AUDI|アウディ|松井龍哉 vs アウディR8 「力のデザインとデザインの力」 TOP

AUDI|アウディ|松井龍哉 vs アウディR8 「力のデザインとデザインの力」 TOP

Vol.1 松井龍哉 vs アウディR8「力のデザインとデザインの力」各界で活躍するクリエイターが最新のクルマに向き合い、かつてない創造的な自動車論を展開する「創造しい自動車論」。第1回目は、ロボットデザイナーの松井龍哉氏が登場。スーパーカー世代のデザイナーで、その“デザインの引力”に今も抗えない松井氏が、最新のスーパーカー、アウディR8と対峙して、「メーカーにとってもクルマ好きにもかけがえのない」スーパーカーの存在について語る。構成・文=田村十七男写真=六本木泰彦ロボットデザイナーという立場で松井氏が語る、スーパーカーの存在と未来。ローマで遭遇したある場面で、デザインの力について考えた。(2008.05.26)スーパーカー最大の見せ場はエンジン――。細部に宿るデザインの引力を求め、「アウディR8」ディティールにフォーカスを。(2008.06.02)「アウディが標榜する“日常性”は、我々に向けた挑戦」。デザイナーの視点から語る今日的スポーツカーの在り方、いよいよ総論。(2008.0...
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AUDI|アウディ|松井龍哉 vs アウディR8 (1) 「少年たちの足を止める引力」

AUDI|アウディ|松井龍哉 vs アウディR8 (1) 「少年たちの足を止める引力」

Vol.1 松井龍哉 vs アウディR8Chapter1 少年たちの足を止める引力ロボットデザイナーという立場で松井氏が語る、スーパーカーの存在と未来。ローマで遭遇したある場面で、デザインの力について考えた。──アウディR8は、「日常で使えるスーパーカー」を謳っています。二律背反するようなアウディの提案をどのように感じますか?松井 スーパーカーと聞けば自然と胸が高鳴る世代ですからね。期待が膨らみます。では、どんな存在がスーパーカーかというと、それを考えさせられる場面に遭遇したことがあるんです。ランボルギーニ・ガヤルドLP560-4 (Photo by Lamborghini)去年行ったローマの日本食レストランの駐車場に、「ランボルギーニ・ガヤルド」が駐車してあった。そこにサッカー少年の集団がやってきて、立ち止まってみんなで議論をはじめたんです。「まるで生き物みたいだ」「後ろから見たほうが迫力がある」「オレンジ色が似合うんじゃないか」。あの子供たちにサッカーを忘れさせるほどの引力がガ...
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AUDI|アウディ|松井龍哉 vs アウディR8 (2) 「エンジンで問われるセンス」

AUDI|アウディ|松井龍哉 vs アウディR8 (2) 「エンジンで問われるセンス」

Vol.1 松井龍哉 vs アウディR8Chapter2 エンジンで問われるデザイナーのセンススーパーカー最大の見せ場はエンジン──。細部に宿るデザインの引力を求め、「アウディR8」のディテールにフォーカスを。──視点を細部に移しましょう。気になるポイントはどこですか?松井 自動車メーカーがフラッグシップ・モデルに投影するのは、自社の未来へのアイデンティティですよね。それをもっとも表現できるのは、エンジニアリングの粋を集めたエンジンです。このR8も、ガラスのフード越しにエンジンがのぞける仕掛けになっている。スーパーカーとしての誇りを表現していると感じました。──職業的観点でエンジンを見るとき、どういう部分に関心をもちますか?松井 エンジニアの主張に対してデザイナーがどういう折り合いをつけたのか、ですね。とくにこうしてエンジンを見せる場合は、いかに洗練されたプロダクト化が達成できているか。そこはデザイナーの思考プロセスを読み解こうとする愉しみでもあります。──なかなかユニークな見方で...
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AUDI|アウディ|松井龍哉 vs アウディR8 (3) 「スーパーカーの定義は変わる」

AUDI|アウディ|松井龍哉 vs アウディR8 (3) 「スーパーカーの定義は変わる」

Vol.1 松井龍哉 vs アウディR8Chapter3 スーパーカーの定義は変わる「アウディが標榜する“日常性”は、我々に向けた挑戦」。デザイナーの視点から語る今日的スポーツカーの在り方、いよいよ総論。──短い時間でしたが、実際に運転してもらいました松井 企業としても心から尊敬するアウディが、技術の粋を集めたR8です。神聖な気持ちで乗らせていただきました。そして技術力がなすサブライム(崇高さ)を感じることができました。振動や音が腹に響き、一気に非日常的空間へと導いてくれます。でも混雑した東京では崇高なエンジニアリングのほんの一部しか味わえない。それはまったくもったいないですね。──すると、都会的な印象のあるR8でも、実は都会にはふさわしくない?松井 日本の現代生活を冷静に捉えてみれば、動物園の馬、みたいな感じじゃないですか? 飼い殺しと言ったら大げさだけど、生来の野生を発揮できる場所で走らせたい欲求は抑えきれないだろうと思います。でなければエンジニアに失礼ですよね。ただ、全体のサ...
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FIAT|フィアット|柴田文江 vs フィアット500 デザインの力はヒエラルキーを越える TOP

