第19回 アンデルス・ペーターセン写真展『Café Lehmitz』対談(1)
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2015年8月12日

第19回 アンデルス・ペーターセン写真展『Café Lehmitz』対談(1)

第19回 アンデルス・ペーターセン写真展『Café Lehmitz』
アンデルス・ペーターセン×北村信彦 対談(その1)

現在ラットホールギャラリーでは、11月2日までの日程で、アンデルス・ペーターセン展『Café Lehmitz』を開催しています。そのオープニングに際し来日していたアンデルス氏とオウプナーズ編集部を交えた対談を行いましたので、今回から2回にわたり、そのときの模様をお伝えします。(北村信彦)

Photo by Jamandfixedit by TAKEUCHI Toranosuke(City Writes)

あの写真は、この人の作品だったのか

──まずは北村さんに、アンデルスさんの作品との出会いと、今回の展覧会を行うことになった経緯をおうかがいしたいのですが

北村 アンデルスさんの作品については、1985年のトム・ウェイツのアルバム『RAIN DOGS』のジャケット写真で知ってはいましたが、当時はまだ誰が撮ったということではなく、いい写真だなと思っていました。一方、ラットホールギャラリーを運営するにあたって僕らは、日々いろいろな人の写真を見て検討するわけですが、あるときアンデルスさんの写真集を見ていて、そのジャケ写に再会したんです。「あの写真は、この人の作品だったのか」とあらためて思いましたね。そうした思いに加え、彼はヨーロッパを代表する写真家であるにも関わらず、日本ではまだ知名度が低い。ならば、ラットホールギャラリーで紹介したいと思い、今回お願いしたというわけです。
この『Café Lehmitz(カフェ リミッツ)』は、彼が写真を撮りはじめた頃の、いわば原点ともいうべき作品群です。ここ数年日本でも、若い世代の人たちが写真にどんどん興味をもちはじめていますが、そうした若い人たちにぜひ見てほしい作品ですね。

──アンデルスさんは、この写真を撮られたとき何歳だったんですか?

アンデルス これらの写真は、1967年の10月から1970年3月にかけて撮った写真ですから、僕が23歳から25歳にかけてのものですね。そして、すべてタイトルにもなっているドイツ・ハンブルグのパブ「カフェ リミッツ」で撮ったものです。

とても23歳の作品とは思えない

北村 あらためて考えると、とても写真をはじめたばかりの23歳の作品とは思えないですよね。

──たしかにそうですね。アンデルスさんはスウェーデンのストックホルムのご出身ですが、ハンブルグに行かれたのは、このときがはじめてだったんですか?

アンデルス いえ、17歳のときに一度ガールフレンドと来たことはありました。その後ストックホルムで写真の勉強をして、また戻ってきたんです。もっともエモーショナルな写真を撮りたいと考えたとき、やはりハンブルグだなと思って。そして、そのとき知人に連れられて来たのが、この「カフェ リミッツ」だったんです。

──それから約2年半ハンブルグに住んでいたんですね?

北村 いやいや、そうじゃなくて彼はストックホルムから通い詰めてたんですよ。

アンデルス そうなんです。いつもヒッチハイクでハンブルグに来ては、1ヵ月ぐらい写真を撮って、現像しにまた戻るということを繰り返していました。60年代、70年代にはヒッチハイクも、いまと違って当たり前でしたから。で、焼き上がった写真をもって、またカフェに行って、みんなにあげる。ハンブルグにいるあいだは、カフェで知り合った人の台所に寝泊まりさせてもらったりしてましたね(笑)。

第19回 アンデルス・ペーターセン写真展『Café Lehmitz』<br><br>アンデルス・ペーターセン×北村信彦 対談(その1)

Andres Petersenによる日本初の個展
Andres Petersen:Café Lehmitz

日程:11月2日(金)まで開催中
時間:12:00~20:00(月曜定休)
場所:RAT HOLE GALLERY
港区南青山5-5-3
HYSTERIC GLAMOUR 青山店B1F
Tel. 03-6419-3581

本展では『Café Lehmitz』よりニュー・プリント約45点を展示・販売いたします。
また、発売記念として通常版に合わせてオリジナルプリントが付いたスペシャルエディションが30部限定でラットホールギャラリーにて販売いたします。(6イメージ×5エディション)

           
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