一生モノとサステナブル
FASHION / NEWS
2024年11月5日

一生モノとサステナブル

JOHN LOBB|ジョンロブ アレキサンダー

2024年10月25日、ジョンロブからイヤーモデルとなるシューズがリリースされた。今年登場するのはモンクストラップが印象的な「ALEXANDER(アレキサンダー)」。靴職人の聖人である聖クレパンを祝うスペシャルモデルだ。

Text by WASEDA Kosaku

細かな手仕事が際立つ堂々としたたたずまいが魅力

守護聖人はキリスト教の伝統的な考え方のひとつで、地域や職業にゆかりのある聖人が守っているというもの。守護聖人には、それらにまつわる伝説やエピソードがあり、それが特定の職業といったものと結びついている。
聖クレパンは、3世紀に信教の迫害から逃れながらキリスト教を説きつつ、靴職人として働いた兄弟のことだ。6世紀には彼らを祀る教会が立てられ、靴屋や皮革職人の守護聖人として信仰されている。
いっぽう日本には古来より自然やモノに至るまですべての事象に霊魂が宿っているという八百万(やおよろず)の考え方があった。神が宿っているからこそモノを大切に扱い、長く使えるよう気を配ってきた。これこそ日本人がものを大切にする思考の原点といえる。「もったいない」という言葉も八百万があったからこそ生まれた言葉なのだろう。
しかし時代が流れるにつれ経済活動の活発化によって消費行動も変わり、大量生産・大量消費、そして手軽に買い替え、使い捨てられるファストファッションの流行がモノへの価値観を大きく変えることになる。
近年はSDGsの実現に向け、ファッション業界にもサステナブルな考え方が必須になってきた。ファストファッションの対義語であるスローファッションは質の高いモノを長く愛用し続けるということである。
ジョンロブは、150年以上というメゾンの歴史のなかで位の高い人々、目利きの人々に選ばれ続けてきた。高いクオリティで生み出されるシューズはまさしく一生モノ。もともとの丈夫さに加えてエイジングも楽しめ、修理が必要になってもメゾンがケア&リペアサービスを行ってくれるところも心強い。「スローファッション」という言葉が世間に浸透する前から、長く使えるモノづくりをジョンロブは続けてきたのである。
そのジョンロブは、1996年から毎年聖クレパンの聖名祝日である10月25日を祝い、特別モデルを発表している。2024年の新作は「ALEXANDER」だ。パリを拠点とするジョンロブのビスポークアトリエと、イギリスの既製靴ファクトリーの協業で、両者の職人技で9週間以上の時間をかけて1足が作られる。
ALEXANDERは、堂々としたフォルムが印象的。ストラップに配置されたアンスラサイトのオーバル型バックルが、そのフォルムの品の良いアクセントになっている。側面まで回り込んだ手編みのステッチは、メゾンの丁寧な手仕事と遊び心を表すポイントだ。
カラーは、ブラック、ダークグリーン、オックスブラッドの3色がラインナップ。
聖クレパンの記念すべき日にリリースされるALEXANDERは、改めて「一生モノ」を持ち愛着を抱きながら接していくことが、人とモノ、人と環境との関わり方を良い方向に前進させることを気づかせてくれる一品だ。
ALEXANDER
価格|46万4200円
ラスト|7000
ソール|プレステージソール
製法|グッドイヤーウェルト
限定数量|全世界500足
※全世界足限定、シリアルナンバー入り
問い合わせ先

JOHN LOBB
https://www.johnlobb.com/ja_jp/

                      
Photo Gallery