FIAT|フィアット|柴田文江 vs フィアット500 デザインの力はヒエラルキーを越える TOP

Vol.2 柴田文江 vs フィアット500デザインのちからはヒエラルキーを越える各界で活躍するクリエイターが最新のクルマに対峙し、かつてない創造的な自動車論を展開。第2回目は、工業デザイナーの柴田文江氏が登場。ゆるぎない道具論をもつ職業的立場と、インスピレーションを大事にする女性の感覚、その両面から、歴史的な先代をモチーフに生まれ変わった「フィアット500」を語る。構成・文=田村十七男写真=六本木泰彦以前から気になる存在だったという「フィアット500」。柴田文江さんの関心を集めたのは、サイズを越えた独特なデザイン感だった……。(2008.07.16)「フィアット500」でもっとも感心したのは、工業製品として現代レベルをクリアしていること――。柴田文江さんが語る、このクルマの頑張りどころとは?(2008.07.23)工業デザイナーとしてクルマのエクステリアに挑みたいという柴田文江さん。カー・デザインの真髄とその期待に触れる、インタビュー三部作、いよいよ総論。(2008.07.30)...
FIAT|ファイアット|柴田文江 vs フィアット500(1) 街で目にとまった、デザインの緻密感

FIAT|ファイアット|柴田文江 vs フィアット500(1) 街で目にとまった、デザインの緻密感

Vol.2 柴田文江 vs フィアット500Chapter1 街で目にとまった、デザインの緻密感以前から気になる存在だったという「フィアット500」。柴田文江さんの関心を集めたのは、サイズを越えた独特なデザイン感だった。──まず率直に、フィアット500の印象をうかがいますちょっと前から気になっていたんです。都内だとずいぶん外国車が増えたけれど、それでも工業製品然とした日本車が多いなかで、このクルマはパッと目立ったんですよね。なんかカワイイのが動いている、みたいな目のとまり方をしました。──柴田さんにフィアット500をご用意したのは、工業デザイナーとしての立場からはもちろん、じつは女性の観点でも語ってほしいという下心があったことを、ここで告白しますそれはだいじょうぶ。ちゃんと理解していますから(笑)。イメージ的に、私に似合いそうですもんね。年令的にも仕事的にも。そういう想像はできます。なので個人的なクルマ選びの基準をお話しすると、もっとも大事なのはジーンズでもワンピースでも乗れること...
FIAT|フィアット|柴田文江 vs フィアット500(2) 機能とデザインが情景をイメージさせる

FIAT|フィアット|柴田文江 vs フィアット500(2) 機能とデザインが情景をイメージさせる

Vol.2 柴田文江 vs フィアット500Chapter2 機能とデザインが、素敵な情景をイメージさせる「フィアット500」でもっとも感心したのは、工業製品として現代レベルをクリアしていること――柴田文江さんが語る、このクルマの頑張りどころとは?──街で目にとまったというフィアット500ですが、目の当たりにされて印象は変わりましたか?柴田 造形によるイメージはそのままですね。正面斜め横からながめると、昔のフィアット500のラインを上手に出していて、よく頑張っているなあという発見はありました。私の事務所のスタッフにクルマ好きがいて、今日ここに来る前、いろんな情報を吹き込んでくれたんです。初代のフィアット500がどういうクルマだったかとか、「ミニ」もまたおなじような流れでリニューアルを果たしたとか、それはもう熱心に(笑)。彼は実際に古いミニに乗っているんです。──それはたいそうなクルマ好きで(笑)柴田 そうした名車への思い入れがこのクルマにいろんな影響を及ぼしたことは、細部をながめて...
FIAT|フィアット|柴田文江 vs フィアット500(3) 動くものはデザイナーの自己表現の領域にある

FIAT|フィアット|柴田文江 vs フィアット500(3) 動くものはデザイナーの自己表現の領域にある

Vol.2 柴田文江 vs フィアット500Chapter3 動くものはデザイナーの自己表現の領域にある工業デザイナーとしてクルマのエクステリアに挑みたいという柴田文江さん。カー・デザインの真髄とその期待に触れる、インタビュー三部作、いよいよ総論。柴田文江さんの代表的作品「オムロン けんおんくん」(左)――代表的なお仕事にオムロンの電子体温計があります。ゆえに家庭的な製品に携わるイメージがありますが、クルマのデザインには興味がありますか?チャンスがあるなら、ぜひエクステリアをやってみたいです。――そのチャンスが巡ってきたとき、フィアット500のようなクルマならどういうアプローチをしますか?私はデザイナーですから、できたらまったく新しいクルマをつくりたいと思います。もちろんフィアット500のようなケースにも意義は感じます。そうですね、私なら過去のストーリーはまったく関係ないものとして試みるかもしれません。ただ、やはりクルマは特殊です。動くものに対するデザインのアプローチは、究極的には...
Jaguar XF|ジャガーXF|山中俊治 vs ジャガーXF クルマは立ち方で決まる TOP

