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2024年5月18日
幻のソフビ「とろみ君」が9年の時を経て再始動! 佐田正樹(バッドボーイズ)インタビュー | MEDICOM TOY
MEDICOM TOY|メディコム・トイ
「とろみ君」(4期)の抽選販売が決定
2015年に発売され大きな話題を集めた「とろみ君」が、4期として新たに登場。発売を記念して、自身がデザインと造型を手がけるバッドボーイズの佐田正樹氏に話を聞いた。
Text by SHINNO Kunihiko|Edit by TOMIYAMA Eizaburo
無知だったけれども自由に作った「とろみ君」
2015年、「よしもと芸人3人がガチでソフビに挑んだ真剣勝負!」と題し、佐田正樹氏(バッドボーイズ)、竹若元博氏(バッファロー吾郎)、くっきー!こと川島邦裕氏(野性爆弾)が自身の造型によるソフビフィギュアを発表。同年1月のスーパーフェスティバル、2月のワンダ-フェスティバル会場にてごく少数が販売され、お笑いファン、ソフビファンの間で話題を集めた。
その後、佐田氏は自身のチャンネル「SATAbuilder's」にて総長系youtuberとしても活躍。クルマ、バイク、D.I.Y.、プラモ、ソフビ、インテリア、植物、ヴィンテージ、ファッション、アートなど幅広い趣味を紹介し、登録者数約89万人の人気を誇っている。
今回、9年ぶりに自身がデザインと造型を手がけた「とろみ君」の新色が4期として抽選販売されることを記念して、佐田氏に「とろみ君」の誕生秘話、そして4期発売への思いを語っていただいた。
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佐田正樹(バッドボーイズ)
1978年09月13日生まれ。福岡県出身。1997年4月、清人とともにお笑いコンビ・バッドボーイズを結成。著書に、原作を担当する自伝的漫画『デメキン』(作画ゆうはじめ・秋田書店)、趣味&ライフスタイルをまとめたスタイルブック『佐田のホビー』『佐田のホビー2』(KADOKAWA)がある。
1978年09月13日生まれ。福岡県出身。1997年4月、清人とともにお笑いコンビ・バッドボーイズを結成。著書に、原作を担当する自伝的漫画『デメキン』(作画ゆうはじめ・秋田書店)、趣味&ライフスタイルをまとめたスタイルブック『佐田のホビー』『佐田のホビー2』(KADOKAWA)がある。
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ソフビへの熱い思いがあったから、ソフビ好きが手にしたくなるものを作れた
ソフビとの出会いは、たぶん2013年だったと思うんですけど、アパレルブランドのPUNK DRUNKERSさんの展示会に誘われて行ったときでした。会場にソフビがいっぱい飾ってあって、まずそこに目が行ったんです。「これは何ですか? 売り物ですか? これを僕は注文したいです」って。
そしたらPUNK DRUNKERSの方が「これは僕の趣味のもので飾ってあるだけで、いまからだと、まんだらけさんとかでしか買えないんですよ」と教えてもらって、すごく興味が湧いて。
ソフビの宝庫!総長自慢のコレクション紹介!
via www.youtube.com
一番最初になんだこれと思ったのが、ZOLLMENさんのファンシートイシリーズの「タケミ」でした。小学生みたいなスカート姿の女の子なんだけど、頭がボコボコしてる。この造型は素晴らしいなと思ったんです。
そこからいろいろ調べて、まんだらけさんに行くようになって。当時はHXSさんの「ゴリラ獣」とか、NAGNAGNAGさんの「暴力原人」とか、コスモナイトαさんの「遊星魔人」といったインディーズソフビが出始めた時期で、まんだらけさんでも高額で売られている中、ZOLLMENさんのソフビは当時まだ比較的買いやすい値段だったので、少しずつ集めていきました。
ちょうどその頃、吉本でピンネタライブを、くっきー!さん、竹若さんとやることになって、吉本さんから「グッズ作りませんか? 何か作りたいものがあったら言ってください」と言われたんです。それで僕は当時めちゃくちゃハマっていたので、ソフビは作れないかなと思っていくらかかるか調べたところ、結構なお金がかかるということで断念せざるを得なかったんです。
バカなふりしてメディコム・トイ本社へ
そしたら、くっきー! さんもモノづくりが大好きだから「俺も作りたい。メディコム・トイさんの本社を見つけたから、バカなふりして二人で行ってみよう」と誘ってくださって(笑)。二人でピンポン鳴らして「すみません、社長さんいらっしゃいますか? 僕たち吉本で芸人やってる者ですけど、ソフビを作りたくて来ました」って伝えたところ、メディコム・トイの赤司社長が応対してくださったんです。とりあえず話を聞きましょうと。
それで「こういう思いでソフビを作りたいんです」と熱く語らせていただいたら、赤司さんが「面白いですね」と。「じゃあ、ご自身で造型されるんでしたら私がお金出しますから作りませんか?」ということになり、そこから始まりました。竹若さんもモノづくりが好きだから竹若さんにも話して、吉本のイベントとは別に3人でソフビを作ってスーフェスで売りましょうっていうことになったんです。
立体物の造型に挑戦するのは初めてでした。3人ともソフビの作り方はまったく知らないので、メディコム・トイさんでも原型をやられてる、あべ♨とおる先生に習って、こういうふうにやるんだよって作り方を教えていただきました。
僕が最初に考えたテーマは「キモかわいい」もの。とにかく気持ち悪くて可愛いソフビを作りたかったです。サイズもそんなに大きいものではなく、イルイルさん、ぶたのはなさんが出されていたような手のひらに収まるくらいがいいなって。
「とろみ君」誕生までの軌跡とは?
