Images Courtesy of Gucci
FASHION /
NEWS
2026年4月28日
シルクスカーフの伝統を現代へ繋ぐプロジェクト「The Art of Silk」
GUCCI|グッチ アート オブ シルク
グッチのシルクスカーフが持つ歴史と現代性を多面的に探求するプロジェクト「The Art of Silk」が、新たな展開を見せている。アーカイブデザインの再解釈にとどまらず、地域の文化再興や持続可能なクラフツマンシップの実現とも結びついたこの試みは、一枚のスカーフが持つ可能性の広さを改めて示す。
Text by WASEDA Kosaku
メゾンのアーカイブデザインを現代へ
「The Art of Silk」は2025年に始動した、グッチのシルクスカーフの歴史とその現代性に焦点を当てた多面的なプロジェクトだ。
本プロジェクトは、グッチのアーカイブに収められた10点のスカーフ(日本では8点を展開)をコンテンポラリーな視点で再解釈するというもの。フィレンツェのグッチ アーカイブから、メゾンのアーティスティック・ディレクターであるデムナ氏がセレクトしたデザインは、ブランド創成期に培われたプリント技術の高さと美学を色濃く反映させている。
新たにデザインされたコレクションには、「Your Majesty」「Double Trouble」「Morso D'Oro」「Giardino di Seta」「Lungomare」「Hard-Wear」「Salon Privé」「Il Gattino」の8デザインが並ぶ。フローラ、アニマリエ(動物)、ノーティカル(航海)といった象徴的なモチーフが用いられており、グッチ初期らしいヴィジュアルが印象的だ。
またコレクションにはLACMA(ロサンゼルス・カウンティ美術館)の新本館、デヴィッド・ゲフィン・ギャラリーズのオープニングを記念したフローラ プリントの限定デザイン2点も加わる。
1966年にアーティスト・イラストレーターのヴィットリオ・アッコルネロが描いたフローラ プリントを再解釈したもので、四季の花々が織りなす詩的な世界観はそのままに、現代的な洗練を備えた仕上がりになっている。
この限定スカーフは南イタリア産の最高品質シルクを使用。イタリア・カラブリアを拠点とするNido di Seta(ニード・ディ・セタ)およびOngetta(オンジェッタ)との協働により製作され、かつて栄えたシルク産業の再興を支援する取り組みの一環でもある。
有機桑栽培や遊休地の再生、再生可能エネルギーの活用など、持続可能なクラフツマンシップを追求する姿勢がその背景にはある。これらの限定スカーフはLACMAのショップおよびグッチ ビバリーヒルズ フラッグシップショップにてリリースされる。
本コレクションの発売を記念し、グッチはフィレンツェ美術アカデミー(Accademia delle Belle Arti di Firenze)との連携をさらに深める。本プロジェクトのスカーフデザインを題材に同アカデミーの学生が10点の絵画作品を制作し、ロサンゼルス ビバリーヒルズのグッチショップで展示される予定だ。参加学生への奨学金支援も行われ、次世代クリエイターの育成にも力を入れている。
1950年代からグッチを代表するアイテムとして、長く支持され続けているシルクスカーフ。コンパクトなアイテムながら、グッチの美意識、クラフツマンシップ、持続可能への意識が詰め込まれつつ、日常での実用性の高さも魅力的。単なるアクセサリーを超えたシルクスカーフの存在とスペシャリティの証明、それが「The Art of Silk」なのだ。
問い合わせ先
「The Art of Silk」の記事をより深く理解するために
Q.「The Art of Silk」とは?
「The Art of Silk」は2025年に始動した、グッチのシルクスカーフの歴史とその現代性に焦点を当てた多面的なプロジェクトである。第1章では女優のジュリア・ガーナーを起用し、スティーヴン・マイゼル撮影による広告キャンペーンを展開。アスリーヌ社との共同制作によるアートブック『Gucci: The Art of Silk』の刊行や、9名の国際的アーティストがアーカイブスカーフを再解釈する「90 × 90」プロジェクトも実施された。
Q.GUCCIのシルクスカーフの歴史は?
起源は1950年代にさかのぼる。当時、グッチは皮革製品で名声を高めていたが、顧客層の拡大とともにファッションアクセサリーの展開を強化。その流れの中で誕生したのがシルクスカーフだった。なかでも有名なのが、1966年にモナコ公妃グレース・ケリーのためにデザインされた「フローラ」プリントで、27種類の花や植物が緻密に描かれたこの図案は、現在もブランドのアイコンとして繰り返し再解釈されている。



