連載

ラットホールギャラリー|第45回 北島敬三個展『PORTRAITS』 (3)

ラットホールギャラリー|第45回 北島敬三個展『PORTRAITS』 (3)

ラットホールギャラリー│第45回 北島敬三個展『PORTRAITS』 (3・最終回)もっと直接的に顔が現れてくるような撮り方はないか北島敬三氏へのインタビューも、いよいよ今回が最終回。話は、「PORTRAITS」発表までの試行錯誤から、この作品群をとおして北島氏が伝えたかった真の意味へと展開します。インタビューをおこなった私自身、彼の話を聞く前と後では、このシリーズ、そしてこれまでのすべての作品への見方、感じ方が大きく変わるような、非常に興味深い内容でした。Photo by Jamandfixedit by TAKEUCHI Toranosuke(City Writes)この方法にすれば、システム上“ボツ”はないんです──「PORTRAITS」は、いわば単独性の面白さ、不可思議さを発見するための実験。結果、見事に不思議なものができましたねでも、それを実証するために最低6年は発表するのをやめようと思いました。6枚ぐらい揃わなければ、私の確信が正解だったかどうかわからないと思いましたか...
RAT HOLE GALLERY|イザ・ゲンツケン(Isa Genzken)日本初の個展「OIL XV / XVI」

RAT HOLE GALLERY|イザ・ゲンツケン(Isa Genzken)日本初の個展「OIL XV / XVI」

RAT HOLL GALLERY|イザ・ゲンツケン日本初の個展「OIL XV / XVI」展10月2日(金)より12月27日(日)までの約3ヵ月間、Isa Genzken(イザ・ゲンツケン)による日本初の個展「OIL XV / XVI」がラットホールギャラリーにて開催される。造形美からの脱却、作品にこめられる哲学とメッセージIsa Genzken|イザ・ゲンツケンIsa Genzken(イザ・ゲンツケン)による日本ではじめてのインスタレーション「OIL XV / XVI」が10月2日(金)より12月27日(日)までラットホールギャラリーにておこなわれる。ゲンツケンは1976年、その当時おもにミニマリズムやポストミニマリズムのアーティストをあつかっていたデュッセルドルフの「コンラッド・フィッシャー・ギャラリー」でデビューし、『Ellipsoid(楕円)』『Hyperbolo(双曲線)』からなる作品群でその名を世間にひろめた。5メートルから6メートルにもおよぶ細長い流線型のこの作品は、...
RAT HOLE GALLERY|やなぎみわ展 「Lullaby」

RAT HOLE GALLERY|やなぎみわ展 「Lullaby」

RAT HOLL GALLERY|現実と想像が入り乱れる、終わりのない日常やなぎみわ展「Lullaby」“老婆と少女”をモチーフに、これまでに多くの作品を発表しいるやなぎみわ、彼女の最新作からなる個展「Lullaby」が1月 29日(金)~3月21日(日)の期間中開催される。同化し、入り乱れ、からみあい、もつれあう老女と少女2009年6月、第53回ヴェネチアビエンナーレ美術展にて日本館への出品作家に選ばれたやなぎみわ。その際発表された「Windswept Women」では、これまで彼女の写真作品に内包されていた演劇性が、より物理的な形をともなったインスタレーションとして具現化された作品となった。なにより目を引いたのは会場となった日本館の異様な姿だろう。作品展示にあたり、彼女は真っ白な日本館を真っ黒いテントで包んでしまったという。それだけでもかなりのインパクトだが、そこに飾られていたのは巨大フレームにおさめられた現実では考えられない奇怪な身体で嵐のなか猛り狂うひとりの女の姿。それはや...
RAT HOLE GALLERY|Wilhelm Sasnal展 「16mm films」

RAT HOLE GALLERY|Wilhelm Sasnal展 「16mm films」

RAT HOLE GALLERY|ポーランド出身のアーティストWilhelm Sasnal展「16mm films」4月2日(金)より6月6日(日)まで、ポーランド出身のアーティスト ヴィルヘルム・サスナルの日本初となる個展「16mm films」が開催される。Text by OPENERSポーランド人アーティスト日本初の個展Wilhelm Sasnal(ヴィルヘルム・サスナル)は1972年、ポーランド・タルノフ生まれ。クラクフ芸術アカデミーの絵画科を卒業し、雑誌のイラストレーターとして仕事をする傍ら制作活動をつづけ、2000年ごろから国際的にも注目を集めるようになった。以降ポーランド国内外の多くの展覧会でその作品が知られることとなる。画家としてのキャリアが先行している印象のあるサスナルだが、その一方で写真、ドローイング、ビデオ、そして今回のおもな展示となる16mmフィルムなど、さまざまなメディアを使った作品を発表している。客観性が映しだすリアリティ制作活動の中心である絵画制作にお...
Volkswagen Golf | フォルクスワーゲン・ゴルフ(前編)

