連載|体感する読書~THE READING EXPERIENCE~|第10回「モードな一撃」

連載|体感する読書~THE READING EXPERIENCE~|第10回「モードな一撃」

連載|THE READING EXPERIENCE今月の3冊|Feb. 2014第10回「Shot à la Mode~モードな一撃~」人生を左右する本との出合い。それは一瞬の出来事かも知れません。そんな特別な1冊を求めて世界を駆け巡るブックハンター、twelvebooksの濱中敦史さんがセレクトした写真集・作品集を3冊ご紹介します。見てよし、触ってよし、飾ってよし。ようこそ、体感する本の世界へ。記念すべき連載10回目にお届けするのは、モードな3冊。といっても、洋服をきれいに見せることを目的とした、いわゆる「ファッション写真」ではなく、ファッション写真を大胆にサンプリングした作品や、いまや資料と化した30年前のスナップ写真。いずれもひと捻りもふた捻りも利かせたものばかりだ。このモードな一撃、あなたはどう受け止めるだろうか? Selected by HAMANAKA Atsushi (twelvebooks)Photographs by JAMANDFIXText by TAN...
EVENT|国内外から著名な作家が東京に大集合! 「文芸フェス2014」

EVENT|国内外から著名な作家が東京に大集合! 「文芸フェス2014」

EVENT|国内外から著名な作家が東京に大集合!「東京国際文芸フェスティバル2014」開催2月28日(金)から3月9日(日)まで、都内各所で第2回東京国際文芸フェスティバルが開催される。世界10カ国から作家約20人が来日、国内からは中島京子氏、西加奈子氏、本谷有希子氏などの人気作家を迎えてさまざまなイベントがおこなわれる。 Text by KUROMIYA Yuzu書店、美術館、劇場など都内各所でイベントを実施2013年に開催された日本ではじめてとなる本格的な本のお祭り「東京国際文芸フェスティバル」。事前のプロモーションをほとんどおこなっていないにも関わらずたくさんの人が訪れ、大盛況のうちに幕を閉じた。2回目となる今年は、開催期間が昨年の3日間から10日間に拡大。期間中は美術館、劇場、書店、カフェ、映画館や大学など都内各所で、国内外の作家や編集者、イラストレーターらがさまざまなテーマで語り合うトークや朗読イベントを実施する。初日となる2月28日(金)には、紀伊國屋サザンシアタ...
BOOK|“美しすぎる”朝ごはんの本『TODAY’S BREAKFAST』

BOOK|“美しすぎる”朝ごはんの本『TODAY’S BREAKFAST』

BOOK|「インスタグラム」の人気アカウントが待望の書籍化“美しすぎる”朝ごはんの本『TODAY’S BREAKFAST』発売いま注目のSNS「インスタグラム」発の書籍『TODAY’S BREAKFAST』が発売。全世界で24万人以上のフォロワーをもつ著者の山崎佳(やまざき・けい)さんが、インスタグラムに日々投稿した写真を中心に、おいしい朝ごはんをつくる秘訣を紹介している。 Text by KUROMIYA Yuzuささやかな日々の記録2012年から毎朝、朝ごはんの写真を俯瞰定点から撮影し、インスタグラムに日々の記録として投稿していた山崎佳さん(アカウント名:@keiyamazaki)。そのビジュアルの美しさや世界観、ワンプレートの中に色彩豊かに盛りつけられた朝ごはんはたちまち話題となり、世界中にファンが増加。いまでは、日本だけではなくアジアや欧米など全世界から24万人以上がフォローする人気アカウントとなっている。この本では、そのなかから特に反響が大きかったものを中心に48の...
BOOK|障害者アーティストの日常を写し出す『DISTORTION』

BOOK|障害者アーティストの日常を写し出す『DISTORTION』

BOOK|ヨーロッパを拠点にする写真家、ロブ・ワルバースさんが撮影障害者アーティストの日常を写し出す写真集『DISTORTION』自由な発想や、溢れる才能から繰り出される作品が近年注目を集める障害者アート。障害者アートの魅力を広めるクリエイターユニット「PR-y(プライ)」を主宰する笠谷圭見さんと、写真家のロブ・ワルバースさんが、滋賀県にある障害者施設「やまなみ工房」で活躍するアーティストたちの日常や、創作風景を撮影した写真集『DISTORTION』が出版された。 Photographs by Rob WalbersText by YANAKA Tomomi障害者の絵画作品をモチーフにしたファッションも収録2011年6月に、さまざまな分野のスペシャリストが積極的に知的障害者の創作にかかわり、コラボレーションすることで、彼らの活躍の場を広げようと設立された「PR-y(プライ)」。クリエイティブディレクターの笠谷圭見さんを中心に、障害者の絵画作品をデザインモチーフにしたファッショ...
BOOK|写真家・川内倫子の視点を追体験『SHEETS』

