INTERVIEW|『鈴木理策写真展 意識の流れ』オープニング・トーク  鈴木理策 × 加瀬亮

INTERVIEW|『鈴木理策写真展 意識の流れ』オープニング・トーク 鈴木理策 × 加瀬亮

INTERVIEW|『鈴木理策写真展 意識の流れ』オープニング・トーク 鈴木理策 × 加瀬亮(1)香川県の丸亀市猪熊弦一郎現代美術館で5月31日(日)までロングラン開催中の鈴木理策さんの写真展が、注目を集めている。1980年代半ばから創作活動をスタートし、1998年に故郷である熊野をテーマにした初の写真集『KUMANO』を出版。2000年に木村伊兵衛写真賞を受賞後は、日本各地に残る古代信仰の場や、南仏のサント・ヴィクトワール山、桜、雪、セザンヌのアトリエという多様な対象をそれぞれ異なるアプローチで表現することで、写真というメディアの特性を独自に掘り下げ続ける鈴木さんの姿勢は、国内外のアーティストや若いカメラマンからも支持が厚い。なお、写真展初日の2月1日には「鈴木理策さんが友人を撮った写真を見て『不思議な写真だな』と興味をもって、その後、違う友人を介して紹介され食事をご一緒したのがはじまり」という友人の加瀬亮さんも駆けつけ、オープニング・トークも実現。下記ではそのやりとりを軸に、新...
特集|OPENERS的ニッポンの若手建築家 PARTII  Vol.5  アラキ+ササキアーキテクツ インタビュー

特集|OPENERS的ニッポンの若手建築家 PARTII  Vol.5 アラキ+ササキアーキテクツ インタビュー

Vol.5 アラキ+ササキアーキテクツ(1)セルフビルドという設計手法建築はつくるものではなく、大多数のひとにとって、買うものになって久しい。そこでは有名建築家に家を設計してもらうことが目的になり、その場所で誰とどのような暮らしをしたいのかといった生活本来の目的があとまわしになっている印象がある。荒木源希氏、佐々木高之氏、佐々木珠穂氏の3名によるアラキ+ササキアーキテクツ(A+Sa)は、デザインスタディとしてのセルフビルドを設計理念に、デザインを頭で考えるだけでなく、実際に手を動かし手で思考することを大切にしている建築家グループだ。ユーザーとともに建築について考えつくるという、設計者の手の内をみせることをいとわず、修辞なき建築を目指す彼らに、その設計手法について聞いた。インタビュアー、まとめ=加藤孝司手をつかい、自ら構築すること──3人の出会いをおしえてください。佐々木高之 3人とも大学の同級生で、それ以来の付き合いになります。そもそも40人しかいないクラスだったので、いまでもほぼ...
特集|OPENERS的ニッポンの若手建築家 PARTII  Vol.2  中村竜治インタビュー

特集|OPENERS的ニッポンの若手建築家 PARTII  Vol.2 中村竜治インタビュー

Vol.2 中村竜治インタビュー(1)自立することで快適さをめざす建築当たり前なかたちの繰り返しが、誰も見たことのない椅子になり、オブジェクトになり、そして空間になる。中村竜治氏のつくり出すものは、建築やオブジェクトがもつ規定の枠組みの内と外とを行き来しながら、その規模や概念を拡張していく。徹底的に自立することを考えることから成立するそれらの作品には、我われの、互いが関係を結びつつ自立する、未来の都市のイメージが見え隠れする。登下校の道すがら、少しずつ変わっていく家々のある風景を毎日飽きずに見ていたという幼少期から、建築という大きなスケールでものごとを考えるようになった現在まで、中村氏がとらえる風景と空間への視点にはぶれがない。インタビュアー、まとめ=加藤孝司建築のあった原風景──中村さんが建築に興味をもったきっかけを教えてください。出身は長野県の伊那市というところなのですが、小学生のころ学校の行き帰り路で、家々を見比べるのが好きでした。地元の工務店が建てたおなじような形をした家が...
特集|OPENERS的ニッポンの若手建築家 PARTII  Vol.1  長坂 常インタビュー

特集|OPENERS的ニッポンの若手建築家 PARTII  Vol.1 長坂 常インタビュー

Vol.1 長坂 常インタビュー(1)AとCのあいだにある宙ぶらりんなものあたらしい価値と古いものがもつ価値。長坂氏のつくるものにはそのどちらにも属さない、素の状態がもつ美しさや生真面目さが同居する。マンションや住宅のリノベーション、傷痕の残るテーブルの表面にエポキシ樹脂を流しこみあたらしく生まれ変わったテーブルも、ものづくりとデザインすることの原点回帰といもいえる清々しさがある。普段とは異なる視点から対象を見ることは、それに先行する形態を発見し、そこに未来への道筋をひくことでもある。3・11以後の世界をふまえ、それ以前と以後でゆらぐ現代の価値を、ユニークな視点から建築と都市をとらえる長坂 常氏にうかがった。インタビュアー、まとめ=加藤孝司おおらかに都市を整理するための方法論──長坂さんの最近の興味である“誤用”について教えてください。昨年開催した「LLOVE」(2011年秋に代官山でおこなわれた日本人とオランダ人デザイナーの混成による、泊まれるホテルのエキシビション。長坂氏が日本...
特集|OPENERS的ニッポンの女性建築家 Vol.3 貝島桃代インタビュー

