ジャック・ゴールドスタイン展覧会
初期のポストモダニズムアートを彩った
ジャック・ゴールドスタインの日本初となる展覧会
1970年代後期から80年代初期にかけての作品で、ポストモダニズムの初期段階を決定づける役割を果たしたジャック・ゴールドスタイン(1945-2003年)。彼の日本初となる展覧会が1月25日(水)から3月25日(日)まで、東京・青山のRAT HOLE GALLERY(ラットホールギャラリー)で開かれる。
Text by YANAKA Tomomi
16mmショートフィルム10本の作品も上映
表象批判に主眼を置く美術へとパラダイムシフトをもたらした「ピクチャー・ジェネレーション」のひとりとして、今なお多くのアーティストに影響を与えているジャック・ゴールドスタイン。パフォーマンス、フィルム作品、ペインティング、音響作品と幅広く活躍し、アートの価値観に新風を吹き込んだポストモダニズムの旗手ともいえるアーティストだ。
1945年、カナダ・モントリオールに生まれたゴールドスタインは、カリフォルニア芸術大学で学び、キャリアの初期にはミニマリズム彫刻を制作していたものの、すぐにパフォーマンスやフィルムへと作品形態を移行している。
1973年からは、ロサンゼルスに住んでいたこともあり、映画などの娯楽産業やコマーシャルフィルムのプロの技術者らとともに、特殊効果を利用してカラーフィルム作品の制作を開始した。今回も展示される、赤く塗装された画面に投影される26秒のループフィルム作品『The Jump』(1978年)は、昨年のヴェネチア・ヴィエンナーレの企画展で上映されるなど、近年でもその存在感は大きい。
今回の作品展では、彼のレコード作品と『The Jump』や『MGM』、『Some Butterflies』を含む、16mmショートフィルム10本の作品を上映。ミニマリズムからあたらしい価値観、ポストモダニズムへと駆け抜けたゴールドスタインの真髄を感じられる作品群をご堪能いただきたい。
Jack Goldstein展
RAT HOLE GALLERY
東京都港区南青山5-5-3 B1
Tel.03-6419-3581
www.ratholegallery.com