|カタール・ドーハ|「ALRIWAQ DOHAエキシビションスペース」ピカソを越えた!アーティストダミアン・ハースト回顧展「Relics(残存)」イギリスを代表する現代美術家 ダミアン・ハースト(Damien Hirst)の、中東初の回顧展が開かれている。カタール・ドーハの「ALRIWAQ DOHAエキシビションスペース」にて、来年の1月26日(日)まで「Relics(残存)」展を開催中。Text by Winsome Li (OPENERS)サザビーズで過去最高の総落札額を達成イギリス・ブリストルで生まれ、1980年代から活躍するコンテンポラリーアーティスト、ダミアン・ハースト。アート学校のゴールドスミス・カレッジに在籍するとき、自ら企画展「Freeze」を開催し、学友達と自分の作品を展示した。その企画展はイギリスのアートシーンにおける新たなアートムーブメントとして、かなりの注目を浴びたという。ダミアン・ハーストが手掛ける「生と死」のテーマを探究する奇抜なア...
ART|エスパス ルイ・ヴィトン東京で森万里子『Infinite Renew』展
ESPACE LOUIS VUITTON TOKYO|エスパス ルイ・ヴィトン東京テーマは「エネルギーの果てしない再生」エスパス ルイ・ヴィトン東京で森万里子『Infinite Renew(無限の再生)』展ルイ・ヴィトン表参道ビルの7階に広がるアートスペース「エスパス ルイ・ヴィトン東京」で、国際的に活躍する現代アーティスト森万里子(もり・まりこ)氏による個展『Infinite Renew(無限の再生)』が、来年1月5日(日)まで開かれている。Text by YANAKA Tomomi今回のために制作された新作など8点を展示「エスパス ルイ・ヴィトン東京」で個展を開催する初の日本人アーティストに選ばれた森万里子氏。2005年のヴェネツィア・ビエンナーレに出品されたインタラクティブ・インスタレーション『WAVE UFO』で一躍その作品が世に知れ渡り、世界の美術館やコレクターから支持を集めてきた。今回の展示では「エネルギーの果てしない再生」をテーマに8点の作品を展示。そのうち7点は本展...
ART|『六本木クロッシング2013展:アウト・オブ・ダウト』
ART│日本の現代アートの“いま”をグローバルな視点から問いかける『六本木クロッシング2013展:アウト・オブ・ダウト-来たるべき風景のために』今年で開館10周年を迎えた森美術館の記念展となる『六本木クロッシング2013展:アウト・オブ・ダウト-来たるべき風景のために』が2014年1月13日(月・祝)まで開かれている。Text by YANAKA Tomomi日本の現代アートに精通した30代のキュレーター二人を海外から招聘日本のアートシーンを総括する3年に一度の展覧会シリーズとして知られる『六本木クロッシング』。4回目となる本展では、東日本大震災以降、社会的な時間や意識が明確に高まっている現在の日本において、これまでのあらゆる社会通念や既存の制度に向けられた疑念(ダウト)から、どのような生産的な議論を生み出せるかという問題を提起しようと企画。田島美加《エキストラ》 2010年 Photo: Jason Mandella Courtesy: Sculpture Center, New...
MOVIE|“終活”と真摯に向き合う究極の物語『母の身終い』
MOVIE|死後を生前から準備する“終活”と真摯に向き合う究極の物語母親と息子の絆を描いた『母の身終い』 「自分らしい最後を迎えたい」。不治の病に冒され死期が近い母親が決心した、究極の選択に戸惑う息子。死後を生前から準備する“終活”を描く『母の身終い(みじまい)』が、11月30日(土)よりシネスイッチ銀座ほかにて全国ロードショーされる。Text by KUROMIYA Yuzu愛する人の究極の選択をどう受け止めるか 人はさまざまな出来事や、感情の激しい起伏をなんとか受け入れて、長い人生をひたすら歩んでいく。そして誰にでも訪れる最期のとき。そこで気にかかるのは人生の終わり方かもしれない。もちろん誰もが心穏やかに終焉を迎えたいと思うだろう。しかし、高齢化社会や核家族化に長じて起こる介護問題や終末医療の是非などが取りざたされる現代において、それは自分自身でコントロールできるのだろうか?『母の身終い』はそんな思いや不安を抱く私たちに、ひとつの終焉のケースを提示し、人生のあり方や最期への心が...
