建築、不動産ニュース
「建築」は最も大きなアート作品。「住宅」はライフスタイルを変化させるための鍵。国内外の建築作品、不動産情報をご案内。
「建築、不動産ニュース」に関する記事
Vol.4 谷尻 誠 インタビュー
Vol.1 谷尻誠インタビュー拾う建築、気づきの建築建築とは、日常の暮らしのなかに生まれる疑問や気づきに、具体的な事柄でこたえる問題解決の方法でもある。谷尻誠氏の建築をみていると、建築が建築的な思考からしか生み出され得ない特別なものではなく、もっと身近なものに思えてくるときがある。そんな建築がうまれる思考の背景をさぐります。インタビュアー、まとめ=加藤孝司──2000年に独立されましたが、それ以前は建築をどのようにとらえていましたか?なんとなく、かっこいい建物が好きとかっていうのはありました。でも自分とはあまり関係のない世界だと思っていたんです。雑誌とかに載っている建築を見ては、これが良いとか、これは良くないとか、目利きじゃないですけれど感覚的にすごく深いところまで見るようなことは習慣的にしていました。でもそれは雑誌にでるような人の世界であって、僕はそっちじゃないっていうふうに、その頃は思っていました。でも、独立してからいろいろな出来事があって、建築がすごく面白くなっていきました。...
Panasonic|「ミラノサローネ2014」現地速報
「ミラノサローネ2014」展示コンセプトは“SLIDING NATURE”ミラノ大学中庭に出現した呼吸する家ミラノ大学構内の中庭に出現した家型のオブジェクト。引戸がゆっくり呼吸するように開閉し、その動きにあわせて周囲にある植物に見立てた175個のLED電球が点滅して、中庭全体が呼吸する家になる ── 7年連続出展となるパナソニックのミラノサローネ2014。今年は“SLIDING NATURE”をコンセプトに、トラフ建築設計事務所が会場展示の構成を担当。住環境と自然が呼応する空間を、大型引戸とLED照明を用いて表現している。Text by KAJII Makoto (OPENERS)Photographs by SHIGETA Satoshi, Santi Caleca重厚な建築の中庭で、軽やかさを表現過去2年、ミラノサローネでは、地球環境やエネルギーなど、私たちの生活にかかわる大きなテーマを抽象的に表現してきたパナソニック。今年は一転して、住宅建材・設備や電設資材、照明器具を用いて...
Panasonic|ミラノサローネで世界に提示した“引戸の未来”
Panasonic|パナソニックパナソニック×トラフ建築設計事務所による展示「SLIDING NATURE」ミラノ大学の中庭全体で反応するインスタレーション4月7日から13日まで開催された世界最大級のデザイン見本市「ミラノサローネ2014」に、7年連続となる出展を果たしたパナソニック。2008年からは、住宅関連製品を用いて空間プレゼンテーションをおこない、今年は「SLIDING NATURE」をコンセプトに、大型引戸とLED照明を用いた展示を披露。この会場構成を、トラフ建築設計事務所が担当した。盛況のうちに終了し日本に戻った、トラフ建築設計事務所の鈴野浩一氏と禿(かむろ)真哉氏に、お話をうかがった。Text by KAJII Makoto (OPENERS)Photographs by SUZUKI Shimpei (Interview)インスタレーションで感じた手応え鈴野浩一 今年のミラノサローネは期間中とても天気に恵まれて、外でのインスタレーションを多くの方に楽しんでいただけた...
Panasonic|可変空間パッケージ「SLIDING HOUSE」リポート
Panasonic|パナソニック引戸で構成される空間が開閉し、風・光・空間をつなぐ可変空間パッケージパナソニック×トラフが提案する実空間モデル「SLIDING HOUSE」今春開催されたミラノサローネで、住まいと自然のあたらしい関係性を提案した、パナソニック+トラフ建築設計事務所による呼吸する家「SLIDING NATURE」の実空間モデル「SLIDING HOUSE」。東京ビッグサイトでの住宅関係者向け展示会で、初お披露目された。空間のインテリアスタイリングは、スタイリスト作原文子氏が手がけた。Text by KAJII Makoto (OPENERS)Photographs by JAMANDFIX住空間を引戸で構成する提案9メートル角、面積80平方メートルをもつ空間に、3枚連動の引戸を取り入れると、どのような生活ができるのか ― 今年のミラノサローネのインスタレーション展示「SLIDING NATURE」を経て、住環境と自然が融合した呼吸する家を表現した実空間モデルが「SLI...
