インタビュー
「インタビュー」に関する記事
田中凜太郎|古着イベント「インスピレーション 2011」開催(その2)
連載|田中凜太郎ヴィンテージファッションイベント「インスピレーション 2011」開催(その2)会場を“空”から“海”へと移し、さらにライブ感をプラスして開催されるという「インスピレーション2011」。今回も前回に引きつづき、イベント開催を目前に控えた田中凛太郎氏へのインタビューをお届け。「イベントが成功するにせよ失敗するにせよ、まちがった方向にだけは行きたくない」──話はイベントのテーマから、イベント主宰者としての、あるいはヴィンテージ業界に身を置く者としての彼の哲学へと迫っていく。写真=田中凛太郎インタビュー=竹内虎之介(シティライツ)いまは“深さ”と“広がり”の折り合いをつけるのがむずかしい時代──たんに“ヴィンテージウェアのイベント”というだけでなく、“ヴィンテージ”というキーワードに反応するひとたちが集い、楽しむイベントにしたいと?田中 もちろん古着をいま以上に盛り上げたいという気持ちはありますが、最盛期であった1990年代の再来を望んでもうまくいかないでしょう。あくまでい...
田中凜太郎|古着イベント「インスピレーション 2011」開催(その3)
連載|田中凜太郎ヴィンテージファッションイベント「インスピレーション 2011」開催(その3)2月11日(金)、12日(土)にロサンゼルス・ロングビーチに浮かぶクィーンメリー号船内で開催される「インスピレーション2011」。その直前インタビューも、いよいよ今回が最終回。ここではイベントに先立ち日本で先行発売されたスペシャルブック『キング・オブ・ヴィンテージ Vol.2』あらため、『クィーン・オブ・ヴィンテージ』の話を聞くとともに、この本の主役であり、本イベントのメインゲストでもあるキャサリーン・シャーフ氏の横顔について語ってもらった。写真=田中凛太郎インタビュー=竹内虎之介(シティライツ)最後に『マイフリーダム!』のクオリティを1ランク上げてくれるひと──イベントに合わせて発売される(日本では先行発売中)スペシャルブックについてですが、今回は人選が女性なのでタイトルも『キング・オブ・ヴィンテージ』ではなく『クィーン・オブ・ヴィンテージ』なんですね。田中 前回が『ヘラーズカフェ』のラ...
田中凜太郎|Excuse My Trash ! 『King Of Vintage Vol.3』(前編)
連載|田中凜太郎Excuse My Trash ! 『King Of Vintage Vol.3』(前編)2010年からはじまった田中凛太郎氏主宰のヴィンテージ・イベント「Inspiration」。そのプロローグ的存在として刊行された『King of Vintage』は、Vol.1、Vol.2(Vol.2は『Queen of Vintage』)ともに好評を博し、Vol.1にかんしてはすでにソールドアウトという人気ぶり。そして今月、『King of Vintage Vol.3』が日本先行で発売された。反響の大きかったVol.1の続編的存在として、ふたたびラリー・マックコイン氏の登場となった今回のVol.3。OPENERSでは、ラリー氏再登場の経緯もふくめ、その見どころについて田中氏に聞いた。写真=田中凛太郎インタビュー=竹内虎之介(シティライツ)いま一番ノッてる人のオイシイ部分を凝縮した本──『King of Vintage』のVol.1、Vol.2(『Queen of Vintag...
田中凜太郎|Excuse My Trash ! 『King Of Vintage Vol.3』(後編)
連載|田中凜太郎Excuse My Trash ! 『King Of Vintage Vol.3』(後編)前回に引きつづき、今回も『King of Vintage Vol.3』の発売にさいしておこなった田中凛太郎氏へのインタビューの模様をお届けする。フィフティーズ以前の古い時代の古着を極めることで、現在古着界の頂点に君臨する“King of Vintage”ラリー・マックコイン氏。話は、古着業界の現状分析からアメリカの歴史、社会分析へと広がり、そこからラリー氏の“強さ”の秘密へと帰結する。写真=田中凛太郎インタビュー=竹内虎之介(シティライツ)古い時代の服の人気は、アメリカ人がもつ“ハンブル”への憧れのあらわれ──先ほど(前回)古い時代のアメリカがウケてるのは、じつはいまのアメリカへとつづくフィフティーズへのアンチ、みたいな話がありましたが、それはなかなか鋭い分析だと思いました。アメリカ人は、この何年かすごくよく“ハンブル”という言葉を使うようになりました。日本語でいえば「質素」と...
