マガジンハウス創立80年の歴史を体感する博覧会「マガジンハウス博」
LOUNGE / ART
2025年10月8日

マガジンハウス創立80年の歴史を体感する博覧会「マガジンハウス博」

LOUNGE|マガジンハウス博

出版社・マガジンハウスは、2025年10月10日の創立80周年を記念し、特別イベント「マガジンハウス博 "銀座から世界へ"」を10月10日(金)~ 25日(土)まで、Ginza Sony Parkで開催する。

Text by WASEDA Kosaku

注目すべきは、特別展示「村上隆と村上ハウス」

1945年の創立以来、マガジンハウスは『平凡』『anan』『POPEYE』『BRUTUS』『Casa BRUTUS』『クロワッサン』『Tarzan』『Hanako』『&Premium』など、時代を象徴する数々の雑誌を世に送り出してきた。
ファッション、カルチャー、ウェルネス、ライフスタイルといった領域において、常に半歩先の価値観を提案し、読者の尽きない好奇心に寄り添いながら、豊かな暮らしのヒントを提供し続けている。
「都会の中の公園」をコンセプトに掲げるGinza Sony Parkとのコラボレーションで、マガジンハウスの多彩な雑誌が持つ世界観を五感で体感できる。単なる回顧展に留まらず、来場者が参加し、楽しみ、未来への期待感も感じられるような体験を提供し、銀座の地から、日本の、そして世界のカルチャーシーンに向けて、新たなムーブメントを発信する場となることを目指す。
左:マガジンハウスのロゴ 中央:村上隆が顔を描いたマガジンハウスのロゴ 右:マガジンハウスのロゴを立体化した〈村上ハウス〉のロゴ
本イベントの目玉となるのが、3Fで開催される『Casa BRUTUS特別展示「村上隆と村上ハウス」』。世界的に活躍するアーティスト村上隆を迎え、Ginza Sony Parkフロア内にマガジンハウスならぬ〈村上ハウス〉が展示される。
〈村上ハウス〉は、20世紀の建築や工業デザインに大きな影響を与えた建築家ジャン・プルーヴェのプレファブ住宅に着想を得た組立式のモバイル建築だ。
設計を手がけるのは、デジタルファブリケーション技術を駆使した次世代の建築デザインを開拓する建築系スタートアップのVUILD。Mと家を合体させたマガジンハウスのロゴを立体化、実際の家へと発展させることで建築的アート作品へと昇華している。
 
そして、MAGAZINE HOUSEとMURAKAMI HOUSE=MMということで、現代アーティスト・村上隆と過去アーティスト・村上隆二(ロバート 秋山竜次)による兄弟ユニット、MMブラザーズが参加。
それに合わせて、村上隆の家と村上隆二の家という2棟の〈村上ハウス〉が制作された。さらに村上隆のシグネチャーである「お花」をVUILDのデザインでポリゴン化した〈お花ハウス〉も登場。全てGinza Sony Parkに展示され、3棟の家は販売も行われるという。
 
また、村上隆による日本美術の新展開として、歌川広重『名所江戸百景』をオマージュした浮世絵の作品も展示される。ニューヨークのブルックリン美術館やガゴシアン・ギャラリーで展示された本作は日本では未公開。その版画120点以上がGinza Sony Parkの『村上隆と村上ハウス』に一挙登場する。こちらも展示・販売が行われる予定だ。
本展示は『Casa BRUTUS』10月9日発売号の特集『村上隆と村上ハウス』と連動したエキシビションでもある。同誌の表紙にはMMブラザーズと〈お花ハウス〉が登場する。なお、『村上隆と村上ハウス』は有料イベントだ。
本展示について村上隆さんは「『村上隆と村上ハウス』の展示内容はCasa BRUTUS編集長が決めたんです。身も蓋もないこと言いますけど。『Casa BRUTUS』は建築とアートの雑誌だから、最初は格調高くジャン・プルーヴェのモバイル建築という有名な作品をオマージュするところから始まったのに、いつの間にか秋山さんのパワーに引っ張られてお笑いの要素まで入ってきちゃった(笑)。ただ、そういう意味でもおもしろい展示になるのではないかと思います。」とコメントしている。
いっぽう村上隆二(ロバート 秋山竜次)さんは、「マガジンハウス80周年という節目に登場させていただきますが、これはもう完全に村上さんきっかけです。僕はマガジンハウスさんとは何のお付き合いもなかったんですよ。村上さんのツテでやっているだけで、編集長とも1ミリも知り合いではなかったですし。それは最初に言わせてもらいます。だから、何でマガジンハウス80周年に登場するの? という感じですが、逆にいいんですか? 本当に有り難い話です。ありがとうございます。」と述べた。
村上ハウスと作品の販売方法については「マガジンハウス博 特設サイト」にて、追ってアナウンスされる。
雑誌という手法で時代やカルチャーを創り上げてきたマガジンハウス。今回のイベントは、アートという具現されたものを実際に体感するという、マガジンハウスが提案する新たな文化体験を味わうことができる。ぜひ行ってもらいたいイベントだ。
村上隆
現代アーティスト。1962年生まれ。東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程を日本画専攻では初めて修了。2000 年に「SUPERFLAT」を発表、2001年に有限会社カイカイキキを設立。作品制作のほか、NFT、ブランドとのコラボレーションや映画 ・アニメ制作、『GEISAI』主催、ショップやカフェ経営など活動は多岐にわたる。
村上隆二(ロバート 秋山竜次)
過去アーティスト。2024年 7月の『新美の巨人たち』で初登場。「ロバート秋山のクリエイターズ・ファイル」no.111として発展したクリエイター。有限会社ナイナイカネを設立。ロバート 秋山竜次presents『10周年 クリエイターズ・ファイル 胸やけ大博覧会』が10月19日まで福岡PARCOで開催。2026年5月頃まで主要都市のPARCOを巡回。
クリエイターズ・ファイル
秋山竜次(ロバート)が現代を代表するクリエイターに扮し、それぞれのフィールドでの仕事ぶりや⼈⽣について語るシリーズ。2015年4月から雑誌・YouTube公式チャンネルで毎月新しいクリエイターを紹介し、YouTubeの総再⽣回数は2億回、チャンネル登録者数は100万⼈を突破(2025年10月時点)。
『村上隆と村上ハウス』
チケット価格|1100円 
チケット販売URL|
・10/10 - 10/17期間
https://magazinehouse80th.jp/products/murakami-house

・10/18 - 10/25期間
https://magazinehouse80th.jp/products/murakami-house-second-half
※混雑が予想されるため1時間あたりの定員がございます。
80周年記念イベント「マガジンハウス博 “銀座から世界へ”」
会場名|Ginza Sony Park(銀座ソニーパーク)
東京都中央区銀座5丁目3番1号
日程|2025年10月10日(金)~10月25日(土) ※休園日10月15日(水)
入場料|無料※村上ハウス他一部有料イベントあり
時間|
平日  12:00~20:00(19:30最終入場)
土日祝 11:00~19:00(18:30最終入場)
※10月10日(金)の開園時間は16:00~19:00 ※開園時間は変更となる可能性があります。
問い合わせ先

マガジンハウス博
https://magazinehouse80th.jp/

                      
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