緑の中で見つける香りの記憶。 Le Labo on  Wheelsが軽井沢に停車中
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2025年4月27日

緑の中で見つける香りの記憶。 Le Labo on Wheelsが軽井沢に停車中

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Le Labo|ル ラボ

ニューヨーク発のスローパフューマリー「Le Labo(ル ラボ)」の移動式ポップアップトラック「Le Labo on Wheels」が鎌倉の海沿い、ニセコの雪山を経て、次に選んだのは木々の若葉が萌える軽井沢。自然豊かな「Karuizawa Commongrounds」の敷地に停車し、新緑の森で香りの物語を紡ぐ。停車期間は、4月25日から5月19日まで。

Text by OPENERS|Photographs by NAGAO Masashi

新緑の中で香りに出会う朝

午前10時、朝の柔らかな陽光が森を照らす時間。自然に溶け込むように、手書きの文字が描かれた大きな扉やロゴの看板が見えてきた。
トラックの中に一歩足を踏み入れると、ゴールドリーフが施されたガラス窓、タイル張りの壁面、ヴィンテージの家具の上にはボトルが静かに並ぶ。光を受けてきらめくボトルの奥に、香りの世界が隠されている。窓の外には新緑の若葉が風に揺れている。
2006年にニューヨークで誕生したスローパフューマリー「Le Labo(ル ラボ)」。時間をかけて丁寧にパフュームを作り出す美しさと、芸術に特化したフレグランスラボを創設。手作業で仕上げる、クラフツマンシップを重んじたクリエーションを提供。使い込まれたヴィンテージの家具や照明など、店舗デザインも特徴的。その世界観をそのまま詰め込み、移動式の店舗としたのが、「Le Labo on Wheels」だ。
2024年夏、鎌倉七里ガ浜の海沿いから日本での旅をはじめ、北海道ニセコの雪景色を経て、今は軽井沢の森に停車中。季節とともに移動しながら、香りの記憶を紡いでいく。
トラックの中では、朝の軽井沢の湿った空気とは打って変わって、複雑な香りの層が鼻腔を満たす。いくつものフレグランスが重なり合った独特の空気と香りが、空間の奥まで満ちている。しかし、この豊かな時間が流れるトラックの中のもう一つの魅力は、窓から広がる風景との対話にある。
窓の外に目をやりながら、自身の五感に耳を澄ませて、心地よく感じる香りをひとつずつ確かめていく。
その中で、特に心を惹かれたのは「ANOTHER13」。最初は控えめに香り立つムスクの調べが、やがて肌の温度で少しずつ表情を変えていく。ウッディの深みとアンブロックスの奥行きが絶妙にブレンドされ、どこか都会的でありながら、軽井沢の自然に不思議と馴染んでいく。
その場で纏った香りは心地良く、不思議と朝の森の静けさや、自分自身の古い記憶の断片を呼び起こすような気がした。

時を留めるラベルの魔法

ル ラボのフレグランスとキャンドルのラベルには、好きなメッセージを入れることができる。加えて購入した日、そしてこの場所「LLOW KARUIZAWA」という文字が刻まれる。それは単なる情報ではなく、その場所、その瞬間の感覚を閉じ込める魔法のような儀式だ。
同じ香りでも、湿度や気温、その土地や季節で印象が変わるという。
香りは場所と呼応するのかもしれない。その土地で纏ったときの空気、時間、気温、肌の感覚。それらが混ざり合って、そっと印象に残る香りになる。ラベルに記された「LLOW KARUIZAWA」は、その記憶をあとから思い出す手がかりになるのだろう。

香りと風景が溶け合う一日

午後4時、Karuizawa Commongroundsに夕暮れの光が差し込み始め、朝とは違う姿を見せる「Le Labo on Wheels」。木々の影は斜めに伸び、遠くには山の稜線が見える。
コンテナを出て、敷地内を歩く。書店に漂う紙の匂い、カフェの焙煎コーヒー、草木の葉をなでる風の匂い。あたりまえのように存在しているはずの香りが、この場所ではどこか輪郭を持って感じられる。
朝に纏った香りが、肌の上で少しずつ変化しているのが分かる。朝の凜とした空気の中で感じた澄んだ印象は、夕方の光の中では穏やかに溶け込み、少し深みを帯びた余韻へと姿を変えていた。
香りは、時間の流れに寄り添う。肌の上で少しずつ変化していくその余韻は、どこか記憶の輪郭に似ていた。くっきりとした印象は、いつのまにかやわらかく滲んで、ふとした瞬間に思い出される気配へと変わっていく。

日常に忍び込む旅の断片

軽井沢で出会った香りを日常に持ち帰り、都会の喧騒の中で纏うとき。目を閉じた瞬間、ふいに浮かんでくるのは、あの日の新緑の風景。トラックの窓から見えた朝もや、夕暮れの光だ。
「Le Labo on Wheels」は、単なる移動式の店舗ではない。それは旅人と香りの物語が交差する場所だ。旅先で香りと出会い、ラベルにその土地の名を刻み、記憶とともに持ち帰る。そしてその香りを別の場所で纏うたびに、あの日の軽井沢の風景をそっと心に呼び戻す。それはやがて、一本の糸が紡がれるように、香りの記憶は豊かな織物となっていくのかもしれない。
鎌倉では海の風と、ニセコでは雪の静けさと寄り添ってきた「Le Labo on Wheels」。今は、軽井沢の森のなかで、また新たな記憶の香りを紡いでいる。そのトラックから見える風景の中で、あなただけの香りの記憶を見つけに行ってみてはいかがだろうか。
Le Labo on Wheels 軽井沢
日程|4月25日〜5月19日
営業時間|10〜17時 *5/13休業
住所|長野県北佐久郡軽井沢町長倉鳥井原1690-1
    Karuizawa Commongrounds内
問い合わせ先

Le Labo
https://www.lelabofragrances.jp/

                      
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