連載

安楽寺えみ 写真展『Snail Diary』対談(その1)

安楽寺えみ 写真展『Snail Diary』対談(その1)

第27回 安楽寺えみ 写真展『Snail Diary』対談(その1)現在ラットホールギャラリーでは、3月30日(日)まで、安楽寺えみさんの写真展『Snail Diary』を開催しています。安楽寺さんは武蔵野美術大学で油絵を学び、約10年間の闘病生活を送った後、93年より銅版画を始め、98年ごろより本格的な写真制作をはじめます。その作品は、人間のもつ根源的な生への欲望が、さまざまなメタファーに置き換えられて存在し、夢のような不思議な世界観を構築しています。今回は、そんな安楽寺さんと、この写真展のオープニングに際しておこなった対談の模様をお伝えしていきます。意外な告白も飛び出し、少々照れてしまいましたが……。北村信彦/HYSTERIC GLAMOURPhoto by Jamandfixedit by TAKEUCHI Toranosuke(City Writes)じつは『犬の記憶・終章』(文庫版)のあとがきに惚れ込んでたんです安楽寺 ノブ社長(北村さん)にまず、ひとつお話ししたいことが...
2014 ミラノサローネ 最新リポート|GLAS ITALIA

2014 ミラノサローネ 最新リポート|GLAS ITALIA

GLAS ITALIA|グラスイタリア特集|ミラノサローネ国際家具見本市 2014吉岡徳仁デザイン「PRISM glass chair」発表イタリアの歴史ある家具メーカーGLAS ITALIAより、吉岡徳仁デザインの高透過ガラスから生み出された椅子「PRISM glass chair」が、ミラノサローネにて発表される。Text by KAJII Makoto (OPENERS)輝きをまとう透明な彫刻吉岡徳仁氏のデザインと、GLAS ITALIAの革新的なカット技術によって、あらたなコラボレーションを実現した今年のミラノサローネ。「PRISM glass chair」は、厚みのある高透過ガラスから生み出された椅子で、ガラスに面カット加工をほどこすことで、プリズムのように透明感のある輝きを放つ。光の屈折によって不思議な表情を生み出し、輝きをまとう彫刻のような椅子。この作品は、新作「PRISM mirror table」とともに、PRISMシリーズとして発表される。吉岡徳仁氏は、この「P...
安楽寺えみ 写真展『Snail Diary』対談(その2)

安楽寺えみ 写真展『Snail Diary』対談(その2)

第28回 安楽寺えみ 写真展『Snail Diary』対談(その2)前回に引き続き、安楽寺えみさんとの対談の模様をお伝えしていきます。話は安楽寺さんの写真の原点へ、そこから今回の写真展のテーマへと移っていきます。彼女の言葉を聞くうちに、写真に写る表現の、さらにその奥にある深い部分を垣間見ることができた気がしました。北村信彦/HYSTERIC GLAMOURPhoto by Jamandfixedit by TAKEUCHI Toranosuke(City Writes)6尺3寸の宇宙でできること北村 安楽寺さんの作品は、写真というカタチになるまでに、また別のコンセプトがありますよね。そういう意味では普通にいう写真家というカテゴリーに収まっていない気がします。もっと広い意味でのアーティストというんでしょうか。安楽寺 もともと私は油絵からはじまって、その後銅版画をやっていましたから。じゃあ、どうして写真にいったのかというと、やっぱり写真がおもしろかったんじゃないでしょうか。きっかけは、...
安楽寺えみ 写真展『Snail Diary』対談(その3・最終回)

安楽寺えみ 写真展『Snail Diary』対談(その3・最終回)

第29回 安楽寺えみ 写真展『Snail Diary』対談(その3・最終回)安楽寺えみさんとの対談も今回が最終回です。どこか微熱状態にも似た彼女の作品。その印象はいったいどこから来るのか。作品に向かう胸の内を赤裸々に語ってくれた今回の対談を通して、その核心に迫ることができた気がしました。僕自身、彼女の言葉を聞いてから再び作品に向かうことで、最初に見たときにはおぼろげだったその背景がより鮮明に見えてきました。北村信彦/HYSTERIC GLAMOURPhoto by Jamandfixedit by TAKEUCHI Toranosuke(City Writes)もどってきたら少し違う次元にいた北村 女性だからということもあるんでしょうが、どの作品もアブノーマルなんだけどグロテスクじゃないですよね。エロティックとアブノーマルがいい意味で融合してるというか。安楽寺 さっきノブ社長もおっしゃいましたけど、要するに微熱状態なんですよ。北村 繰り返される微熱、みたいな感じですね。安楽寺 そう...
2014 ミラノサローネ 最新リポート|Kartell

