連載
「連載」に関する記事

第17回 古屋誠一インタビュー(2)
第17回 古屋誠一写真展『im fluss 流れゆく』インタビュー(その2)前回(第16回)に引き続き、今回も古屋誠一氏におこなったインタビューの模様をお伝えいたします。話は今展覧会のタイトルに託された古屋氏の思いから、彼の写真観へと流れていきます。Photo by Jamandfixedit by TAKEUCHI Toranosuke(City Writes)ドナウの川の流れに託された思い──今回の展覧会には『im fluss 流れゆく』というタイトルが添えられていますが、これにはどんな思いが託されているのでしょう?古屋誠一 このタイトルは「川」を意味するflussという言葉にimという副詞がついたドイツ語で、直訳すれば「川で」というような感じになる言葉です。それを意訳して「流れゆく」という日本語タイトルを付けました。そこにはまず、先ほどもお話しした時間の流れという意味を込めています。私は現在オーストリアのグラーツという街に住んでいますが、近くをドナウ川が流れています。ドナウ川...

2013 ミラノサローネ 最新リポート|BOTTEGA VENETA
BOTTEGA VENETA|ボッテガ・ヴェネタ特集|ミラノサローネ国際家具見本市 2013ボックスコレクション「スカイズ・アンド・ビヨンド」ボッテガ・ヴェネタは、アーティストのナンシー・ロレンツとのコラボレーションによるボックスコレクション「スカイズ・アンド・ビヨンド(Skies and Beyond)」をミラノサローネで発表。それを記念して、ミラノサローネ開幕の日である4月9日にミラノ・モンテナポレオーネの店舗にてプライベートカクテルを開催した。Text by KAJII Makoto (OPENERS)第3弾のコラボレーションとなる精巧なボックスのコレクションが初披露今回発表されたレザーとスウェードの優美なボックスコレクション「スカイズ・アンド・ビヨンド(Skies and Beyond)」は、2002年の「ボタニカル」コレクション、2003年の「ルナ・ランドスケープス」コレクションにつづく、ナンシー・ロレンツとのコラボレーション第3弾。一つひとつにシリアルナンバーが入ったこ...

2013 ミラノサローネ 最新リポート|adidas
adidas|アディダス特集|ミラノサローネ国際家具見本市 2013「adidas by Tom Dixonコレクション」の革新性キーワードは、機動性、モジュール性、ダイナミックさ──アディダスとイギリスの著名なインダストリアルデザイナーのトム・ディクソン(Tom Dixon)によるあらたなコラボレーション「adidas by Tom Dixon(アディダス バイ トム・ディクソン)コレクション」が、4月9日から14日まで開催されたミラノサローネで発表された。Text by KAJII Makoto (OPENERS)本コレクションが提示するのは、21世紀のライフスタイルアディダスがもつ先進的なテクノロジーと、トム・ディクソンの創意あふれるスタイルを、独創的なコンセプトによって表現──ミラノにある19世紀の鉄道駅舎を再建した「MOST(Museum of Science and Technology)」の広大な空間でデビューしたアディダス バイ トム・ディクソンコレクション。両者の...

第18回 古屋誠一インタビュー(3)
第18回 古屋誠一写真展『im fluss 流れゆく』インタビュー(その3)前々回からお届けしている、古屋誠一氏へのインタビュー。3回めの今回は、いよいよその最終回として、写真家古屋氏の視線、そして、その先にある彼の人生観そのものに迫ります。Photo by Jamandfixedit by TAKEUCHI Toranosuke(City Writes)いつも見ているものが突然刺さってくる──古屋さんは、ご自身の写真一点一点を、アルファベットの一字のようなものであり、その集合体が物語を作るとおっしゃいました。また、被写体は常に日常のなかにある、とも。では、その日常のなかでシャッターを切る瞬間というのは、どういうときなんでしょうか?古屋誠一 それは私がそう感じたときなのですが、先にもお話ししたとおり、私に刺さってくるものが、いつも同じとは限りません。いつも見ているのに見えていないものはたくさんあります。それが、ある日突然自分に刺さってくる。たとえば今回発表した作品のなかでも、花の写...

