MOVIE|罪を背負った男女の悲劇的な愛の物語『セインツ -約束の果て-』
MOVIE|現代版『俺たちに明日はない』
罪を背負った男女の悲劇的な愛の物語『セインツ -約束の果て-』
荒涼としたテキサスの大地に生きる男女の罪を壮大な映像美で綴った悲劇的な愛の物語。『セインツ -約束の果て-』が、3月29日(土)よりシネマート新宿ほかにて全国順次ロードショーされる。
Text by KUROMIYA Yuzu
数々の映画賞を受賞した傑作が満を持して日本公開
現代版『俺たちに明日はない』との呼び声高い本作。衝撃的な銃撃シーンの末に幕を閉じた、実在の銀行強盗ボニー・パーカーとクライド・バロウを元にした物語だが、もしあの二人に明日があったら、子供がいたら、きっとこんな生き方をしていたかもしれないと心揺さぶられるストーリーとなっている。
監督は、2013年のバラエティ誌で「注目監督10人」の一人に選出された気鋭の若手、デヴィッド・ロウリー。本作が長編2作目となる彼は、「『俺たちに明日はない』(1967年)などの映画で描かれているような、かつてのアメリカ社会の悲劇的結末を踏襲しながらも、撃たれつづける暴力的なエンディングは避けた」と語る。
主演は自身初の母親役となるルーニー・マーラ、共演にケイシー・アフレックを配役。ともにアカデミー賞にノミネートされた経験をもつ実力派の二人が、脚本を読んで出演を即決し夢の共演が実現した。
離れ離れになった男女が追い求めた愛
舞台は1970年代のテキサス。窃盗・強盗を繰り返すカップル、ボブ・マルドゥーンとルース・ガスリー。ルースの体に新しい命が芽生えたことをきっかけに、真っ当な人生を歩もうとしていた二人だったが、ついに警察に逮捕されてしまう。
ルースの身代わりに刑務所行きになったボブは、ルースが娘を出産したことを知り、まだ見ぬ娘に会うため脱獄を企てる。警察とかつて決別した組織から同時に追われるボブ、ボブを待ちながら大事な娘を一人育てるルース、陰でルースを見守りひそかな恋心を抱く地元保安官パトリック。三人のそれぞれの想いが交錯する時、美しくも切ない結末が待っていた。
『セインツ -約束の果て-』
3月29日(土)よりシネマート新宿ほかにて全国順次ロードショー
監督・脚本|デヴィッド・ロウリー
出演|ルーニー・マーラ、ケイシー・アフレック、ベン・フォスター、キース・キャラダイン
配給|プレシディオ/クロックワークス
2013年/アメリカ/98分/原題『AIN'T THEM BODIES SAINTS』
http://www.u-picc.com/saints/
© 2013 ATBS Production LLC