Volkswagen Golf | フォルクスワーゲン・ゴルフ(前編)

Volkswagen Golf|フォルクスワーゲン・ゴルフ(前編)「いいなあ!」と感心する1974年のデビュー以来、つねにベストセラーとして世界中のカーメーカーの指標となってきたゴルフ。このたび登場したその6代目にさっそく試乗した。文=小川フミオ写真=荒川正幸ドライバーとクルマの一体感が気持ちいいそう思ったのが、2009年4月9日に日本発売が開始された新型フォルクスワーゲン・ゴルフに乗ったとき。1974年に初代が本国で発表され、今回で6代目になるのだが、その間に2600万台も売ったのだそうだ。ゴルフで感心するのは、初代から6代目まで「大人5人が乗れるハッチバック車」というコンセプトが不変だったこと。途中、惰性でつくっているんじゃないの? と突っ込みたくなるような、わりと凡庸な出来のモデルもあったが、先代の5代目からゴルフは大きく進化。ゴルフってやっぱりいいかも、と思っていたところに、このモデルチェンジ。6代目、乗ると「いいなあ!」と感心する出来だ。6代目ゴルフについておさらい。2つ...
Jaguar XJ/ジャガーXJシリーズ|最高のラグジュアリーサルーン

Jaguar XJ/ジャガーXJシリーズ|最高のラグジュアリーサルーン

Jaguar XJ|ジャガーXJ シリーズ最高のラグジュアリーサルーンジャガーは、上海モーターショーにおいて新型「XJ」のティーザーキャンペーンを開始した。文=ジラフデリバリーは2010年初頭ジャガーXJといえば、同社のフラッグシップとして人気を集め、世界的にも評価の高いモデルとして知られる。今回のニューモデルはさらに進化を果たし、新開発のエンジン、アルミボディ構造が採用され、次世代のサルーンとして誕生するという。 新開発となるエンジンはジャガーでは3世代目となるV8。またトップグレードには、直噴の5.0リッターV8スーパーチャージャー(510ps)が搭載され、ディーゼルも燃費の向上、CO2の排出を低減した新たなV6ユニットが用意される。今回公開された写真は、ニューモデルを真上から見下ろしたものが1枚だが、ジャガーは「ニューXJが最高のラグジュアリーサルーンを定義する」と自信のコメント。写真から認識できるのは、今のところルーフ全体にガラスルーフを採用していることだけだが、早くその...
Volkswagen Golf|フォルクスワーゲン・ゴルフ(後編)

Volkswagen Golf|フォルクスワーゲン・ゴルフ(後編)

Volkswagen Golf|フォルクスワーゲン・ゴルフ(後編)じつに効率的なクルマ1974年のデビュー以来、つねにベストセラーとして世界中のカーメーカーの指標となってきたゴルフ。このたび登場したその6代目にさっそく試乗した。文=小川フミオ写真=荒川正幸燃料計の針がなかなか動かないふたつ用意されたグレードのうち、とりわけハイラインは、低回転域ではスーパーチャージャーが太いトルクを与え、エンジン回転が上がるとターボチャージャーが動いて、がつんとパンチのある加速力を味わわせてくれる。知らなければ2リッターの感覚だ。さらに運転感覚を上質なものにしてくれているのが、DSGと呼ばれる新世代のギアボックスだ。従来のオートマチックと同じ感覚で運転できるのに、マニュアルトランスミッションのようなダイレクトなシフトフィーリングを味わえる。今回は7スピード化されるとともに乾式となり、従来の湿式多板クラッチの6段DSGがクラッチ冷却用のオイルを必要としたのに対して、こちらはより軽量化に成功。「これから...
ジャック・ゴールドスタイン展覧会

