連載

第5回:森山大道氏とのトークショー その2

第5回:森山大道氏とのトークショー その2

第5回:森山大道氏とのトークショー その210月21日にラットホールギャラリーで行われた森山大道×北村信彦のトークショー。話は、ウォーホルから森山氏自身の作品におよんで……。Photo by FUKUDA Emikoアンディ・ウォーホルを巡ってMC●ところで、今回の展覧会ではアンディ・ウォーホルのポスターを撮ったものなども入っていますが、ヒステリックグラマーも、ウォーホルのファンデーションと契約なさったんですよね?北村●ええ、昨年、ニューヨークのアンディ・ウォーホルファンデーションから、日本における本格的なアパレルラインを展開したいのだが、それをコントロールしてくれないか、という話がきました。でも、僕としては、この話以前にファンデーションが展開している商品なども見ていて、正直いってすごくもったいないというか、それに対するアンチな気持ちがあったのも事実です。ですから、最初はお断りしようと思ったんですが、よくよく考えてみると、僕が学校を卒業して以来、ずっと彼の考え方は参考になっていまし...
2012 ミラノサローネ 最新リポート|Canon

2012 ミラノサローネ 最新リポート|Canon

Canon|キヤノン特集|ミラノサローネ国際家具見本市 20125年目のテーマは「NEOREAL IN THE FOREST」キヤノンは、イタリア・ミラノで開催される世界最大規模のデザインの祭典「ミラノサローネ」に5年連続で出展する。開催期間は4月17日(火)から22日(日)で、今年も、日本を代表する気鋭のクリエイターがキヤノン製品を使用して、あらたな映像表現の可能性に挑む。Text by KAJII Makoto (OPENERS)“森”をテーマに、中村竜治、ミントデザインズ、志村信裕が挑むキヤノンの技術や製品に、デザインの発想力や表現力をくわえることで生まれてくる、あらたなDigital Imagingの世界へ――昨年は、「NEOREAL WONDER」というテーマで、期間中7万人に近い来場者を記録したキヤノン。51回目を迎える今年のミラノサローネでは、「NEOREAL IN THE FOREST(ネオリアル・イン・ザ・フォレスト)」というテーマを掲げる。今回は、“森”をテーマ...
第8回:荒木さんの写真と、僕の収穫

第8回:荒木さんの写真と、僕の収穫

第8回:荒木さんの写真と、僕の収穫「花とヤモリンスキー」より。© NOBUYOSHI ARAKI荒木さんとボブ・ディラン現在ラットホールギャラリーで展示している『緊縛写巻』と、江戸東京博物館で見た『東京人生』という、ある種対極ともいえる作品群を通して、荒木さんの本当のすごさを感じることができた僕ですが、おもしろいもので、音楽の世界でもこの秋、同じような体験をしました。実は、これまで僕は、ボブ・ディランの音楽をあまりちゃんと聴いたことがありませんでした。もちろん昔から曲はよく耳にしていましたが、どうしても、あのフォークの教祖といったイメージから、自ら積極的に探求することはなかったのです。ところが、この9月におこなわれたプライマル・スクリームのライブの際、本番前の楽屋でボビーが、「気合いを入れるために」とかけた曲にやられてしまいました。それが実は1965年のボブ・ディランだったんです。ディランが1965年から66年頃、突如エレキギターをもって、ロックをやったということも知っていましたが...
LIXIL|住生活を一変させる可能性を秘めた“泡”!

LIXIL|住生活を一変させる可能性を秘めた“泡”!

LIXIL|リクシル住生活を一変させる可能性を秘めた“泡”!昨年の国際家具見本市ミラノサローネで、ある“泡”が話題になった。住宅設備機器・建材の総合メーカー、LIXILが開発したもので、その泡によって日本発のあたらしい入浴スタイルを提案したという。今年のミラノサローネではさらなる泡の「愉楽」を発見し、あたらしい技術や着想による未来の「暮らしのかたち」を披露する。Text by SUGIURA Shu(OPENERS)きめ細かい泡が、バスルームとリビングの境界をなくす!?LIXILが新開発した専用の泡入浴液と、水と空気をコントロールして泡を起こす独自の技術によって実現した、直径100~数100ミクロンというきめ細かい泡。そのベルベット・フォームとも称される豊潤な泡につつまれてすごす時間は、これまでにないくらい心豊かで上質な世界観を心と体にもたらしてくれる。 コンセプトバス ベルベットのような肌触りの”泡” そのきめ細い泡には、もうひとつ大きなメリットがある。クリーミーな泡が湯船...
2012 ミラノサローネ 最新リポート|nendo