2014 ミラノサローネ 最新リポート|Kartell

Kartell|カルテル特集|ミラノサローネ国際家具見本市 2014吉岡徳仁デザイン「SPARKLE」発表昨年のミラノサローネ2013で発表され、大きな話題を呼んだ吉岡徳仁デザインのスツールとサイドテーブルのコレクション「SPARKLE」シリーズ。今年はカラーバリエーションが増えて展開する。Text by KAJII Makoto (OPENERS)クリスタルガラスのような輝き50年以上の歴史を有するイタリア最大のプラスチック家具メーカー「Kartell(カルテル)」。吉岡徳仁氏デザインの「SPARKLE」は、プリズム効果によって光が屈折する。まるでクリスタルガラスのような輝きを放つ、ツイストされたフォルムが特徴的な、スツールとサイドテーブルのコレクションだ。今年は明るいイエローやスモーキーグレーなど、カラーバリエーションが楽しめるラインナップで登場。さらに、今回のミラノサローネでは、Kartellスタンドで未公開作品の発表も予定している。Kartell(@Salone Inter...
2014 ミラノサローネ 最新リポート|Fritz Hansen

2014 ミラノサローネ 最新リポート|Fritz Hansen

Fritz Hansen|フリッツ・ハンセン特集|ミラノサローネ国際家具見本市 2014ミラノショールームで新作発表「Fritz Hansen(フリッツ・ハンセン)」はミラノサローネで、世界的に活躍するスペイン人デザイナーのハイメ・アジョンによる新作テーブル「Analog™(アナログ)」と、アルネ・ヤコブセンのデザインアイコンの復刻版、新作チェア「Drop™(ドロップ)」の2製品を発表。どちらもミニマムにしてあたたかみのあるデザインが魅力だ。Text by KAJII Makoto (OPENERS)人と人の距離を縮めることで、時代の流れに挑む新作ハイメ・アジョンがフリッツ・ハンセンのためにデザインした新作テーブル「Analog™(アナログ)」(ページ上写真)。人と人との距離を縮め親交を深めるという、テーブルがもつ本来の存在意義にフォーカス。デジタルデバイスを介してのコミュニケーションが溢れる今の世の中に、この「アナログ」はデバイスを必要としない空間を提供、人がかつて共有していた真...
2014 ミラノサローネ 最新リポート|h220430

2014 ミラノサローネ 最新リポート|h220430

h220430特集|ミラノサローネ国際家具見本市 2014新作プロダクト「Balloon Chair」出展デザイナー・板坂諭氏による「h220430」が、ミラノサローネ期間中にランブラーテ地区で開催される、オランダのユトレヒトを拠点とするオーガナイザーがスタートさせた展示会「Ventura Lambrate(ベンチューラ・ランブラーテ)」にて、新作プロダクト「Balloon Chair」を出展する。Text by KAJII Makoto (OPENERS)しぼまない風船!?板坂諭氏が主宰する「h220430」は、デザインをモノの形状操作として捉えるのではなく、そのモノに込めたメッセージをもとに生まれる二次的なコミュニケーションをデザイン。地球環境の問題や、世界各地でつづく難題について行動するきっかけを提案したり、世の中の興味深いことに焦点を当てて、その魅力をデザインのちからで伝えるプロジェクトだ。ミラノサローネで発表される新作「Balloon Chair」は、1953年にフランス...
2014 ミラノサローネ 最新リポート|Cassina ixc.

2014 ミラノサローネ 最新リポート|Cassina ixc.