ジャック・ゴールドスタイン展覧会

初期のポストモダニズムアートを彩ったジャック・ゴールドスタインの日本初となる展覧会1970年代後期から80年代初期にかけての作品で、ポストモダニズムの初期段階を決定づける役割を果たしたジャック・ゴールドスタイン(1945-2003年)。彼の日本初となる展覧会が1月25日(水)から3月25日(日)まで、東京・青山のRAT HOLE GALLERY(ラットホールギャラリー)で開かれる。Text by YANAKA Tomomi16mmショートフィルム10本の作品も上映表象批判に主眼を置く美術へとパラダイムシフトをもたらした「ピクチャー・ジェネレーション」のひとりとして、今なお多くのアーティストに影響を与えているジャック・ゴールドスタイン。パフォーマンス、フィルム作品、ペインティング、音響作品と幅広く活躍し、アートの価値観に新風を吹き込んだポストモダニズムの旗手ともいえるアーティストだ。1945年、カナダ・モントリオールに生まれたゴールドスタインは、カリフォルニア芸術大学で学び、キャリア...
ART
RAT HOLE GALLERY|綿谷 修新作展「Juvenile」

RAT HOLE GALLERY|綿谷 修新作展「Juvenile」

RAT HOLE GALLERY│ラットホールギャラリー綿谷 修新作展「Juvenile」ラットホールギャラリーでは7月23日(金)から8月25日(水)までの期間中、綿谷 修の新作による個展「Juvenile」を開催する。夏のウクライナで4000kmもの旅の果てに偶然出会ったティーンエイジャーたちを数年にわたって撮影したカラー写真約30点が展示される。Text by OPENERS“Juvenile”少年から大人へと変わるつかの間の輝き2010年3月、『CHILDHOOD』と冠した写真集を刊行した綿谷 修が、つづく本展で発表する新作「Juvenile」では、幼年期から成人期へと成長するつかの間に見てとれる少年・少女たちの複雑な表情を写し出している。大人になることを待ち焦がれながらも無邪気に川辺で遊ぶ子どもたちには、純真さ、そして闊達さといった思春期特有の振舞いと同時に、大人に眼差されていることへの自覚を見出すことができる。彼らの瞳は仲間たちとふざけ、笑いあうときも、憂いた目でまっす...
ラットホールギャラリー|「Roni Horn」開催

ラットホールギャラリー|「Roni Horn」開催

RAT HOLE GALLERY|ラットホールギャラリー「Roni Horn」開催言葉と出会い、そして対峙することからうまれたミニマリズムラットホールギャラリーにて、2010年9月7日から12月5日まで(月曜休)ロニ・ホーンの展覧会「Roni Horn」が開催されている。今回が、世界中で活動するロニ・ホーンの立体作品とドローイングを日本で紹介する初の機会となる。Text by OPENERSエミリー・ディッキンソン×ロニ・ホーン「Roni Horn」では、「White Dickinson」シリーズから4点の立体作品と、最新シリーズ「Else」からの1点をふくむ3点のドローイングが展示されている。ラットホールギャラリーで開催される展覧会としては、2008年の「This is Me, This is You」につづき2度目となる。ロニ・ホーンは、最近ではブレゲンツ現代美術館(オーストリア)で個展「Well and Truly」が開催され、昨年2月から今年6月にわたっては、ホーンの作品を...
ART
RAT HOLE GALLERY|北島敬三の新作写真展「ISOLATED PLACES」

RAT HOLE GALLERY|北島敬三の新作写真展「ISOLATED PLACES」

履歴を忘れ、行く先を見失った風景北島敬三の新作写真展「ISOLATED PLACES」写真家北島敬三氏の新作展覧会「ISOLATED PLACES」が4月6日(金)から5月13日(日)まで、南青山のRAT HOLE GALLERY(ラットホールギャラリー)で開かれる。Text by YANAKA Tomomikあたらしい写真集も刊行1970年代後半から90年代初頭にかけて、国内外の都市でストリートスナップを撮影し、81年には「NEW YORK」で木村伊兵衛賞を受賞、現在も国内外で活躍する北島氏。92年からは白いシャツ姿の人物を継続的に撮影する「PORTRAITS」と、無人の風景を撮影する「PLACES」という新シリーズをスタート、同時並行で制作を続けている。初期の「PLACES」では東京やロンドン、ニューヨーク、香港など世界の大都市が中心的な撮影地に選ばれるとともに、どの都市にも共通しているような都市風景が映し出され、都市をグローバリズムのスペクタクルとして捉えようとする作家の姿が...
HYSTERIC GLAMOUR|フォトグラファー WATARUによる写真展DETROIT NEW YORK