2013 ミラノサローネ 最新リポート|VERSACE
VERSACE│ヴェルサーチ特集|ミラノサローネ国際家具見本市 2013ザ・ハース・ブラザーズとコラボレーションしたホームコレクションを発表ヴェルサーチがロサンゼルスを拠点に活動する「ザ・ハース・ブラザーズ(The Hass Bronthers)」とコラボレーションしたホームコレクション「The Hass Bronthers for Versace」を発表。国際家具の見本市ミラノサローネでお披露目された。Text by YANAKA Tomomiグラマラスでロックンロールなドナテラ・ヴェルサーチを体現したチェアもロサンゼルスを拠点にアーティストでありながら、デザイナーとしても活躍するニコライ・ハースとサイモン・ハースの兄弟からなる「ザ・ハース・ブラザーズ」が、ヴェルサーチのために制作したホームコレクション。ゴールドカラーでかたどられたハニカムシェープの真鍮と、ブラックレザーの組み合わせが印象的な計12点のコレクションが完成した。代表作ともいえる「ザ・ドナテラ・チェア」は、ドナテラ・...

2013 ミラノサローネ 最新リポート|青木昭夫が解説する「ミラノサローネ」
特集|ミラノサローネ国際家具見本市 20132013年のミラノサローネをあらゆる角度から総括青木昭夫が解説する「サローネビューイング」TREND(1) カラーリングが概念を覆す 今年で52回目を迎え、各国のデザイナー、メーカーが家具やインテリア製品の新作を発表する世界最大の家具見本市「ミラノサローネ」が、去る4月に開催された。インテリア業界をベースにクリエイティブディレクターとして活躍する青木昭夫氏が2013年のサローネを巡り、今何がおこなわれ、デザインがどこに向かって行くのか、実際目にして感じたことを独自の視点でリポートする。Text by AOKI Akio (MIRU DESIGN)ABOUT=ミラノサローネ日本では通称“ミラノサローネ”と呼ばれているが、正式名は「Salone Internazionale del Mobile(サローネ・インターナショナル・デル・モビーレ)」という。第二次世界大戦後、復興を目指すイタリアが、需要のある家具を消費者に認知させるため、家具協同組...

2014 ミラノサローネ 最新リポート|EMILIO PUCCI
EMILIO PUCCI|エミリオ・プッチ特集|ミラノサローネ国際家具見本市 2014モザイクコレクション「BISAZZA wears EMILIO PUCCI」発表「これは私たちのグラフィックデザインが、ファッションのコンセプトの枠を超え、大胆であたらしいアーティスティックな表現へと進化する、とても素晴らしい機会です」(ラウドミア・プッチ)。エミリオ・プッチの娘のラウドミアも賞賛する、モザイクコレクション「BISAZZA wears EMILIO PUCCI」が、4月に開催されたデザインの祭典ミラノサローネで発表された。Text by KAJII Makoto (OPENERS)ユニークで前例のないクリエイティビティのコラボラウドミア・プッチは、「モザイクタイルで有名なビサッツァ社が表現する私たちのプリントは、美しさとパワーに溢れています。彼らの高い品質と、イタリア製品のディテールへのこだわりに感謝します」とコメントをつづける。ビサッツァ社が手がけた新コレクションは、エミリオ・プ...

2014 ミラノサローネ 最新リポート|Baccarat
Baccarat|バカラ特集|ミラノサローネ国際家具見本市 2014250周年を記念して、ミラノサローネで作品を展示2014年、記念すべき創設250周年を迎えたバカラ。バカラのリュクスに輝きを放つ作品の数々を展示するエキシビションが、ミラノサローネ期間中、ミラノ・ブレラ地区の由緒あるサンカルポフォーロ教会で開催された。Text by KAJII Makoto (OPENERS)ドラマティックなクリスタルの饗宴1764年の創設以来、フランスが誇る“アール・ドゥ・ヴィーヴル(生活芸術)”の伝統を守りつづけその象徴として輝いてきた、クリスタルのラグジュアリーブランド、バカラ。今回のミラノサローネのエキシビションでは、その魅力をあますところなくアピールした。会場となったサンカルポフォーロ教会中央には、祭壇をイメージした「ゼニス シャンデリア 84 灯 クリア&レッド」と、 アルクール、ミルニュイ、ベガなどバカラのアイコニックな作品をセッティング。息を呑むようなラグジュアリーな空間を演出した...

