2014 ミラノサローネ 最新リポート|Fritz Hansen
Fritz Hansen|フリッツ・ハンセン
特集|ミラノサローネ国際家具見本市 2014
ミラノショールームで新作発表
「Fritz Hansen(フリッツ・ハンセン)」はミラノサローネで、世界的に活躍するスペイン人デザイナーのハイメ・アジョンによる新作テーブル「Analog™(アナログ)」と、アルネ・ヤコブセンのデザインアイコンの復刻版、新作チェア「Drop™(ドロップ)」の2製品を発表。どちらもミニマムにしてあたたかみのあるデザインが魅力だ。
Text by KAJII Makoto (OPENERS)
人と人の距離を縮めることで、時代の流れに挑む新作
ハイメ・アジョンがフリッツ・ハンセンのためにデザインした新作テーブル「Analog™(アナログ)」(ページ上写真)。人と人との距離を縮め親交を深めるという、テーブルがもつ本来の存在意義にフォーカス。デジタルデバイスを介してのコミュニケーションが溢れる今の世の中に、この「アナログ」はデバイスを必要としない空間を提供、人がかつて共有していた真の一体感をもたらしてくれるはずだ。
「アナログ」のテーブルトップは、正方形、円形、楕円形のどれにも当てはまらず、かつ、これら3種類の基本的な形状の特徴を一つにした、有機的であたらしいフォルム。このテーブルの周りに序列は存在せず、家族や友人、同僚といった現代人のフラットな人間関係おいて非常に適した土台となってくれる。
ハイメ・アジョンは、「テーブルは過小評価されている家具だと思います。私にとってのテーブルとは、家、オフィス、レストランといった空間で中心となるアイテムなのです。テーブルの周りで私たちは喜びや悲しみを共有し、一日の終わりには素晴らしい時を過ごします。アナログの特徴は、正方形でも円形でも楕円形でもなく、それらの間に位置するかのような、対話や親近感をサポートするそのフォルムにあるといえます。試行錯誤を重ねて得た、重厚さと軽やかさをあわせもつこの形状。特別なフリッツ・ハンセンのDNAと、上質さを放っています」と語る。
「Analog™(アナログ)」のテーブルトップのサイズは3種類あり、仕上げはホワイトラミネート、オーク、ウォルナットの3種類から選ぶことができる。価格は17万円から30万3000円(税別)となっている。
個性的かつ高級感を備えた小さなチェア
50年を超える時の眠りから目覚め、復刻となるアルネ・ヤコブセンデザインの新作チェア「Drop™(ドロップ)」は、アルネ・ヤコブセンの傑作として有名なコペンハーゲンのラディソン・ブル・ロイヤルホテルプロジェクトの一環として、1958年にデザインされたもの。スワンチェアやエッグチェアなどとともに、ロイヤルホテルのために、ごく限られた数のみが製造されたこのチェアは、アイコン的なコレクターズアイテムとして確固たる地位を築いている。
今回の復刻ではあたらしい製造方法を採用することで、オリジナルに忠実なデザインでありながらも、モダンなインテリアにマッチする、ファブリックやレザーの張り地の「ドロップ」が誕生。特徴的な背もたれのフォルムは、動きやすく、かつ包み込まれるような感覚を与えてくれる。その座り心地は快適のひと言。
「Drop™(ドロップ)」のプラスチックカラーは、ブラック、ホワイト、ストームブルー、ストーングレー、ファイヤーレッド、サンドイエローの6色、ベースは本体のカラーにマッチさせたクローム仕上げ、または粉体塗装仕上げとなっている。ドロップはプラスチックのほかに、ファブリックまたは革の張り地のモデルも選択可能。価格は3万6000円~(税別)
フリッツ・ハンセン日本支社
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