HYSTERIC GLAMOUR|フォトグラファー WATARUによる写真展DETROIT NEW YORK

HYSTERIC GLAMOUR│ヒステリックグラマーヒステリックグラマーのロックミューズ3人を撮影フォトグラファー WATARUによる写真展DETROIT NEW YORKフォトグラファーWATARU氏が、ヒステリックグラマーの最新イメージブックのために世界のロックシーンを代表する3人のミューズを中心に撮影した写真を展示するDETROIT NEW YORK展。4月14日(日)から5月13日(日)まで、ヒステリックグラマー渋谷店でひらかれる。Text by YANAKA Tomomi写真や限定フォトTシャツの販売もパリでヘアスタイリストとして活躍した後、2002年にフォトグラファーとして活動開始するなど、異色のキャリアと才能あふれる写真作品で注目を集めるWATARU氏。現在、東京を拠点に雑誌や広告、CDジャケットなどを中心に活躍し、07年からはヒステリックグラマーのプロジェクトの撮影も手がけている。今回、彼が撮り下ろした最新イメージブックのリリースにあわせた写真展が開催される。イメ...
ART
ART|アンバランスな感覚により問われる作品のありか エラッド・ラスリー展

ART|アンバランスな感覚により問われる作品のありか エラッド・ラスリー展

ART|エラッド・ラスリー展アンバランスな感覚により問われる作品のありかロサンゼルスを拠点に活動するアーティストElad Lassry(エラッド・ラスリー)による日本初の展覧会が5月26日(土)から7月29日(日)まで、南青山のRAT HOLE GALLERY(ラットホールギャラリー)で開かれる。Text by YANAKA Tomomi写真、16mmフィルム、立体作品と多彩な作品を展開イスラエル・テルアビブで1977年に誕生したエラッド・ラスリー。現在はロサンゼルスを拠点に活動し、国際的にも注目を集めているアーティストだ。日本初となる今回の展覧会では、写真や16mmフィルム、立体によるインスタレーションを展開。彼自身の歴史やフォーマリズムに対する問題意識のもと、現代の視覚文化における“イメージ”のあり方に対する問いと探究心が試みられている。たとえば、人物や動物、日常的なオブジェなどをモチーフとした写真作品では、けばけばしい色の地を背景にしたことにより、モチーフが本来のコンテクスト...
ART
ART│日本初公開「モニカ・ボンヴィチーニ」展がラットホールギャラリーで開催

ART│日本初公開「モニカ・ボンヴィチーニ」展がラットホールギャラリーで開催

多様な表現を試みながら表象のあいだにある関係を暴く日本初公開の「モニカ・ボンヴィチーニ」展ベルリンを拠点に制作するイタリア人アーティスト、モニカ・ボンヴィチーニの立体作品とドローイングによる日本初の展覧会が11月2日(金)から2013年2月3日(日)まで南青山のラットホールギャラリーで開催される。Text by YANAKA Tomomi立体やインスタレーション、平面など表現にとらわれない作品を展示1965年にイタリア・ヴェネツィアで生まれ、慣習や社会的なものの潜在的な意味に注目し、空間や権力、そしてジェンダーの関係を探求する作家として知られるモニカ・ボンヴィチーニ。1999年のヴェネツィアビエンナーレで金獅子賞を受賞したほか、今年は巨大な野外彫刻「RUN」がロンドンオリンピックのコミッションワークとして、オリンピックパークに恒久的に展示されるなど、世界的にも注目を集めるアーティストのひとりだ。その作品形態も立体、インスタレーション、写真やビデオ、紙作品とさまざまなカタチで展開。そ...
ART│ラットホールギャラリーでグレン・ライゴンによる日本初の個展を開催

ART│ラットホールギャラリーでグレン・ライゴンによる日本初の個展を開催

ART│オバマ大統領のセレクトにより、ホワイトハウスにも作品を展示ラットホールギャラリーでグレン・ライゴンによる日本初の個展を開催ニューヨークに拠点を置くアーティスト、グレン・ライゴンによる日本初の個展が3月29日(金)から6月30日(日)まで南青山のラットホールギャラリーで開催され、新作のペインティングやネオン作品、ドローイングなどが並べられる。Text by YANAKA Tomomi代表作のテキストを用いた抽象画やネオン作品を紹介© Glenn Ligon Courtesy of the artist1960年にニューヨークのブロンクスに生まれたグレン・ライゴンはペインティングやネオン、シルクスクリーン、写真、インスタレーション、ビデオなど多岐にわたるメディウムを使って制作することで知られている。なかでも1980年代後半から制作されたテキストを用いた抽象画のシリーズは代表作として名高いもの。また、近年でもオバマ大統領のセレクトにより、ホワイトハウスへの貸し出しが決まるなど、ア...
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