2014 ミラノサローネ 最新リポート|KARIMOKU NEW STANDARD
KARIMOKU NEW STANDARD|カリモク ニュー スタンダード特集|ミラノサローネ国際家具見本市 2014ミラノサローネ「Kitchen Library 02」現地リポート木製家具メーカー「カリモク」が、国内外の気鋭のデザイナーたちと2009年にスタートしたブランド「KARIMOKU NEW STANDARD(カリモク ニュー スタンダード)」が、今年もミラノサローネに出展。市内のギャラリーにて、エキシビション「KITCHEN LIBRARY 02(キッチン・ライブラリー02)」を開催した。Text by TAKEGATA Naoko (DAILY PRESS)Photographs by OTA Takumiキッチンと中庭のあるギャラリーで開催カリモク ニュー スタンダードは、革新性に満ち、楽しく機能的なアイテムを通して、日常に自然に溶け込むデザインと、時代が求める普遍性を追求しています。森林保全や林業地域の活性化など、日本の森が抱える課題に対し、木製家具メーカーとし...

2014 ミラノサローネ 最新リポート|TOD’S
TOD’S|トッズ特集|ミラノサローネ国際家具見本市 2014ミラノサローネで「トッズ エンベロープ・ボートシューズ」発表ミラノサローネ期間中「TOD’S(トッズ)」は、デザイナー兼建築家として世界的に著名な、佐藤オオキ氏率いるデザインスタジオ「nendo(ネンド)」とコラボレーションした「トッズ エンベロープ・ボートシューズ」を発表。日本では、表参道ブティック限定商品として5月上旬に発売を予定している。Text by KAJII Makoto (OPENERS)トッズの人気デッキシューズを新解釈「カジュアル過ぎず、フォーマル過ぎない靴。軽く、ソフトでリラックスでき、機能的かつユーモアとエレガンスがちょっぴり感じられるような靴」――トッズと佐藤オオキ氏は、一年の時間を費やして今回のプロジェクトをかたちにしたのだ。トッズの伝統である“イタリアンデザインは、つねに本物のクラフツマンシップが真髄であること”を、しっかり踏まえながら、モダンクラシックを具現化したシューズを発表した。完成した...

クラシックカーの祭典「東京コンクール・デレガンス2009」
クラシックカーの祭典「東京コンクール・デレガンス2009」クラシックカーの祭典「東京コンクール・デレガンス2009」が六本木ヒルズ 東京シティビューで開催されている。Text by OPENERSクラシックカーの“美”を体感するイベント「コンクール・デレガンス」とは、クラッシックカーにおけるデザインの優美さや気品、販売当時のオリジナル・コンディションの遵守や歴史的な由緒などを競うイベントだ。芸術と享楽のパリが世界の文化の都となり“ベル・エポック”とも呼ばれた1920年代、最新テクノロジーの結晶である自動車を題材にした文化イベントが大流行した。これこそが「コンクール・デレガンス」の発祥と言われ、当時、湖畔のシャトーや名門ゴルフクラブなどの美しいロケーションに最新モデルを並べて、その美しさを競っていたという。その後、欧米を中心に80年以上の伝統を誇り、現在では、もっともエクスクルーシブにして格式の高い大人向けのクラシックカーイベントとして新たな黄金時代を迎えている。今回、日本では、20...

