“奇才レフティ”の異名をとる、BUCK-TICKのギタリスト今井寿の愛機『BT-MM』をフィーチャーしたBE@RBRICKとフォトTシャツが登場|MEDICOM TOY
DESIGN / FEATURES
2022年7月10日

“奇才レフティ”の異名をとる、BUCK-TICKのギタリスト今井寿の愛機『BT-MM』をフィーチャーしたBE@RBRICKとフォトTシャツが登場|MEDICOM TOY

MEDICOM TOY|メディコム・トイ

メジャーデビュー35周年を記念したスペシャルなBE@RBRICK

BUCK-TICKのギタリストとして日本のロックシーンを牽引してきた今井寿。その影響力はサウンドのみならず、ヴィジュアルや各種クリエイティブにまで及んでいる。そんな彼がBUCK-TICKメジャーデビュー35周年を記念して生み出したBE@RBRICK。その背景について語った。

Text by SHINNO Kunihiko | Photographs by NAGAO Masashi | Edit by TOMIYAMA Eizaburo

BT-MMは弓で弦を弾くパフォーマンスに使いたかった

BUCK-TICKメジャーデビュー35周年を記念して、メディコム・トイとヒラカワレンタロウによるロックアパレルブランド“Amplifier”より、ギタリスト今井寿のBE@RBRICKと新作フォトTシャツが発売されることになった。
いずれも今井氏の愛機『BT-MM』、通称“マイマイ”をフィーチャーしたもので、BE@RBRICKは今井氏自身が手がけた同ギターのイラストを大胆にあしらったものとなる。
OPENERSには2019年以来の登場となる今井氏(https://openers.jp/design/design_features/Hl8mX)。今回はファンの間では"今井寿といえばこのギター"とまで言われる『BT-MM』にスポットを当て、お話をうかがった。
「最初に自分のオリジナルギターを作ったのはアマチュア時代ですね。地元の先輩であるBOØWYの布袋寅泰さんがギターにペイントしていたのを見て、白のテレキャスタイプ(FERNANDES TEJ)に黒と赤でペイントしたのが最初です。
シェイプ(形)から作ったのはメジャーデビュー後。フェルナンデス(ギターメーカー)の担当の人と相談しながら作りました。1台目はボディをひし形にカットした変形ギター(FERNANDES TSUCHINOKO)だったんですけど、出来上がったものは想像より一回り小さくて、少しバランスが悪かったんです。
『BT-MM』は2台目で、弓で弦を弾くパフォーマンスとしても使いたかったので、バイオリンのフォルムを模したギターを作ろうと思ったのがきっかけです。先端のくるくるって巻いている部分やエフホールの形状にもこだわった結果、なかなかいいデザインになったと思います。最初に披露したのは1989年の東京ドーム公演。型番のBT-MMやマイマイという通称はフェルナンデスの担当の人が勝手につけた名前なんですけど、まあ、いいやって感じですね(笑)」
BUCK-TICKでは大半の作曲を手がけ、“奇才レフティ”の異名を持つ今井氏。左手のストロークから生み出される独創的なリフやフレーズは数多くの人々を魅了してきた。
「ものを書くのは右手だし、野球するときも普通に右だったんですけど、ちょっとしたところで逆だったりするんです。トランプを切るときは左手だったり。
小学生の頃、叔父がギター教えてやるからってアコースティックギターを持たされたんですけど、最初から右手でネックを掴んだ方が自然だったんですよね。“お前、それ逆だぞ”って言われても意味が分からなくて。逆って何だろう? あ、こういうことかと思ったけど、どうやっても持てなくて。いや、もう無理って(笑)。
