建築、不動産ニュース
「建築」は最も大きなアート作品。「住宅」はライフスタイルを変化させるための鍵。国内外の建築作品、不動産情報をご案内。
「建築、不動産ニュース」に関する記事
Swarovski|バーゼルワールドで吉岡徳仁が手がけたブースデザイン
Swarovski|スワロフスキー世界最大の時計展示会「バーゼルワールド」にて披露吉岡徳仁が手がけた「Swarovski」ブースデザイン(1) 「Wings of Sparkle(輝きの翼)」、輝きの光に包まれ、クリスタルの夢の中へ──スイス・バーゼルで開催された世界最大の時計展示会「バーゼルワールド」で、吉岡徳仁氏が手がけたスワロフスキーのブースデザインが話題をさらった。Text by KAJII Makoto (OPENERS)輝きのなかに包まれることで、“光そのもの”を体感できる今回のブースデザインは、スワロフスキーのクリスタルファセットをイメージ。LEDストロボをまるで結晶構造のように連結させたスパークルウォールは、強くエレガントな輝きを放って、大きな曲線とダイナミックな光の空間を創り出した。輝きのなかにひとが包まれることで、そのクリスタルの輝きの中に入るような“光そのもの”を体感でき、表面的なデザインではなく、スワロフスキーの「輝きの世界」とその美しさの追求を表現。湖の白...
PROJECT|陸前高田まちのリビングプロジェクト 仮設リビング『りくカフェ』オープン
陸前高田まちのリビングプロジェクト仮設リビング『りくカフェ』オープン昨年の東日本大震災でもっとも甚大な被害をうけた岩手県陸前高田市。町場のほとんどが被災して、喫茶店のように、地域の方が気軽に集まる場所が消滅してしまった。そんななか、地域住民を中心とする「陸前高田まちのリビングプロジェクトチーム」により、“地域住民が気軽に立ち寄れる居場所=まちのリビング”となる、仮設リビング『りくカフェ』が1月9日についにオープンした。Text by KAJII Makoto (OPENERS)高齢化が進む地域のコミュニティの拠点としても注目したいまちのリビングプロジェクトは、地域の人びとが気軽に集まれる場所を地域につくりたいという住民自らの発意によりスタートし、専門家や企業が支援することで実際に居場所をつくることを目指す取り組み。「あたらしい公共」をかたちにするプロジェクトといえる。今回の『りくカフェ』は、東京大学大学院の小泉秀樹准教授(都市工学専攻)と、建築家の成瀬友梨さん(東京大学 助教)・猪...
Vol.2 中山 英之 インタビュー
Vol.2 中山英之インタビュー夢見る建築の未来多様な価値観が共存する現代において、建築家のたち位置とはどこにあるのか? 中山英之氏が手がける、感覚的にとぎ澄まされたその建築は、人間の感性という"はかないもの"を、人が暮らすための住宅に落とし込んだ、繊細さといきいきとしたファンタジーに満ちている。インタビュアー、まとめ=加藤孝司──建築との出会いを教えてください『遊びの博物誌』というすごく好きな本があります。坂根厳夫さんという方が新聞に連載していた、古今東西の不思議なおもちゃとか、ちょっと科学的なトリックを使ったアートを紹介する記事をまとめられた、1970年代の本です。はじめはたしか、親が図書館で借りて来てくれたんです。それをすごく気に入ってしまって、結局買ってもらいました。小学生の頃です。──どのようなことが書かれている本なのですか?たとえば天板が「スーパー楕円」という形をしたテーブルの写真が載っているのですが、このテーブルを使うと「レストランの面積が15%節約できる」と書いてあ...
Vol.1 藤村 龍至 インタビュー
Vol.1 藤村龍至インタビュー都市へ、そして風景を超えて──「批判的工学主義」と「超線形設計プロセス」いうふたつの建築家としての思想を軸に、自身の考え方を提唱することによって、建築界の内側に議論を生み出している藤村龍至氏。自作である高円寺にある集合住宅BUILDING Kにて話をうかがった。インタビュアー、まとめ=加藤孝司──建築との出会いを聞かせてくださいもともと都市計画に興味がありました。父の出身が神戸で、小さい頃はよく行っていたのですが、当時の神戸は須磨ニュータウン(六甲山脈西部の丘陵地域にあたる)とポートアイランド(港湾の人工島)の開発の最中でした。丘陵地の開発で発生した土砂をベルトコンベアーで海まで運び埋め立てに使い、山と海を繋ぐトンネルを開発が終わったあとで下水道に使う、という一石三鳥の開発手法は、当時の神戸市長である原口忠次郎さん(1949年から20年間在任)のアイデアだときいたんです。原口市長は政治家であり同時に工学博士でもあったという人で、政治と工学の交点という...
