世界のアート展から
「世界のアート展から」に関する記事
ART FILE 23|「elBulli: Ferran Adrià and The Art of Food」|連載「世界のアート展から」
ART FILE 23|イギリス・ロンドン|「サマーセットハウス」世界一予約の取れないレストラン「elBulli: Ferran Adrià and The Art of Food(エル・ブリ:フェラン・アドリアと料理のアート)」(1)世界中の美食家に知られる三ツ星レストラン「エル・ブリ」と、オーナーシェフのフェラン・アドリアの初回顧展が、ロンドンのサマーセットハウスで9月29日(日)まで開催。年間200万件の予約が殺到する、世界一番予約が取れないレストランと呼ばれていた「エル・ブリ」の歴史とフェラン・アドリアの偉業を振り返る。Text by Winsome Li (OPENERS)“意外性と感動”にこだわった前衛料理1964年、「エル・ブリ」はスペイン・カタルーニャ地区にあるカラ・モンジョイという海沿いの町に開店した。店の名前は初代オーナーの愛犬、フレンチ・ブルドッグの品種名である“ブリ”に由来する。1984年、フェラン・アドリアは料理人として「エル・ブリ」に入社。わずか3年のキ...
ART FILE 36|『Alexander McQueen: Savage Beauty(野生の美しさ)』|連載「世界のアート展から」
ART FILE 36|イギリス・ロンドン|ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館鬼才マックイーンの回顧展『Alexander McQueen: Savage Beauty(野生の美しさ)』(1)昨年、ニューヨーク・メトロポリタン博物館で開催したファッションデザイナー アレキサンダー・マックイーンの回顧展『Alexander McQueen: Savage Beauty(野生の美しさ)』が現在、ロンドンに回旋中。ヴィクトリア&アルバート博物館で8月2日(日)まで開催されている。Text by Winsome Li(OPENERS)デヴィッド・ボウイからレディ・ガガまで、スターたちに愛されたマックイーン20世紀のファッション界を震撼された、イギリス生まれのファッションデザイナー リー・アレキサンダー・マックイーン。著名なデザイナーを輩出しているセントラル・セント・マーチンズを卒業し、本格的にコレクションデビューした。1996年から5年間ジバンシーのヘッドデザイナーを務めながら、自分の...
ART FILE 05|「The art of Cartier」|連載「世界のアート展から」
Art File 05|スペイン・マドリード|「ティッセン・ボルネッミサ美術館」「宝石商の王」が生んだ伝説のジュエリー、カルティエ「The art of Cartier」マドリードのティッセン・ボルネッミサ美術館では、2012年10月24日から2013年2月17日まで、420点のカルティエの作品を一挙に展示。 歴史価値がありながら、世界で最も高級なジュエリーコレクションを鑑賞できる貴重な機会だ。Text by Winsome Li (OPENERS)贅沢を極めた宝石数々のセレブティから王室貴族にまで愛されるカルティエのジュエリー。そのコレクションがスペインのマドリードで展示されている。20世紀前半に誕生した数々の作品を並べ、その時代に代表されたガーランド・スタイルからアール・デコのジュエリー、そして、さまざまな異文化からインパイアされたものまで、幅広く展示している。また、エリザベス・テイラー、モナコ王妃のグレース・ケリーなどの有名人が着用した私物も作品として展示され、時代を映し出す...
ART FILE 04|「Mark-ing」|連載「世界のアート展から」
Art File 04|イギリス・ロンドン|「ギャラリー・リビー・セラーズ」アートで異文化を繋ぐ「Mark-ing」ロンドンのギャラリー・リビー・セラーズで、2013年1月10日から2013年1月25日まで、日英デザイン企画展「Mark-ing」(マーキング)が開催される予定。Text by Winsome Li (OPENERS)新たな文化や思考を促す機会今回の展示会は、ブリティッシュ・カウンシルとE&Yの主催で2011年東京で開催された「Mark-ing」の初展示会から、いくつかの展示を入れ替えた最新版となる。日英から各8人計16人の現代デザイナーが、日本と英国の違いや共通点をテーマに、自分に影響を与えた“物体”とともに新作を発表する。展示を通して、社会、教育、文化面での日英の違いや共通点、世界中の現代デザイナーを結びつける関係性を探す。キュレーションは、日本のファニチャーレーベル E&Yの松澤剛、英国のデザインライターでキュレーターでもあるマックス・フレイザー...