いま、世界が注目するニッポンの若手建築家たち|Vol.6 石上 純也
Vol.6 石上 純也インタビュー建築という、なによりも力強いものを建築がもつ力強さを自身のイメージや確たる理念でかたちにしていく石上純也氏。その一見はかなくて美しい建築は日本の美にも通底していて、世界中が注目する日本の建築の急先鋒です。先ごろイタリアで行われたヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展で各国メディアから高い評価を得たことも記憶に新しい。今回のインタヴューでは「空間」や「建築がもつリアリティ」の問題、石上純也氏が今考えていること、そしてそこから生み出される建築の本質的な部分について一気に語っていただきました。インタビュアー、まとめ=加藤孝司──石上さんにとってリアリティとは何ですかさまざまなものが、混ざり合っていく現象そのものです。完全に独立したものというのはこの世の中にはないと思っています。もちろん、想像のなかでは、独立したものは考えられるかもしれないけれど、結局、僕らの住む世界にそれを落とし込んでいったときに、あるところで、破綻が生じてしまうように思うのです。様々なもの...
ちいさな図版のまとまりからから建築について考えたこと|石上純也氏レクチャー・後編
ちいさな図版のまとまりからから建築について考えたこと石上純也氏レクチャー 後編前回に引きつづき建築家ファーラム主催でINAX:GIZAにて行なわれた石上純也氏の講演会「自作について」から、こんかいはふたつの建築のプロジェクトとヴェネツィア・ビエンナーレ国際建築展についてのお話をおおくりします。協力=建築家フォーラム、INAX出版まとめ、文=加藤孝司t project次は住宅のプロジェクトです。僕は現代都市の中で住宅はどのような役割があるのだろうかと考えることがあります。この住宅のクライアントは単身者です。その人が一日中家にいるということはあまりありません。平日は夜遅くに帰ってきて、朝早く出ていきます。家に戻らない日もあります。生活するために帰ってくるというよりは、むしろ、休むために、もしくは、リフレッシュするために帰ってくるという感じです。このような生活のスタイルは、現代において、特に東京において単身者の生活スタイルということでは、わりと普通なのではないかと思っています。しかし、そ...
Vol.3 岡田 栄造 インタビュー
Vol.3 岡田 栄造インタビューデザインという視点から、建築とアートをつなぐ、現代建築のキーパーソン建築、デザイン、アートに関する最新情報を毎日更新するバイリンガルのウェブサイトdezain.netを主宰。またリボンを使ったプロダクト、リボンプロジェクトをディレクションする岡田栄造氏。昨年、自ら出資しディレクターをつとめる『DEROLL Commissions Series 1:box』では若手建築家たちがデザインを手がけたプロダクトを発表し話題になった。大学でデザインプロセスを教える准教授でありながら、現在の建築、アート、デザインをつなぐキーパーソンである岡田栄造氏にお話をうかがいました。インタビュアー、まとめ=加藤孝司──現在、大学でされていることを教えてくださいもともと私の博士論文は日本の椅子の研究なんです。なぜそれをしたかといえば、ひと昔前まで日本人は椅子を使っていなかったじゃないですか。それで現在では当たりまえに椅子に座って暮らしている。それってすごいことだなって思った...
AAF|U-30 30歳以下の若手建築家による建築の展覧会 2013
AAF|U-30 30歳以下の若手建築家による建築の展覧会 2013記念シンポジウムには石上純也氏、谷尻誠氏らも参加建築家による芸術と社会環境の発展を目指すAAF(NPO法人アートアンドアーキテクトフェスタ)は「30歳以下の若手建築家による建築の展覧会 2013」を、9月5日(木)~10月5日(土)まで大阪・南港ATCにて開催する。Text by OKADA Kazuyuki(OPENERS)この世代の建築家しか表現できない空間「30歳以下の若手建築家による建築の展覧会」は、活動をはじめたばかりの30歳以下の若手建築家にスポットをあてた展覧会。今年で4回目をむかえる。開催するAAFは「この世代を代表する出展者たちは、新鮮な発想力で人にとって豊かな空間のあり方を模索しながら、ドローイングや模型、体験型のインスタレーションなど、多岐にわたる独自の表現手法を用いてこの世代でしか表現できない空間を追い求めています。さまざまな手法を用いて表現された彼らの眼差しの先にある建築が、これからの新し...
