日本
「日本」に関する記事
特集|森の神に会う旅~岐阜・東濃地域の「宿」「自然」「文化」~Chapter 1
特集|森の神に会う旅~岐阜・東濃地域~Chapter 1:森はなんのために在るのかヒノキを守りつづける人たち(1)14世紀より伊勢神宮遷宮のための木材を育み、「建築用材の最高峰」といわれている東濃ヒノキの原産地が、岐阜県中津川市だ。この地の林業は連綿と受け継がれてきた伝統にのっとったものであり、その流通も建築用が主である。しかし時代に対応したあらたな取り組みもはじまっている。すなわち木工インテリアであり、ヒノキから生まれた商品の数々である。Photographs by JAMANDFIXText by KASE Tomoshige(OPENERS)サワラの巨木に迎えられる東京から名古屋まで新幹線で1時間40分、名古屋から特急を乗り継いで50分ほどで中津川に到着する。岐阜南東部の「東濃地域」は東京から決して遠くない土地である。今回の取材の要諦は、ひと言でいえば東濃地域の森と文化。まずはその「森」から取材を始める手はずになっている。江戸時代中期に植林がはじまった「木曽ヒノキ」。東濃地域...
特集|森の神に会う旅~岐阜県の“ウェルネス・ツーリズム”~Chapter 2
特集|森の神に会う旅~岐阜・東濃地域~Chapter 2:宿は人なり、食も人なりもてなしの真髄(1)山野草やキノコといった山の恵みはもちろんだが、岐阜において森と同列、いやそれ以上に豊かなのが「川」であろう。揖斐川、木曽川、そして鵜飼いで全国にその名を知られる長良川。岐阜の川がもたらす恵みの最たるものはアユであり、5月の声をきけば黙っていても宿ではアユが出されるはずだ。そして水の良いところは酒が良い――すなわち、岐阜の宿の食事は自ずと充実するのである。Photographs by JAMANDFIXText by KASE Tomoshige(OPENERS)皇太子が宿泊した古民家の宿JR中津川駅から車で約5分、恵那山系の山々と対峙し、中津川の街を一望する雑木林のなかにある「夜がらす山荘 長多喜(ながたき)」。1万坪の敷地内に6棟の古民家を置き、1棟1組をもてなす隠れ里のような宿である。もともと江戸時代から中津川宿本陣脇にて旅籠を営み、昭和8年に現在の場所に居を移したという。多くの...
特集|森の神に会う旅~岐阜県の“ウェルネス・ツーリズム”~Chapter 3
特集|森の神に会う旅~岐阜・東濃地域~Chapter 3:文化の継承と森への回帰輪廻する生命(1)素人が演じる地芝居を岐阜では「地歌舞伎」と呼び、全国最多となる29の保存会が活動している。とくにここ東濃エリアには約半分の15団体があり、芝居小屋も新旧合わせて7つが現存。いまも定期的に上演され、現役の劇場として役目を果たしている。地歌舞伎をやるには時間も金もかかる。それでも地元の人びとは協力しあい、支え合いながら活動をつづけているのだ。Photographs by JAMANDFIXText by KASE Tomoshige(OPENERS)地歌舞伎の発生岐阜・東濃地域の自然と文化をレポートするこの短期連載。最終回となる第3回は、「地歌舞伎」からスタートする。平成19年より岐阜県が進めている、あらたな地域資源を発信するための「飛騨・美濃じまん運動~岐阜の宝もの認定プロジェクト」。このなかで平成21年度に最上位の「岐阜の宝もの」に認定されたのが、「東濃地方の地歌舞伎と芝居小屋」だ。地...
プロフェッショナルと巡る森~岐阜・飛騨地方の自然とアクティビティ~|特集
特集|岐阜県の“ウェルネス・ツーリズム”飛騨地方の美しい自然とアクティビティプロフェッショナルと巡る森去る6月、「WELLNESS TOURISM; 森の神に会う旅」と題して、岐阜県南東部「東濃エリア」を訪れ、森から生じて彼の地に息づいた文化と伝統の一端をお伝えした。今回取材するのは、広大な岐阜県の北部を占める「飛騨エリア」である。岐阜県でも「飛騨の森リゾートの旅」として、自然を楽しむ新しい旅の提案をおこなっている地域だ。観光地としては世界遺産である白川郷があまりに有名であるが、飛騨山脈、御嶽山、そして西は白山連峰のふもとに広がる手つかずの森林に囲まれた、岐阜の自然の核心でもある。全3回にて、白川郷と飛騨高山の森、天生県立自然公園、そして五色ヶ原の森を紹介。案内人は森を知り尽くした“プロフェッショナル”である。飛騨エリアの自然の魅力を存分に味わっていただこう。Photographs by JAMANDFIXText by KASE Tomoshige(OPENERS)Chapter...