ART FILE 20|「CHRIS LEVINE LIGHT 3.142」 |連載「世界のアート展から」
ART FILE 20|イギリス・ロンドン|「The Fine Art Society」エリザベス2世、ケイト・モスが“光”とコラボレーション「CHRIS LEVINE LIGHT 3.142」(クリス・レヴィーン ライト 3.142) (1)ロンドンの高級ショッピング街ニュー・ボンド・ストリートに立地するギャラリー「The Fine Art Society」で、6月29日(土)まで「CHRIS LEVINE LIGHT 3.142」展が開催中。いま話題のライト アーティスト、クリス・レヴィーンの個展である。Text by Winsome Li (OPENERS)光とのコラボレーション、エリザベス2世のモダンなポートレートロンドンを拠点として活躍しているカナダ出身のライト アーティストのクリス・レヴィーン。セントラル・セント・マーチンズを卒業してから、光とアートを融合した“ライトアート”作品を制作。新たな技術で光や画像を形にして、斬新な官能体験を作り上げている。また、個展のタイトル...
ART FILE 32|エディ・スリマンの写真展『Sonic』パリで開催中
ART FILE 20|ファッションデザイナーのエディ・スリマンによる写真展『Sonic』パリで開催中サンローランのクリエイティブディレクターであり、メンズファッションにミニマルな細身のニューシルエットを取り入れたデザイナーとして、一世を風靡したエディ・スリマン。ファッションの最前線で活躍する一方、写真家の才能をもつスリマンは長年シャッターを押しつづけている。そんな彼の写真展『Sonic』が来年の1月11日(日)までパリで開催中。Text by Winsome Li(OPENERS)エディ・スリマンのレンズを通じて見るロックシーン1968年、チュニジア人の父とイタリア人の母のもとにパリで生まれたエディ・スリマン。彼の11歳の誕生日に両親からカメラをプレゼントされたことが、写真をはじめるきっかけとなった。現在はファッションデザイナーとして活躍しているが、ロックミュージックに興味深いのエディ・スリマンは、ロックアーティストのポートレートや、彼らのパーフォーマンスのシーンをはじめ、ファッ...
ART FILE 22|「Mutation」|連載「世界のアート展から」
Art File 22|中国・香港|「エスパス ルイ・ヴィトン 香港」都市の変容を捕捉する幾何学的な写真写真家 ステファン・クチュリエによる個展「Mutation(変形)」香港のエスパス ルイ・ヴィトン(ESPACE LOUIS VUITTON HONG KONG)では、8月21日(水)まで、フランス人写真家 ステファン・クチュリエ(Stéphane Couturier)の個展を開催中。Text by Winsome Li (OPENERS)都市の変形を表現1957年フランスのヌイイ・シュル=セーヌで生まれたステファン・クチュリエは、1990年からパリを拠点に写真活動を展開している。都市の「変形」というテーマで、建造物を幾何学的に、デザイン的にとらえ、写真で構築する。鮮やかな色と強い構図を持った、独自の作風で知られている。彼の作品はパリのポンピドゥーセンター、ニューヨーク国際写真センター、モスクワビエンナーレなど数多くの美術館で展示され、国際的に高い評価を獲得している。そんなステフ...
ART FILE 24|「James Turrell」|連載「世界のアート展から」
ART FILE 24|アメリカ・ニューヨーク|「ソロモン・R・グッゲンハイム美術館」“光”の建築家による独特な空間「James Turrell(ジェームス タレル)」(1)ニューヨーク市内に位置する、近現代美術の中心地と言われるソロモン・R・グッゲンハイム美術館にて9月25日(水)まで、米国人アーティスト、ジェームス・タレルの個展が開催中。ニューヨークで開かれるタレルの個展としては、実に1980年以来となる。Text by Winsome Li (OPENERS)“seeing yourself seeing(見ている自分を見る)”グッゲンハイム美術館の内装ジェームス・タレルは「光の存在を意識する」ことを題材にして、自然の光、色、空間と人間の感知を操ってさまざまなインスタレーションを作り上げた。1960年代後半、光の具体性を表現した彼は高い評価を得て、現代美術の代表的なアーティストとなった。光のビジュアル的な、感情的なパワーを広く表現できるインスタレーションに生かした。タレルはア...