特集|OPENERS的ニッポンの女性建築家 Vol.3 貝島桃代インタビュー

Vol.3 貝島桃代インタビュー (1)いえ、住居、まち、建築についてのいくつかの覚書街はさまざまなスケールの建物で構成されている。ビルディング、タワー、家。街を構成する要素としての「いえ」と言ったときに、人びとはなにを想像するだろうか。街のスケールに対し比較的小さなスケールをもつ「いえ」の設計をつうじ、建築や都市にダイレクトにアプローチするアトリエ・ワンの貝島桃代氏。近著を巡る著者自身による考察と、まちと建築にまつわるさまざまなプロジェクトをとおし、「いえ」からみえてくる、東京と都市について考える。インタビュアー、まとめ=加藤孝司住宅を「建築」としてみる──最近まとめられた貝島さんの『建築からみた まち いえ たてもの のシナリオ』という本があります。この本の成り立ちについて教えてください。建築は、言葉で考えることと、ものをつくることを並行して進めます。このおもしろさを私自身、日々体験するのですが、これを伝えたいと思ってまとめました。──以前から雑誌などで、貝島さんの文章を拝読し...
特集|OPENERS的ニッポンの女性建築家 Vol.4 成瀬友梨インタビュー

特集|OPENERS的ニッポンの女性建築家 Vol.4 成瀬友梨インタビュー

Vol.4 成瀬友梨インタビュー (1)これからの都市でのすまい方縮小の時代といわれ、経済は萎縮し建築も新築は建ちづらくなっているといわれている昨今。若い建築家たちはあたらしい視点から社会をみつめ、いまの時代にしかできないアプローチで都市、そして建築というものに向きあっている。成瀬・猪熊建築設計事務所の成瀬友梨さんは、集まって住むことやシェアという問題にコミットしながら、提案型のアプローチでさまざまな取り組みをつづけている女性建築家だ。絶妙なバランス感覚で社会に切り込んでいくその視点の先にあるものについてじっくりと話をうかがった。インタビュアー、まとめ=加藤孝司建築を仕事にする──建築をこころざしたきっかけを教えてください。小さいころは建築をつくるというと、工事現場の職人さんたちをイメージし、建築家という職能があるということは意識したことがありませんでした。ただ、そのころから母親が美術館に一月に一度くらいの頻度で連れて行ってくれて絵画や彫刻を見るのが好きでしたし、泥遊びをしたり、絵...
特集|OPENERS的ニッポンの若手建築家 PARTII Vol.6 石上純也インタビュー

特集|OPENERS的ニッポンの若手建築家 PARTII Vol.6 石上純也インタビュー

Vol.6 石上純也(1)震災以後に考えていること2011年はこれまで当たり前に思っていた私たちの生活が、根底から揺さぶられる大きな出来事に遭遇した年となった。人びとの暮らしや、日々の営みが大自然の前では無力で、いかに儚いものであったのか2011年ほど実感した年はなかっただろう。石上純也氏は大きなものと小さなもの、建築のスケールから宇宙のスケールまで、あたらしい尺度をもった建築を考えつづけている建築家だ。震災以後の暮らしとは? 未来の生活のリアリティとは? ――石上純也氏が震災以後どのようなことを思い、建築について考えているのか話を聞いた。インタビュアー、まとめ=加藤孝司現代建築を超えていくもの――震災のあと東北に足を運ばれたそうですが、そこで何を感じましたか?想像を絶する状況でした。見渡すかぎり、ほとんど家がないこともそうですし、いま僕らが歩いているこの下にひとが埋まっているかもしれないという凄まじい状況が目の前に実際にありました。正直、なにをするべきかということがまったくわかり...
特集|OPENERS的ニッポンの女性建築家 Vol.5 永山祐子インタビュー