2012 ミラノサローネ 最新リポート|nendo

nendo|ネンド特集|ミラノサローネ国際家具見本市 2012ミラノサローネで新作発表4月17日(火)から22日(日)まで開催されるミラノサローネで、デザインスタジオnendoは、ビスコンティ宮殿やSuperstudioなど市内3ヵ所で個展を開催。さらに、イタリアBisazza社からバスルームコレクションを発表し、会場デザインも手がける。Text by KAJII Makoto (OPENERS)「trial & error」は、5つの家具コレクションを同時に展示nendo主宰の佐藤オオキ氏は、「nendoがクライアントワークとは別に、日々社内でおこなっている構造的、素材的、あるいは視覚的な実験は、ギャラリーという環境によって具現化され、その後のプロジェクトに反映されていきます。イスのために考えられたアイディアが空間デザインに応用されたり、逆に小さなオブジェクトに凝縮されるなど、その進化の仕方もじつにさまざま。この“基礎研究”とも呼べる継続的な活動内容をまとめて見せることで...
2012 ミラノサローネ 最新リポート|PASSION ON PROJECT

2012 ミラノサローネ 最新リポート|PASSION ON PROJECT

PASSION ON PROJECT特集|ミラノサローネ国際家具見本市 2012ひとにとっての光を、LEDを用いて表現今年1月にテレビ番組「ソロモン流」に出演し、初の著書『1000%の建築~僕は勘違いしながら生きてきた~』も発売4日目で増刷が決定するなど、注目を集める建築家 谷尻 誠氏。彼を中心に結成したクリエイターユニット“PASSION ON PROJECT”が、ミラノサローネの期間中、「Touch to turn light into delight」(喜びを歓びに変える行為)をテーマにインスタレーション展示をおこなう。Text by KAJII Makoto (OPENERS)“成長する作品”と呼ぶにふさわしい、参加型インスタレーション建築家 谷尻 誠氏、照明デザイナー 岡安 泉氏、プロデューサー 笹生八穂子氏によるユニット“PASSION ON PROJECT”が出展するのは、日本人が2011年の“逆境”をきっかけに体験した、「灯りのあり方」、「ひととのコミュニケーション...
2012 ミラノサローネ 最新リポート|KARIMOKU NEW STANDARD

2012 ミラノサローネ 最新リポート|KARIMOKU NEW STANDARD

KARIMOKU NEW STANDARD|カリモク ニュー スタンダード特集|ミラノサローネ国際家具見本市 2012KARIMOKU NEW STANDARD、3度目のミラノKARIMOKU NEW STANDARDは、創業70余年の歴史を誇るカリモク家具のなかで、もっとも革新性に満ちたブランド。長い歴史で培った技術と、国内外の気鋭デザイナーたちのアイデアを結集して2009年にブランドをスタートした。2010年にはミラノサローネで世界に向けてお披露目、今年は3組のデザイナーがあらたにくわわり、3度目のサローネ出展となる。現地を訪れたアタッシェ・ド・プレス デイリープレスの竹形尚子さんがリポートする。Text by TAKEGATA Naoko (DAILY PRESS)Photographs by OTA Takumi3年目、とても良い波が起こっています「日常との共存」――日常の暮らしのなかに、いかに溶け込む家具をつくることができるか? 普遍性、日常性というものに注目をし、日々の...
2012 ミラノサローネ 最新リポート|ARMANI / CASA