Vol.5 山口 誠 インタビュー
Vol.5 山口 誠インタビュー最善に近づくための建築「軽井沢の別荘」や「狛江の住宅」などの作品で海外での評価も高い山口誠氏。一見あたりまえななにげない建築のディテールに、見過ごされてしまうようなデザインの多様さが潜んでいることがある。建築家山口誠がつくり出す空間は、時間の経過とともに日常が深みを増すような気づきの建築であるともいえる。建築とプロダクトをおなじ方法でデザインするということ。豊かさとデザインはおなじ方向をむきながら建築の未来を作り続けている。インタビュアー、まとめ=加藤孝司──山口さんがはじめて建築を意識したのはいつ、どのようなときでしたか?父親が職人なんです。大工なのですが、それで小さい頃から現場に行く機会があって、最初に建築現場に行ったのは幼稚園の頃でした。自分が入学する予定の小学校のプールをつくっていたんです。まだパイプが組まれたままのコンクリートを打設して間もない状態で、コンクリートってアルカリ性なのですがそのアルカリっぽい匂いというのが印象に残っています。だ...
特集|OPENERS的ニッポンの若手建築家 PARTII Vol.5 アラキ+ササキアーキテクツ インタビュー
Vol.5 アラキ+ササキアーキテクツ(1)セルフビルドという設計手法建築はつくるものではなく、大多数のひとにとって、買うものになって久しい。そこでは有名建築家に家を設計してもらうことが目的になり、その場所で誰とどのような暮らしをしたいのかといった生活本来の目的があとまわしになっている印象がある。荒木源希氏、佐々木高之氏、佐々木珠穂氏の3名によるアラキ+ササキアーキテクツ(A+Sa)は、デザインスタディとしてのセルフビルドを設計理念に、デザインを頭で考えるだけでなく、実際に手を動かし手で思考することを大切にしている建築家グループだ。ユーザーとともに建築について考えつくるという、設計者の手の内をみせることをいとわず、修辞なき建築を目指す彼らに、その設計手法について聞いた。インタビュアー、まとめ=加藤孝司手をつかい、自ら構築すること──3人の出会いをおしえてください。佐々木高之 3人とも大学の同級生で、それ以来の付き合いになります。そもそも40人しかいないクラスだったので、いまでもほぼ...
特集|OPENERS的ニッポンの若手建築家 PARTII Vol.2 中村竜治インタビュー
Vol.2 中村竜治インタビュー(1)自立することで快適さをめざす建築当たり前なかたちの繰り返しが、誰も見たことのない椅子になり、オブジェクトになり、そして空間になる。中村竜治氏のつくり出すものは、建築やオブジェクトがもつ規定の枠組みの内と外とを行き来しながら、その規模や概念を拡張していく。徹底的に自立することを考えることから成立するそれらの作品には、我われの、互いが関係を結びつつ自立する、未来の都市のイメージが見え隠れする。登下校の道すがら、少しずつ変わっていく家々のある風景を毎日飽きずに見ていたという幼少期から、建築という大きなスケールでものごとを考えるようになった現在まで、中村氏がとらえる風景と空間への視点にはぶれがない。インタビュアー、まとめ=加藤孝司建築のあった原風景──中村さんが建築に興味をもったきっかけを教えてください。出身は長野県の伊那市というところなのですが、小学生のころ学校の行き帰り路で、家々を見比べるのが好きでした。地元の工務店が建てたおなじような形をした家が...