当時はギターに興味なかったので、そのまましばらくほったらかしだったんですけど、高校生になってバンドやろうっていう時に、そういえば……ってその時の記憶を思い出したんです。右と左、どうしよう? ここで道を間違えたら大変なことになるぞと(笑)。でも、どうやっても左の方が弾きやすいんです。体が馴染むというか。うちの父親と祖父が左利きなので、たぶんそんな感じの血が入ってるんじゃないかな。
ギターは両手使うし、あまり深く考えなくてもいいんじゃないかなと思うようにして、レフティのギターを買うことにしたんです。ただ、レフティのギターって、通常のものと比べて値段が高いんです。最初、親が調べたら“10万円くらいする”と言われて。ただ、それはいいメーカーのもので。僕は雑誌の白黒ページの広告に、たまたま1万9800円の安いやつがあったので、これでいいやと思ってバイト代で買って。まだそのギター、手もとにありますよ。本来は右利きなんだから両方弾けたら面白いなって思ったんですけど、全然無理でした(笑)」
サウンドのみならず、髪型やメイク、衣装でも魅了してきた今井氏。独特の美意識のルーツについてもうかがった。
「アーティストの宇野亜喜良さん、横尾忠則さん。海外だとサルバドール・ダリ、ジョルジョ・デ・キリコに影響を受けました。漫画家さんだと荒木飛呂彦さん。『ジョジョの奇妙な冒険』に出てくる、ちょっと軽いタッチの絵が好きなんです。『ジョジョの奇妙な冒険』も今年35周年なんですよね(少年ジャンプ1987年1号より連載開始)。何年か前にファンの人から当時の少年ジャンプが送られてきて、ジョジョが表紙で、裏を見たら僕らが出ていたビクターの『CDian』(※1)の広告だったんです。あっ、こんなの持ってる子いるんだと思って。何か縁を感じて面白かったです」
(※1)BUCK-TICKとJVC(旧ビクター)は1988年に「重低音がバクチクする。」のキャッチコピーで、サブウーハーを搭載した本格的なCDラジカセ「CDian」キャンペーンを展開。2015年に両者は再び「ハイレゾがバクチクする。」としてハイレゾ関連機器をアピールしている。
今井寿の仕事部屋にある、日本を代表する挿絵画家、グラフィックデザイナー・宇野亜喜良氏の作品たち。2010年にBUCK-TICKのアルバム『RAZZLE DAZZLE』のジャケット手がけ、2012年の舞台『天守物語』では美術・衣裳を宇野氏、テーマ曲を今井氏が担当している。
『ジョジョの奇妙な冒険』『岸辺露伴は動かない』などの大ヒット作で知られる漫画家・荒木飛呂彦氏。今井氏がコレクションするピンズセットや石仮面はファン垂涎のアイテム。
「メカニカルなものと人間の融合には昔から興味があって、<スピード>(1991年発売シングル)という曲のミュージックビデオを作る時は、歯車とかホースを取り付けた楽器をみんな持って演奏シーンを撮りました。今でいうスチームパンクみたいな感じですね。
漫画家さんだと『BLAME!』や『シドニアの騎士』の弐瓶勉さんも大好きです。弐瓶さんには僕らのレーベル(BUCK-TICKのプライベートレーベルLingua Soundaのロゴデザイン)のマークもデザインしていただいて、すごく気に入ってます。
もともとあまり出歩かない生活スタイルだったので、コロナ禍以降も僕自身はあまり変わってないです。映画だったら去年はディズニーの『クルエラ』(21年)が面白かったですね」
独創的なクリエイションが生み出される今井氏の仕事部屋には、さまざまなフィギュアが置かれている。