2012 ミラノサローネ 最新リポート|ARMANI / CASA

ARMANI / CASA|アルマーニ / カーザ特集|ミラノサローネ国際家具見本市 2012ミラノサローネ2012で発表された最新コレクション今年4月に開催されたミラノサローネで発表されたARMANI / CASA NEW COLLECTION2012-2013。今回は、「GOLD ON GOLD」をテーマに、ヴェネツィアから遥か東の日本まで誘う空想上の旅のなかで、ふたつの異なる世界がひとつになるような、これまでにない融合をみせる特別なインスタレーションを展開した。Text by KAJII Makoto (OPENERS)Photographs by ARMANI / CASA既存モデルに新仕様やサイズバリエーションが追加され、幅広いコーディネイトを演出できるラインナップに注目さらに2012-13シーズンは、イタリア・ヴェネツィアのテキスタイルメーカー ルベリの「アルマーニ / カーザ エクスクルーシブ テキスタイル バイ ルベリ コレクション」から、第4弾のコラボレーションが...
第11回 ボリス・ミハイロフという謎解き その1

第11回 ボリス・ミハイロフという謎解き その1

第11回 ボリス・ミハイロフという謎解き その1edit by TAKEUCHI Toranosuke「LOOK AT ME」より。© Boris Mikhailov最初は一貫した方向性が掴みづらかった今回からは、この前荒木さんとの対談をおこなってもらい、現在ラットホールギャラリーで作品を展示中のボリス・ミハイロフさんについての話をしようと思います。彼はウクライナ出身で旧ソビエト時代からかなり前衛的な作品を撮りつづけ、現在はベルリンを中心に活躍する写真家です。僕がボリスさんの作品にはじめて触れたのは、ラットホールギャラリーのオープン後ですから、昨年の秋頃でしょうか。第一印象は“トンガっててインテリな感じがする”というものでした。最初に見た作品は、いまラットホールで公開している『LOOK AT ME』なんですが、写真というよりコラージュなんかも駆使されていて、センスいいな、おもしろいな、と感じましたね。ただし、その後初期の作品や、その頃たまたま『SHUGO ARTS』でおこなわれてい...
第12回 ボリス・ミハイロフという謎解き その2

第12回 ボリス・ミハイロフという謎解き その2

第12回 ボリス・ミハイロフという謎解き その2edit by TAKEUCHI Toranosuke(City Writes)「BEACH」より。© Boris Mikhailov絶妙の“ツボ”をもったユーモアのセンス今回も前回に引き続き、ボリスさんの話をしたいと思います。ボリスさんの作品の根底に流れる共通点をひとことで表現するなら「奥の深いユーモアのセンス」でしょうか。言葉数は少ないんだけど、一言ボソッということが笑いのツボにハマってるというか、声に出して笑うわけじゃないんだけどハートが笑うというか、作品からはそういう絶妙のユーモアのセンスを感じます。グロいようでいてカワイさがあるんですよね。レセプションに来てくれた女性の人たちには、そういうところがちゃんと伝わっていたようでした。レセプションの後、ボリスさんにそのことを伝えると、彼もすごく喜んでくれたんですが、彼がいうには、自分の作品が日本人には理解しやすいことはわかっていたというんですよ。なぜなら日本には昔から俳句のような、...
2013 ミラノサローネ 最新リポート|STELLAR WORKS

2013 ミラノサローネ 最新リポート|STELLAR WORKS

STELLAR WORKS|ステラワークス特集|ミラノサローネ国際家具見本市 2013小さな小さなスピーカー=ヘッドホン登場上海のファクトリーブランド「STELLAR WORKS(ステラワークス)」。昨年ミラノサローネに初出展し、『WallPaper*』のベスト・ニューブランド賞を受賞するなど大きな話題となった。4月9日(火)に開幕する今年のミラノサローネ国際家具見本市2013では、英国のプロダクトデザイナー、トム・ディクソンが監修する会場「MOST(Milan’s Museum of Science and Technology)」で新作コレクションを発表する。Text by KAJII Makoto (OPENERS)京都とも深い縁をもつブランドが、ミラノで魅せるクロスカルチャーな世界観“クロスカルチャー”をテーマに、手仕事にこだわった高品質な家具を適正な価格で世界の市場に流通させるべく誕生したステラワークス。日本では昨年10月に西陣織の老舗・細尾とのコラボレーションによるショ...
2013 ミラノサローネ 最新リポート|LEMA

