MOVIE|国際映画祭『東京フィルメックス』が今年も開幕
MOVIE|アジアの気鋭監督作品から世界の巨匠が手がけた映画まで一挙26本を上映
国際映画祭『東京フィルメックス』が今年も開幕
独創的な映画作品をアジアをはじめ、世界各地から集めた国際映画祭『東京フィルメックス』が今年も開幕。11月23日(土)から12月1日(日)まで、有楽町朝日ホールやTOHOシネマズ日劇などで合計26本の作品が上映される。
Text by YANAKA Tomomi
監督デビューを果たしたアニエスベーをはじめ、多彩な映像作家が登場
映画のつくり手と見る側の幸福な出合いの場を橋渡ししてきた映画祭『東京フィルメックス』。14回目となる今年も期待を裏切らない作品が上映される。
映画祭では、アジアの新進監督たちの作品を集めたコンペティション部門をはじめ、世界を唸らせる世界最前線の映像作家たちの最新作がそろい踏みする特別招待作品などのカテゴリーに分けられ、作品を紹介。さらに、今年は“フランス映画の秘宝”と呼ばれたジャン・グレミヨン監督と生誕100周年を迎え、日本はもちろん世界的にも偉大なる足跡を残した中村登監督の作品が特集される。
なかでもオープニング作品として上映される『A Touch of Sin(英題)』は、急速に拡大する中国の社会的格差のなかで苦悶するひとびとの姿をパワフルに描き、今年のカンヌ国際映画祭の脚本賞を受賞した話題作。激しいバイオレンス・アクションはジャ・ジャンクー監督の新境地との呼び声も高い作品だ。
また、ポル・ポト政権下のカンボジアでリティ・パニュ監督自身の体験に基づいて描かれ、カンヌ映画祭の「ある視点」部門最優秀賞に輝いた『THE MISSING PICTURE(英題)』も登場する。
来場ゲストも多彩。期間中は、初の監督作『わたしの名前は・・・』がベネチア国際映画祭で映画のあたらしいトレンドを紹介する「オリゾンティ」部門に選出されたデザイナーのアニエス・トゥルブレ(アニエスベー)、カンヌ国際映画祭の「ある視点」部門最優秀賞受賞のリティ・パニュ監督が来日。このほかにもベルリン国際映画祭で審査員大賞・男優賞・エキュメニカル賞の3賞を受賞したダニス・タノヴィッチ監督や今年の『東京フィルメックス』の審査委員長を務めるモフセン・マフマルバフ監督ら巨匠がぞくぞくと登壇する。
映画祭でしか味わうことのできない熱気。そして、みずみずしいアジアの新星から世界の巨匠まで、多彩な作品が上映される映画ファンにとって心躍る9日間がもうすぐはじまる。
第14回東京フィルメックス
日程│11月23日(土)~12月1日(日)
会場│有楽町朝日ホール、TOHOシネマズ日劇など
料金│当日一般1800円、当日学生1300円
http://filmex.net/2013/
<コンペティション>
・『若さ』トム・ショヴァル監督
・『花咲くころ』ナナ・エクチミシヴィリ、ジーモン・グロス監督
・『ハーモニー・レッスン』エミール・バイガジン監督
・『カラオケ・ガール』ウィッサラー・ウィチットワータカーン監督
・『ILO ILO(英題)』アンソニー・チェン監督
・『トランジット』ハンナ・エスピア監督
・『夏休みの宿題』チャン・ツォーチ監督
・『見知らぬあなた』チュエン・リン監督
・『祭の馬』松林要樹監督
・『トーキョービッチ,アイラブユー』吉田光希監督
<特別招待作品>
・オープニング作品
『A Touch of Sin(英題)』ジャ・ジャンクー監督
・クロージング作品
『THE MISSING PICTURE(英題)』リティ・パニュ監督
・『微笑み絶やさず』モフセン・マフマルバフ監督
・『可視から不可視へ』マノエル・ド・オリヴェイラ監督
・『イェレバン』アトム・エゴヤン監督
・『わたしの名前は・・・』アニエス・トゥルブレ(アニエスベー)監督
・『鉄くず拾いの物語』ダニス・タノヴィッチ監督
・『アナ・アラビア』アモス・ギタイ監督
・『閉ざされたカーテン』ジャファル・パナヒ、カンボジヤ・パルトヴィ監督
・『ピクニック』ツァイ・ミンリャン監督
<特集上映 ジャン・クレミヨン>
・『愛欲』
・『不思議なヴィクトル氏』
・『高原の情熱』
<特集上映 生誕100年 中村登>
・『我が家は楽し』
・『土砂降り』
・『夜の片鱗』