BOOK|レストラン「ロオジエ」の真髄を記した書籍『THE STORY OF L’OSIER』
BOOK|内装からカトラリーにいたるまで、ひとつひとつに込められた驚きの物語『THE STORY OF L’OSIER 最高のレストラン「ロオジエ」 最上のおもてなしの秘密』資生堂が経営するフレンチレストラン「ロオジエ」。そこにかかわる人びとのインタビューを通し、いかにしてロオジエという特別な存在が作られているのか、驚きの物語とともにその真髄を記した書籍『THE STORY OF L’OSIER 最高のレストラン「ロオジエ」 最上のおもてなしの秘密』が、マガジンハウスより発売中だ。Text by ENOMOTO Kozue (OPENERS)「ロオジエ」を形作る無形有形の物語1973年のオープン以来、40年もの長きにわたり王道のフレンチレストランという揺るぎないイメージを保ちつづけているロオジエ。本書では、レストランを構成する“もの”を通してロオジエがもつ固有の文化を検証。料理だけにとどまらず、エントランスや内装、インテリア、カトラリー、おもてなしの心にいたるまで、どのようにしてロ...
MOVIE|最後に「平和と安全」を味わうのは誰か?『標的の村』
MOVIE|最後に「平和と安全」を味わうのは誰か?オスプレイ配備に反対する村人たちの姿を追うドキュメンタリー『標的の村』アメリカ軍基地に四方を囲まれた沖縄北部にある人口160人ほどの東村高江地区。その地に計画された、新型輸送機オスプレイ配備に反対する住民たちの姿を追いながら、沖縄の基地への抵抗の歴史を紐解いていくドキュメンタリーが『標的の村』だ。8月10日(土)より、ポレポレ東中野ほかで全国順次ロードショーされる。Text by YANAKA Tomomi監督は琉球朝日放送のキャスター、三上智恵さん日本にあるアメリカ軍基地の74%が密集する沖縄。2012年9月26日、新型輸送機オスプレイの配備の反対運動をつづける住民たちは身を投げ出し、クルマを並べ、台風のなか、アメリカ軍普天間基地のゲート前に座り込み22時間にわたり完全封鎖した。この全国ニュースからほぼ黙殺された前代未聞の出来事の一部始終を記録していたのは、地元テレビ局の琉球朝日放送だった――。監督は琉球朝日放送のキャスターとして...
EAT|ブランド初、日本のために開発された新商品が登場
CHIVAS REGAL|シーバスリーガルEAT|日本産ミズナラ樽でマリッジした繊細で特別な味わいシーバス リーガル初、日本のために開発された新商品が登場10月1日(火)、スコッチウイスキー「シーバスリーガル」から、ブランド初となる、日本市場のために開発された新商品「シーバスリーガル ミズナラ スペシャル・エディション」が発売される。Text by KUROMIYA Yuzu日本人の繊細な味覚に捧ぐ「シーバスリーガル ミズナラ スペシャル・エディション」は日本人の繊細な味覚に捧げる、スコットランドからの敬意を込めた逸品。「シーバスリーガル」のマスターブレンダー、コリン・スコット氏。彼は今回、12年以上熟成した、最高品質のシングルモルトウイスキーとグレーンウイスキーを厳選し、日本人の味覚に合った特別なブレンドを完成させた。ブレンドの一部を、日本原産のオーク材であるミズナラ樽でマリッジ(一定期間を大樽で寝かせて融合すること)することで、完璧なバランスを持つ、まったくあたらしい“シーバス...