INTERVIEW|アーティスト 篠原有司男、乃り子夫妻インタビュー
INTERVIEW|型破りな夫婦を描いたドキュメンタリー『キューティー&ボクサー』が全米で話題に!アーティスト 篠原有司男、乃り子夫妻インタビュー(1)ブルックリンに住む前衛アーティスト、篠原有司男と乃り子夫妻の姿を追った、ザッカリー・ヘインザーリング監督のドキュメンタリー『Cutie and the Boxer(邦題:キューティー&ボクサー)』が、全米で大きな話題を集めている。サンダンス映画祭では監督賞を獲得。ニューヨークやロサンゼルスをはじめとする都市で公開され、夫妻の型破りな生き方が大きな共感を呼んでいる。その素顔に迫るべく、ふたりが住むブルックリンのロフトを訪ねた。Photographs by YANAGAWA ShinoText by KUROBE Eri映画では描かれなかった夫婦の壮絶なストーリー映画の冒頭で、80歳になった有司男が、彼の代名詞ともいえる“ボクシング・ペインティング”をおこなうシーンがある。ボクサーの先にフォームをつけ、これを絵の具に浸してカンバスにパン...
東京都現代美術館|「TOKUJIN YOSHIOKA _ Crystallize」開催
東京都現代美術館吉岡徳仁の作品世界を、初めて包括的に概観できる過去最大の個展「TOKUJIN YOSHIOKA_Crystallize」開催アート、デザイン、建築など幅広い領域で自由な着想と実験的なクリエイションから生まれる作品により、国内外で高く評価されている吉岡徳仁氏の展覧会「TOKUJIN YOSHIOKA_Crystallize」が、10月3日(木)より東京都現代美術館で開催されている。Text by KAJII Makoto (OPENERS)吉岡氏の考える人間と自然の関係性とは何か大規模なインスタレーションをはじめ日本での初公開作品・新作をふくむ吉岡徳仁氏の作品世界を、初めて包括的に概観できる機会となる展覧会「TOKUJIN YOSHIOKA_Crystallize」。本展では、新作の音楽を聴かせながら結晶化させた絵画「Swan Lake」や、7つの糸から生み出される椅子「蜘蛛の糸」などを発表する。また、「―自然から生み出される。」という言葉に込められた、吉岡徳仁氏の考...
ART|『スヌーピー展 しあわせは、きみをもっと知ること。』
ART│森アーツセンターギャラリーで、大好きなスヌーピーの世界を深く見る『スヌーピー展 しあわせは、きみをもっと知ること。』アメリカのチャールズ・M・シュルツ(Charles M. Schulz)氏の漫画『ピーナッツ』なかから飛び出し、世界中のひとを魅了するスヌーピーの秘密に迫るとともに、貴重な作品を展示する『スヌーピー展』が10月12日(土)に六本木ヒルズの森アーツセンターギャラリーで開幕。2014年1月5日(日)まで開かれる。Text by YANAKA Tomomi厳選された原画100点を日本ではじめて公開1950年から2000年までじつに50年にもわたり、チャールズ・M・シュルツ氏(1922~2000年)により新聞連載された『ピーナッツ』。シュルツ氏が引退を宣言した1999年にはその掲載数が75カ国2600紙にものぼるなど、世界的人気を誇る。また、演劇や音楽、ファッションなどのカルチャーシーンにも多くの影響を与え、日本では、詩人の谷川俊太郎氏が翻訳を担当。20世紀のアメリカ...
