ART FILE 32|エディ・スリマンの写真展『Sonic』パリで開催中
ART FILE 20|ファッションデザイナーのエディ・スリマンによる写真展
『Sonic』パリで開催中
サンローランのクリエイティブディレクターであり、メンズファッションにミニマルな細身のニューシルエットを取り入れたデザイナーとして、一世を風靡したエディ・スリマン。ファッションの最前線で活躍する一方、写真家の才能をもつスリマンは長年シャッターを押しつづけている。そんな彼の写真展『Sonic』が来年の1月11日(日)までパリで開催中。
Text by Winsome Li(OPENERS)
エディ・スリマンのレンズを通じて見るロックシーン
1968年、チュニジア人の父とイタリア人の母のもとにパリで生まれたエディ・スリマン。彼の11歳の誕生日に両親からカメラをプレゼントされたことが、写真をはじめるきっかけとなった。現在はファッションデザイナーとして活躍しているが、ロックミュージックに興味深いのエディ・スリマンは、ロックアーティストのポートレートや、彼らのパーフォーマンスのシーンをはじめ、ファッション誌のシューティングやカリフォルニアの風景写真まで幅広く撮り下ろしている。作品は不定期にホームページ(www.hedislimane.com)に発表。写真集も数冊出版され、写真への情熱をさまざまな形で表現している。
また、サンローランの広告ビジュアルの撮影はすべて彼が手がけ、メゾンが提案するシーズンコンセプトをその独自なスタイルで表現。さらに、ロックスターがメゾンのコレクションや定番アイテムを着こなす、ポートレートキャンペーン「サンローラン・ミュジック・プロジェクト」もスリマンの主導で展開されている。
今回の写真展では、彼が15年間撮りためたロックアーティストのポートレートのアーカイブから、ニューヨーク、ロンドン、彼の拠点であるロサンゼルスで撮影したモノクロの作品がずらりと並ぶ。ルー・リード、キース・リチャーズやエイミー・ワインハウスなど、著名なアーティストが被写体として登場する。また、会場ではロンドンとロサンゼルス、それぞれの音楽シーンを収録したドキュメント映像も上映する。写真家、エディ・スリマンの“クリエイティビティ”をぜひ発見してほしい。