BOOK|写真家・川内倫子の視点を追体験『SHEETS』

BOOK|写真家の視点を追体験するコンタクトシートで構成された写真集川内倫子 最新写真集『SHEETS』国内外で活躍する写真家の川内倫子さんの最新写真集『SHEETS』が、ドイツのKOMINEK BOOKSより出版された。今回のテーマは、写真家の“手の内”ともいえるコンタクトシート。1枚に収められた写真1コマ1コマから、写真家の視点を追体験することができる。Text by YANAKA Tomomi撮影の衝動や狙いがおしげもなくつまった1冊1972年、滋賀県生まれの川内倫子さん。2002年の『うたたね』『花火』で第27回木村伊兵衛賞を受賞し、数々の国際展にも出展。2005年にはパリのカルティエ財団美術館で個展が開かれるなど、海外でも精力的に活動している。そんな彼女の海外での活動の結晶のひとつといえるのが、ドイツのKOMINEK BOOKSから刊行された写真集『SHEETS』だ。KOMINEK BOOKSはポーランド人フォトグラファー、ミヒャエル・コミネクが主催するインディペンデント...
BOOK|日本初のポートランド専門ガイド『TRUE PORTLAND』

BOOK|日本初のポートランド専門ガイド『TRUE PORTLAND』

BOOK|全米一住みたい都市ナンバーワンの真実を探る日本初のポートランド専門ガイド『TRUE PORTLAND』“環境と人に優しい街”として知られ、全米の“住みたい街”ナンバーワンに選ばれるアメリカ・オレゴン州のポートランド。この街に特化した日本ではじめてのガイドブック『TRUE PORTLAND the unofficial guide for creative people 創造都市ポートランドガイド Annual 2014』が、メディアサーフコミュニケーションズから1月25日に発売された。Text by YANAKA Tomomiポートランド在住のカルチャーシーンのキーパーソンが寄稿日本でも都市開発や自治体のコミュニティづくり、さらにはオーガニックフードをとりまくファーマーズマーケットなどあらゆる側面で近年注目を集め、各種メディアで紹介されているポートランドをより深く知ることができるガイドブックが誕生した。人口約60万人のポートランドでは、現在、毎週400人もの人がその魅力に...
BOOK|実話に学ぶサバイバルの秘訣『本当にあった奇跡のサバイバル60』

BOOK|実話に学ぶサバイバルの秘訣『本当にあった奇跡のサバイバル60』

BOOK|絶体絶命の窮地から生還を果たした実際のエピソードを収録『本当にあった奇跡のサバイバル60』九死に一生を得た実在の事件や、事故から生還を果たした実際のエピソードをまとめた『本当にあった奇跡のサバイバル60』。日経ナショナルジオグラフィック社より刊行された。Text by YANAKA Tomomi9.11やチリ鉱山事故、さらには映画のモデルにもなった実話60例を紹介絶体絶命の窮地を生き延び、生還をはたした人びと。最近では2010年に、チリの鉱山で作業員が崩落により閉じ込められたものの、事故から69日後に作業員33人全員が救出された鉱山事故などが記憶にあたらしいのではないだろうか。このように極限状態から生還した、60例もの実話を紹介する『本当にあった奇跡のサバイバル60』が出版された。Shutterstock © Ken TannenbaumShutterstock © Konstantin ShevtsovShutterstock © Vladimir Wrangel本書で...
連載|体感する読書~THE READING EXPERIENCE~|第11回「名もなき花」

連載|体感する読書~THE READING EXPERIENCE~|第11回「名もなき花」

連載|THE READING EXPERIENCE今月の3冊|Mar. 2014第11回「Unnamed Flower~名もなき花~」人生を左右する本との出合い。それは一瞬の出来事かも知れません。そんな特別な1冊を求めて世界を駆け巡るブックハンター、twelvebooksの濱中敦史さんがセレクトした写真集・作品集を3冊ご紹介します。見てよし、触ってよし、飾ってよし。ようこそ、体感する本の世界へ。道ばたに根を張る野生の草花。ふと目にした瞬間、優しい気持ちになった。そんな経験、だれにでも一度や二度はあるのではないだろうか。彼らに煌びやかさはないかもしれない。だがその飾らない姿こそ、私たちの心を打つのであろう。今月はそんな名もなき花を被写体にした、3人の写真家を紹介しよう。Selected by HAMANAKA Atsushi (twelvebooks)Photographs by JAMANDFIXText by TANAKA Junko (OPENERS)  世界の道ばたからベル...
BOOK|ヨーガン・アクセルバルによる限定1000部の写真集『INSTANT MOMENTS』