Cassina ixc.|カッシーナ・イクスシー特集|ミラノサローネ国際家具見本市 2014ミラノサローネ2014 新作「LC5ソファ」発表カッシーナは、ミラノサローネ フィエラ会場:Pavilion 20にて、ル・コルビュジエ、ピエール・ジャンヌレ、シャルロット・ペリアンの共作である「LC5ソファ」の、最新作を発表する。Text by KAJII Makoto (OPENERS)新サイズで、フレームカラーもセレクトできる1934年、ル・コルビュジエは妻のイヴォンヌとともにパリのNungesser-et-Coli 24に引っ越した際、ピエール・ジャンヌレ、シャルロット・ペリアンとともにこの大きなソファを、自宅のリビングルーム用にデザインした。アパートメントは、ふたつのスペースに分けられ、一方は彼のアトリエとして、もう一方はプライベートエリアとして使用されていた。この「LC5ソファ」をカッシーナが最初に再編集したのは1974年だが、これまではクロームフレームを用いたワンサイズのみの展...
新型「スカイライン クロスオーバー」

新型「スカイライン クロスオーバー」

NISSAN SKYLINE CROSSOVER|日産 スカイライン クロスオーバーラグジュアリークーペとラグジュアリーSUVのパーフェクトフュージョン日産自動車は、新型「スカイライン クロスオーバー」を今夏に発売すると発表した。セダン、クーペにつづく、第3のスカイライン SUVの持つ力強さとクーペのもつスポーティさを組み合わせることで実現した新しいジャンルのスカイライン、「スカイライン クロスオーバー」。従来のクロスオーバーSUVとは異なる洗練されたプロポーションと、上質な素材を使用したエレガントな空間が特徴的だ。また、「ハイレスポンス」「高トルク」「低燃費」「クリーンな排出ガス」を実現するVVEL(バルブ作動角リフト量連続可変システム)を搭載した3.7リッター「VQ37VHR」エンジンと、マニュアルモード付7速オートマチックトランスミッションの組み合わせが生み出す、力強く伸びやかで途切れのない加速がドライバーを魅了する。日産は同車の発売に先立ち特設サイトをオープンし車両情報を...
2014 ミラノサローネ 最新リポート|STUDIO BYCOLOR

2014 ミラノサローネ 最新リポート|STUDIO BYCOLOR

STUDIO BYCOLOR|スタジオ バイカラー特集|ミラノサローネ国際家具見本市 2014「STUDIO BYCOLOR+kanaguya」新作発表STUDIO BYCOLORが、木々と深く向き合って実験を重ねた「MW:WW(More Work:With Wood)」が、年を経ることで深く味わいを醸し出す「かなぐや(kanaguya)」と協働して生まれた、「FK:WW(For Kurashi:With Wood)」。ミラノサローネのLambrate(ランブラーテエリア)で開催されるVENTURA LAMBRATE / VENTURA HIVEにて、発表される。Text by KAJII Makoto (OPENERS)日常の道具を通してメッセージを伝える色がひとにあたえる影響を追求し、物事が抱える課題に、色の力を用いた製品によってコミュニケーションデザインをおこなう、STUDIO BYCOLOR。今回は、STUDIO BYCOLORが木々と深く向き合ってデザインした素材で、20...
2014 ミラノサローネ 最新リポート|nendo

2014 ミラノサローネ 最新リポート|nendo

nendo|ネンド特集|ミラノサローネ国際家具見本市 2014「nendo」の新作をミラノ20カ所で発表東京とミラノに拠点をもち、建築、インテリア、プロダクト、グラフィックと幅広く活動をおこなう佐藤オオキ主宰のデザインオフィス「nendo(ネンド)」。4月8日(火)から開催されるミラノサローネの期間中、nendoソロエキシビション「works by nendo」など、メイン会場フィエラおよび市内の会場など20カ所にて、新作となるプロダクトを発表する。Text by KAJII Makoto (OPENERS)家具から生活用品まで、今年も多くの新作が誕生今年のミラノサローネでの個展「works by nendo」では、透明ガラスを裏面からブラシで塗装し、その上からさらに別の色で吹き付け塗装をすることで、木目や石のような自然な表情が生まれる、サイドテーブルやコンソールなど、8アイテムからなるコレクション「brushstroke」for Glasitaliaを発表。また、カンペールの「B...
2014 ミラノサローネ 最新リポート|SHARING DESIGN