特集|OPENERS的ニッポンの若手建築家 PARTII Vol.1 長坂 常インタビュー
Vol.1 長坂 常インタビュー(1)AとCのあいだにある宙ぶらりんなものあたらしい価値と古いものがもつ価値。長坂氏のつくるものにはそのどちらにも属さない、素の状態がもつ美しさや生真面目さが同居する。マンションや住宅のリノベーション、傷痕の残るテーブルの表面にエポキシ樹脂を流しこみあたらしく生まれ変わったテーブルも、ものづくりとデザインすることの原点回帰といもいえる清々しさがある。普段とは異なる視点から対象を見ることは、それに先行する形態を発見し、そこに未来への道筋をひくことでもある。3・11以後の世界をふまえ、それ以前と以後でゆらぐ現代の価値を、ユニークな視点から建築と都市をとらえる長坂 常氏にうかがった。インタビュアー、まとめ=加藤孝司おおらかに都市を整理するための方法論──長坂さんの最近の興味である“誤用”について教えてください。昨年開催した「LLOVE」(2011年秋に代官山でおこなわれた日本人とオランダ人デザイナーの混成による、泊まれるホテルのエキシビション。長坂氏が日本...
特集|OPENERS的ニッポンの女性建築家 Vol.3 貝島桃代インタビュー
Vol.3 貝島桃代インタビュー (1)いえ、住居、まち、建築についてのいくつかの覚書街はさまざまなスケールの建物で構成されている。ビルディング、タワー、家。街を構成する要素としての「いえ」と言ったときに、人びとはなにを想像するだろうか。街のスケールに対し比較的小さなスケールをもつ「いえ」の設計をつうじ、建築や都市にダイレクトにアプローチするアトリエ・ワンの貝島桃代氏。近著を巡る著者自身による考察と、まちと建築にまつわるさまざまなプロジェクトをとおし、「いえ」からみえてくる、東京と都市について考える。インタビュアー、まとめ=加藤孝司住宅を「建築」としてみる──最近まとめられた貝島さんの『建築からみた まち いえ たてもの のシナリオ』という本があります。この本の成り立ちについて教えてください。建築は、言葉で考えることと、ものをつくることを並行して進めます。このおもしろさを私自身、日々体験するのですが、これを伝えたいと思ってまとめました。──以前から雑誌などで、貝島さんの文章を拝読し...
特集|OPENERS的ニッポンの女性建築家 Vol.4 成瀬友梨インタビュー
Vol.4 成瀬友梨インタビュー (1)これからの都市でのすまい方縮小の時代といわれ、経済は萎縮し建築も新築は建ちづらくなっているといわれている昨今。若い建築家たちはあたらしい視点から社会をみつめ、いまの時代にしかできないアプローチで都市、そして建築というものに向きあっている。成瀬・猪熊建築設計事務所の成瀬友梨さんは、集まって住むことやシェアという問題にコミットしながら、提案型のアプローチでさまざまな取り組みをつづけている女性建築家だ。絶妙なバランス感覚で社会に切り込んでいくその視点の先にあるものについてじっくりと話をうかがった。インタビュアー、まとめ=加藤孝司建築を仕事にする──建築をこころざしたきっかけを教えてください。小さいころは建築をつくるというと、工事現場の職人さんたちをイメージし、建築家という職能があるということは意識したことがありませんでした。ただ、そのころから母親が美術館に一月に一度くらいの頻度で連れて行ってくれて絵画や彫刻を見るのが好きでしたし、泥遊びをしたり、絵...
特集|OPENERS的ニッポンの若手建築家 PARTII Vol.6 石上純也インタビュー
Vol.6 石上純也(1)震災以後に考えていること2011年はこれまで当たり前に思っていた私たちの生活が、根底から揺さぶられる大きな出来事に遭遇した年となった。人びとの暮らしや、日々の営みが大自然の前では無力で、いかに儚いものであったのか2011年ほど実感した年はなかっただろう。石上純也氏は大きなものと小さなもの、建築のスケールから宇宙のスケールまで、あたらしい尺度をもった建築を考えつづけている建築家だ。震災以後の暮らしとは? 未来の生活のリアリティとは? ――石上純也氏が震災以後どのようなことを思い、建築について考えているのか話を聞いた。インタビュアー、まとめ=加藤孝司現代建築を超えていくもの――震災のあと東北に足を運ばれたそうですが、そこで何を感じましたか?想像を絶する状況でした。見渡すかぎり、ほとんど家がないこともそうですし、いま僕らが歩いているこの下にひとが埋まっているかもしれないという凄まじい状況が目の前に実際にありました。正直、なにをするべきかということがまったくわかり...
