映画
「映画」に関する記事

INTERVIEW|『マイク・ミルズのうつの話』マイク・ミルズ監督インタビュー
INTERVIEW|うつ病と格闘する“ふつうの人びと”の姿を描いたドキュメンタリー『マイク・ミルズのうつの話』マイク・ミルズ監督 日本公開記念インタビュー(1)日本人の15人にひとりがかかっているといわれるうつ病。しかし2000年まで、「うつ」という言葉は精神科周辺以外ではめったに聞かれなかった。なぜこの短い期間にうつ病は爆発的に広まったのか? マイク・ミルズ監督は、製薬会社がおこなった「心の風邪をひいていませんか?」という広告キャンペーンが理由のひとつであると考え、その実態に迫るドキュメンタリーを作ろうと思い立つ。うつ病患者のありのままの日常を、ミルズ監督独特の優しい目線で捉えた本作は、うつ病の知られざる一面を明らかにするとともに、いまの日本社会が抱える問題点をも鮮やかに描き出す。Text by TANAKA Junko (OPENERS)あたらしいグローバリゼーション!?――うつ病の話を描くのに、日本を舞台にしようと思ったのはなぜですか?ぼくはもう何度も日本に来ていますが、ある...

MOVIE|現代版“テルマ&ルイーズ”『天使の処刑人 バイオレット&デイジー』
MOVIE|ふたりの天使が、悪を撃つ――現代版“テルマ&ルイーズ”衝撃のロリータ・バイオレンス『天使の処刑人 バイオレット&デイジー』アカデミー賞受賞脚本家&ハリウッド注目の若手女優W主演で放つ、衝撃のロリータ・バイオレンス・アクション――。『天使の処刑人 バイオレット&デイジー』が、10月12日(土)より新宿シネマカリテほかにて全国ロードショー。Text by KUROMIYA Yuzu天使のようなティーンの殺し屋、甘くみたら大間違い!『プレシャス』で2010年アカデミー賞最優秀脚色賞を受賞したジェフリー・フレッチャーが自らの脚本のもと初メガホンを取った意欲作『天使の処刑人 バイオレット&デイジー』。デイジー役に『つぐない』で13歳の若さでアカデミー賞助演女優賞にノミネートされ一躍スターとなったシアーシャ・ローナン、バイオレット役に『シン・シティ』『旅するジーンズと16歳の夏』などに出演し女優・モデルとして人気を誇るアレクシス・ブレデルをキャスティング。こ...

MOVIE|世界に激震をもたらした女性哲学者『ハンナ・アーレント』
MOVIE|世界に激震をもたらした女性哲学者の人生に迫る“真実”を伝えた女性の愛と信念を描いた『ハンナ・アーレント』ナチス戦犯アイヒマンの裁判レポートを発表し、その衝撃的な内容で世論に賛否両論をもたらした哲学者ハンナ・アーレント。波乱に満ちた人生、そして彼女の愛と信念を描く『ハンナ・アーレント』が、10月26日(土)より岩波ホールほかで全国順次公開される。Text by YANAKA Tomomi主演はドイツ映画祭主演女優賞を受賞したバルバラ・スコヴァ1960年代初頭、ナチスの戦犯アドルフ・アイヒマンの裁判レポートをザ・ニューヨーカー誌で発表し、世界的大論争を巻き起こしたユダヤ人哲学者ハンナ・アーレントの真実に迫る本作。彼女の思想の本質に触れるとともに、夫や友人への愛溢れる一人の女性としてのアーレントにアプローチし、昨年の東京国際映画祭でも大きな話題となった感動の実話がいよいよロードショーされる。メガホンを取ったのは『ローザ・ルクセンブルク』で知られる女性監督のマルガレーテ・フォン...

MOVIE|実在するピアニスト、リベラーチェの私生活に迫る美しくも儚いラブストーリー
MOVIE|世界が称賛するヒットメーカー3人による渾身の注目作美しくも儚いラブストーリー『恋するリベラーチェ』“世界が恋したピアニスト”と評されるリベラーチェが、本当に欲しかったものとは――。監督はスティーヴン・ソダーバーグ、マイケル・ダグラスとマット・デイモンの共演で送る、美しくも儚い真実のラブストーリー『恋するリベラーチェ』が11月1日(金)より公開される。Text by KUROMIYA Yuzuソダーバーグ監督は本作の後、長期休暇に入ると発表1950年代から80年代初頭までラスベガスを中心に活躍し、“世界が恋したピアニスト”と評された実在のエンターテイナー、リベラーチェ。当時のテレビの顔として親しまれていた彼だが、実際は同性愛者であることをひた隠しに生きていた“クローゼット・ゲイ”だった。『恋するリベラーチェ』は、綿密なリサーチと当時の映像を元に、ゆかりのあるロケ地での撮影、実際に使用していた小道具をかき集めるなど、リアルさを追求。決して明かされることのなかった彼の私生活、...

