MOVIE TOKYO Tips
「MOVIE TOKYO Tips」に関する記事
実力派俳優たちによる精神病棟を舞台にした緊張感あふれる心理劇『エレファント・ソング』
実力派俳優たちによる精神病棟を舞台にした緊張感あふれる心理劇俳優グザヴィエ・ドランが出演を熱望した『エレファント・ソング』俊英の映画監督として、俳優としても世界がもっとも注目するグザヴィエ・ドランが精神病棟に入院する青年役で主演を務める心理劇『エレファント・ソング』。6月6日(土)より、新宿武蔵野館、渋谷アップリンクで公開され、全国順次ロードショーされる。Text by YANAKA Tomomi監督はドランと同郷のシャルル・ビナメ“映画界の救世主”として世界が絶賛するグザヴィエ・ドラン。映画監督としてはもちろん、子役出身ということもあり、俳優としても高い評価を得てきた。事実、近作の『トム・アット・ザ・ファーム』では、監督を務めるとともに、繊細な青年を演じたことも記憶にあたらしい。そんなドランが脚本を読み、「これは僕だ。僕に演じさせてほしい」と熱望した本作『エレファント・ソング』が到着した。監督には、ドランと同郷であるカナダ・ケベック出身のシャルル・ビナメ。1995年の『Eldor...
MOVIE|リー・ユー監督による感動作『ブッダ・マウンテン~希望と祈りの旅』
MOVIE|地震で息子を亡くした女性が、若者との交流をとおして立ち直ってゆく様子を描くリー・ユー監督による感動作『ブッダ・マウンテン~希望と祈りの旅』『ロスト・イン・北京』(2007年)で世界センセーショナルを巻き起こしたリー・ユー監督の最新作、中国のトップ女優ファン・ビンビンを主演に迎えた人間ドラマ『ブッダ・マウンテン~希望と祈りの旅』が日本に到着。9月28日(土)よりユーロスペース、K's sinemaほか全国順次ロードショーされる。Text by YANAKA Tomomi主演のファン・ビンビンは、東京国際映画祭で最優秀女優賞を受賞四川大地震で息子を亡くした京劇女優が、若者3人との交流をとおして立ち直ってゆく様子を描いた『ブッダ・マウンテン~希望と祈りの旅』。2010年の第23回東京国際映画祭で、最優秀芸術貢献賞と主演のファン・ビンビンが最優秀女優賞を受賞した話題作がいよいよ公開される。女性監督のリー・ユーは、本作同様にファン・ビンビンを主演に迎え、ブラックな笑いと現代の中国...
MOVIE|ドキュメンタリー『みんなのアムステルダム国立美術館へ』
MOVIE|世界でも人気の美術館が10年間も閉ざされた“事件”の顛末を追うドキュメンタリー『みんなのアムステルダム国立美術館へ』 オランダのアムステルダム国立美術館の大規模な改修工事を巡る騒動の顛末を描いた、ウケ・ホーヘンダイク監督によるドキュメンタリー『みんなのアムステルダム国立美術館へ』。12月20日(土)より、渋谷・ユーロスペースで公開。その後順次全国公開される。Text by YANAKA Tomomi2008年の『ようこそ、アムステルダム国立美術館へ』の続編として誕生レンブラントの『夜警』やフェルメールの『牛乳を注ぐ女』など、数多くの有名美術作品の収蔵でも知られるアムステルダム国立美術館。2004年に開館以来最大の全面的な改修がおこなわれることになったものの、市民からの反対やさまざまなトラブルにより、当初の2008年の開館予定が大幅に延期。ようやく2013年に開館を迎えた。足掛け10年にも及ぶ騒動の行方をウケ・ホーヘンダイク監督が描いたドキュメンタリー『みんなのアムステル...
MOVIE│巨匠フレデリック・ワイズマン最新作『ナショナル・ギャラリー 英国の至宝』
MOVIE│巨匠フレデリック・ワイズマンが“世界最高峰の美術館”の秘密を解き明かすドキュメンタリー『ナショナル・ギャラリー 英国の至宝』イギリスを代表するナショナル・ギャラリー。この美術館でもカメラが立ち入ったことのない領域に、84歳にして踏み込んだフレデリック・ワイズマン監督によるドキュメンタリー『ナショナル・ギャラリー 英国の至宝』。1月17日(土)より、Bunkamuraル・シネマほか全国順次ロードショーされる。 Text by YANAKA Tomomiベネチア国際映画祭の栄誉金獅子賞を受賞『クレイジーホース・パリ 夜の宝石たち』や『パリ・オペラ座のすべて』などで知られるフレデリック・ワイズマン監督。ドキュメンタリーの巨匠として知られる彼が30年間にわたって「いつか撮影したい」と切望していたのが、イギリスの国立美術館ナショナル・ギャラリーを舞台にした映画の撮影だった。ついにその願いが叶い、ワイズマン監督は3カ月間にわたり、ナショナル・ギャラリーに密着。通常は入ることの...