特集|OPENERS的ニッポンの女性建築家 Vol.2 大西麻貴インタビュー
Vol.2 大西麻貴インタビュー (1)繋がる建築の未来建築とは、その設計を通して、街とひとと建築家とを繋ぎ、ひとりでは描けない夢や、かかえきれないような思いを共有するプラットフォームである。学生時代から数々の賞を受賞するなど、近年活躍がめざましい若手建築家のなかでも、いまもっとも注目を集める建築家のひとり、大西麻貴氏。大学在籍中に手がけたいくつかのインスタレーション、最近着工したばかりの初の住宅作品について、そしてこれからの時代の都市開発のあり方について話を聞いた。インタビュアー、まとめ=加藤孝司建築を志したきっかけ──現在、ご自身の設計活動をしながら、大学の博士過程にも在籍中と聞きました。はい。でも最近は、ほぼ設計活動に専念しています。──ご自身の設計活動と大学での活動ということで、たんに個人の設計事務所を運営しているのとは少しちがう、活動の幅のようなものがあると思うのですが、いかがですか。私の場合は、修士のときにいくつか実現を前提としたプロジェクトにかかわる機会がありました。...
特集|OPENERS的ニッポンの女性建築家 Vol.5 永山祐子インタビュー
Vol.5 永山祐子インタビュー (1)とどかない場所~あたらしい時代のスタンダードのあり方現代はなにもないところからなにかをつくり出すような経済成長時代とは異なり、いまそこにあるスタンダードから、なにか別のスタンダードを生み出す、時代のあり方としてはそんなフェーズに突入しているといえるのではないだろうか。いまあるものに価値を見いだし、これまでにない視点からものを見たり、そこにある現象を考えることで、あたらしい時代の価値は生まれる。永山祐子氏は建築を通してものごとに偏在する普遍的なものから誰もみたことのない価値を抽出し、次世代のスタンダードを創造する。インタビュアー、まとめ=加藤孝司小さなスケールと、大きなスケール──建築に興味をもったきっかけを教えてください。じつはうちの祖父が建築を志していました。私には祖父の記憶はありませんが、谷口吉生さんのお父さまの谷口吉郎さんの研究室にいて、在籍当時、島崎藤村美術館などの設計を手伝っていたそうです。祖父は若くして亡くなったので直接的なやりと...
ちいさな図版のまとまりからから建築について考えたこと|石上純也氏レクチャー・前編
ちいさな図版のまとまりからから建築について考えたこと石上純也氏レクチャー 前編INAX出版の書籍、若手建築家の建築作法を1冊にまとめた「現代建築家コンセプト・シリーズ」。第1弾の藤本壮介氏、そして9月5日発行予定の第二弾は今月イタリアで開催の「第11回 ヴェネツィア・ビエンナーレ国際建築展」に参加で話題の建築家・石上純也氏のコンセプトブックが登場します。こんかいはコンセプトブックの発売にあわせて、先日INAX:GINZAで開催された建築家フォーラム主催、石上純也氏講演会「自作について」よりお話を抜粋、石上純也氏のふたつのテーブル作品と、空間デザインのプロジェクトについての話をお贈りします。まとめ、文=加藤孝司協力=建築家フォーラム、INAX出版レストランのためのテーブルレストランの内装の依頼です。クライアントからの要望は5組ほどのお客さんをそれぞれ特別な空間でサービスをしたいということでした。50平方メートルくらいの空間でしたのでそれぞれのお客様に個別の空間をつくるほどには広くあり...
特集|OPENERS的ニッポンの女性建築家 Vol.1 乾久美子インタビュー
Vol.1 乾久美子インタビュー (1)風景を肯定することOPENERSでは、2008年に5人の日本の建築家を紹介する「いま世界が注目するニッポンの若手建築家特集」を組んだ。それはインターネットやパーソナルコンピューターが、誰にとっても当たり前なものになり、情報化が高度に進んだゼロ年代の東京という街における現状を、街のかたちをつくる「建築家」という職能をもった彼らの言葉を借りて具現化する試みであった。それはまた、東京という街を、非現実的なバーチャルに根ざしたものではなく、人間の営みのなかからにじみ出るリアリティあるものによって記述する試みでもあった。テン年代(2010年代)に入って、経済、政治はますます混迷の度合いを深め、人びとの嗜好やファッションの流行は多様化し、世の中は先のみえにくい時代に突入しているように思える。だからこそいまは、前向きに考えれば、つぎの時代に向けたあらたな好ましい転換期を迎えているともいえるのではないだろうか。今回の建築家特集では、日本の5人の女性建築家を紹...