特集|OPENERS的ニッポンの女性建築家 Vol.5 永山祐子インタビュー

Vol.5 永山祐子インタビュー (1)とどかない場所~あたらしい時代のスタンダードのあり方現代はなにもないところからなにかをつくり出すような経済成長時代とは異なり、いまそこにあるスタンダードから、なにか別のスタンダードを生み出す、時代のあり方としてはそんなフェーズに突入しているといえるのではないだろうか。いまあるものに価値を見いだし、これまでにない視点からものを見たり、そこにある現象を考えることで、あたらしい時代の価値は生まれる。永山祐子氏は建築を通してものごとに偏在する普遍的なものから誰もみたことのない価値を抽出し、次世代のスタンダードを創造する。インタビュアー、まとめ=加藤孝司小さなスケールと、大きなスケール──建築に興味をもったきっかけを教えてください。じつはうちの祖父が建築を志していました。私には祖父の記憶はありませんが、谷口吉生さんのお父さまの谷口吉郎さんの研究室にいて、在籍当時、島崎藤村美術館などの設計を手伝っていたそうです。祖父は若くして亡くなったので直接的なやりと...
INTERVIEW|ドラマ「不毛地帯」プロデューサー長部聡介氏インタビュー(前編)

INTERVIEW|ドラマ「不毛地帯」プロデューサー長部聡介氏インタビュー(前編)

ドラマ「不毛地帯」プロデューサー長部聡介氏インタビュー(前編)commmonsより「不毛地帯」オリジナル・サウンドトラック発売ドラマを象徴するメインテーマとは2010年3月11日に全19回の最終回を迎えたフジテレビ開局50周年記念ドラマ「不毛地帯」。回を追うごとに評判が高まっていったこのドラマのメインテーマ「FUMOCHITAI」は、ご存知、坂本龍一氏のオリジナル楽曲。commmonsより「不毛地帯」オリジナル・サウンドトラックが2月17日に発売されたのを記念して、同ドラマのプロデューサー長部聡介氏に話を聞いた。Text by OPENERS19本の連続ドラマの世界観やテーマ性を理解・解釈できる音楽家を──長部さんと坂本さんの接点は?僕はフジテレビでのスタートが歌番組で、『夜のヒットスタジオ』のときに坂本さんのパリからの中継を担当したり、『HEY!HEY!HEY!』でGEISHA GIRLSにかかわったりして、坂本さんと仕事をさせていただきました。アーティストとして興味があるのはも...
ART|清川あさみインタビュー 『銀河鉄道の夜』へと旅をする 前編

ART|清川あさみインタビュー 『銀河鉄道の夜』へと旅をする 前編

ART|宮沢賢治の永遠の名作を最新作50点で彩る大人のための絵本清川あさみ 銀河鉄道の夜を越えて── (前編)これまで独特の世界観と手法から『幸せな王子』『人魚姫』など不朽の名作をモチーフにした絵本を発表してきたアーティスト、清川あさみ。彼女が今回選んだ作品は宮沢賢治の名作『銀河鉄道の夜』。アーティストとして、そして彼女が自分自身として向き合った『銀河鉄道の夜』とは一体どんな世界だったのだろう? 黄金色に輝く空のもと、彼女はその想いを語ってくれた。文=オウプナーズ写真=鈴木健太ファンタジーだけどリアル、そういうあいまいさが彼の作品の魅力──今回シリーズ3作目ですが、なぜ『銀河鉄道の夜』だったんですか?いまの時代どういったストーリーが求められているのだろう? という観点からいつも作品を選んでいます。『幸せの王子』の慈愛にはじまり『人魚姫』で恋愛、じゃあ次は? ってなったときに、どこが終わりでどこがスタートかわからない、境界線がないような『銀河鉄道の夜』の世界観ってとても“いま”っぽい...
ART
INTERVIEW|A BATHING APE®プロデューサー・NIGO® インタビュー(前編)

INTERVIEW|A BATHING APE®プロデューサー・NIGO® インタビュー(前編)

コンピレーションアルバム『TOKYO SUITE SELECTED BY NIGO®』リリースA BATHING APE®プロデューサー・NIGO® インタビュー(前編)数々のプロジェクトで注目を集め、トウキョウのカルチャーをつくりつづけている『A BATHING APE®』プロデューサーのNIGO®氏が、こんどは開業15周年を迎えた“パーク ハイアット 東京”とコラボレーションしてコンピレーションアルバム『TOKYO SUITE SELECTED BY NIGO®』を11月25日にリリースした。文=金子英史Photo by masaco今回は自分の音楽のルーツを辿りながら、コアな東京のカルチャーをイメージコンピレーションアルバム『TOKYO SUITE SELECTED BY NIGO®』は「“パーク ハイアット 東京”で過ごす、至福のひととき」をコンセプトにした作品だが、まさにトウキョウのカルチャーがこの一枚にパッケージされていた。彼はどのように感じて選曲したのだろうか。アルバ...
INTERVIEW|□□□(クチロロ)インタビュー(前編)

INTERVIEW|□□□(クチロロ)インタビュー(前編)