田中凜太郎|Excuse My Trash ! 「My Freedamn!」ついに完結(前編)
連載|田中凜太郎Excuse My Trash !「My Freedamn!」ついに完結(前編)2012年6月30日。1年9カ月ぶりとなる待望の「マイフリーダム! Vol.10」が発売された。1980年代をテーマに、過去最大となる1000点超の写真で構成されたこの一冊は、同時に2003年4月の初刊行以来、約9年の歳月をかけてシリーズを重ねてきた「マイフリーダム!」の最終章でもある。オウプナーズでは、さまざまな思いが去来したであろう最終巻リリース直後の田中氏にインタビューを実施。本巻への思いや80年代という時代がもつ意味をうかがうとともに、シリーズ全体を振り返り、田中氏にとって「マイフリーダム!」とは何だったのかを語ってもらった。Photographs by TANAKA RintaroText by TAKEUCHI Toranosuke(City Writes)実はこれがやりたくてVol.10までやってきた──いよいよ「マイフリーダム!」も最終章まで来ましたね。まずは、Vol.1...
田中凜太郎|Excuse My Trash ! 「My Freedamn!」ついに完結(後編)
連載|田中凜太郎Excuse My Trash !「My Freedamn!」ついに完結(後編)前回に引き続きお届けする田中凛太郎氏へのインタビュー第2弾。「マイフリーダム! Vol.10」を彩る80年代という時代の意味からフリーダムそのものの意味へと展開していった話は、さらにポスト「マイフリーダム!」へと続く。「マイフリーダム!」全巻の制作を通して、進むべき方向がはっきり見えてきたと話す田中氏。“ヴィンテージ”“ロックンロール”“僕たちのジェネレーション”といったキーワードとともに語られるストレートな言葉の数々から、田中氏のクリエイティブの核心に迫る。Photographs by TANAKA RintaroText by TAKEUCHI Toranosuke(City Writes)“ヴィンテージ”は僕たちのジェネレーションの共通言語──「マイフリーダム!」は今回のVol.10をもって、一応ひと区切りついたわけですが、田中さん自身、ロックンロールなマインドをもってクリエイティ...
The garbstore|デザイナー イアン・ペイリーが秋冬の新作を解説
The garbstore|ザ ガーブストア2013-14年 秋冬コレクションデザイナー イアン・ペイリーにインタビュー「The garbstore(ザ ガーブストア)」。「garb」は、「洋服」という意味をもつ、現在では一般的に使用されることは少ない、消え去りつつある過去の言葉だという。ザ ガーブストアが生み出すヴィンテージのフィーリングを感じさせるアイテムは、まったくのリプロダクションではなく、現代に必要とされるディテールの足し引きをして、あたらしいものとして提示されている。デザイナーのイアン・ペイリー氏に、2013-14秋冬コレクションについて聞いた。Photographs by TAKADA MidzuhoText by IWANAGA Morito(OPENERS)1970年代イギリスの囚人服や時代背景からインスパイア――秋冬コレクションのテーマは?今季のテーマが「His Majesty’s Pleasure」であり、「陛下の仰せのままに」という意味とともに、「あなたは監...
マシュー・ワォルドマン Vol.03 「New Yorker」って?
