特集|ヴィンテージから新作まで、いま欲しいのは “クラシックな眼鏡” Vol. 03「ブロウ」
FASHION / MEN
2015年6月11日

特集|ヴィンテージから新作まで、いま欲しいのは “クラシックな眼鏡” Vol. 03「ブロウ」

特集|いま欲しいのは “クラシックな眼鏡”

ヴィンテージから新作まで、厳選のラインナップ

第3回「ブロウ」

“クラシックな眼鏡” としてリバイバルを見せている「ラウンド」「ボストン」「ブロウ」の3型の眼鏡にフィーチャーしてお届けする本特集。ヴィンテージアイウェア専門店「ソラックザーデ」との共同企画にて、同店が所蔵する1万本以上のアンティーク、ヴィンテージのなかから歴史的に重要なアイテムをピックアップ。オーナーである岡本龍允氏の監修のもと、それぞれのルーツを紐解き、各スタイルの発生から変遷をたどる。

Photographs by JAMANDFIXText by OPENERS

1950年代の知性の象徴

第3回は「ブロウ」。ボストンの眼鏡のあとにアメリカで生まれた、定番的な眼鏡のひとつだ。その名の通り、眉毛のようなフレームにより、身につけるものの顔立ちを引き立てるデザインが特徴だ。

2-1

シューロンの「ロンサー」(1940年代後期)

写真は1940年代後期に製作された「SHURON(シューロン)」社によるもの。「RONSIR(ロンサー)」と呼ばれるこのモデルは、いま親しまれているブロウ型眼鏡の原型である。1865年に創業したシューロンは、「アメリカンオプティカル」「ボシュロム」と肩を並べる米国3大眼鏡メーカーであり、なかでもこのロンサーは大ヒットを記録し、メーカーを代表するモデルとして知られている。

眼鏡としての機能のみならず、個性的なルックスに重きを置いたデザイン。ラウンド、ボストンにつづいて米国で誕生したブロウは、知的な印象をあたえる特徴的なハーフリムで1950年代に人気を博した。

’50年代には、「アメリカンオプティカル」が、米国軍のモント将校の “威厳の出る眼鏡を” というオーダーでブロウ型の眼鏡を製作。これがのちに「サーモント ブロウ」と呼ばれるモデルとなり、「ロンサー」に並ぶ名作として、現代でも復刻をおこなうブランドが出てくるなど、金字塔を打ち立てている。

4-1

BJクラシックが復刻した「サーモント ブロウ」(2015年)

3-1

アルミのリムを使用したボシュロムの眼鏡(1960年代)

’60年代には、デザインのバリエーションが増え、鏡面のメタルパーツを用いたものなど、ユニークなデザインが登場。このような遊びが利いたデザインが生まれるということが、当時の定番的な人気を裏付けている。またアイビーブームの影響もあり、若者のあいだでも着用されることがあった。

デザインがさらに拡張される1970年代以降

’70年代に入ると、プラスチック素材のレンズが登場したことで大きなレンズのフレームデザインが可能になり、ブロウの眼鏡にも大ぶりのタイプが登場。そして、日本国内でもブロウ型眼鏡の流行が起こる。高度経済成長期で活気づくビジネスマンや政治家のなかで、精悍な顔つきをアピールするのに、非常に効果的だったという。

西ドイツ、つづいて日本が世界のもの作りを牽引する国として台頭する’50年代から’60年代を経た、’70年代以降は、世界中の眼鏡店のラインナップを西ドイツの製品が席巻した。

そのなかでもとくにドイツらしさを象徴するブランド「RODENSTOCK(ローデンストック)」は、アメリカの製品とはまたちがう、質実剛健な作りで世界中のひとの心を捉えた。

4-1-(1)

ローデンストックは高級メガネの代名詞でもあった
(1970年代)

86年にはブロウ型の眼鏡のデザインを下敷きとした「レイバン」のサングラス、「クラブマスター」が発表される。このモデルは当時、’50年代のスピリットを反映したフレームとして大ヒットを記録。ムービースターやロックミュージシャンが愛用し、そのイメージを決定づけた。

視力矯正の道具としてだけではなく、男性が印象をコントロールするファッションアイテムとして登場したブロウ型の眼鏡。現代において、アメリカントラディショナルなスタイルの回帰から “クラシックな眼鏡” として、メンズ・ウィメンズともに盛り上がりを見せているセクションだ。

いま手に入れるべき「ブロウ」型の眼鏡8本

ブロウ型の眼鏡は避けることのできない題目として、ブランドの前にあらわれる。それぞれ、共通するデザインのなかで、レンズの大きさや丸み、ブリッジやリムのディテールで個性を演出している点に注目していただきたい。ここで紹介するのは、いずれも各ブランドが自信をもって送り出す逸品だ。

眼鏡特集

1960年代に作られたスタンダードモデル
01 Moscot

眼鏡特集

シューロン社のヴィンテージフレーム
02 The Spectacle

眼鏡特集

海外でも評価の高い日本のブランド
03 Yellows Plus

眼鏡特集

再現された「サーモント ブロウ」
04 BJ Classic

眼鏡特集

‘70年代の意匠をベースに復刻
05 Masunaga G.M.S.

眼鏡特集

新鋭ブランドが作るブロウモデル
06 GLCO

眼鏡特集

スクエアなフォルムが個性的
07 Ayame

眼鏡特集

フォーマルなスタイルに合う一本
08 Oliver Goldsmith

150525_banner-3
           
Photo Gallery