MOVIE|フランス映画の知られざる巨匠、モーリス・ピアラ
MOVIE|没後10周年を記念し、後期の代表作4本を一挙上映 フランス映画の知られざる巨匠、モーリス・ピアラフランス映画の巨匠でありながら、日本ではこれまで2作品が公開されただけというモーリス・ピアラ。彼の没後10周年にあわせ、後期の代表作4本を一挙上映する『フランス映画の知られざる巨匠 モーリス・ピアラ』が、11月2日(土)よりシアター・イメージフォーラムほかで全国順次ロードショーされる。Text by YANAKA Tomomi後期の傑作『ヴァン・ゴッホ』もついに公開フランス本国では絶大な知名度を誇るモーリス・ピアラは、ヌーベルバーグ以降の映像作家たちに多大なる影響を与えてきた人物。そして今年2月、パリのシネマテークフランセーズでは回顧展も開催され、あらためて世界的に再評価の動きが高まっている。そんなピアラの後期の代表作4本がスクリーンで公開される。1925年にフランスで生まれたモーリス・ピアラは画家を志し、パリに出て工芸学校で学び、第二次世界大戦の影響でたびたび中断を余儀なく...

MOVIE|時を超えて紡がれる愛の記憶『ある愛へと続く旅』
MOVIE|時を超えて紡がれる愛の記憶深く美しいラブストーリー『ある愛へと続く旅』イタリア~ボスニア~クロアチア、時を超えて紡がれる真実の愛の記憶。ペネロペ・クルス×エミール・ハーシュが贈る、この秋もっとも深いラブストーリー『ある愛へと続く旅』が、11月1日(金)より、TOHOシネマズほかにて全国ロードショーされる。Text by KUROMIYA Yuzu一児の母になったペネロペ・クルスが熱演『赤いアモーレ』のセルジオ・カステリット監督が、監督の妻でもあるマルガレート・マッツァンティーニによる小説をもとに、忘れることのできない深い愛の物語を作り上げた。主人公ジェンマを演じたのはスペインを代表する女優ペネロペ・クルス。実生活でも一児の母となった彼女が、本作では初々しい女子大学生の時代から16歳の高校生の息子と向き合う母親まで、女性としての長い年月をリアルに演じた。ジェンマと結ばれるディエゴを演じたのは若き演技派俳優としてめざましい活躍を見せるエミール・ハーシュ。物語のキーとなるジェ...

MOVIE|フランス注目の若手監督ギヨーム・ブラックが放つ『女っ気なし』
MOVIE|デビュー作となる短編『避難者』も同時上映フランス注目の若手監督ギヨーム・ブラックによる中編映画『女っ気なし』 ヌーベルバーグを継承する新鋭として大きな期待が集まるフランス人の若手監督ギヨーム・ブラック。小さな港町でのひと夏のヴァカンスを描いた『女っ気なし』が、11月2日(土)よりユーロスペースでロードショー。また、ギヨーム・ブラックのデビュー作となる短編『避難者』も同時上映される。Text by YANAKA Tomomi独身でちょっぴり太めのシルヴァンを巡るふたつの物語 エリック・ロメールやジャック・ロジエら巨匠らの良心を受け継ぐと高く評価され、本国フランスでは異例のロングランを達成した、ギヨーム・ブラック監督による『女っ気なし』。フランス北部ピカルディ地方の小さな海辺の町を舞台に、独身でちょっぴり太めのシルヴァンが美しい母娘と過ごす夏の日々を描いたドラマが日本でも劇場公開される。これまでに公開された作品は『女っ気なし』と、乗ってきた自転車がパンクした男をシルヴァンが...

