MOVIE|ドキュメンタリー『みんなのアムステルダム国立美術館へ』
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2015年6月8日

MOVIE|ドキュメンタリー『みんなのアムステルダム国立美術館へ』

MOVIE|世界でも人気の美術館が10年間も閉ざされた“事件”の顛末を追う

ドキュメンタリー『みんなのアムステルダム国立美術館へ』

オランダのアムステルダム国立美術館の大規模な改修工事を巡る騒動の顛末を描いた、ウケ・ホーヘンダイク監督によるドキュメンタリー『みんなのアムステルダム国立美術館へ』。12月20日(土)より、渋谷・ユーロスペースで公開。その後順次全国公開される。

Text by YANAKA Tomomi

2008年の『ようこそ、アムステルダム国立美術館へ』の続編として誕生

レンブラントの『夜警』やフェルメールの『牛乳を注ぐ女』など、数多くの有名美術作品の収蔵でも知られるアムステルダム国立美術館。2004年に開館以来最大の全面的な改修がおこなわれることになったものの、市民からの反対やさまざまなトラブルにより、当初の2008年の開館予定が大幅に延期。ようやく2013年に開館を迎えた。

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足掛け10年にも及ぶ騒動の行方をウケ・ホーヘンダイク監督が描いたドキュメンタリー『みんなのアムステルダム美術館』は、日本では2010年に公開された『ようこそ、アムステルダム国立美術館へ』の続編となる。本編では、前作には収録できなかったその後の多くのトラブルや困難を乗り越え、開館に至るまでがつぶさに描かれ、貴重な美術館ドキュメンタリーとして存在感をみせる。

そんな美術館の“ドタバタ”を見守ってきたウケ・ホーヘンダイク監督は1961年オランダ生まれ。舞台監督としてキャリアをスタートし、1997年からはテレビのドキュメンタリーを監督。これまでにもホロコーストを題材にした作品などを手がけている。

市民の反対やトラブルを乗り越え、みんなに開かれた美術館へ

2004年、アムステルダム国立美術館が19世紀の創立以来の大規模な改修のため閉館した。当初の再オープン予定は2008年。だが美術館を貫く通路のあたらしい設計に「自転車が通りにくくなる!」と自転車王国アムステルダムの市民が猛反発。おかげで工事は中断をかさね、工期は果てしなく遅れてゆく。

それでも館長やキュレーター、建築家らこのプロジェクトにかかわるすべての人々は、ときにくいちがう本音をぶつけ合いながらも“みんなに開かれた美術館”の完成を目指して努力をつづけるのだった。そして、それは美術館の輝かしいグランドオープンへと実を結んでゆく。

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“事件”の顛末のみならず、絵画の修復やオークションでの作品購入、芸術品の眠る収蔵庫など、美術館商売の裏側まで垣間見ることができる本作。美術館にたずさわる個性あふれる人びとにより、あたらしい美術館が息づいていく様子が鮮やかに切り取られた。

『みんなのアムステルダム国立美術館へ』
12月20日(土)より、渋谷・ユーロスペースで公開。ほか全国順次ロードショー。
監督│ウケ・ホーヘンダイク
出演│アムステルダム国立美術館の館長、学芸員、建築家、アムステルダム市民ほか
配給│ユーロスペース
2014年/オランダ/97分

http://amsmuseum.jp

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