BOOK|ヨーガン・アクセルバルによる限定1000部の写真集『INSTANT MOMENTS』

BOOK|NYでのかけがえのない日常を収めたヨーガン・アクセルバルによる限定1000部の写真集『INSTANT MOMENTS』スウェーデン出身のフォトグラファー、ヨーガン・アクセルバル(Jorgen Axelvall)による新作写真集『INSTANT MOMENTS(インスタント・モーメンツ)』がスーパー・ソニックより限定1000部のみ発売された。 Text by YANAKA Tomomi懐かしさが残るポラロイド写真によって紡がれた「まさにその一瞬」アーティストの撮影や雑誌、広告の分野で活躍するヨーガン・アクセルバルはスウェーデン出身。1996年に渡米し、エレン・フォン・アンワースや、マリー・エレン・マークらに師事した。2011年からは日本を拠点に活動をスタート。昨年はニューヨークで開催された写真コンテスト『NEW EXPOSURE』のインターナショナル部門で優勝を果たすなど、さらなる活躍が期待されている。今回のアートプロジェクト『INSTANT MOMENTS』は、アク...
BOOK|寺田直子による“泣ける旅”へのエスコート

BOOK|寺田直子による“泣ける旅”へのエスコート

BOOK|トラベルジャーナリスト寺田直子さんによる“泣ける旅”へのエスコート『泣くために旅に出よう 涙旅のススメ』OPENERSでも数々の旅を紹介してきたトラベルジャーナリストの寺田直子さんが、泣きたい女性のために贈る『泣くために旅に出よう 涙旅のススメ』を実業之日本社から刊行。仕事や人間関係など、さまざまなストレスにさいなまれる現代の女性たちに向けて、“泣ける旅”をエスコートする。Text by YANAKA Tomomi泣けるスポットはもちろん、女性の一人旅への実践的なアドバイスもにわかに注目を集める「涙活(るいかつ)」。能動的に涙を流すことで、すっきりとした気持ちに切り替えようとするもので、涙を流したい女性たちが増えているという現実がそこにある。そんな女性たちのために 旅行暦25年を誇り、年間150日は国内外のホテルに宿泊するという寺田直子さんが『泣くために旅に出よう 涙旅のススメ』を執筆。まだまだ私たちの知らない世界各地の泣けるスポットを紹介する。本書では、寺田さんが実際に...
BOOK|イギリス発の人気ファッション誌『Lula』が日本上陸

BOOK|イギリス発の人気ファッション誌『Lula』が日本上陸

BOOK|イギリス発の人気ファッション誌『Lula』が日本上陸日本版『Lula Japan』創刊イギリスの人気ファッションマガジン『Lula(ルラ)』の日本版『Lula Japan(ルラ ジャパン)』が今年10月、年2回の季刊誌として創刊。『Lula』らしいガーリィなモードスタイルを提案する。Text by YANAKA Tomomiキーワードは“girl of my dreams”元『VOGUE UK』スタイリストのLeith Clark(リース・クラーク)により、2004年にイギリスで創刊されたファッションマガジン『Lula』。これまでのモード誌にはないガーリィな世界観と高いビジュアル表現が話題を呼び、本国イギリスのみならずフランスやアメリカなど、世界から注目を集めている。あらたに誕生する日本版では『RUSSH JAPAN』の創刊も手がけた鈴木和生氏を編集長に迎え、イギリス版のスタイルを受け継ぎつつ、“girl of my dreams”をキーワードに独自の視点からスタイルを提...
BOOK|「東京スパイス番長」が綴る、笑いあり、涙ありの88編のエピソード『インドよ!』