MOVIE|自分の魅力を知り尽くしたおしゃれマダムたちに4年間密着
MOVIE|7人のマダムに迫るカラフルでエネルギッシュなドキュメンタリー『アドバンスト・スタイル そのファッションが、人生』ニューヨークを舞台に、年を重ねながら自分のスタイルを確立した60歳以上の7人のマダムたちに密着。ドキュメンタリー『アドバンスト・スタイル そのファッションが、人生』が、5月29日(金)よりTOHOシネマズ シャンテ&新宿ほかにて全国ロードショーされる。Text by KUROMIYA Yuzu個性的なファッションを通して彼女たちの生き方を映し出す2008年にアリ・セス・コーエンがはじめたファッション・ブログ「Advanced Style」。ニューヨークの街を闊歩する、60代以上の女性のファッションスナップを掲載したこのブログは、シニア層限定にした視点と超個性的なスタイルが注目を浴び、アクセス数が急上昇。2012年にはブログをまとめた写真集も出版されるなど、ファッション業界でも大きな話題となった。本作は、この人気ブログをもとにニューヨークで暮らす7人のマ...
MOVIE|傑作『メリー・ポピンズ』誕生に隠された実話とは?
MOVIE|傑作『メリー・ポピンズ』誕生に隠された実話感動のヒューマンドラマ『ウォルト・ディズニーの約束』映画製作50周年を経て、名作ミュージカル『メリー・ポピンズ』の誕生秘話がいま明かされる。ヒューマンドラマの真骨頂『ウォルト・ディズニーの約束』が3月21日(金)よりロードショー。Text by KUROMIYA Yuzuウォルトとトラヴァースが交わしたある“約束”とは映画化に向けて情熱を燃やしつづける、ウォルト・ディズニーにとって唯一にして最大の障害――それは、映画化を頑なに拒む原作者P・L・トラヴァースだった。だれもが不可能と思ったこの映画製作は、どのような“魔法”で実現できたのか。『ウォルト・ディズニーの約束』は、ミュージカル映画の金字塔『メリー・ポピンズ』完成までの裏側に隠されていた、驚くべき秘話にインスピレーションを受けた物語。意外にもウォルト・ディズニー本人を描いたフィクション映画が作られたのは、今回がはじめてのことだ。ウォルト・ディズニーを演じるのは、彼同様にアメリ...
MOVIE|“終活”と真摯に向き合う究極の物語『母の身終い』
MOVIE|死後を生前から準備する“終活”と真摯に向き合う究極の物語母親と息子の絆を描いた『母の身終い』 「自分らしい最後を迎えたい」。不治の病に冒され死期が近い母親が決心した、究極の選択に戸惑う息子。死後を生前から準備する“終活”を描く『母の身終い(みじまい)』が、11月30日(土)よりシネスイッチ銀座ほかにて全国ロードショーされる。Text by KUROMIYA Yuzu愛する人の究極の選択をどう受け止めるか 人はさまざまな出来事や、感情の激しい起伏をなんとか受け入れて、長い人生をひたすら歩んでいく。そして誰にでも訪れる最期のとき。そこで気にかかるのは人生の終わり方かもしれない。もちろん誰もが心穏やかに終焉を迎えたいと思うだろう。しかし、高齢化社会や核家族化に長じて起こる介護問題や終末医療の是非などが取りざたされる現代において、それは自分自身でコントロールできるのだろうか?『母の身終い』はそんな思いや不安を抱く私たちに、ひとつの終焉のケースを提示し、人生のあり方や最期への心が...
MOVIE|罪を背負った男女の悲劇的な愛の物語『セインツ -約束の果て-』
MOVIE|現代版『俺たちに明日はない』罪を背負った男女の悲劇的な愛の物語『セインツ -約束の果て-』荒涼としたテキサスの大地に生きる男女の罪を壮大な映像美で綴った悲劇的な愛の物語。『セインツ -約束の果て-』が、3月29日(土)よりシネマート新宿ほかにて全国順次ロードショーされる。Text by KUROMIYA Yuzu数々の映画賞を受賞した傑作が満を持して日本公開現代版『俺たちに明日はない』との呼び声高い本作。衝撃的な銃撃シーンの末に幕を閉じた、実在の銀行強盗ボニー・パーカーとクライド・バロウを元にした物語だが、もしあの二人に明日があったら、子供がいたら、きっとこんな生き方をしていたかもしれないと心揺さぶられるストーリーとなっている。監督は、2013年のバラエティ誌で「注目監督10人」の一人に選出された気鋭の若手、デヴィッド・ロウリー。本作が長編2作目となる彼は、「『俺たちに明日はない』(1967年)などの映画で描かれているような、かつてのアメリカ社会の悲劇的結末を踏襲しなが...
