2014 ミラノサローネ 最新リポート|KARIMOKU NEW STANDARD
DESIGN / FEATURES
2015年4月17日

2014 ミラノサローネ 最新リポート|KARIMOKU NEW STANDARD

KARIMOKU NEW STANDARD|カリモク ニュー スタンダード

特集|ミラノサローネ国際家具見本市 2014

ミラノサローネ「Kitchen Library 02」現地リポート

木製家具メーカー「カリモク」が、国内外の気鋭のデザイナーたちと2009年にスタートしたブランド「KARIMOKU NEW STANDARD(カリモク ニュー スタンダード)」が、今年もミラノサローネに出展。市内のギャラリーにて、エキシビション「KITCHEN LIBRARY 02(キッチン・ライブラリー02)」を開催した。

Text by TAKEGATA Naoko (DAILY PRESS)Photographs by OTA Takumi

キッチンと中庭のあるギャラリーで開催

カリモク ニュー スタンダードは、革新性に満ち、楽しく機能的なアイテムを通して、日常に自然に溶け込むデザインと、時代が求める普遍性を追求しています。

森林保全や林業地域の活性化など、日本の森が抱える課題に対し、木製家具メーカーとしてできることを長く考えてきました。これまで主に紙パルプ原料のチップにされ、有効活用されることがなかった、カエデやクリ、ナラなど国内の広葉樹を、材料に用いています。

KARIMOKU NEW STANDARD|ミラノサローネ 02

ミラノサローネ期間に開催されたエキシビション「キッチン・ライブラリー02」は、街の中心のカドルナ地区の、キッチンと中庭のある心地よいギャラリー「JP HOME」が会場。

昨年につづき、食を切り口に幅広い活動をおこなうイタリアのデザインユニット「Arabeschi di Latte(アラベスキ・ディ・ラッテ)」との、コラボレーションをしています。

日本の食を楽しみながらくつろぐ空間

ひとは豊かな生活を営むために家具を使います。日常の生活とおなじような感覚や活動のなかで、カリモク ニュー スタンダードの家具を体験していただくために、まるで家やラウンジのようなリアルな空間を実現しました。アラベスキ・ディ・ラッテによる食事やお茶、彼女たちが世界中で蒐集したレシピブックなどを、カリモク ニュー スタンダードの家具でゆっくりとくつろぎながら楽しめる空間です。

テーマは、“Words and Foods on loan=借りている言葉と食べもの”。たとえば、パンはもともと海外から入ってきたものですが、日本では餡(あん)やひじきなどのおかずを中身としてたっぷりと入れたり、カレーを入れて揚げてみたりと、ほかの国では生まれないであろうオリジナリティあふれるパンを生み出しています。

このほかにも、カステラやコロッケ、ナポリタンスパゲティなど、数え出すと切りがないほど、さまざまな“Words and Foods on loan”が日本の食に見てとれます。

KARIMOKU NEW STANDARD|ミラノサローネ 03

KARIMOKU NEW STANDARD|ミラノサローネ 04

海外から伝わって独自の成長を遂げている日本の食を、日本のレシピ通りにそっくりそのまま作るのではなく、再び外の目線で解釈し、イタリアで入手できる素材を用いて、あらたな形を生み出す実験をおこなっています。

彼女たちが作るあんパンやカステラを会場でお楽しみいただきながら、食だけでなく、デザイン、プロダクトの製造やそれを支える技術など、世界のさまざまな場所で起こっているexchangeに、想像をふくらませていただけたらと思っています。

KARIMOKU NEW STANDARD|ミラノサローネ 05

KARIMOKU NEW STANDARD
エキシビション「キッチン・ライブラリー02」

会期|2014年4月8日(火)~13日(日)
OPEN|11:00~19:00
会場|JP Home
Foro Buonaparte 55
20121 Milano, Italy
www.karimoku-newstandard.jp

KARIMOKU NEW STANDARD|ミラノサローネ 06

新作プロトタイプ「CASTOR LOW CHAIR」
(デザイン:BIG-GAME)
スイスの伝統的なカフェの椅子がもつ人間工学的な特徴を受け継いだキャストールチェアがベース。軽く、コンパクトで座り心地がよく、低い座面と広い背もたれが、この椅子をさまざまなシーンでくつろぎをもたらす個性的なラウンジチェアに。

KARIMOKU NEW STANDARD|ミラノサローネ 07

新作プロトタイプ「COLOUR WOOD DINING 95」
(デザイン:Scholten & Baijingus)
カラーウッドダイニングに2~4人で囲むのにちょうどよいコンパクトなサイズが登場。天板の小さなドットのグラフィックは、木の素材感との相互作用で、まるで透き通ったテーブルクロスがかかっているかのよう。

           
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