MOVIE|ある家族の愛と尊い時間『いとしきエブリデイ』
MOVIE|5年の歳月をかけて追った、ある家族の愛と尊い時間マイケル・ウィンターボトム監督渾身の最新作『いとしきエブリデイ』 名匠マイケル・ウィンターボトム監督が、『ひかりのまち』のスタッフ・キャストとともに、5年の歳月をかけて撮った珠玉の感動作『いとしきエブリデイ』。11月9日(土)より、ヒューマントラストシネマ有楽町ほかにて全国ロードショー。Text by KUROMIYA Yuzu二度とない同じ毎日、“当たり前”の大切さ 父親不在のある家族の日々を通して、だれもが当たり前にあると思っている「愛」と「時間」の尊さを、美しい映像と音楽で描き出した『いとしきエブリデイ』。登場する幼い兄妹は、マイケル・ウィンターボトム監督によって見出された実の4兄妹。撮影がスタートした時点では8歳、6歳、4歳、3歳だった彼らの成長とともに、5年と言う歳月がスクリーンに焼き付けられていく。 父親が再び家にもどってくるまでのディテールを積み上げていくことによって、過ぎていく何気ない毎日が、なによりも大...

MOVIE|リドリー・スコット監督が放つ心理サスペンス『悪の法則』
MOVIE|逃れようのない巨大な罠にはまった美しき男と女たちブラピ、C・ディアス、ペネロペ・クルス!豪華キャストによる心理サスペンス『悪の法則』 キャメロン・ディアス、ブラッド・ピット、ペネロペ・クルス――。至高の豪華アンサンブル・キャストが危うくスキャンダラスに挑発する、謎と驚きに満ちた心理サスペンス『悪の法則』。11月15日(金)よりTOHOシネマズ日劇ほか全国ロードショー。Text by KUROMIYA Yuzu先読み不能、想像を絶するエンディング! 眩い陽差しと漆黒の夜が鮮烈なコントラストをなすアメリカ西部を舞台に、偶然と運命、罪と罰、そして生と死が濃密なスリルとともに交錯する『悪の法則』。巨匠リドリー・スコットが監督を務め、アカデミー賞に3度ノミネートされたその演出力をいかんなく発揮。感性を刺激してやまないスタイリッシュなビジュアル・ワールドを展開する。 キャストには、キャメロン・ディアス、ブラッド・ピット、ハビエル・バルデム、ペネロペ・クルス、マイケル・ファスベンダ...

MOVIE|愛と絶望を笑いにするクライム・コメディ『フィルス』
MOVIE|『トレインスポッティング』原作者の最新映画!愛と絶望を笑いにするクライム・コメディ『フィルス』 “イカれた刑事”がある事件を追ううち、精神的に追い込まれていく。ジェームズ・マカヴォイ主演、英国発、愛と絶望を笑いにする最高にイカしたクライム・コメディ『フィルス』が、11月16日(土)より渋谷のシネマライズほかで公開。Text by KUROMIYA Yuzu「第2次トレインスポッティング」祭りへのカウントダウン? かつて1990年代のサブカルチャーを牽引してきた、最高に陽気にして悲惨な青春映画『トレインスポッティング』。当時の若者のリアルを鋭いブラックユーモアで鮮烈に切り取ったその原作者、アーヴィン・ウェルシュの小説をもとにした映画『フィルス』。特技は同僚や友人を陥れるための裏工作と残業の不正申告。そのうえポルノ・売春・不倫・アルコール・コカイン中毒――。まさに歩く危険地帯を体現した、どうしようもない主人公の人生に明日はくるのか? 単なる過激なブラックコメディではなく、絶...

MOVIE|国際映画祭『東京フィルメックス』が今年も開幕
MOVIE|アジアの気鋭監督作品から世界の巨匠が手がけた映画まで一挙26本を上映国際映画祭『東京フィルメックス』が今年も開幕 独創的な映画作品をアジアをはじめ、世界各地から集めた国際映画祭『東京フィルメックス』が今年も開幕。11月23日(土)から12月1日(日)まで、有楽町朝日ホールやTOHOシネマズ日劇などで合計26本の作品が上映される。Text by YANAKA Tomomi監督デビューを果たしたアニエスベーをはじめ、多彩な映像作家が登場 映画のつくり手と見る側の幸福な出合いの場を橋渡ししてきた映画祭『東京フィルメックス』。14回目となる今年も期待を裏切らない作品が上映される。映画祭では、アジアの新進監督たちの作品を集めたコンペティション部門をはじめ、世界を唸らせる世界最前線の映像作家たちの最新作がそろい踏みする特別招待作品などのカテゴリーに分けられ、作品を紹介。さらに、今年は“フランス映画の秘宝”と呼ばれたジャン・グレミヨン監督と生誕100周年を迎え、日本はもちろん世界的に...