2013 ミラノサローネ 最新リポート|LEMA

LEMA|レマ特集|ミラノサローネ国際家具見本市 2013吉岡徳仁デザイン「MIRAGE」発表空間のなかで、まるでミラーでつくられた蜃気楼のように存在する──4月9日(火)から開催されるミラノサローネ2013にて、イタリアのLEMA社より吉岡徳仁氏デザインの「MIRAGE」が発表される。Text by KAJII Makoto (OPENERS)あらゆる角度に構成されたミラープレートは、輝きを生み出し、映し出されたイメージをコラージュ「MIRAGE」について吉岡徳仁氏は、「このモジュール方式に特化した特殊な連結構造により、さまざまな角度に変えられ、いくつかのデザインに変化し構成することができます。一つひとつのモジュールは、伝統的な鏡づくりを思い起こさせるような光沢のある仕上がりになっていて、現代性と伝統性の融合を表現しています。そして、それは彫刻のようにも見え、また伝統的な家具に対する精妙さと陽気さをまとった革新的な解釈です」と解説する。LEMA社は、1950年代より家具職人であっ...
第13回 ボリス・ミハイロフという謎解き その3(番外編)

第13回 ボリス・ミハイロフという謎解き その3(番外編)

第13回 ボリス・ミハイロフという謎解き その3(番外編)edit by TAKEUCHI Toranosuke(City Writes)「BEACH」より。© Boris Mikhailovギャラリー全体の中でどう感じさせられるかボリスさんの話に関連して、今回はあらためてギャラリーというものについての話をしようと思います。ボリスさんの場合もそうなんですが、展示全体から感じるあのニュアンスというのは、作品一枚一枚を見ていても感じないんです。彼が考えていたのは、やっぱり全体でどう感じさせるかなんですよ。けっして一点一点に執着させないんだけど、それでいて緊張感のある展示になっています。ある意味、余計なものが削ぎ落とされていないとあの感じは出ないでしょうね。しかし、だからといってベストアルバムでもダメなんです。たとえばヨーロッパのギャラリーなどである人の作品を「これ全部」といって買っていくパトロンがいるのもわかる気がします。“この作品”ではなく“この世界”を手に入れたいということです。ま...
2013 ミラノサローネ 最新リポート|Cassina ixc.

2013 ミラノサローネ 最新リポート|Cassina ixc.

Cassina ixc.|カッシーナ・イクスシー特集|ミラノサローネ国際家具見本市 2013「My World」by フィリップ・スタルク&カッシーナフィリップ・スタルクの“省資源化”というアイデアと、カッシーナブランドの高い品質と美学が融合して誕生したシンプルで実用的なソファ「My World」が、4月9日(火)から開催されるミラノサローネ2013で公開される。Text by KAJII Makoto (OPENERS)システムソファには、USB充電器など充電ステーションを完備くつろぐ、会話する、食べる、飲む、招く、もてなす、愛し合う、働く、つながりをもつ──フィリップ・スタルク氏とカッシーナが提案するシステムソファ「My World」は、とくに自宅を仕事場にするユーザーにとって、社交的、個人的、職業的にも自由に使うことができるというコンセプトのもと製作された。フィリップ・スタルク氏は、「我々は分裂した社会に生きていると想定してみよう。My Worldは繭であり、巣であり、自己中...
第14回 リー・フリードランダー展(1)

第14回 リー・フリードランダー展(1)

第14回 リー・フリードランダー展スペシャルトークショー現在ラットホールギャラリーでは、5月6日までの日程で『リー・フリードランダー展』を開催しています。彼は1960年代から現在まで第一線で活躍するアメリカの写真家で、日本の写真界にも多大な影響を与えた人物です。ギャラリーではその展示にあたり、去る4月6日、フリードランダーさんに縁の深い3名によるトークショーを開催しました。メンバーは写真家で評論家でもある大島洋さん、今回の展示のプロデュースをしてくださったキュレーターの山岸亨子さん、そしてヒステリックグラマーから写真家の綿谷 修という3名。そしてこの『ネズミの穴』では、今タイトルから2回にわたり、そのトークショーの模様をお伝えいたします。(北村信彦)Photo by Jamandfixedit by TAKEUCHI Toranosuke(City Writes)「社会的風景」という名の写真綿谷 修●僕がリー・フリードランダーを初めて見たのは、いまから20年ほど前のことでしたが、ど...
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