2014 ミラノサローネ 最新リポート|SHARING DESIGN

SHARING DESIGN特集|ミラノサローネ国際家具見本市 2014「燕三条 工場の祭典」がミラノサローネに出展 決定昨年秋、新潟県燕三条地域にて、名だたる企業が一斉に工場を開放して、ものづくりの現場を見学・体験できるイベント「燕三条 工場の祭典」が開催された。このたび、ミラノ市が保有する元機関車工場跡地にて開催される「SHARING DESIGN」の招待により、「燕三条 工場の祭典」のミラノサローネ出展が決定した。Text by KAJII Makoto (OPENERS)国内でも10月に2回目の開催が決定今回ミラノサローネ期間中に開催される“Tsubame-Sanjo Factory Festival”exhibitionでは、日本が誇る金属加工の一大産地の燕三条地域の存在と、この地に工場を構える企業の技術力の高さを伝えるため、三条市と工場の職人が一丸となり「燕三条 工場の祭典」の取り組みを世界に向け発信する。昨年10月に開催された「燕三条 工場の祭典」では、燕三条地域の名...
2014 ミラノサローネ 最新リポート|ARMANI / CASA

2014 ミラノサローネ 最新リポート|ARMANI / CASA

ARMANI / CASA|アルマーニ / カーザ特集|ミラノサローネ国際家具見本市 2014初めての壁面装飾材コレクションを発表「ARMANI / CASA(アルマーニ / カーザ)」は、ミラノサローネの開催に合わせ、4月8日(火)よりミラノショップ(Via Sant'Andrea)にて、2014年の新作コレクションの発表をおこなう。Text by KAJII Makoto (OPENERS)革新的な素材で創られたホームアクセサリーアルマーニ / カーザの今年一番のトピックは、初めての壁面装飾材コレクション「Armani / Casa Exclusive Wallcoverings Collection」の発表だ。イタリアの壁面装飾材業界の牽引役である「Jannelli & Volpi」とのコラボレーションで、自然からインスパイアされたオリエンタリズムのエッセンスが効いた洗練されたコレクション。屏風のようなフォルムの「Exception(エクセプション)」は、自然を象徴し...
リー・フリードランダー写真展『桜狩』(その1)

リー・フリードランダー写真展『桜狩』(その1)

第30回 リー・フリードランダー写真展『桜狩 -Cherry Blossom Time in Japan-』(その1)ラットホールギャラリーでは現在、6月1日(日)までの日程でリー・フリンドランダー写真展『桜狩 -Cherry Blossom Time in Japan-』を開催しています。リーの個展といえば、昨年春の開催に続き2度目となりますが、今回はタイトルにもあるとおり、全点「桜」を撮った作品だけを集めた世界でも初めての写真展となります。さらに、この個展のオープニングにあたり、リー自身も来日してくれ、興味深い場面に遭遇することもできました。そこで本連載『ネズミの穴』では3回にわたり、今回の個展の見どころと、僕自身のリー・フリードランダー観などをお話ししてみたいと思います。北村信彦/HYSTERIC GLAMOURPhoto by Jamandfixedit by TAKEUCHI Toranosuke(City Writes)彼の写真の第一印象は、都会人が切り取った路上の空気...
初の作品集『sacai A to Z』発売|sacai

初の作品集『sacai A to Z』発売|sacai

sacai|サカイ初の作品集『sacai A to Z』発売いまや東京を代表するトップブランドのひとつとなった「サカイ」から、初の作品集『sacai A to Z』が登場。画期的かつ多様性に富んだクリエイティビティで、国内外を問わず絶大な人気を誇るブランドの素顔をはじめて紹介している。Text by KUROMIYA Yuzu現在進行形のブランドの素顔が覗ける1999年創立以来、カール・ラガーフェルド、アナ・ウィンターらファッション界の巨匠から称賛を得てきたサカイ。創立者兼デザイナーの阿部千登勢は、ハイコンセプトなデザインと時代を越えて愛されるリアリティを融合させることで独自のビジョンを表現。絶大な人気を誇るファッションブランドへと成長した。サカイの特徴とも言えるのは、普遍的なアイテムに思いがけない素材、シルエットなどを組み合わせたハイブリッドデザイン。男性的なクラシカルさは残しつつ、フェミニンな要素をも兼ね備えたユニークなコレクションで人びとを魅了している。本書では、ディテール、...
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