MOVIE|石井裕也監督が家族と向き合った『ぼくたちの家族』
MOVIE|母親が“余命1週間”を告げられたとき、家族はなにができるのか?石井裕也監督が家族と向き合った『ぼくたちの家族』近年、話題作を発表しつづけている石井裕也監督が“家族”と向き合った『ぼくたちの家族』。ある日突然、母親が余命一週間を言い渡された一家の姿を描く。5月24日(土)より、新宿ピカデリーほか全国公開される。Text by YANAKA Tomomi早見和真氏の同名小説を映画化『川の底からこんにちは』やアカデミー賞外国語映画賞の日本代表に選ばれた『舟を編む』など、数々の賞を受賞し、国内外から注目される存在となった石井裕也監督。「本気で家族というものに向き合いたかった」と語る彼が新作として選んだのは、母親の急な死の宣告を前に“悪あがき”する家族の姿を描いた、早見和真氏の同名小説の映画化だった。キャストは、長男役の妻夫木聡が普通の男をつややかに演じ、次男には出演作が続々と公開されている若手俳優の池松壮亮。また父親役には長塚京三、母親役には原田美枝子と、日本映画界を代表する演...
MOVIE|両脚を失った女性の再生と希望を描く『君と歩く世界』
MOVIE|オスカー女優マリオン・コティヤールと名匠ジャック・オディアールがタッグ両脚を失った女性の再生と希望を描く『君と歩く世界』フランス人女優として49年ぶり2度目のオスカーを手にしたマリオン・コティヤールと、現代のフランスを代表する名匠ジャック・オディアール監督がタッグを組んだ『君と歩く世界』が4月6日(土)から新宿ピカデリーほかで公開される。Text by YANAKA Tomomi昨年のロンドン映画祭では最優秀作品賞を受賞両脚をなくして絶望に沈む女性が、不器用な男との出会いにより生きる喜びを呼び覚まし、自らの意思で未来へ踏み出そうとする再生と希望の物語『君と歩く世界』。昨年のロンドン映画祭最優秀作品賞を受賞した話題作がいよいよ日本でもロードショーされる。過酷なハンディキャップをもつ難役中の難役に挑んだのは、『エディット・ピアフ~愛の賛歌~』でアカデミー賞主演女優賞を受賞し、最近では『ミッドナイト・イン・パリ』や『ダークナイト ライジング』といったヒット作にも出演、いま国際...
MOVIE|女たちの裏切りと駆け引きの3日間『マリー・アントワネットに別れを告げて』
MOVIE|『マリー・アントワネットに別れを告げて』(1)ヴェルサイユで繰り広げられる、女たちの裏切りと駆け引きの3日間マリー・アントワネットの朗読係を務めた少女の視点からフランス革命を描く『マリー・アントワネットに別れを告げて』が、12月15日(土)からTOHOシネマズシャンテ、Bunkamuraル・シネマほかで全国順次ロードショーされる。Text by YANAKA Tomomi(Page1)、TANAKA Junko(Page2)レア・セドゥ、ダイアン・クルーガーら豪華女優陣の競演が実現フランスでもっとも権威のあるフェミナ賞に輝いたシャンタル・トマのベストセラーを原作に、王妃に仕える朗読係というまったくあたらしいアプローチからヴェルサイユの裏側に迫る『マリー・アントワネットに別れを告げて』。朗読係のシドニーを演じるのは新鋭女優のレア・セドゥ。マリー・アントワネットにはダイアン・クルーガー、そして王妃を虜にした魅惑的なポリニャック夫人にはヴィルジニー・ルドワイヤンという豪華女優...
MOVIE|カンヌで「ある視点」部門グランプリを受賞した『父の秘密』
MOVIE|カンヌ国際映画祭で「ある視点」部門グランプリを受賞メキシコが誇る新鋭マイケル・フランコ監督による『父の秘密』第65回カンヌ国際映画祭の「ある視点」部門のグランプリを受賞したメキシコ映画『父の秘密』。事故で母を亡くした後の父と娘について描いた話題作が11月2日(土)、ついに日本でも公開される。Text by YANAKA Tomomiクラスメイトを演じたのは、主演テッサ・イアの実際の友人近年、話題作を続々と世に送り出しているメキシコから、また心を深く捉える作品が誕生した。家族を喪失したその後を淡々と描きながらも、父と娘を襲うあらたな悲劇と苦悩する父親、という表現がカンヌ国際映画祭でも大きな話題にのぼったという。監督を務めたのは、メキシコ映画界きっての有望新人監督であり、本作が長編2作目となる1979年生まれのマイケル・フランコ。そして主演はデビュー作の『あの日、欲望の大地で』(2009年)で才能溢れる演技を見せたテッサ・イアだ。さらに彼女を取り巻くクラスメートは、ほとんど...