Vol.03 「New Yorker」って?「I am not an American, I am a New Yorker」とよく言う。僕はニューヨーク市で生まれ育った。自慢で言っているわけじゃなくて、ただ、僕のアイデンティティとなる土地だから。NYC(ニューヨークシティ)という場所は、アメリカにあるという事実から逃れられないことはもちろん分かっているけれど、この状況に僕は板挟みになってしまう。僕はアメリカという自分の国を尊敬していないわけではないけれど、尊敬できないことがちょっと多過ぎるので、NYCでなかったら、僕はきっとアメリカに住んでいられない。だからNYCはアメリカではないという気持ちを昔から抱いていた。これは極端かもしれないけれど、ちゃんと説明しようとすると、ベトナム戦争から現在のイラク侵略までの経緯や、僕の両親、そしてNYCの公共教育の反戦スタンスまで書かなければならず、とても長くなるので省略する。アメリカは広い。僕が住んだことがあるのはNYCと東京だけなので、アメリ...
マシュー・ワォルドマン Vol.04 「New Yorker」って? #02
Vol.04 「New Yorker」って? #02前回お送りした、「Vol.03 New Yorkerって?」。その末文にて予告した、「New Yorkerについての対談」を掲載します。対談相手は──フランク・ナン。台湾生まれの建築家。ハトリ ミホ。東京生まれのミュージシャン。ティナ・ロス。スイス生まれのデザイナー。質問は──A いつNYCを故郷と思った?B いつ自分をニューヨーカーだと気づいた? また何かそのきっかけとなった出来事は?C あなた自身の言葉で、「ニューヨーカー」とは?それではどうぞ。。Frank Nan フランク・ナン台湾生まれの建築家Q いつNYC(ニューヨークシティ)を故郷だと思った?A 1993年に台湾からロサンゼルスのど田舎に移住した当時、僕は16歳だったんだけど、移住してから6カ月目の夏に、はじめてNYCに遊びに行ったとき。凝縮した街のエネルギッシュな部分に元気づけられて、すぐにNYCが僕の故郷になると分かった。そして15年前のその夏からずっとNYCに住...
田中凜太郎|『My Freedamn! Vol.9』とセブンティーズ(その1)
『My Freedamn! Vol.9』 とセブンティーズ (その1)12年間のアメリカ生活と、内8年を費やして発表してきた『マイフリーダム!』。さらに今年2月にはコアなファンのための古着イベント「インスピレーション」を主催するなど、精力的な活動をつづける田中凛太郎氏。そんな田中氏から『マイフリーダム!』の最新作たるVol.9が完成したとの一報を受け、OPENERSではさっそくインタビューを敢行した。今回のテーマは70年代。バックボーンとしてファッションにも強い影響を与えた、あらたなスタイルのロックやサブカルチャーの話もふくめ、この時代のアメリカの魅力を語ってもらった。語り・写真=田中凛太郎インタビュー=竹内虎之介(シティライツ)キーワードは“フリークアウト!”──まずは最新作の『マイフリーダム! Vol.9』についてお聞きしたいと思います。今回は70年代がテーマになっていますが、70年代のアメリカのファッションの特徴はどういうところにあるんでしょうか?最大の見どころはTシャツを筆...
田中凜太郎|『My Freedamn! Vol.9』とセブンティーズ(その2)
『My Freedamn! Vol.9』 とセブンティーズ (その2)前回に引きつづきお届けする、田中凛太郎氏へのインタビュー第2弾。“フリークアウト”がキーワードだった1970年代。一方で70年代は、いまなお古着ファッションに絶大な影響を与えるフィフティーズの最初のリバイバルがおこなわれた時代でもあったという。そして話は、『マイフリーダム!』制作をとおして田中氏が感じたこと、さらには、水面下ですでに進行中である来年の「インスピレーション」へとつながっていった。語り・写真=田中凛太郎インタビュー=竹内虎之介(シティライツ)フィフティーズの最初のリバイバル──また『マイフリーダム! Vol.9』の話にもどりますが、冒頭でおっしゃっていた“カラー”という要素にくわえ、セブンティーズファッションのおもしろさはどのあたりにあるんでしょう?今回の本は70年代のロックファッションが中心になりますが、一方で70年代ってフィフティーズの最初のリバイバルが起こった時代でもあるんです。古着の世界でいう...
