『坂本龍一 | 音を視る 時を聴く』開催を記念して、これまでの作品群をアパレルなどで商品化 | MEDICOM TOY
DESIGN / PRODUCT
2024年11月24日

『坂本龍一 | 音を視る 時を聴く』開催を記念して、これまでの作品群をアパレルなどで商品化 | MEDICOM TOY

MEDICOM TOY|メディコム・トイ

MLE Ryuichi Sakamoto

2024年12月21日(土)から2025年3月30日(日)まで東京都現代美術館にて、音楽家・アーティスト、坂本龍一の大型インスタレーション作品を包括的に紹介する、日本では初となる最大規模の個展「坂本龍一|音を視る 時を聴く』が開催される。
これを記念して、メディコム・トイより坂本氏の作品群をアパレルや立体で商品化したプラチナムコレクションの先行発売が決定。本展覧会および商品について坂本氏のマネジメントチームから回答いただいた内容とともに紹介していく。

Text by SHINNO Kunihiko|Edit by TOMIYAMA Eizaburo

東京都現代美術館で展開される、先駆的で実験的な創作活動の軌跡

50年以上に渡り、多彩な表現活動を通して時代の先端を常に切りひらいてきた坂本龍一氏。90年代からはマルチメディアを駆使したライブパフォーマンスを展開、さらに2000年代以降は、さまざまなアーティストとの協働を通して、音を展示空間に立体的に設置する試みを積極的に思考、実践してきた。
『坂本龍一 | 音を視る 時を聴く』では、生前坂本が東京都現代美術館のために遺した展覧会構想を軸に、坂本の創作活動における長年の関心事であった音と時間をテーマに、未発表の新作と、これまでの代表作から成る没入型・体感型サウンド・インスタレーション作品10点あまりを、美術館屋内外の空間にダイナミックに構成・展開する。これらの作品を通して坂本の先駆的・実験的な創作活動の軌跡をたどり、この類稀なアーティストの新しい一面を広く紹介していく。
コラボレーション・アーティスト|高谷史郎、真鍋大度、カールステン・ニコライ、アピチャッポン・ウィーラセタクン、Zakkubalan、岩井俊雄
スペシャル・コラボレーション |中谷芙二子
【展示構成】
―企画展示室 1階―
坂本龍一+高谷史郎 《TIME TIME》2024 (新作)
坂本龍一+高谷史郎 《water state 1》2013
坂本龍一+高谷史郎 《IS YOUR TIME》2017/2024
カールステン・ニコライ 《PHOSPHENES》《ENDO EXO》2024(新作)音楽:坂本龍一
―企画展示室 地下2階―
坂本龍一+アピチャッポン・ウィーラセタクン《async–first light》2017
アピチャッポン・ウィーラセタクン《Durmiente》2021 (日本初公開)
坂本龍一+高谷史郎《async–immersion tokyo》2024
坂本龍一+Zakkubalan《async–volume》2017
坂本龍一+高谷史郎《LIFE–fluid, invisible, inaudible…》2007
※アーカイブ特別展示:1996–97年のパフォーマンスを再現した新作インスタレーション
坂本龍一×岩井俊雄《Music Plays Images X Images Play Music》1996–1997/2024(初公開)
坂本龍一+高谷史郎 ≪LIFE–fluid, invisible, inaudible...≫2007/2023年「Ryuichi Sakamoto | SOUND AND TIME」展示風景、成都木木美術館(人民公園館)、2023年
画像提供:成都木木美術館
―中庭(1階/屋外)―
坂本龍一+真鍋大度《センシング・ストリームズ 2024–不可視、不可聴 (MOT version)》2024
坂本龍一+真鍋大度≪Sensing Streams 2021–invisible, inaudible≫ 2021年「seeing sound, hearing time」展示風景、木木美術館(銭糧胡同館)、北京、2021年
画像提供:M WOODS photography team
―サンクン・ガーデン(地下2階/屋外)― ※スペシャル・コラボレーション
坂本龍一+中谷芙二子+高谷史郎《LIFE–WELL TOKYO》霧の彫刻 #47769 2024(新作)

