LIXIL|住生活を一変させる可能性を秘めた“泡”!
LIXIL|リクシル
住生活を一変させる可能性を秘めた“泡”!
昨年の国際家具見本市ミラノサローネで、ある“泡”が話題になった。住宅設備機器・建材の総合メーカー、LIXILが開発したもので、その泡によって日本発のあたらしい入浴スタイルを提案したという。今年のミラノサローネではさらなる泡の「愉楽」を発見し、あたらしい技術や着想による未来の「暮らしのかたち」を披露する。
Text by SUGIURA Shu(OPENERS)
きめ細かい泡が、バスルームとリビングの境界をなくす!?
LIXILが新開発した専用の泡入浴液と、水と空気をコントロールして泡を起こす独自の技術によって実現した、直径100~数100ミクロンというきめ細かい泡。そのベルベット・フォームとも称される豊潤な泡につつまれてすごす時間は、これまでにないくらい心豊かで上質な世界観を心と体にもたらしてくれる。
そのきめ細い泡には、もうひとつ大きなメリットがある。クリーミーな泡が湯船のフタになることで、お湯が冷めにくくなり、湯気も立ちにくくなるのだ。そのため、トップ画像のように書斎にバスタブを置くことも夢ではないという。人気デザイナーのアントニオ・チッテリオなどが提案しているが、最近のヨーロッパではリビングにバスタブを置く「リビングバス」と呼ばれるスタイルが普及しはじめている。そんな需要にも、この泡があたらしい「暮らしのかたち」としてこたえてくれるのであろう。
この泡が実現させるあたらしいライフスタイルは、“対立軸を共存させる”という東洋的な思想に通ずるものがあると、LIXILで水まわりの事業を担う株式会社LIXIL/住設・建材カンパニー社長の有代氏は説明している。
「内と外、個人と集団、閉塞と解放、そして、人と自然。人間は、それぞれ対極をなす要素をそれぞれ独立して置く住環境で生活し、長い歴史を刻んできました。LIXILも、屋内と屋外、水まわり商品と非水まわり商品という対極が存在する住宅関連事業分野においてビジネスをおこない、お客さまへ生活価値を提供してきました。
しかし、これからは独自の技術・ソリューションをもってこの対極の要素を交わらせ、まったくあたらしい住環境を創造し、人びとの豊かで快適な暮らしと地球環境への貢献をしていきたいと考えています」
今回の会場構成を手がけるのは、無印良品のアドバイザリーボードメンバーであり、日本を代表するデザイナーの原研哉氏。LIXILのあたらしい技術や着想による、未来の「暮らしのかたち」を3つの泡の風呂でインスタレーション展示する。テーマを「A New Desire - Discovering Bliss - 」( 新しい欲望 ─愉楽を発見する )とし、「あたらしい入浴スタイルというよりも、人間のあらたな欲望の地平をひらく」と、原氏もこの泡に大いに可能性を感じているようだ。
住まいのなかの、WETとDRYの垣根を取り払ったあたらしい空間。
この魔法の泡は単に心地よい入浴を実現するだけでなく、住宅内のさまざまな境界線がなくなるという、まったくあたらしいライフスタイルをもたらすのかもしれない。
ミラノサローネ LIXIL出展概要
会場|SUPERSTUDIO Più内(ゾーナ・トルトーナ地区)
住所|c/o Superstudio Più, via Tortona 27
最寄駅|地下鉄:MM2 Porta Genova、トラム:2, 9,14,19、バス:47,68,74,90,91
期間|2012年4月17日(火)~22日(日)10:00~21:00
プレスプレビュー|4月16日(月)15:00~20:00
http://lixil-milano.com/