BOOK|写真家・川内倫子の視点を追体験『SHEETS』
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2015年2月2日

BOOK|写真家・川内倫子の視点を追体験『SHEETS』

BOOK|写真家の視点を追体験するコンタクトシートで構成された写真集

川内倫子 最新写真集『SHEETS』

国内外で活躍する写真家の川内倫子さんの最新写真集『SHEETS』が、ドイツのKOMINEK BOOKSより出版された。今回のテーマは、写真家の“手の内”ともいえるコンタクトシート。1枚に収められた写真1コマ1コマから、写真家の視点を追体験することができる。

Text by YANAKA Tomomi

撮影の衝動や狙いがおしげもなくつまった1冊

1972年、滋賀県生まれの川内倫子さん。2002年の『うたたね』『花火』で第27回木村伊兵衛賞を受賞し、数々の国際展にも出展。2005年にはパリのカルティエ財団美術館で個展が開かれるなど、海外でも精力的に活動している。

そんな彼女の海外での活動の結晶のひとつといえるのが、ドイツのKOMINEK BOOKSから刊行された写真集『SHEETS』だ。KOMINEK BOOKSはポーランド人フォトグラファー、ミヒャエル・コミネクが主催するインディペンデント・パブリッシングレーベル。2007年に設立され、2010年から本格的に出版事業を開始。これまでにヴィヴィアン・サッセンやアレック・ソスら、現代を代表するフォトグラファーの写真集を手がけてきた実力派である。

『SHEETS』 02

『SHEETS』 03

本作『SHEETS』では、1枚の写真を世に出す前の状態であり、撮影の衝動や狙いがおしげもなくつまっているコンタクトシートをフィーチャー。これまでの作品をベースにしたコンタクトシートを、川内さんみずから選び、再構成している。

ページを開くと、実寸代のコンタクトシートが掲載され、随所でズームアップされた作品が観音開きになっているというユニークなレイアウトが特徴的。6×6のフィルムカメラで撮られたコンタクトシートを追うことで、彼女にとって、撮影とおなじように大切な「写真を選ぶ」という行為をつぶさに見ることができるのだ。

『SHEETS』 04

どのような視点から、どのような作品を川内倫子は選んだのか。そのヒントが詰まった本作は、装丁さながら、まるでプライベートな手帳のような一冊となっている。

『SHEETS』
出版社│KOMINEK BOOKS
仕様│210×140mm、152ページ、カラー、ハードカバー
価格│7140円
発売中

出版記念トーク&サイン会
日程|2月15日(土)
時間|17:00~18:00
会場|CAFÉ BIS
東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス 「東京都写真美術館」NADiff x10内
ゲスト|川内倫子
聞き手|タカザワケンジ
参加費|1000円(ワンドリンク付き)
定員|50名(要予約)
http://www.nadiff.com/fair_event/syabi_kawauchirinko_sheets.html

           
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