MOVIE|あたらしい青春映画の金字塔『ウォールフラワー』
MOVIE|次世代のハリウッドを担う最旬キャストを結集あたらしい青春映画の金字塔『ウォールフラワー』 「ライ麦畑でつかまえて」の再来と絶賛され、社会現象となった青春小説の金字塔が待望の映画化! 青春時代の喜びや挫折が優しくも誠実に描かれた珠玉の成長物語『ウォールフラワー』が、11月22日(金)よりロードショーとなる。Text by KUROMIYA Yuzu 「ぼくは君たちに出会い、笑い、恋をして痛みを知った」 ただ生きているだけで心がときめき、ただ生きているだけで心が痛い。誰にでも覚えのある、そんな青春の甘く苦い日々を、鮮やかに切り取った小説「ウォールフラワー」。1999年にアメリカで出版され、10代から熱狂的な支持を獲得。社会現象を巻き起こした作品だ。それから13年、いまや青春小説の金字塔となったこの物語がついに映画化。脚色・監督を手がけたのは、なんと原作者のスティーブン・チョボスキー。彼は殺到する映画化のオファーを断りつづけ、自らの手によって最高の形で世に送り出せるときを待っ...

MOVIE|モード界の頂点に君臨するデザイナーの素顔『ファッションを創る男~カール・ラガーフェルド~』
MOVIE|モード界の頂点に君臨するデザイナーの素顔ドキュメンタリー『ファッションを創る男~カール・ラガーフェルド~』 世界のトップに君臨するデザイナー、カール・ラガーフェルドが語るパッションとドリーム。魅惑のドキュメンタリー『ファッションを創る男~カール・ラガーフェルド~』が、11月16日(土)より全国順次公開。Text by KUROMIYA Yuzuシャネル創業100年の節目となる今年、ついに日本公開 創業者ココ・シャネル亡き後、低迷していたシャネルを引き継ぎ、見事に復活させたカール・ラガーフェルド。ほかにもクロエ、フェンディ、そして自らのブランド、カール・ラガーフェルドを合わせ、一時は4つのメゾンのデザイナーを兼任するなど、30年にわたってモードを牽引してきたファッション界のカリスマだ。『ファッションを創る男~カール・ラガーフェルド~』では、そんな彼にロドルフ・マルコーニ監督が公私にわたって密着。黒いサングラスの向こうに隠されてきた素顔に切り込む。 2年間に及ん...

MOVIE|映画『ポリス/サヴァイヴィング・ザ・ポリス』公開
MOVIE|公開記念オフィシャルTシャツとCAPの発売が決定!映画『ポリス/サヴァイヴィング・ザ・ポリス』 1970年代末から80年代前半にかけて活躍、84年に一度は解散したものの、デビュー30周年となる2007年に再結成が実現したイギリスの世界的バンド「ポリス」。ポリスのギター、アンディ・サマーズの自伝『ポリス全調書』(One Train Later)をベースにしたドキュメンタリー映画『ポリス/サヴァイヴィング・ザ・ポリス』が、11月23日(土)よりTOHOシネマズ渋谷ほかにて、12月7日(土)より新宿シネマカリテほかにて公開される。Text by KAJII Makoto (OPENERS)本作唯一のオフィシャルTシャツも発売『ポリス/サヴァイヴィング・ザ・ポリス』は、書籍『ポリス全調書』をベースに、未公開映像やライブシーン、インタビューなどを交えながら、ポリスの誕生、解散、そして再結成までを追う最新ドキュメンタリー映画。 メンバーのなかで最年長であり、技術的にも精神的にもバン...

MOVIE|今年も開幕! 『ポーランド映画祭2013』
MOVIE|往年の名作からジャパンプレミア作品まで多彩な22本を上映今年も開幕! 『ポーランド映画祭2013』映画史に名を刻む戦後のポーランド映画の名作など22本を一挙に上映する『ポーランド映画祭2013』が今年も開催。11月30日(土)から12月13日(金)まで渋谷のシアターイメージフォーラムで開かれる。Text by YANAKA Tomomi“ポーランドの生ける伝説”、アンジェイ・ワイダ監督の特集も第二次世界大戦後、ヨーロッパで一大センセーションを巻き起こし、世界の映画人に多大な衝撃を与えたポーランド映画。シアターイメージフォーラムでは、昨年大盛況のうちに幕を閉じた「ポーランド映画祭」が今年も開幕する。今年もポーランドが誇る巨匠イエジー・スコリモフスキ監督が監修として参加。そして、今回は1960年代を中心にあらたに10本の作品を紹介。来年、新作『ワレサ(仮題)』の公開を控える“ポーランドの生ける伝説”であり、ポーランド映画の芸術性を世界に広めたアンジェイ・ワイダ監督の『地下水...