ART|東京アートミーティング『うさぎスマッシュ展 世界に触れる方法』
ART│4回目となる今年のテーマは考える方向性を示唆するための“デザイン”東京アートミーティング(第4回)『うさぎスマッシュ展 世界に触れる方法(デザイン)』現代アートとさまざまな分野の表現が出合うことであらたな可能性を探求する東京アートミーティング。4回目の展覧会『うさぎスマッシュ展 世界に触れる方法(デザイン)』が来年1月19日(日)まで江東区の東京都現代美術館で開催中だ。Text by YANAKA Tomomi常識的な見方や固定観念に打ち込む、アートによる“スマッシュ”毎年趣向を変えて、現代アートについて考える東京アートミーティングの今年のテーマは「デザイン」。今回は、市場拡張のために絶え間なく生み出される「かたち」ではなく、わたしたちの周りで起きている問題に気づかせ、考える方向性を示唆するものとしてのデザインとアートの表現を「世界に触れる方法(デザイン)」として紹介する。展覧会では東京都現代美術館のチーフ・キュレーターである、長谷川祐子氏にくわえ、共同キュレーターとしてデ...
ART|金沢21世紀美術館『島袋道浩:能登』
ART│若者たち25人とともに能登を旅する金沢21世紀美術館『島袋道浩:能登』ベルリン在住のアーティスト島袋道浩(しまぶく・みちひろ)が若者たちとともに能登を旅し、特産の「くちこ」や、「たたら製鉄」のつくり方について学び、展示室に再現する『島袋道浩:能登』。来年3月2日(日)まで金沢21世紀美術館で開かれている。Text by YANAKA Tomomi「くちこ」や「たたら製鉄」について学び、展示室に再現「十代後半の若者の人格形成と社会関係の構築に美術教育が有効である」という近年の研究報告をもとに、「ニート」や「フリーター」を視野に入れアーティストとともに共同制作。18歳から39歳までの若者たちの社会参加を重点的に支援しようと金沢21世紀美術館が2007年からスタートしたのが、「金沢若者夢チャレンジ・アートプログラム」。2011年からは「美術館はメディエーター(仲介者)」をキーワードにシリーズ化。3年目となる本年度は「社会/世界」をテーマに、現代美術をとおして出会いと対話を重ねなが...
ART|東京国立近代美術館で『ジョセフ・クーデルカ展』
ART│プラハ侵攻を撮影した伝説のカメラマンによる日本初の本格的な回顧展東京国立近代美術館で『ジョセフ・クーデルカ展』開催1968年、ワルシャワ条約機構軍のプラハ侵攻を撮影し、その写真が匿名のまま西側に配信されて一躍脚光を浴びた伝説的な写真家、ジョセフ・クーデルカ。彼の本格的な回顧展『ジョセフ・クーデルカ展』が、アジアで初めて東京で開催。11月6日(水)から2014年1月13日(月・祝)まで東京国立近代美術館で開かれる。 Text by YANAKA Tomomi 未発表のヴィンテージプリントや最新作など約280点を展示ジョセフ・クーデルカは1938年チェコスロヴァキア生まれ。航空技師として働きながら1960年代初頭から写真を発表しはじめ、プラハの劇場での写真をつうじてチェコスロヴァキアの写真界にその存在を知られるようになる。1968年に起こったプラハ侵攻を撮影し、写真は本人や家族への報復の懸念から「プラハの写真家」のイニシャルであるP.P名義で発表。そして、その衝撃的な写真は19...
ART|『植田正治とジャック・アンリ・ラルティーグ-写真であそぶ-』
ART│純粋で自由、不思議な魅力を放つ二人の“偉大なるアマチュア写真家”東京都写真美術館 『植田正治とジャック・アンリ・ラルティーグ-写真であそぶ-』“偉大なアマチュア写真家”として知られる植田正治(1913-2000年)とジャック・アンリ・ラルティーグ(1894-1986年)。彼らの作品をともに展示する『植田正治とジャック・アンリ・ラルティーグ-写真であそぶ-』が、11月23日(土・祝)から2014年1月26日(日)まで東京都写真美術館で開かれる。 Text by YANAKA Tomomi 鳥取砂丘で撮影してきた植田と、日常を切り取ってきたラルティーグ純粋で自由で、そして観る者の心を捉えて離さない不思議な魅力を放つ、植田正治とジャック・アンリ・ラルティーグの作品。生涯アマチュア精神を貫き、撮ることを純粋に楽しんだ彼らの作品を並列し、「人間にとって写真とはいったい何か」を問いかける展覧会が開かれる。ふるさと鳥取で営業写真館を営む傍ら、鳥取砂丘を舞台に家族らをモデルにした演出写真を...
