MOVIE|ある家族の愛と尊い時間『いとしきエブリデイ』
MOVIE|5年の歳月をかけて追った、ある家族の愛と尊い時間
マイケル・ウィンターボトム監督渾身の最新作『いとしきエブリデイ』
名匠マイケル・ウィンターボトム監督が、『ひかりのまち』のスタッフ・キャストとともに、5年の歳月をかけて撮った珠玉の感動作『いとしきエブリデイ』。11月9日(土)より、ヒューマントラストシネマ有楽町ほかにて全国ロードショー。
Text by KUROMIYA Yuzu
二度とない同じ毎日、“当たり前”の大切さ
父親不在のある家族の日々を通して、だれもが当たり前にあると思っている「愛」と「時間」の尊さを、美しい映像と音楽で描き出した『いとしきエブリデイ』。
登場する幼い兄妹は、マイケル・ウィンターボトム監督によって見出された実の4兄妹。撮影がスタートした時点では8歳、6歳、4歳、3歳だった彼らの成長とともに、5年と言う歳月がスクリーンに焼き付けられていく。
父親が再び家にもどってくるまでのディテールを積み上げていくことによって、過ぎていく何気ない毎日が、なによりも大切な時間の堆積であるということを改めて気づかせてくれる。
父の帰りを待ちつづける、母と4人の子どもたち
ステファニー、ロバート、ショーン、カトリーナの兄妹は、毎朝シリアルを食べ、学校へ通う。母のカレンはみんなを学校へ送ったあとスーパーで働き、夜はパブでも仕事をする。どこにでもある毎日。でも、違うのは父親がいないこと。父親は刑務所にいる。会えるのはほんのわずかな面会時間だけ。季節は巡り、子供は成長し、時間が非情に流れていく――。
また、あらたな“エブリデイ”はやってくる。観終わったあとはそんなシンプルなことに感謝したくなり、心に明かりが灯ったような気持ちに包まれるだろう。
『いとしきエブリデイ』
11月9日(土)より、ヒューマントラストシネマ有楽町ほかにて全国ロードショー
監督|マイケル・ウィンターボトム
脚本|ローレンス・コリアット、マイケル・ウィンターボトム
出演|シャーリー・ヘンダーソン、ジョン・シム、ショーン・カーク、カトリーナ・カーク、ステファニー・カーク
配給|クレストインターナショナル
2012年/イギリス/90分/原題『EVERYDAY』
http://www.everyday-cinema.com/
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