美意識が廃材を生まれ変わらせる。エルゴポックとトヨタが創るこれからのファッションアイテム
FASHION / NEWS
2025年10月3日

美意識が廃材を生まれ変わらせる。エルゴポックとトヨタが創るこれからのファッションアイテム

HERGOPOCH×TOYOTA UPCYCLE|エルゴポック×トヨタ アップサイクル ドライビングバッグ

2025年、ブランドローンチから20周年を迎えたエルゴポックが、サステナブルファッションの新境地を切り開く画期的なコラボレーションを発表した。相手は自動車メーカーのトヨタ。この協業から生まれる、これからのファッションアイテムとは。

Text by WASEDA Kosaku

「モッタイナイ」を「もっといい」へ 

近年、持続可能な社会へ向けて各業界・企業の環境への意識は高まり続けている。ファッション業界や自動車業界でも生産過程における廃棄物を減らす・廃材を再利用するといった取り組みが行われてきた。そのなかでも、今回のエルゴポックとトヨタ アップサイクルのコラボレーションは、美的感覚やデザイン性にこだわりぬいた新時代のサステナブルアイテムを生み出した。
2005年にスタートしたエルゴポックは、バッグメーカー「キヨモト(清本鞄製作所)」が展開するブランドライン。メイドインジャパンにこだわり、確かな技術や品質で支持を集めている。シンプルかつミニマル、無駄を省いたフォルムのプロダクトは、オンオフ問わずにあらゆるシーンで活用できる機能美も備わっているのが魅力だ。
エルゴポックの創業20年という節目に生み出されたのは、"未来志向"のドライビングバッグ。本プロダクトは、単なる環境配慮商品という枠を超え、高いデザイン性と機能性を併せ持つ特別な存在として仕上がっている。
トヨタが展開している「TOYOTA UPCYCLE」プロジェクトは、「『モッタイナイ』を『もっといい』へ」をテーマに、車製造工程で不可避的に発生する廃棄素材に新たな価値を吹き込むというミッションに取り組んでいる。
特筆すべきは取り扱っている素材だ。レクサス、ランドクルーザー、クラウンといった名車のシート端材を巧みに繋ぎ合わせた素材は、廃材とは思えない高級感と独特の美しさを醸しだす。さらに、耐久性が求められるストラップやパーツには、国内でも希少な「ピット鞣し」によるヌメ革を採用。ピット槽を有するタンナーは国内で数件しかなく、この製法で作られるレザーは極めて貴重だ。
長時間ピット槽に漬け込むことで繊維を傷つけることなく鞣される革は、一般的なドラム鞣しと比較して圧倒的な時間と手間を要するが、その分最高の風合いと堅牢性を併せ持つ。
機能面では、ストラップの着脱により、クラッチバッグ、ショルダーバッグ、ハンドバッグという3通りの使い方が可能だ。容量は二つ折り財布とスマートフォン等が収まる設計で、ドライブや街歩きといった週末のオフタイムを洗練された印象に演出してくれる。
また、開口部のファスナーはマチ部分まで走る設計により、スムーズな開閉と高い視認性を実現している。内装にはファスナー式ポケットも備え、小物の仕分け収納も可能だ。
アイテムの製造は、福島県を中心とした国内各地の工場で丁寧に縫製される。長年の経験を積んだ職人たちの手仕事により、最高品質のバッグが作られるのだ。これは国産鞄産業、革産業の活性化にも寄与し、一部製品は福島県古殿町のふるさと納税にも協賛している。
本コラボレーションが示すのは、サステナビリティと美意識の相互効果だ。環境への配慮を保ちながら、デザイン性や機能性、そして何より使う人の心を躍らせる遊び心を実現したこのプロダクトは、単なる環境負荷を低減を目的としたものから、遊び心を取り入れ進化を遂げた次世代のサステナブルアイテムに仕上がっている。
サステナブルファッションが新たな局面を迎えた今、このような創造的なアプローチがより多くのブランドに波及することになるのかもしれない。
エルゴポック×トヨタ アップサイクル ドライビングバッグ
サイズ|W11×H23×D8cm
重量|500g
素材|  
表地:牛革
裏地:綿
仕様(内側) |  
ファスナーポケット×1
付属品|    
ショルダーストラップ×1
オリジナル保存袋×1
原産国|日本

価格|6万3800円
問い合わせ先

HERGOPOCH
https://www.hergopoch.com/

                      
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