戸田恵子×植木 豪|ラストライブから“BGコンビ”あらたな出発
東京・六本木 スイートベイジル STB 139でのラストライブ戸田恵子×植木 豪“BGコンビ”あらたな出発(1)5月25日、東京・六本木のライブレストラン「スイートベイジルSTB 139」が営業を休止。15年の歴史に幕を下ろした。過去12回この場所でライブをおこなってきた戸田恵子さんは、“東京のホームグラウンド”へ餞(はなむけ)を贈るべく、一夜限りのラストライブを敢行。これに際し制作された植木 豪さんとのデザインユニット「BG BRAND(BG ブランド)」の新作について聞くとともに、ホームでの最後のステージを振り返る。Photographs by JAMANDFIXText by FUJITA Mayu(OPENERS)新作テーマは“アメカジ” 広がりをみせるデザインの可能性「少し痩せましたか?」 そう聞くと、いつもの柔らかい笑顔で「やつれたのかも(笑)?」と冗談めかしてみせる植木さん。以前より表情が締まったように見えるのは、自身が演出を務めた舞台『WASABEATS』の公演を終...
マシュー・ワォルドマン Vol.01 Lost Future City
Vol.1 Lost Future CityForward──前書きデザインやクリエイション、またそれらのプロセスのことで、僕の頭の中はいつもせわしなく回っている。この数年間、取材やインタビュー等でもいつも言っていることだけど、NOOKAでも、また、その他のプロジェクトにおいても、自分の「プロセス」をより深く掘り下げなければいけない、と思う。今回のトピックとは直接関係ないかもしれないが、今はじめたいことは「クリエティブマッピングプロジェクト」。どんな人も「influences(影響, 感化)」、「motivations(自発性, 積極性、動機づけ)」、「inspirations(創造的刺激, 霊感, インスピレーション)」という3つの要素を、潜在的に意識しながらそれぞれの人生を過ごしている。もちろんそのことを意識せず、ただこれらの要素を内面に存在させているだけで人生を過ごす人々もいるのだが……。しかも、この3つの要素は非常に混同しやすい。けれど、自分の中でしっかり理解しようと努めれ...
マシュー・ワォルドマン Vol.02 Bicycle Story
Vol.02 Bicycle Storyまず自分の昔話からスタートしてしまい申し訳ない。もちろん生まれたばかりの頃から、気難しかった訳ではなかったと思うけれど、育った環境の影響で僕は様々なことを困難に感じるようになった。30代から始めたセラピーとヨガのおかげなのか、年齢と経験を重ねると共に大分落ち着いたけれど、一番大きな転機となったのは友人からの一言だった。「Misery is easy, happiness is hard work.(不幸になるのは簡単、幸せになるには努力が必要)」。簡単に言うと、朝起きたときに機嫌が悪いからといって、何もしなければ後味の悪さはずっと続いてしまう。何かアクションを起こさないと、その悪い気分がさらに悪化してしまうかもしれない。自分で自分を幸せにしたいのであれば、ポジティブなことを考えないといけないし、そのためには行動もしなければならない。それを言われた日から、僕の人生は幸せなものへと姿を変えた。僕が自分を幸せにするのは凄く簡単で単純なこと。それは自...
MUSIC|奇才チリー・ゴンザレスがピアノを携え帰ってきた!
MUSIC|カナダが誇る奇才がピアノを携え帰ってきた!チリー・ゴンザレスが奏でる、美しきピアノ旋律第2弾『ソロ・ピアノ II』(1)カナダ出身の“奇才”音楽家、チリー・ゴンザレス。“ゴンザレス”の名で知られる彼は、ピアニストとしてはもちろん、エレクトロ・ヒップホッパー、プロデューサーとさまざまな肩書きをもち、各方面でその才能をいかんなく発揮している。2004年に発表されたピアノ作品集『ソロ・ピアノ』は、深く美しい静けさに引き込むポスト・クラシカル・モダンの名盤とされ、評価を決定的なものに。あれから8年。ふたたび、自らの原点であるピアノと向き合い、待望の続編となる『ソロ・ピアノ II』を完成させた。Text by TANAKA Junko (OPENERS)Interview & Translation by TSUKAMOTO NikiPhotographs by ISARD Alexandreゴンザレスしか奏でることのできない珠玉の14篇1972年カナダに生まれ、現在はフ...