ART|『植田正治とジャック・アンリ・ラルティーグ-写真であそぶ-』
ART│純粋で自由、不思議な魅力を放つ二人の“偉大なるアマチュア写真家”
東京都写真美術館 『植田正治とジャック・アンリ・ラルティーグ-写真であそぶ-』
“偉大なアマチュア写真家”として知られる植田正治(1913-2000年)とジャック・アンリ・ラルティーグ(1894-1986年)。彼らの作品をともに展示する『植田正治とジャック・アンリ・ラルティーグ-写真であそぶ-』が、11月23日(土・祝)から2014年1月26日(日)まで東京都写真美術館で開かれる。
Text by YANAKA Tomomi
鳥取砂丘で撮影してきた植田と、日常を切り取ってきたラルティーグ
純粋で自由で、そして観る者の心を捉えて離さない不思議な魅力を放つ、植田正治とジャック・アンリ・ラルティーグの作品。生涯アマチュア精神を貫き、撮ることを純粋に楽しんだ彼らの作品を並列し、「人間にとって写真とはいったい何か」を問いかける展覧会が開かれる。
ふるさと鳥取で営業写真館を営む傍ら、鳥取砂丘を舞台に家族らをモデルにした演出写真を撮影、『アサヒカメラ』などの月例コンテストで入選を重ねモダンな造形表現で知られる植田正治。
一方のジャック・アンリ・ラルティーグは、裕福な家庭に育ち、家族や友人たちとの幸せな日常やスポーツ競技のスナップショットを撮影し、アルバムにまとめた作品がおもわぬかたちで注目を集める。1963年ニューヨーク近代美術館での個展がきっかけとなり、世界的な評価を得てきた。
かつて植田がラルティーグ作品の大ファンだったという事実を受けて、東京都写真美術館とジャック・アンリ・ラルティーグ財団による開催される本展。会場にはおもに東京都写真美術館の収蔵作品より、植田の1930~1950年代の代表作や鳥取砂丘を舞台にした作品を展示。ジャック・アンリ・ラルティーグ財団からは豊富なコレクションのなかから厳選された作品が出品され、合わせて176点が紹介される。
偉大な写真家の業績を堪能するだけではなく、近代的写真表現の成熟期において、ふたりの作品がいかに独特であったか。そして、時代性をとらえていたかを個別的かつ相対的に考える本展。職業写真家ではないからこそ、生み出された自由な表現、ユニークな世界を見れば、私たちも思わずカメラを構えたくなるだろう。
『植田正治とジャック・アンリ・ラルティーグ-写真であそぶ-』
会期│11月23日(土・祝)~2014年1月26日(日)
※月曜休館。ただし、月曜が祝休日の場合は翌火曜を休館。12月29日~1月1日。
時間│10:00~18:00 ※木曜、金曜は~20:00、1月2・3日は11:00~18:00
会場│東京都写真美術館
東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス
Tel.03-3280-0099
観覧料│一般700円、学生600円、中高生・65歳以上500円
ゲストと担当学芸員による対談
日程│11月23日(土・祝)
時間│15:00~17:00
会場│東京都写真美術館
出演│マルティーヌ・ダスティエ(ジャック・アンリ・ラルティーク財団)、金子隆一(東京都写真美術館専門調査員)
司会│鈴木佳子(東京都写真美術館学芸員)
定員│70人 ※当日10:00より受付で整理券を配布
担当学芸員によるフロアレクチャー
日程│会期中の第1・3金曜
時間│16:00~