Jaguar XF|ジャガーXF|山中俊治 vs ジャガーXF クルマは立ち方で決まる TOP

Vol.3 山中俊治 vs ジャガーXFクルマは立ち方で決まる各界で活躍するクリエイターが最新のクルマと向き合い、これまでになかった創造的な自動車論を展開。第3回目は、プロダクトデザイナーの山中俊治さんが登場。クルマのエクステリアデザインからキャリアをスタートさせたデザイナーだからこそ語れる、自動車デザインの本質論。構成・文=田村十七男写真=岡村昌宏1972年型「ジャガーXJ12」を所有したこともある山中さんは、30年を隔てた新しいジャガーに対峙して何を想うのか。(2008.09.26)「ジャガーXF」に郷愁をおぼえたという山中さん。その感覚の源泉と、ブランドが抱える問題点に迫る。(2008.10.01)自動車デザイン経験のある山中さんが語る、ひとが美しいと感じるクルマとは? 「ジャガーXF」をめぐる自動車デザイン論、いよいよ大詰め。(2008.10.08)山中俊治(やまなか しゅんじ)1957年愛媛県生まれ。1982年、東京大学工学部産業機械工学科卒業後、日産自動車に入社しエクス...
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Jaguar XF|ジャガーXF|山中俊治 vs ジャガーXF(3)神様のクルマのデザイン

Jaguar XF|ジャガーXF|山中俊治 vs ジャガーXF(3)神様のクルマのデザイン

Vol.3 山中俊治 vs ジャガーXFChapter3 神様のクルマのデザイン自動車デザイン経験のある山中さんが語る、ひとが美しいと感じるクルマとは? 「ジャガーXF」をめぐる自動車デザイン論、いよいよ大詰め。──おそらくジャガーにしてみれば、「XF」は新しいチャレンジなのだと思います。そうして伝統的なブランドが変わっていこうとするとき、どういう道筋なら成功にたどり着けるのでしょうか?実はかなりの確率で、トラディショナルなスタイルを維持するだけでは、ブランドは長生きできないんです。──それは意外ですね。多くの人はトラディショナルを愛でるんじゃないですか?伝統を残そうというときに、多くの企業が新しい機能やレイアウトを、古いスタイルで包もうとします。しかし、それではカタチだけのブランドになってしまう。最新の機能じゃなきゃ競争できない、でもブランドの伝統が……という迷いがそうさせてしまうのでしょう。ではどうすれば古いブランドが生き残れるかといえば、仕組みは伝統的なままで、表面的には思い...
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Jaguar XF|ジャガーXF|山中俊治 vs ジャガーXF(2)もはや背徳が許された時代には戻れない

Jaguar XF|ジャガーXF|山中俊治 vs ジャガーXF(2)もはや背徳が許された時代には戻れない

Vol.3 山中俊治 vs ジャガーXFChapter2もはや背徳が許された時代には戻れない最新のジャガー「XF」に郷愁をおぼえたという山中さん。その感覚の源泉と、ブランドが抱える問題点に迫る。──山中さんが「XF」に対して郷愁を抱いてしまうというのは、果たして感覚なのでしょうか?全体の印象はかなりマッシブで、伝統的なジャガーからは遠いものです。ボディパネルのボリュームを増して、トランクの位置も高くしてウィンドウを狭くするというのは、実は流行のレイアウト。レクサスが典型ですね。運転してみても、剛性感の高さはすばらしく、少しカタめの乗り心地や音などのフィーリングなども、僕が知っているジャガーのものではなく、とても現代的に仕上がっています。そういう意味ではジャガーらしいクルマとはもはやいえないのですが、表面的には伝統的な様式がいろいろと残されています。──今回は、XFのセールスポイントでもあるセンターコンソール上の「ジャガードライブ・セレクター」をはじめとした、インターフェイスについて...
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Jaguar XF|ジャガーXF|山中俊治 vs ジャガーXF(1)クルマはまず、立ち方を見る

Jaguar XF|ジャガーXF|山中俊治 vs ジャガーXF(1)クルマはまず、立ち方を見る

Vol.3 山中俊治 vs ジャガーXFChapter1 クルマはまず、立ち方を見る1972年型「ジャガーXJ12」を所有したこともある山中さんは、30年を隔てた新しいジャガーに対峙して何を想うのか。──長い時間をかけて外観をご覧になっていましたね。自動車デザインの経験がある山中さんの場合、クルマをどうやって見るのですか?立ち方ですね。──立ち方?タイヤを足に見立てて、どう立っているか。重心はどこにかかっているか。うずくまっているのか、跳ねているのか。その立ち方からクルマの性格をうかがうんです。それは、若いころ身につけたクセですね。有名なカーデザイナーの作品を正確に模写したり、そういうことをずいぶんやりました。──そこから何がつかめるんですか?自動車デザインの在り方はもちろん、デザイナーの個性も明確になります。たとえば「ランボルギーニ・カウンタック」をつくったガンディーニは、前足も後ろ足も伸びきった、疾走する動物のイメージなんです。対してジウジアーロは、後ろ足に重心があって、首をぎ...
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