MOVIE|『山形国際ドキュメンタリー映画祭』を10月に開催
MOVIE|世界のいま、アジアのいまをドキュメンタリー映画で見つめる『山形国際ドキュメンタリー映画祭』を10月に開催ドキュメンタリー映画に特化した、アジアでも数少ない映画祭『山形国際ドキュメンタリー映画祭』(YIDFF)。10月10日(木)から17日(木)まで、山形市で開催される。Text by YANAKA Tomomiアジアの新進作家を“発掘”する『アジア千波万波部門』など多彩なプログラム1989年、アジアで最初の国際ドキュメンタリー映画祭としてスタートした『山形国際ドキュメンタリー映画祭』。これまでにカンヌ国際映画祭で最高賞となるパルムドールを受賞した河瀬直美監督や、タイのアピチャッポン・ウィーラセタクン監督らを積極的に紹介してきた2年に1度の祭典が、今年も開催される。8日間の期間中は、117の国と地域から応募のあった1152本のなかから、厳選した15本の最新ドキュメンタリーを上映する『インターナショナル・コンペティション部門』を開催。また、YIDFFの開催に尽力した故小川紳...
MOVIE|渡辺謙、佐藤浩市ら日本映画界が誇る俳優陣が集結『許されざる者』
MOVIE|渡辺謙、佐藤浩市ら日本映画界が誇る俳優陣が集結イーストウッドの傑作を李相日が日本映画として再生した『許されざる者』クリント・イーストウッドによる名作を、李相日監督が渡辺謙や佐藤浩市ら日本映画界が誇るキャストを迎えてリメイクに挑んだ『許されざる者』。9月13日(金)より、新宿ピカデリーほか全国ロードショーされる。Text by YANAKA Tomomi舞台は維新後の北海道“最後の西部劇”といわれ、第65回アカデミー賞最優秀作品賞をはじめ4部門を受賞した原作から、舞台を明治維新後の北海道に移して壮大なスケール描かれた『許されざる者』。映画史に残る最高傑作がこの秋、日本映画となって再生する。監督は『悪人』や『フラガール』の李相日。かつて黒澤明の『用心棒』に感動したイーストウッドが『荒野の用心棒』に主演し、希代の名作にもうひとつの命を与えたように、イーストウッドの『許されざる者』に射抜かれた李監督が、あらたな命を注ぎ込んだ。キャストは、渡辺謙や柄本明、佐藤浩市という日本を代表...
INTERVIEW|映画『そして父になる』是枝裕和監督インタビュー
INTERVIEW|赤ちゃん取り違え事件を題材にした衝撃作映画『そして父になる』是枝裕和監督インタビュー(1)いまや、現代を代表する日本人監督となった是枝裕和監督。カンヌ国際映画祭でも話題を集めた『誰も知らない』ほか、『幻の光』『ワンダフルライフ』『歩いても 歩いても』など、発表する作品がすべて国内外で注目の的となっている。第66回カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞した新作『そして父になる』では、赤ちゃん取り違え事件を題材に、父性の本質に迫っていく。作品に込めた想いとは。是枝監督に聞いた。Photographs (portrait) by JAMANDFIXText by MAKIGUCHI Juneディテールがすべて――作品を観ていて、父性と母性の違いが、タイトルに現れていると感じました。母親は出産を経て自然に母性を目覚めさせます。そんな母と父親との間に温度差のようなものを感じていらっしゃるのでしょうか。母親の場合は、“そして”がいらないんですよね。うちの場合は、子供が生まれた瞬間...
MUSIC|ギター+タップ+パーカッション「Conguero Tres Hoofers」
MUSIC|ギター+タップダンス+パーカッションConguero Tres Hoofers セカンドアルバム『Selected Future is Love』リリースTV番組やCMへの楽曲提供、プロデュースなどでも活躍する渥美幸裕(Gt.)、北野武監督の映画『座頭市』への出演でも話題となったSARO(Tap)、クレイジー・ケン・バンドや和田アキ子といった超大御所ミュージシャンをサポートしてきた西岡ヒデロー(Per.)によるバンドプロジェクト「Conguero Tres Hoofers(コンゲイロ・トレス・フーファーズ)」。ファーストアルバムから2年、セカンドアルバム『Selected Future is Love』が9月25日(水)に発売された。Text by IWANAGA Morito(OPENERS)有機的なセッションから生まれる日本のJAZZ2010年、シンプルな楽器と体を使ったフィジカルなライブ・パフォーマンスが話題となり、アルバムリリース前に、フジロックフェスティバルな...