ART FILE 25|「THE ART OF THE BRICK」|連載「世界のアート展から」
ART FILE 25|アメリカ・ニューヨーク|「ディスカバリー・タイムズスクエア」鮮やかなレゴブロックでさまざまなアート名作を複製「THE ART OF THE BRICK(レゴアート)」ニューヨーク市内に位置するエキシビション・センター ディスカバリー・タイムズスクエアにレゴブロック アーティストのネイサン・サワヤ(Nathan Sawaya)による「THE ART OF THE BRICK(レゴアート)」展が、来年の1月5日(日)まで開催中。 Text by Winsome Li (OPENERS) 驚くべき精密さニューヨークを拠点として活躍するネイサン・サワヤは、初のレゴブロックアーティストとして知られている。レゴブロックで作られた名画のレプリカやオブジェクトシリーズは、シンガポール、台湾とオーストラリアにも展示された。今回の「THE ART OF THE BRICK」展はこれまで彼の個展のなかで一番規模が大きいといわれ、100点以上の出展作のうち、56点が初公開となる。 ...
ART FILE 26|「Alaïa (アライア)」|連載「世界のアート展から」
ART FILE 26|フランス・パリ|「パリ市モード博物館(ガリエラ宮)」最高の技術と素材を施したクチュール「Alaïa (アライア)」(1)パリの16区に位置するパリ市モード博物館(ガリエラ宮 Palais Galliera)にて、ファッションデザイナー アズディン・アライア(Azzedine Alaia)の回顧展「Alaïa(アライア)」を来年1月26日(日)まで開催中。 Text by Winsome Li (OPENERS) 「ぼくは服を作る、女性はファッションを創る」1936年、チュニジアのチュニスで生まれたアズディン・アライア。10代の後半に彼はパリへ拠点を移し、ファッションデザイナー、ギ ラロッシュの元で働く。1963年、プライベートクライアント向けのオーダーメイド デザイナーとして、自身のブランドを立ち上げた。当時の大物女優である、アルレッティ、ガレタ・ガルボなども彼の顧客。友人のティエリー・ミュグレーの勧めにより、1979年に初コレクションを発表した。ヴェルサー...
ART FILE 31|「ベネッセ・アートサイト直島と建築家 安藤忠雄」展
ART FILE 31|フランス・パリ「Le Japon Rive Gauche展」 -ベネッセアートサイト直島と建築家・安藤忠雄-日仏文化協力90周年を迎える今年、世界でもっとも長い歴史をもつ百貨店、パリのボン・マルシェにて「Le Japon Rive Gauche展」が開催される。建築家・安藤忠雄氏をメインゲストに迎え、8月30日(土)から10月18日(土)までベネッセアートサイト直島での一連のプロジェクトをテーマにした展覧会を実施する。Text by Winsome Li (OPENERS)ベネッセアートサイト直島をパリの老舗百貨店に再現100を超える日本のブランドが参加する「Le Japon Rive Gauche展」は、カルチャー部門とファッション部門が設けられ、衣・食・住・アートにまつわる「日本」を、かつてない規模で紹介する。カルチャー部門のメインゲストは日本を代表する建築家の安藤忠雄氏が、ベネッセアートサイト直島における自身の建築をテーマにした作品を展開する。ベネッセ...