SANAAの西沢立衛氏とnendo が一緒に考えた 屋外型の企画展
屋外型の企画展で初コラボ「西沢立衛 + nendo:森の屋根ときのこ」展 京都で開催建築家・西沢立衛(りゅうえ)氏と、佐藤オオキ氏率いるデザイン事務所 nendo が、はじめてコラボレーションをおこなう企画展「西沢立衛 + nendo:森の屋根ときのこ」展。10月4日(金)~2014年1月13日(月・祝)まで、京都造形芸術大学エントランスラウンジにて開催される。Text by OKADA Kazuyuki(OPENERS)屋外作品は、大学敷地内の瓜生山に展開西沢立衛氏は、妹島和世氏とともに建築家ユニット SANAA として国内外で活動。2010年に、建築界のノーベル賞といわれるプリツカー賞を受賞した。また、昨年末には、設計を担当したフランスのルーブル美術館の新館「ルーブル・ランス」がオープンしたばかりだ。いっぽうの佐藤オオキ氏率いるデザイン事務所 nendo は、建築からプロダクトまで、幅広い分野で作品を発表。昨年はコカ・コーラの瓶から生成した食器「Coca-Cola Bottle...
TOTOギャラリー・間|『犬のための建築展』いよいよ国内で開催!
TOTOギャラリー・間|世界で活躍する13組の建築家とデザイナーが一挙集結『犬のための建築展』いよいよ国内で開催!グラフィックデザイナーの原研哉がディレクターとなり、世界的に活躍する13組の建築家とデザイナーを集めマイアミ、ロサンゼルスと開催してきた『犬のための建築展』。10月25日(金)~12月21日(土)まで、東京都・南青山のTOTOギャラリー・間にて開催される。Text by OKADA Kazuyuki(OPENERS)こんなにもかわいい建築!『犬のための建築』は、グラフィックデザイナーの原研哉のディレクションのもと、犬の尺度で建築を捉えなおすことで、あらたな建築の可能性を模索する、犬と人間の幸福のための建築プロジェクト。2012年11月に公式サイトARCHITECTURE FOR DOGS をオープン。世界で活躍する建築家・デザイナー13組がデザインした『犬のための建築』13作品を、フリーダウンロード可能な設計図とともに公開した。 by MVRDV for ビーグル ©H...
Miele│隈研吾設計の建築でエキシビション『Timeless Design』展
Miele│ミーレ“プロダクト”と“建築”と“アート”が共鳴するエキシビション『Timeless Design』展 開催ドイツの高級家電ブランドであるミーレの、直営ショールーム「ミーレ・センター表参道」にて、“時代を超えたスタイル”をテーマに、ことなる3つのスタイルが共鳴する『Timeless Design』展がおこなわれる。10月26日(土)から11月4日(月・祝)までの開催となる。Text by YANAKA Tomomi日本初公開のコラージュ展1899年に創業し、文化や世代、時代を超えたスタイルを常に研究し製品を生み出してきた、ドイツの高級家電ブランド、ミーレ。「均整が取れ、シンプルでエレガント」という理念に基づいた、ミニマルなデザインと機能性は、日本でも高い人気を誇る。ミーレの直営ショールーム ミーレ・センター表参道は、世界的にも名高い建築家・隈研吾氏が、“21世紀のあたらしい住空間”をイメージして2011年に内装設計した、地下1階、地上3階の、一軒家のような空間。ここで、...
