藤原美智子|11月エッセイ「オイルで、内側も外側も全身ケア」
2009.11 「オイルで、内側も外側も全身ケア」
この連載の9月分を書いているときに気がついたことがある。
それは、「私、なにげに“オイル”を活用していたんだなー」ということ。そのときに紹介したのは筋肉の痛みやむくみに効果的なオーガニックアロマオイルの2種。そのほかにも、以前から愛用しているオイルがいくつかあるのだ。そのひとつは“ひまし油”。といっても聞いたことがないというひとも多いかも。これは、とうごまの種子を冷圧搾してつくったオイルのことで、一般的には下剤などに使われているよう。
文=藤原美智子Photo by Jamandfix
ひまし油の効果を実感して以来、万能薬として愛用しています
私がこの“ひまし油”を知ったのは腫れや痛みに効くオイルだと教えてもらったことから。あれは、5年ほど前に歯槽膿漏の手術をしたときのこと。「術後は痛みと腫れが出ますよ」と歯科医に聞いていたのだが、これが予想を超えるほど。手術した周辺の歯ぐきや顔がパンパンに腫れ上がり、脳天までズキズキと響くほどの痛みだったのだ。そんなときに当時、通っていたマッサージの先生に「これを塗ると、腫れも痛みも軽減するよ」と、ひまし油を教えてもらったのだ。「え~、オイルで~?」と思ったが、少しでも痛みが軽減するならなんでもいいと藁(わら)をもつかむ思いで試してみたら、あら不思議。手術した歯ぐきの辺りにタラタラとたらすと、「ん? 柔らかな真綿で包まれているみたい~」と痛みが緩和するではないですか。もちろん少し時間が経つと、またジクジクとした痛みがまた蘇ってくる。その度にオイルをタラタラ。
そして翌朝。鏡を見ると腫れがだいぶ引いているし、気がつくと痛みも軽減している。前日の腫れ具合を見ていたアシスタントが「エッ、一晩でそんなに引いたんですか!?」とビックリしたほどだ。さらに、10日後に歯医者へ抜糸に行くと、担当医が「すごく綺麗に治っている!」とびっくりするほどの治りよう。それ以来、「んー、恐るべし、ひまし油!」と、全幅の信頼をおいたというわけである。それからは傷や吹き出物ができたときにヌリヌリ。眼にものもらいができたら眼の中にタラタラ、という感じで万能薬として愛用している。
肌が柔らかくしっとりして、一日の毒素が排出されるような感じ
さてじつは、このオイルにはこうした外傷よりも、もっと重要な使い方がある。それは「ひまし油温湿布法」である。使い方を簡単に説明すると、このオイルをたっぷりとふくませたコットンフランネルの布と専用のヒーターを腹部に巻いて治療するという温湿布である。これをはじめて試したときの驚きはいまでもハッキリと覚えている。「あれー? なんだか気持ちがフ~ッと、スーッとしてる……!」という感じで、まるで深く瞑想したときのように(したことはないのですが、そんな感じかな、と)こころがシンと静まり返ったのだ。その気持ち良さに魅了されて数日使いつづけたら、なんとお腹まわりがスッキリとしだしてきたのだ。内臓脂肪が減ったのか? という感じである。
ひまし油温湿布には私が経験した外傷の溶解と除去、痛みの軽減、精神的リラックスといったほかに、肝臓や腎臓の改善、リンパの循環を向上するなど、多くの効果があると謳(うた)われているのだが、そうした働きが、お酒で酷使(!)していた私の内臓にも好をなして腹部がスッキリという効果につながったのかもしれない。そんな効果を知ってからは定期的に温湿布をしているが、とくに二日酔いの日の朝には「肝臓を労らなくっちゃ」と、いまでは欠かせない習慣となっている。
私が愛用しているのは有機のものを冷圧縮、無精製、無香料でつくった「キャスターケア・マッサージオイル」(テンプルビューティフル)という商品名のもの。ひまし油ならなんでも良いというものではなく、製造の仕方で全然ちがう代物になってしまうそうなのでセレクトには十分に気をつけて。
そして全身のオイルマッサージ用に愛用している「オーラグロウ」(テンプルビューティフル)。これも冷圧縮で製造された高品質で純粋なオリーブオイルやピーナッツオイル、ラノリン、ビタミンEだけでできているオリーブオイル。このオイルには無香料のものやシトラウスの香り、メントール、ラベンダーなど5種類があるが、そのときどきで種類をチョイスしている。お風呂上がりに、これをつけて全身をマッサージすると肌が柔らかくしっとりするのはもちろんのこと、一日の毒素が排出されるような気がするところが気に入って愛用している。
さて、もうひとつ入浴タイムに愛用しているオイルがある。それは「オーガニックアルガンオイル」(オーガニックフォレスト)。アルガンオイルはビタミンEの含有量が豊富で抗酸化作用があり毛穴の汚れを落とし、乾燥を防ぐ働きがあると謳われているオイル。最初、説明書どおりに洗顔したあと、お風呂に入りながらこれで顔を優しくマッサージしてから蒸しタオルを当て拭き取るという使い方をしたのだが、鏡を見てビックリ! 白く透明感のある肌になっているし、触ると肌がもっちりとした柔らかさになっていたのだ。「幸せオーラで満たされている肌」という表現がピッタリだろうか。それにべたつきがなく気持ちのいい使い心地もgood。その効果と使い心地に気をよくして、いまでは週5日、アルガンオイルマッサージするのが習慣となっている。でも、いちいち蒸しタオルをつくるのが面倒なので、湯船のお湯に浸したタオルを軽く絞って顔にのせてオイルを浸透させながら拭き取るという、なまぐさ法なんですけど。
アルガンオイル効果に目覚めた私が、最近気に入っているのがネイリストの渡邉季穂さんがプロデュースしたネイルオイルの「nail oil」(uka)。この商品はオウプナーズでも紹介されているので、ご存じのひとも多いかも。この商品の特徴はアルガンオイルをベースに、一日の時間帯に合ったエッセンシャルオイルが調合されていること。たとえば、「7:15」という商品は気持ちが落ち着く効果のあるサンダルウッドやヒノキ、さわやかな柚子が調合されていて朝の時間帯にピッタリの香りになっている。「13:00」はランチ後の眠気をシャキッとさせてくれる香り。「18:30」は緊張をやわらげながら優しい気持ちになれるもの。「24:45」はリラックスして幸せな気持ちになるもの。そして、香りを抑えた「basic」の5種類がある。さすがネイリストならではの、また女性ならではの発想でつくられた商品だなーという感じで、こういうのはありそうでなかったかも。それにロールタイプなので簡単で面倒臭くないところも私向きだ。これからの乾燥の季節にさらに手放せない一品、いや5品となりそうである。
気がつけば内臓や身体、肌、爪、マインドと頭の先から足の先まですべてにわたってそれぞれのオイルにお世話になっているという感じである。あっ、そうだ。髪の毛にも使用しているオイルがあったんだ! それはシャンプーしてタオルドライしたあとに髪の乾燥を防ぐために使用している「ホホバオイル」(プリグリオ)。
ありがとうございます、オイルさんたち!