ART FILE 33|「Björk」|連載「世界のアート展から」
ART FILE 33|アメリカ・ニューヨーク|「ニューヨーク近代美術館」音楽界の革命家、20年の軌跡を追う「Björk」(1)アイスランドが生んだ歌姫、ビョーク。彼女の約20年にわたる軌跡を追った大規模な回顧展が、6月7日(日)まで米・ニューヨークの「ニューヨーク近代美術館(MoMA)」で開かれている。Text by TANAKA Junko (OPENERS)存在そのものが事件ビョーク。これほど長きにわたって先駆者の姿勢を崩さず、常に話題を振りまきつづけた音楽家がいるだろうか。1965年、アイスランド生まれ。肩書きは、歌手、シンガーソングライター、作曲家、プロデューサー、(ときどき)女優。私生活では2児の母でもある。音楽の世界に足を踏み入れたのは12歳のとき。アルバム『Björk』でデビュー、国内で爆発的な人気を誇るも、天才少女のレッテルを貼られることを嫌った彼女は、13歳で自らバンドを立ち上げ、独自の道を歩みはじめる。1986年、ギタリストのソール・エルドンと結婚し、息子シン...
ART FILE 09|「INEZ & VINOODH : PHOTOGRAPHS」|連載「世界のアート展から」
ART FILE 09|フランス・パリ|「ガゴシアン ギャラリー」写真家デュオ「デュオ イネズ・ヴィノード」個展「INEZ & VINOODH : PHOTOGRAPHS」先鋭でモダンな世界観を持つイネズ・ヴィノード(INEZ & VINOODH)は、ファッション業界で長く活躍している写真家デュオ。パリのガゴシアン ギャラリーで、3月9日(土)まで展覧会を開催中だ。Text by Winsome Li (OPENERS)非凡な表現で、ショッキングな作品25年間仕事とプライベート両方のパートナーとして、写真家デュオであるイネズ・ヴィノードは90年代の早期から活躍し、ヌード、ポートレート、静物などさまざまなジャンルでアート、ファッションとポップ カルチャーの作品を数多く発表してきた。『ヴォーグ』や『i-D』などのファッション誌に彼らの作品は定期的にフィーチャーされ、ラグジュアリーブランドのビジュアルも製作、いまでもファッション業界において、現役で大活躍している。© In...
ART FILE 29|「HELLO, MY NAME IS PAUL SMITH」|連載「世界のアート展から」
ART FILE 28|イギリス・ロンドン|「デザイン・ミュージアム」「HELLO, MY NAME IS PAUL SMITH(ハロー、マイ ネーム イズ ポール・スミス)」ファッションデザイナー、ポール・スミスのマインドに迫るとともに、そのクリエイションの秘密を探るエキシビション「HELLO, MY NAME IS PAUL SMITH」がロンドンのデザイン ミュージアムで開催されている。これまでのキャリアを振り返り、いかにして“ポール・スミス”は生まれ、進化をつづけるのかが、いま、つまびらかにされる。 Text by YANAKA Tomomi最初にオープンした狭小ショップやポールのオフィスまでも再現1976年にパリのホテルのスイートルームで小さなメンズコレクションを発表することからスタートした「ポール・スミス」。現在では毎シーズンごとにパリでメンズ、ロンドンでウィメンズのコレクションを発表しており、数多くのラインを抱えるまでに成長した。そして、そのブランド規模にもかか...
ART FILE 01|「TIM WALKER STORY TELLER」|連載「世界のアート展から」
kART FILE 01|イギリス・ロンドン|「サマーセットハウス」驚くほど独創的な世界観で、ファッションを見せる「TIM WALKER STORY TELLER」世界中のアート展を紹介する新連載、「TRAVEL THE ART WORLD」。記念すべき第1回は、現代のファッション業界でもっとも影響力のある写真家ティム・ウォーカーの個展である。ロンドンのサマーセットハウスにて開催中だ。Text by Winsome Li (OPENERS)無限の想像力を衝撃のビジュアルに!ロンドンのサマーセットハウスで、2012年10月18日から2013年1月27日まで開催される、ティム・ウォーカーの個展。彼にとって写真はファッションを童話のように表す、白昼夢のような存在だ。彼が持つユニークな表現力は数々のファッションブランドが称賛し、さらに有名なデザイナーやモデルのポートレートにも手掛けている。写真について、ティム・ウォーカーはこう語る。「ときどき、写真を撮る時に奇妙な力を感じることがある。そし...