INTERVIEW|『マイク・ミルズのうつの話』マイク・ミルズ監督インタビュー
INTERVIEW|うつ病と格闘する“ふつうの人びと”の姿を描いたドキュメンタリー『マイク・ミルズのうつの話』マイク・ミルズ監督 日本公開記念インタビュー(1)日本人の15人にひとりがかかっているといわれるうつ病。しかし2000年まで、「うつ」という言葉は精神科周辺以外ではめったに聞かれなかった。なぜこの短い期間にうつ病は爆発的に広まったのか? マイク・ミルズ監督は、製薬会社がおこなった「心の風邪をひいていませんか?」という広告キャンペーンが理由のひとつであると考え、その実態に迫るドキュメンタリーを作ろうと思い立つ。うつ病患者のありのままの日常を、ミルズ監督独特の優しい目線で捉えた本作は、うつ病の知られざる一面を明らかにするとともに、いまの日本社会が抱える問題点をも鮮やかに描き出す。Text by TANAKA Junko (OPENERS)あたらしいグローバリゼーション!?――うつ病の話を描くのに、日本を舞台にしようと思ったのはなぜですか?ぼくはもう何度も日本に来ていますが、ある...
Forevermark|七夕にちなんだ“願いが叶う”フェア開催
Forevermark|フォーエバーマーク銀座三越で出合う七夕にふさわしい“願いを叶えるジュエリー”フェスタリア ビジュソフィアによる「エンゲージメントフェア」開催今年から七夕の7月7日に制定された「エンゲージメントデー」。その誕生を記念し、フォーエバーマーク認定ジュエラーのfestaria bijou SOPHIA(フェスタリア ビジュソフィア)による「エンゲージメントフェア」が7月3日(水)から9日(火)まで銀座三越地下1階のイベントスペースで開かれる。Text by YANAKA Tomomi七夕は大切なひととの結びつきを思い出す“エンゲージメントデー”一年に一度の七夕を、大切なひととの結びつきを思い出し、あらためて伝え、想いを重ねていく日として提唱する「エンゲージメントデー」。ふたりのためのあらたな記念日の誕生を祝い、フォーエバーマーク認定ジュエラーのフェスタリア ビジュソフィアでは「エンゲージメントフェア」を開催する。美しい星空をイメージした会場には、フォーエバーマークが...
MOVIE|橋本愛主演で送る春夏秋冬の4部作『リトル・フォレスト』
MOVIE|自然の恵みを食べて、生きる力を充電する春夏秋冬の4部作生きるために食べる。食べるためにつくる『リトル・フォレスト』「月刊アフタヌーン」に連載された五十嵐大介の人気コミックを橋本愛主演で映画化。夏・秋・冬・春の4部構成になっており、夏・秋編となる『リトル・フォレスト 夏・秋』が8月30日(土)よりロードショーされる。冬・春編は2015年2月に公開予定だ。Text by KUROMIYA Yuzuフードコーディネーターは「eatrip」、原作に忠実に料理を再現生きるために食べる。そして食べるためにつくる。すべてがひとつながりになった暮らしの中で、自分の生き方を見つめなおしていく主人公の姿を描き出す『リトル・フォレスト』。美しい四季の移ろいを映し出すため、約1年に渡って岩手県奥州市にてオールロケを敢行。春夏秋冬の4部作として完成させた。旬の食材を使ってつくる食事は、料理研究家・野村友里が率いる「eatrip」チームがディレクションを担当。畑でとれたトマトを使ったパスタ、山で採...
新連載|気仙沼便り|8月「合言葉は“海と生きる”」
新連載|気仙沼便り「人」が繋ぐ未来へのタスキ8月「合言葉は“海と生きる”」2014年4月、トラベルジャーナリストの寺田直子さんは、宮城県・気仙沼市へ向かった。目的は20年ぶりに造られたという、あたらしい漁船の「乗船体験ツアー」に参加すること。震災で大きな被害を受けたこの地も、3年の月日を経て、少しずつ確実に未来へ向かって歩きはじめている。そんな気仙沼の、ひいては東北の“希望の光”といえるのが、この船なのだと寺田さんは言う。漁船に導かれるまま、寺田さんが見つめた気仙沼のいま、そしてこれからとは? まずは気仙沼へ赴くきっかけとなった出来事から話をはじめることにしよう。Text & Photographs by TERADA Naoko復興のために活動する気仙沼の人たちとの出会いきっかけは3月に東京で開催された東日本大震災のシンポジウムだった。地元、行政、ボランティア、旅行会社が登壇し、観光という視点から震災後の東北の現況を語り、どのような復興支援をツーリズムが担えるのかという問...