アメリカン・クラシックの極み。「イントラマティック 68 オートクロノ」|HAMILTON
HAMITON|ハミルトン
時流におもねらない硬派なルックス。
いま注目したいヴィンテージ感!
ハミルトンは現在、スウォッチ グループに属するスイスメイドブランドとなっているが、もともとはアメリカを代表する時計メーカーだった。アメリカが先陣となって切り開いたグローバル時代のなか、ハミルトンもまた彼の国を代表する時計ブランドとして、個性を強烈にアピールしたのだった。そんななかで、このクロノグラフはアンダーステイトメントなルックスを有しているところが珍しく、硬派である。時流におもねらない、このヴィンテージスタイルが、いまとても素敵に見える。
Text by TSUCHIDA Takashi(OPENERS)
没個性が鮮烈な個性。名付けて1960年代の“ムジ・クロノ”
ハミルトンと言えば、数々のアイコニックモデルを抱えるブランドである。例えば、エルヴィス・プレスリーが愛した「ベンチュラ」。爆発的ヒットを飛ばしたLED式デジタルウォッチ「パルサー」もある。資本がスイスに移って以降も、ハミルトンは独創的な世界観を追求するために圧倒的なデザイン力で人々を魅了してきた背景がある。
その一方で、ハミルトンは「カーキ」に代表される実用時計を、大量に生産してきたのである。装飾を徹底して削ぎ落とし、必要とされる機能をひとりでも多くのもとへ届ける。ゆえにデザインは誰もが納得するごくごく定番的なものに落ち着く。
左は1968年にハミルトンが発表した「クロノグラフB」。そう、新作「イントラマティック 68 オートクロノ」のデザインベースとなったモデルである。
モデル名に“B”と付くからには“A”もあった。文字盤が白、ふたつのインダイアルが黒だったのが「クロノグラフA」。その色配置を反対にしたのが「クロノグラフB」だったのだ。
宇宙に思いを馳せた時代のフューチャリスティックなフォントのブランドロゴ。アメリカン・グラフィティの流れを組む、面取りを誇張したシャープなラグ形状など、ディテールを取り上げていくと当時の時代感が読み取れなくもないが、それでも特徴をできる限り抑えた“シンプル・イズ・ベスト”なコンセプト設計である。デザインが無意味に外向きではなく、むしろ存在感を消すことで、ユーザーにのみ向いている感じがする。硬派に映るのは、それが理由だ。
いま他人からどう見られているかが最も重要なファクターとして多くのモノづくりが進んでいる。なるほど、時計は自身を彩る装
飾アイテムではある。しかし、それがすべてではない。時計と自分とのコミュニケーションをデザインに頼らず、はじめから自分で作り上げていくというのも魅力的である。
他人にはごく普通に見えて、自分にとっては特別なモデル。そのベースとなるのは、こんな時計であって欲しい。
イントラマティック 68 オートクロノ
Ref.|H38716731
ムーブメント|自動巻き。Cal.H-31
標準持続時間|60時間
ケース素材|SS
ケース径|42mm
価格25万9000円(税別)
世界限定|1968本
ハミルトン/スウォッチ グループ ジャパン
Tel.03-6254-7371
http://www.hamiltonwatch.jp