アルバム 『everyday is a symphony』 リリース記念□□□(クチロロ) インタビュー (前編)三浦康嗣と村田シゲによる音楽ユニット“□□□(クチロロ)”に、あらたにいとうせいこう氏が電撃加入。今回は、いとうせいこう氏の加入に至った話から、12月2日(水)にリリースされる最新アルバム『everyday is a symphony』のアルバムの制作まで、□□□の三浦康嗣さんといとうせいこうさんのおふたりにお話をうかがった。文=金子英史Photo by □□□僕の人生にそれまでなかったこと──いとうせいこうもともと「おばけ次元 by OBK」という曲でも共演を果たしていた彼らだが、いとうせいこう氏の□□□(クチロロ)加入には、正直驚いたファンもおおいことだろう。さらに、12月2日にリリースされる最新アルバム『everyday is a symphony』は、“フィールドレコーディング・オーケストラ”と銘打ち、その名のとおり普段聴き慣れた生活音をサンプリングし、再構成を...
INTERVIEW|レミーマルタン社、5代目セラーマスターに訊く

INTERVIEW|レミーマルタン社、5代目セラーマスターに訊く

INTERVIEW|レミーマルタン社のセラーマスターに34歳のバティスト・ロワゾーが就任新旧セラーマスターが語る“メゾン レミーマルタン”(1)34歳のバティスト・ロワゾーが、レミーマルタン社5代目セラーマスターとして、290年の歴史をもつレミーマルタンのスタイルを受け継いでいく──。1724年にレミー・マルタンが立ち上げ、後継者によって受け継がれてきたセラーマスターという特別な伝統に、あらたに名を連ねたバティスト・ロワゾーが、4代目セラーマスターのピエレット・トリシェとともに来日。これからの意気込みを語った。Text by KAJII Makoto(OPENERS)ともに分かち合い、お互いに豊かになることの大切さセラーマスターとは、たぐいまれな才能と高度な技術をもった“ブレンドのコンダクター(指揮者)”である。レミーマルタン社が誇る、アロマと味わいの完璧なハーモニーを奏でるフィヌ・シャンパーニュ コニャック。このコニャックを世に送り出すのがセラーマスターの仕事だ。今春、バティスト...
EAT
INTERVIEW|みうらじゅん「勝手に観光協会」単独インタビュー(前編)

INTERVIEW|みうらじゅん「勝手に観光協会」単独インタビュー(前編)

みうらじゅん独占単独インタビュー「勝手に観光協会」のこと、旅のこと、安齋さんのこと(前編)“マイブーム”の命名者として数々の“マイブーム”を世間に広めてきた不動のサブカルキング・みうらじゅんさんと、ソラミミストとしても知られるイラストレーター・安齋肇さんが日本各県を勝手に視察する「勝手に観光協会」も、今年でユニット結成12年目を迎えます。2008年末に安齋さんの手による全都道府県のポスターが完成したのを記念し、そのポスターを集めた「みうらじゅん&安齋肇の勝手に観光ポスター展」が、8月16日(日)まで、入場料無料で好評開催中。そもそも「勝手に観光協会」とは何なのか、彼らはどこを目指すのか、みうらじゅんさんに話を聞きしました。文=津島千佳写真=原恵美子悲壮感のない旅番組をつくるには、悲壮感のない安齋さんが必要だった──「勝手に観光協会」をはじめたきっかけはなんだったんでしょうか?最初は気仙沼ちゃん(「欽ちゃんのドンとやってみよう」に出演していた一般女性)に会いたくて、雑誌の「月刊アスキ...
INTERVIEW|グラフィティアーティスト アンドレ・サレヴァ インタビュー(前編)

INTERVIEW|グラフィティアーティスト アンドレ・サレヴァ インタビュー(前編)

TOKYOを愛するグラフィティアーティストアンドレ・サレヴァ インタビュー(前編)パリのコレットでもピックアップされているグラフィティアート「Mr.A(ミスターエー)」の生みの親であり、さらにはパリと青山にあるクラブ“Le Baron de Paris”の創始者でもある世界的に有名なグラフィティアーティストのアンドレ・サレヴァが、先日開催された『G-Star Tokyo RAW Nights』のキュレーターとして来日した。パーティでは、「Tagged in Tokyo(東京でタギング)」をテーマに、ペンやスプレイを使ってデニムや壁、さらには人にまで自由自在にマーキング。さらにライブボディペインティングに蒼井そらがモデルとして登場するなど、異色コンビネーションによるアートが誕生する夜となった。大のトウキョウ好きという彼に、クラブ“ル・バロン”のオープンのキッカケや、グラフィティについて、そしてブランド『G-STAR RAW』との関係など、いろいろとうかがった。文=金子英史クラブ“Le...
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