ART|山梨県で『キース・ヘリングの記号性 vol.2』展
ART|ヘリング作品とアフリカ美術との関係性を読み解く山梨県でキュレーターズ・セレクション007 『キース・ヘリングの記号性 vol.2』展1980年代のニューヨークのアートシーンを席巻したアーティスト、キース・ヘリングとアフリカ美術との関係を浮かび上がらせるキュレーターズ・セレクション007 『キース・ヘリングの記号性 vol.2』。2014年1月6日(月)まで山梨県北杜市の中村キース・ヘリング美術館で開かれている。 Text by YANAKA Tomomi クバ族のテキスタイルと共通するヘリングの記号性ニューヨークでの地下鉄構内をつかったいわゆる「サブウェイ・ドローイング」で一躍脚光を浴び、1990年に他界するまでの10年間を、駆け抜けるように、精力的なアートワークをおこなってきたキース・ヘリング。彼の作品約160点を収蔵し、プライベート美術館としてその存在感を発揮する中村キース・ヘリング美術館で、“キュレーターズ・セレクション”として、ヘリングとアフリカ美術の関係性について...
ART|柿沼康ニ『書の道“ぱーっ”』展
ART│書道と現代アートの領域を自在に行き来するアーティスト柿沼康ニ『書の道“ぱーっ”』を金沢21世紀美術館にて開催「書を現代アートに昇華させたアーティスト」として知られる、書家柿沼康ニ(かきぬま・こうじ)氏。彼の書の全貌を紹介する『書の道“ぱーっ”』が11月23日(土・祝)、金沢21世紀美術館で開幕、2014年3月2日(日)まで開かれる。Text by YANAKA Tomomi「書とは何か」を柿沼作品から考える柿沼康ニ氏は1970年生まれ。5歳から筆をもち、父である柿沼翠流、手島右卿、上松一條に師事。「書はアートたるか、己はアーティストたるか」を命題に、既存の書に収まらないあらたな書の地平に挑みつづけてきた。現代書家のなかでも書の歴史を強く意識し、現代と向き合いながら制作してきた柿沼氏。古人や能筆家(歴史上の書家のこと)との対話である「臨書」や、書を時間的、空間的に発展させて巨大なスケールで展開するインスタレーションなど、書、現代アート、さらにはサブカルチャーを横断した今日的な...
MOVIE|待望の痛快エンタテイメント続編『REDリターンズ』
MOVIE|超豪華スター競演のアクション・エンタテイメント再始動!引退した伝説のスパイチーム“RED”が世界を救う『REDリターンズ』 2011年、日本でも大ヒットを記録し、全世界興収2億ドルを突破したブルース・ウィリス&超豪華スター競演の痛快アクション・エンタテイメント『RED/レッド』。その待望の続編『REDリターンズ』が11月30日(土)より全国公開される。Text by KUROMIYA Yuzuスケールもキャストも「型破り」で帰ってきた CIAを引退した超一流のスパイチーム、コードネーム「RED:Retired Extremely Dangerous」(引退した超危険人物)が、現役復帰して挑むミッションは、なんと世界を揺るがす巨大な危機――時代とともに闇に葬られてきた極秘プロジェクトが、REDを再び戦いの舞台に呼び戻す。キャストは前作同様、ブルース・ウィリス、ジョン・マルコヴィッチ、ヘレン・ミレン、メアリー=ルイーズ・パーカー。 そこに名優アンソニー・ホプキンス、キャサリ...