2014 ミラノサローネ 最新リポート|Roberto Cavalli
Roberto Cavalli|ロベルト カヴァリ特集|ミラノサローネ国際家具見本市 2014ロベルト カヴァリ ホームコレクション新作を発表ミラノサローネ期間中、今年2月にオープンしたばかりの、世界最大の規模を誇る「Roberto Cavalli(ロベルト カヴァリ)」ブティックにて、ロベルト カヴァリ ホームコレクションの新作を発表した。Text by KAJII Makoto (OPENERS)コレクションを代表する「Wings」に大胆なプリントロベルト カヴァリ ホームコレクションは、イタリアおよびヨーロッパに息づくデザインの伝統に敬意を表しながら、さまざまなテーマや文化を取り込んでいる。今回のコレクションでは、熱融合の技術などを取り入れ、色柄は原色やフローラルプリント、ストライプなどを使用。全体にプリントをほどこしたガラスに、ニッケル鋼やクロムを組み合わせたアイテムなども発表された。なかでも注目を集めたのは、新作のアームチェア「Wings」だ。ロベルト カヴァリらしい大胆...

2014 ミラノサローネ 最新リポート|ARMANI / CASA
ARMANI / CASA|アルマーニ / カーザ特集|ミラノサローネ国際家具見本市 2014ミラノサローネ2014で新作コレクション発表「ARMANI / CASA(アルマーニ / カーザ)」は、ミラノサローネで新作コレクション「ARMANI / CASA NEW COLLECTION 2014-2015」を発表した。なかでも、ブランド初となる壁面装飾材コレクション「Armani / Casa Exclusive Wallcoverings Collection」が、会場で大きな注目を集めた。Text by KAJII Makoto (OPENERS)最新のデジタルプリント技術から生まれた家具ミラノ・サンタンドレア通り9番地にある「アルマーニ / カーザ」ストアでは、ミラノサローネ2014のために設計されたディスプレイを展開。あたらしく登場した壁装材に、スポットが当てられている。店内の家具アイテムは、洗練された色づかいが引き立つように、デザインされた通路に沿って置かれているのが印...

2014 ミラノサローネ 最新リポート|Maruni
MARUNI WOOD INDUSTRY|マルニ木工特集|ミラノサローネ国際家具見本市 20147年目を迎える「MARUNI COLLECTION 2014」新作登場マルニ木工が、ミラノサローネ2014 フィエラ本会場で2度目の単独出展。7年目を迎える「MARUNI COLLECTION 2014」で、深澤直人、ジャスパー・モリソンによる上質な空間を演出するリビングアイテムを発表した。Text by KAJII Makoto (OPENERS)Photographs by KAWABE Yoneo国内でのお披露目は、都内で5月に開催ミラノサローネ2014で発表されたのは、マルニ木工が長年培ってきた精緻な技術を生かしたふたつの新作。ふっくらとしたかたちが印象的で、包み込まれる心地良さのある深澤直人デザインの「Roundishソファ」。そして、木工技術と構造の細部にまでこだわり、快適な座り心地を実現しているジャスパー・モリソンデザインの「Brunoソファ」だ。国内でのお披露目は、都内で...

第21回 綿谷 修 写真展『Rumor/Pond』インタビュー(1)
第21回 綿谷 修 写真展『Rumor/Pond』インタビュー(その1)現在ラットホールギャラリーでは、12月9日までの日程で綿谷 修氏の写真展『Rumor/Pond』が開催されています。綿谷氏は写真家として活動する一方、ヒステリックグラマーのアート・ディレクターもつとめる人物。この写真展は、ホーム・グラウンドでの初の個展となりました。今回はそんな綿谷氏にオウプナーズ編集部が単独インタビューを実施。以降3回にわたり、今回の作品のテーマや現在の心境を語ってくれた彼の声をお届けします。Photo by Jamandfixedit by TAKEUCHI Toranosuke(City Writes)欲しいものがど真ん中にあればいい、という写真──まず今回の作品ですが、撮られたのはいつ頃なんですか?じつは今回の写真展には、2001年に『Agenda』という写真集のために撮った写真と、2005年から2006年にかけて撮った新作が混在しています。小さいほうが『Agenda』で、大きく伸ばした...