坂本龍一が生涯を通じて探求した「音響」「空間」「時間」

今回の展覧会開催について、坂本龍一氏のマネジメントチームにメールにてご回答いただきました。
──東京都現代美術館にて開催される『坂本龍一 | 音を視る 時を聴く』について、コンセプト含めどのような内容になるか、お聞かせください。
展覧会そのものにコンセプトはありません。
それは、坂本龍一の創作活動が、既存の概念やカテゴリーに収まることを意図的に避けてきたことと呼応しています。
本展は、坂本龍一が追求し続けた「存在としての音」と「知覚としての時間」という本質的な問いかけを、空間を通じて具現化する試みです。ここでは、約10点のサウンドインスタレーション作品が、物理的な展示空間と呼応し、それぞれ独自の「場」を創出します。
従来の「音楽」という概念は、時間軸に沿って進行する楽音の連なりとして理解されてきました。そこにはリニアな「時間」が内包されています。 しかし、本展で体験する「音」は、そうした直線的な時間認識を解体し、空間内で自律的に存在する「音響(Sound)」として立ち現れます。それは、私たちの知覚の在り方そのものを問い直す契機となるでしょう。
展示される作品群は、視覚と聴覚という感覚の境界、そして物質と非物質の境界を揺さぶります。「音を視る」という行為は、私たちの慣習的な知覚の枠組みを超えて、新たな感覚の可能性を開くものとなります。また、「時を聴く」とは、線形的な時間概念を超え時間の本質に触れることを意味します。
各作品は、展示空間とオーディエンスとの関係性の中で変容するでしょう。これは、固定的な「作品」という概念自体を問い直すことにつながるかもしれません。
本展を、単なる作品展示の場として捉えるのではなく、坂本龍一が生涯を通じて探求した「音響」、「空間」、「時間」の本質的な関係性について、来場者一人一人が自身の身体を通じて考察する場となることを期待します。
──「音を視る 時を聴く」は、坂本さんが哲学者・大森荘蔵氏との対話を収録した1982年刊行の書籍とも同タイトルです。改めて今回の個展のタイトルに冠された思いについてお聞かせください。
書籍タイトルと展覧会のコンセプトは直接的に関連するものではありませんが、音楽家としてのキャリア以前より「音楽」と「時間」に思索を深めていた坂本龍一の哲学を表すのに最も適しているとの判断があり、2021年に中国・北京のM WOODSにて行った展覧会でこのタイトルを使うことにしました。本展では、新たなタイトルを検討した時期もありましたが、「音を視る 時を聴く」以上に適切な表現が見当たらず、書籍タイトル、北京での展覧会と同じタイトルを冠することにしました。
坂本龍一は常に「耳を開くこと」を実践していました。そうすることによって世界を多様に感じることができるからです。無音と思われるものさえも音楽的であり、無音から視覚要素が立ち上がることもあり得る。「音を視る」ことも「時を聴く」こともできるのだと伝えようとしていたと思います。
──坂本さんは1980年代より数多くのアーティストとコラボレーションを重ね、現代美術/メディア・アートの分野でも多くの作品制作を行なわれてきました。先鋭的であり精力的な「アート界への積極的な越境」活動について、坂本さんの中ではどのような思いがあったのでしょうか。
坂本龍一にとって表現に壁はなかったと思います。
ただ、固有の脳に閉じこもることなく、脳の外に出る実践として外部からの刺激を求めていたのだと思います。「音楽」というフォーミュラから自由になることは、自身を解放することであったのではないでしょうか。
──今回、メディコム・トイから坂本龍一さんのアルバムジャケットをモチーフにしたアパレルが発売されます。これもまた「アート界への積極的な越境」かもしれませんが、本企画が実現するまでの経緯や作品選定、監修時のやりとりで印象に残っていることを教えてください。
このこと自体がアートへの積極的な越境だとは思えませんが、音楽作品から生まれた視覚要素が、視覚単体として存在することを否定するものではありません。
坂本龍一の存命中、本人はあまり過去を振り返ることに興味を持っていませんでした。常に新しい自分を求め前進することを好んでいました。
坂本龍一が今生を去った今、これらのモチーフを手元に置く形で再提示されるのはファンにとっては喜ばしいことではないかと、メディコム・トイさんからのご提案に賛同しました。
──今回のラインナップの中で、坂本さんご自身が特にお気に入りのジャケットはございますか。
B-2 UNITについては、あきらかにバウハウスの影響がありますが、このアルバムジャケットはとても気に入っていたと思います。
──『坂本龍一 | 音を視る 時を聴く』開催にあたって、来場者の皆様にメッセージをお願いいたします。