BOOK|「東京スパイス番長」が綴る、笑いあり、涙ありの88編のエピソード『インドよ!』

BOOK|インド通の彼らにしか語ることのできない笑いあり、涙ありの88編のエピソード日印混合料理集団「東京スパイス番長」から届いた紀行文『インドよ!』長年インドと向き合ってきた料理集団「東京スパイス番長」が送る、いままでになかった“紀行文”『インドよ!』。1月26日(月)にマイルスタッフより発売された。Text by YANAKA Tomomi東京や浜松などで発売記念のイベントを開催「東京スパイス番長」は2008年に結成されたシャンカール・ノグチ氏、ナイル善己氏、メタ・バラッツ氏、水野仁輔氏のメンバーからなる日印混合料理集団。当初は毎月1回、都内でメンバーが集まりインド料理の研究に打ち込んでいたが、2010年からは研究の場をインドに移行。以来、毎年1回テーマを決め、みなでインドに渡り、活動をつづけてきた。そのテーマはとてもユニーク。ある年は乳製品テーマに、バッファローの乳を搾りに行ったり、ベンガル料理がテーマとなればガンジス川の下流で魚釣りという具合。最終日にようやく現地のキッチン...
BOOK|ドキュメンタリー写真の歴史を物語る完全保存版「プレミアム フォト コレクション」

BOOK|ドキュメンタリー写真の歴史を物語る完全保存版「プレミアム フォト コレクション」

BOOK|ドキュメンタリー写真の歴史を物語る完全保存版「プレミアム フォト コレクション」刊行“世界とそこにあるすべてのもの”を1100万点から厳選して紹介した写真集「NATIONAL GEOGRAPHIC プレミアム フォト コレクション」が発売中。写真技術の歴史、テーマ、撮影技法、期間など、広範囲にわたる第一級の写真アーカイブは必見だ。Text by KUROMIYA Yuzuストーリーを語りかける決定的な一枚この写真集では、1888年の設立以来125年にわたってナショナル ジオグラフィク社が撮影、収集してきた写真1100万点のなかから厳選した458点を紹介。「探検」「ワイルドライフ」「人と文化」「科学と気候変動」の4つのカテゴリーに分け、さまざまな民族と文化、ひっそりと生息する野生動物、科学が生み出した成果など、“世界とそこにあるすべてのもの”のありのままの姿を鮮烈に収録している。2008年/ケニア泥遊びを楽しむゾウたち(写真=マイケル・ニコルズ)1965年/地球軌道上宇宙遊...
NEWS|複合施設「HOUSE YUIGAHAMA」が鎌倉・由比ガ浜にオープン

NEWS|複合施設「HOUSE YUIGAHAMA」が鎌倉・由比ガ浜にオープン

NEWS|holidayがアートディレクション&フードディレクションを担当「HOUSE YUIGAHAMA」が鎌倉・由比ガ浜にオープン家づくりと湘南暮らしに関する“発見”をコンセプトとした複合施設「HOUSE YUIGAHAMA」が4月、鎌倉・由比ガ浜通りにオープン。デザインと料理をメインとするクリエイティブユニット「holiday」がディレクションを手がけたことでも話題となっている。Text by KAJII Makoto (OPENERS)「家」をテーマにした4つの空間江ノ電・和田塚駅から徒歩2分、JR鎌倉駅から徒歩11分。「HOUSE YUIGAHAMA」は、近代の看板建築や出し桁造りなど、伝統的な意匠の建造物とともに、そのデザインやスケール感を継承した近代建築が立ち並ぶ由比ガ浜通りにオープンした。建築からインテリア、ガーデニング、湘南エリアでの暮らしまでを数百冊の蔵書でカバーする「ライブラリー」、ゆるやかで楽しい時間を演出する「カフェ」、一風変わった素材や住み方の提案が散り...
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BOOK|穂積和夫『絵本 アイビー図鑑』

BOOK|穂積和夫『絵本 アイビー図鑑』

BOOK|アイビーはファッションではなく、スタイルだ穂積和夫『絵本 アイビー図鑑』つい先日発売されたばかりの写真集『JAPANESE DANDY』の表紙を飾ったのは、この『絵本 アイビー図鑑』の著者であるイラストレーターの穂積和夫氏だ。日本のダンディたち130人の肖像のなかから、彼が表紙に選ばれた理由、そしてファッションにたいするこだわりがこの一冊に凝縮されていた。Photographs by JAMANDFIXText by ITO Yuji(OPENERS)「ブランドには詳しくない」『絵本 アイビーボーイ図鑑』『絵本アイビーギャル図鑑』につづく、第3弾となる穂積和夫氏による本著だが、34年ぶりの新刊にあたって、以前の2冊とは構成も変え、イラストはすべて描きおろしされたものを使い、オールカラーで現代にふさわしい多くのアイテムがくわえてられている。穂積氏といえば日本におけるイラストレーターの先駆者であり、アイビーをじぶんのスタイルとして取り入れた人物として知られる。ここで大切なのは...
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