これは、BT-MMをキャラクターっぽくしようと僕が家で落書きっぽく描いたものです

これまでAmplifierよりフォトTシャツ、フィギュアが発売されていたが、BE@RBRICKのリリースは初となる。
「メディコム・トイの展覧会にも何度か足を運ばせていただいていたので、BE@RBRICKはいつか作ってみたいと思ってました。なので、お話をいただいたときは嬉しかったです。
この柄にしようというアイデアは、Amplifierのヒラカワ君から提案されました。デザインは、10年くらい前に『BT-MM』をキャラクターっぽくしようと、僕が家で落書きっぽく描いたものです。しかもこれ、一発目に描いたものなんです。グッズに使う予定もあったから、もっとちゃんと意識して描こうと思ったんですけど、何度やってもうまくいかなくて。なんか気に入らないんですよね。表情というか、形が。結局一発目が一番良かったので、ずっとそれを使っています。
このBE@RBRICKの製作中、僕は特に何も口出ししてないんですけど、あがってきたものはギターの大きさやバランスもちょうどよく、とても気に入っています。完成したら、自宅地下の仕事部屋に飾るつもりです。これが好評だったら第2弾、第3弾と作っていただきたいです。
でも、BE@RBRICKも時代とともに進化してますよね。この前の展示会(2021年12月4日~9日、東京・表参道で開催された『BE@RBRICK WORLD WIDE TOUR 3』を観に行って、これは新しいなと思ったのが、ベアじゃなく、『サモトラケのニケ』(1863年にサモトラケ島で発見された古代ギリシャの大理石彫刻)の形になっているものがあって、かっこいいなと思いました」
22枚のオリジナルアルバムと40枚のシングルを発表し、2022年9月に不動のメンバーのままデビュー35周年を迎えるBUCK-TICK。9月21日(水)には35年間にリリースした作品を解体・再編纂した5枚組みコンセプトベストアルバム『CATALOGUE THE BEST 35th anniv.』と、ライブBlu-ray&DVD『魅世物小屋が暮れてから~SHOW AFTER DARK~ in 日本武道館』を2作同時リリース。9月23日(金・祝)・24日(土)には、横浜アリーナにてメジャーデビュー35周年のスタートを飾るスペシャルライブ「BUCK-TICK 2022“THE PARADE”~35th anniversary~」を開催する。
「ファンのみんなからは、ライブにも行きたくても行けないですという声がたくさん届いていました。僕たちとしても観せたくても観せられないもどかしさがありましたが、ようやく世の中の状況も少しずつ変わってきているので、横浜アリーナの35周年記念ライブを楽しみにしていてほしいです」
Debut 35th Anniversary LIVE
【BUCK-TICK 2022“THE PARADE”~35th anniversary~】
@横浜アリーナ
BUCK-TICK 2022“THE PARADE”~35th anniversary~ FLY SIDE
2022年9月23日(金・祝)
OPEN17:00 START18:00
BUCK-TICK 2022“THE PARADE”~35th anniversary~ HIGH SIDE
2022年9月24日(土)
OPEN16:00 START17:00
https://buck-tick.com/feature/specialsite_2022parade
BE@RBRICK BUCK-TICK 今井寿 100% & 400% / 1000%
プロデュース|ヒラカワレンタロウ
スーパーバイザー|今井寿
サイズ|各全高約70mm/280mm/700mm
発売日|2022年10月発売・発送予定
価格|[100% & 400%]1万5180円(税込) /  [1000%]6万3800円(税込)
購入方法|2022年6月24日(金)00:00~2022年7月18日(月・祝)23:59の期間、MCT TOKYO(https://mct.tokyo/)にて先行受注を承ります。
※詳細はメディコム・トイ公式サイトをご覧ください。
※監修中のサンプルを撮影しております。発売商品とは一部異なる場合がございます。
©️BANKER L.T.D
BE@RBRICK TM & ©️ 2001-2022 MEDICOM TOY CORPORATION. All rights reserved.
今井寿 フォトTシャツ
Amplifier “今井寿” TEE design G

フォトTシャツ「Amplifier “今井寿” TEE design G」は今井寿の誕生日である10月21日リリース予定。「BE@RBRICK BUCK-TICK 今井寿 100% & 400% / 1000%」も10月発売・発送予定となっている。いずれも受注生産アイテムにつき、確実に手に入れたい方は期間中にアクセスしよう。
プロデュース|ヒラカワレンタロウ
Photo by SHIBATA ERI
スーパーバイザー|今井寿
カラー|白、黒
サイズ|S、M、L、XL
発売日|2022年10月21日発売
価格|各6930円(税込)
購入方法|2022年6月24日(金)17:00~2022年7月31日(日)23:59の期間、メディコム・トイ運営オンラインストア各店にて先行受注を承ります。
©️BANKER L.T.D
©️SHIBATA ERI
問い合わせ先

メディコム・トイ ユーザーサポート
Tel.03-3460-7555

                      
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