EYE of GYRE|建築家 永山祐子展「建築から始まる未来」開催
EYE of GYRE~ 豊島×横尾忠則、宇和島×束芋×ほしよりこ~ 永山祐子展「建築から始まる未来」開催今夏開催した「AT ART UWAJIMA 2013」を語る(1)今夏7月24日から8月22日まで、愛媛県宇和島市にある「木屋旅館」と、宇和島きさいやロードに出現したギャラリー「SITUATIONALLY」を舞台にした、あたらしいアートプロジェクト「AT ART UWAJIMA 2013」が開催された。NPO法人SO-ENが主催し、リバースプロジェクトが企画協力したプロジェクトである。またギャラリー「EYE of GYRE」にて、豊島横尾館と木屋旅館にフォーカスした永山祐子展「建築から始まる未来」が11月24日(日)まで開催されている。Text by KAJII Makoto (OPENERS)Photographs by OMOTE Nobutada木屋旅館全体が、一つのインスタレーション作品に「木屋旅館」は1911(明治44年)創業。後藤新平や犬養 毅、司馬遼太郎、吉村 昭...
BOOK APART|トラックの移動本屋が“集合住宅”に新店舗をオープン
BOOK APART|ブックアパート移動本屋「BOOK TRUCK」を手がける三田修平氏にインタビュー“集合住宅”に初の固定店舗「BOOK APART」をオープン昨年春に、週末のさまざまなイベント会場に“青いトラック"であらわられる移動本屋「BOOK TRUCK(ブックトラック)」を立ち上げた三田修平氏。このたび、初の固定店舗となる「BOOK APART(ブックアパート)」を、先月下旬オープンさせた。その場所は、集合住宅の一室。昨年末オープンしたフランス ルーブル美術館の新館「ルーブル ランス」を設計し、世界的に注目されている日本人建築家ユニット「SANAA」の妹島和世氏が手がけた「大倉山の集合住宅」だ。移動本屋ってなに? 住宅で店舗をはじめた理由とは? BOOK APARTオープン当日に、オーナーの三田氏に話を伺うことができた。Photographs by JAMANDFIXInterview & Text by OKADA Kazuyuki(OPENERS)何かひと工夫...
AAF|建築レクチュアシリーズ217 建築家 塚本由晴の思想を探る
AAF通信│建築レクチュアシリーズ217建築家 塚本由晴の志向性を探る大阪を拠点に活動をおこなう二人の建築家、芦澤竜一氏と平沼孝啓氏が、ゲスト建築家を招聘し年に7回(2カ月に1度、午後7時から)開催されるトークセッション「建築レクチュアシリーズ217」。今回はゲストに建築家の塚本由晴氏を招き、12月17日(火)グランフロント大阪のコクヨ梅田ショールームにて開催される。Text by OKADA Kazuyuki(OPENERS)都市に“馴染む”建築をつくり出す建築家による芸術と社会環境の発展を目指すAAF(NPO法人アートアンドアーキテクトフェスタ)が主催する「建築レクチュアシリーズ217」は、建築家同士の刺激的な交流の場として、学生や若い建築家、そして一般の建築好きから大きな支持を集めるトークセッション。毎回、芦澤氏と平沼氏という同年齢のふたりの建築家に、ゲストで招いた著名な建築家をくわえ、建築の可能性と思想を探っていく。今回のゲストは、建築家の塚本由晴氏。貝島桃代氏とともに、建...
特集|「パーマカルチャーデザイン」を暮らしのなかに
自然や生物の仕組みに沿ったサステイナブルな環境デザイン「パーマカルチャーデザイン」を暮らしのなかに(1)自然に学び、命が巡る暮らし。パーマカルチャーデザイナー四井真治さんはオーストラリアで生まれた持続可能な環境を作り出すためのパーマカルチャーというデザイン体系を、山梨の自宅での実践を通して、日本にふさわしい形に再構成して提案しています。四井氏が提案する暮らし方から、次世代に伝えたい持続可能な暮らしの形を探ります。Text by MINOWA Yayoi暮らしは小さな地球山梨県北杜市の林の中に、パーマカルチャーデザイナー四井真治さんの自宅がある。自宅の裏には、クヌギやシデなどの広葉樹林が広がり、南アルプスの甲斐駒ヶ岳が望めるという自然豊かな地である。東京から高速道路に乗ると1時間半で着いてしまう場所だとは想像しにくい。畑の前にはバナナという名前のクリームイエローの鶏が移動式のケージの中で飼われている。パーマカルチャーを知っている方なら、それが「チキントラクター」だと気がつくかもしれな...