「とろみ君」はもともと「タケミ」インスパイアから始まったものですけど、のちにそれが『チビラくん』シリーズのインスパイアだと知ってすごく感銘を受けたんです。それで「タケミ」は女の子だから、男の子のもので何かないかなと思って作り始めたんです。
顔が溶けてるのいいなと思ったんですけど、名前つけるのって意外と難しいじゃないですか? そこに一番マッチしたのが「とろみ」っていう言葉で。誰かを傷つけるものではないし、ジャストな名前だなと思って、まず絵を描いて、そこから粘土をこねながら考えていった感じですね。
ソフビの抜きは廣田彩玩所さんでやっていただいたので、「とろみ君」はHXSさんと同じゾル(ソフビの原料)を使っています。カラーリングも赤司さんが最初に5体ぐらい見本として塗ってくれて、それをいろいろパーツを組み合わせて作っていった感じです。帽子はこの色がいいな、脚はこの色がいいなとか。そんな感じで何度か作り直してもらいながら色を決めたのが、1期、2期、3期の3体です。
3パターン作って、ひとつは受注販売、ふたつは30体限定で抽選販売しましょうと提案いただいたので、僕が勝手に怪物くんカラーと呼んでいるオーソドックスなカラーを1期とさせてもらって受注販売、スーフェスではトリッキーな白のカラーの2期、ワンフェスではゾンビみたいな紫の3期を発売しました。2期と3期はそれぞれ30体ずつしかこの世に存在しません。
くっきー!さんは「人類」、竹若さんは「次男」というソフビを発表したんですけど、さすが、どちらもブッとんでましたね(笑)。おかげさまで「とろみ君」も好評で、会場でも完売になりました。無知ゆえに好き勝手作った「とろみ君」でしたが、ソフビへの熱い思いがあったからこそ、ソフビ好きが手にしたくなるようなものを作れたのかなという印象はあります。
あれから9年。久しぶりに4期が発売されることになりました
実は初期の段階で僕が「髪の毛付きのとろみ君を発売したい」と赤司さんにお願いしていたんです。ただ、そのやり取りの間にメディコム・トイさんとの窓口になっていた吉本のグッズ担当の方が退職されていたようで、連絡が取れずそのままになっていたんです。僕もいつでもいいかと特に焦ることもなく。
しばらく経って、ソフビ好きの仲間たちから「佐田さん、とろみ君もう発売しないんですか?」とか「もう一度とろみ君を!」という熱いメッセージをいただくようになったので、そういえばと思ってマネージャーに確認したところ、先のような事情が判明したんです。それで赤司さんに改めて事情を説明させていただいて、また「とろみ君」を作りたいんですということで話が進んだ感じです。
しばらく経って、ソフビ好きの仲間たちから「佐田さん、とろみ君もう発売しないんですか?」とか「もう一度とろみ君を!」という熱いメッセージをいただくようになったので、そういえばと思ってマネージャーに確認したところ、先のような事情が判明したんです。それで赤司さんに改めて事情を説明させていただいて、また「とろみ君」を作りたいんですということで話が進んだ感じです。
先日公開された僕のYouTubeでも紹介させてもらいましたが、髪の毛付きの「とろみ君」を忘れずに赤司さんが作ってくれてたのも嬉しかったですね。赤司さんはメディコム・トイを長年続けられているので、販売方法に関してもいろんなアイデアをくださるし、僕が知らないことをたくさん教えてくれるんです。
【MEDICOM TOY】9年の時を経て幻の2体も初御披露目!!
via www.youtube.com
今回の4期も抽選販売で数も少ないですが、これ1回で終わらせるんじゃなく、今後も5期、6期と続いて、みんなのもとに違うカラーが届けばいいなと思っています。現在のソフビ事情を鑑みて、価格も安易に転売されないような値段にさせていただいてますが、本当にソフビを愛してくれる人のもとに届くといいなと思っています。
最近また造型欲も湧いてきたので、新たに粘土をこねようかなと思っています。「とろみ君」の仲間とか、いろいろ考えているんです。イボのついたおばさんで「いぼんぬ(仮)」とか、ゲロ吐いてる「おうと君(仮)」とか。赤司さんに言ったら「その名前はちょっと厳しいかも」とおっしゃってましたけど(笑)。
『チビラくん』のペットのポチポチ、ライバルのガキンコみたいに広げれたらなと思ってます。ヒーロー系も作りたいし、ロボット系も作りたい。作りたいものが多すぎて困ってます(笑)
『チビラくん』のペットのポチポチ、ライバルのガキンコみたいに広げれたらなと思ってます。ヒーロー系も作りたいし、ロボット系も作りたい。作りたいものが多すぎて困ってます(笑)
とろみ君(4期)
サイズ|全高約150mm
販売方法|専用サイトにて抽選販売
抽選受付期間|2024年5月19日(日) 0:00~23:59
販路|全世界
発送予定|5月末
価格|3万3000円(税込)
© YOSHIMOTO KOGYO
サイズ|全高約150mm
販売方法|専用サイトにて抽選販売
抽選受付期間|2024年5月19日(日) 0:00~23:59
販路|全世界
発送予定|5月末
価格|3万3000円(税込)
© YOSHIMOTO KOGYO
問い合わせ先
メディコム・トイ ユーザーサポート
Tel.03-3460-7555