メッセージは特にありません。
ぜひとも東京都現代美術館に足をお運びいただき坂本龍一の創造した「音を視る 時を聴く」空間を体感していただきたいと思います。
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MLE Ryuichi Sakamoto
※商品はすべて2024年12月21日(土)より東京都現代美術館にて先行発売いたします。
『千のナイフ』
1作目のオリジナルアルバム。1978年10月25日リリース。タイトル曲は後にYMOもライブで演奏しており、1981年発表のYMOのアルバム『BGM』にてセルフカバー。
「千のナイフ」 TEE
サイズ|S, M, L, XL
価格|各7480円(税込)
「千のナイフ」 TOTE BAG
サイズ|W380mm × H460mm
価格|各7480円(税込)
『B-2 UNIT』
2作目のオリジナルアルバム。1980年9月21日リリース。 ギタリストとしてXTCのアンディ・パートリッジやグンジョーガクレヨンの組原正、大村憲司、エンジニアとしてデニス・ボーヴェル等が参加。レコーディングは東京とロンドンで実施。
「B-2 UNIT」TEE
サイズ|S, M, L, XL
価格|各7480円(税込)
「B-2 UNIT」 TOTE BAG
サイズ|W380mm × H460mm
価格|各7480円(税込)
「B-2 UNIT」 Crew Neck Sweater
サイズ|M, L
価格|各3万9600円(税込)
『左うでの夢』
3作目のオリジナルアルバム。1981年10月5日リリース。自身 のヴォーカルが大々的にフィーチャーされ、エイドリアン・ブリュー、高橋幸宏、細野晴臣、仙波清彦などが参加。
「左うでの夢」 TEE
サイズ|S, M, L, XL
価格|各7480円(税込)
「左うでの夢」TOTE BAG
サイズ|W380mm × H460mm
価格|各7480円(税込)        
『Merry Christmas Mr.Lawrence』
自身もヨノイ大尉(俘虜収容所所長)役で出演した大島渚監督作品『戦場のメリークリスマス』(83年)のために制作された初のサウンドトラックアルバム。1983年5月1日リリース。英国アカデミー賞 作曲賞受賞。
「Merry Christmas Mr.Lawrence」TEE
サイズ|S, M, L, XL
価格|各7480円(税込)
「Merry Christmas Mr.Lawrence」 TOTE BAG
サイズ|W380mm × H460mm
価格|各7480円(税込)
「Merry Christmas Mr.Lawrence」 Crew Neck Sweater
サイズ|M, L
価格|各3万9600円(税込)
『音楽図鑑』
4作目のオリジナルアルバム。1984年10月24日リリース。レコーディングに1年8ヶ月を要し、シンセサイザー「フェアライトCMI」を導入した作品。ジャケットデザインは立花ハジメが担当。
「音楽図鑑」 TEE
サイズ|S, M, L, XL
価格|各7480円(税込)
「音楽図鑑」TOTE BAG
サイズ|W380mm × H460mm
価格|各7480円(税込)
『NEO GEO』
7枚目のオリジナル・アルバム。1987年7月1日リリース。プロデューサーはビル・ラズウェルと共同プロデュースで、スライ・ダンバー、ブーツィー・コリンズ、トニー・ウィリアムス、イギー・ポップがレコーディングに参加。
「NEO GEO」 TEE
サイズ|S, M, L, XL
価格|各7480円(税込)
「NEO GEO」TOTE BAG
サイズ|W380mm × H460mm
価格|各7480円(税込)
©️ 2024 KAB Inc. / KAB America Inc.
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坂本龍一 | 音を視る 時を聴く
会期|2024年12月21日(土)- 2025年3月30日(日)
会場|東京都現代美術館 企画展示室1F/B2F
開館時間|10:00-18:00(展示室入場は閉館の30分前まで)
※ご来場のタイミングによって会期中、予告なく品切れる場合があります。予めご了承ください。
※監修中のサンプルを撮影しております。発売商品とは一部異なる場合がございます。
問い合わせ先

メディコム・トイ ユーザーサポート
Tel.03-3460-7555

                      
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