MOVIE|時を超えて紡がれる愛の記憶『ある愛へと続く旅』
MOVIE|時を超えて紡がれる愛の記憶
深く美しいラブストーリー『ある愛へと続く旅』
イタリア~ボスニア~クロアチア、時を超えて紡がれる真実の愛の記憶。ペネロペ・クルス×エミール・ハーシュが贈る、この秋もっとも深いラブストーリー『ある愛へと続く旅』が、11月1日(金)より、TOHOシネマズほかにて全国ロードショーされる。
Text by KUROMIYA Yuzu
一児の母になったペネロペ・クルスが熱演
『赤いアモーレ』のセルジオ・カステリット監督が、監督の妻でもあるマルガレート・マッツァンティーニによる小説をもとに、忘れることのできない深い愛の物語を作り上げた。
主人公ジェンマを演じたのはスペインを代表する女優ペネロペ・クルス。実生活でも一児の母となった彼女が、本作では初々しい女子大学生の時代から16歳の高校生の息子と向き合う母親まで、女性としての長い年月をリアルに演じた。
ジェンマと結ばれるディエゴを演じたのは若き演技派俳優としてめざましい活躍を見せるエミール・ハーシュ。物語のキーとなるジェンマとディエゴの息子は、監督夫妻の実の息子のピエトロが実名で演じている。
民族紛争の舞台に忘れ得ぬ記憶をたどる心の旅
ローマに暮らすジェンマのもとに、ある日1本の電話がかかってきた。それは青春時代を過ごしたサラエボに住む旧い友人ゴイコからのものだった。ジェンマは16歳になる息子ピエトロとの関係を修復するためにも、彼を伴って自らの過去を訪ねる旅に出ることを決意する。
20年以上前サラエボに留学していた女子大生のジェンマは、若きアメリカ人ディエゴと恋に落ちる。やがて結婚し、子どもが欲しいと切望するがその夢はかなわない。その後サラエボで民族紛争が勃発するなか、ふたりは代理母により子どもを授かる。産まれたばかりの赤ん坊を守るためにジェンマはイタリアに戻ることを選択するが、ディエゴはサラエボに残らねばならなかった。それがふたりにとって永遠の別れになるとも知らずに――。
激動のヨーロッパを背景に男と女の普遍的な愛、母性や父性といった人間としての愛の深さを緻密に描写した本作。愛する人を失った悲しみ、直面する子どもとの関係、月日を経て知る真実。ジェンマの心の旅に観る者は共感せずにはいられない。
『ある愛へと続く旅』
11月1日(金)より、TOHOシネマズほかにて全国ロードショー
監督|セルジオ・カステリット
脚本|マルガレート・マッツァンティーニ、セルジオ・カステリット
出演|ペネロペ・クルス、エミール・ハーシュ、アドナン・ハスコヴィッチ、ジェーン・バーキン
2012 年/イタリア・スペイン/イタリア語・英語・ボスニア語/原題『VENUTO AL MONDO』/英題『TWICE BORN』
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