あたらしい時代づくりに取り組むひとと企業──日産自動車編

あたらしい時代づくりに取り組むひとと企業──日産自動車編

あたらしい時代づくりに取り組むひとと企業――日産自動車編EVは走る楽しみを提供しつつ、蓄電池として機能する(1)東日本大震災ののち、クルマを取り巻く環境が変わりつつある。工場被災もさることながら、使用者の立場からしても、震災直後に東北を襲ったガソリン不足はいまも記憶に鮮烈だ。あらためて電気自動車に注目が集まっている。来るべき時代のクルマのあり方、その可能性について、日産自動車電子技術開発本部の二見 徹氏に聞いた。文=小川フミオ写真=門井 朋EVに大事なのは“クラウド”、そして再生可能エネルギーでの発電EVは従来のクルマのような内燃機関を搭載しない、代替燃料車としてこのところ注目を浴びてきた。震災直後に、日産自動車が支援車両として、ガソリン不足の被災地に65台のリーフを提供したニュースも話題をよんだ。一方で、「節電がよびかけられている昨今、電気で走る自動車でいいのか?」という疑問も投げかけられている。しかし、OPENERSは、再生可能なエネルギーに立脚したあたらしい社会を作るために、...
論客がポスト3.11のクルマ界を語る─後編

論客がポスト3.11のクルマ界を語る─後編

論客がポスト3.11のクルマ界を語る特別座談会 後編(1)震災後のクルマ選びとは?EVのみならず、燃料電池車をはじめ、これからの社会を担っていくクルマについて、さまざまな議論が交わされた前回の鼎談。今回は、より現実的なクルマ選びのあり方などについて語っていただいた。語るひと=小川フミオ、島下泰久、渡辺敏史、山口幸一(本誌編集長)写真=JAMANDFIX(人物)まとめ=松尾 大2015年からと目されるEVの非接触充電山口 電気自動車は普及するレベルにあるのか。そのあたりの現実と未来について、お話をうかがいたいと思います。前回の鼎談で、あと数年すれば水素を改質することで生まれる電気でモーターをまわす、燃料電池車まで登場する可能性があるというお話が出ました。たしかに、無尽蔵の水素エネルギーを使えればすばらしいことです。とはいえ、水素ステーションなどのインフラを鑑みれば、現時点では充電式のEVが現実的のように思われます。そこで質問ですが、EVにも今後、進歩の余地があるのでしょうか。 渡辺...
ゴルフのEVモデルがいよいよ発売|Volkswagen

ゴルフのEVモデルがいよいよ発売|Volkswagen

Volkswagen e-Golf|フォルクスワーゲン e-ゴルフゴルフのEVモデルがいよいよ発売フォルクスワーゲンは、昨年のフランクフルト モーターショーで発表したゴルフのEVモデル「e-ゴルフ」をいよいよ欧州で今夏より発売する。これは「electrified! e-mobility weeks by Volkswagen」と題しベルリンで開催されているイベントであきらかにされたもの。「e-ゴルフ」が一回のフル充電で走れる距離は190kmだが、オーナーには1年間に30日無料でレンタカーを使用できる権利も付帯するなど、フォルクスワーゲン独自のサービスを展開する予定だ。Text by SAKURAI Kenichi燃料コストは化石燃料の半分以下フォルクスワーゲンは3月8日(土)からベルリンでおこなわれている「electrified! e-mobility weeks by Volkswagen」と題したEVのプロモーションイベントで、ゴルフの量産EVモデル「e-ゴルフ」の価格や購入時...
トヨタがワイヤレス充電の実証実験をスタート|Toyota

トヨタがワイヤレス充電の実証実験をスタート|Toyota

TOYOTA│トヨタトヨタがワイヤレス充電の実証実験をスタートトヨタ自動車は、ケーブルを使用せずに充電ができる非接触充電システムを開発。2013年2月下旬から実証実験を開始し、実用化を目指す。Text by YANAKA Tomomi伝送効率のロスがすくない磁界共鳴方式を採用プラグインハイブリッド(PHV)やEVなどの増加の予想にあわせてトヨタが開発を進めているワイヤレス充電システム。すでに携帯電話や電動歯ブラシをはじめ、さまざまな小電力機器では実用化されており、自動車への導入機運も高まっている。ボルボが研究をおこなっている話題も先日お伝えしたとおり、各社が研究を重ねている分野だ。トヨタが開発した充電システムは、地面に設置したコイル(送電側)と車両に設置したコイル(受電側)のふたつのコイルのあいだにある磁界の共鳴現象を利用して、電力を伝送する磁界共鳴方式。この方式にすることで、送受電コイル間の位置のずれや高低差などによる、伝送効率のロスを少なくできるという。今回の実験車両には「プリ...
スマートグリッド関連キーワード集

スマートグリッド関連キーワード集

ポスト3.11 私たちがめざすべき社会へ──スマートグリッド関連キーワード集OPENERSがいま取り組んでいる、来るべきあたらしい時代を目指すための企画「すすめ! ニッポン」。主に次世代のエネルギー活用の仕方に焦点をあてているが、なかでも重要なのが「スマートグリッド」という概念だ。「スマートグリッド」ふくめ、この分野での記事には聞きなれない単語も多い。ここでは、スマートグリッドを理解するために知っておきたい専門用語を紹介していく。イラスト=ハマダミノル文=OPENERSスマートグリッドとは?スマートグリッドは、一般的に「次世代送電網」、もしくは「情報化電力網」と訳される。各家庭やオフィスなどでどの電気製品にどのくらいの電力を使っているか、使用電力をスマートメーターで“見える化”し、つねにコンピューターで管理。余った電力は、蓄電池などで蓄電しておき、電力供給が足りないときに使ったり、電力会社などに売ったりすることができる。それらのデータをネットワークをつうじてリアルタイムで可視化する...
あたらしい時代づくりに取り組むひとと企業──シムドライブ編

あたらしい時代づくりに取り組むひとと企業──シムドライブ編

あたらしい時代づくりに取り組むひとと企業――シムドライブ編EVの普及は将来の豊かな生活につながる(1)シムドライブ社は、わが国におけるEVの先駆けともいえる慶應義塾大学の清水浩教授が、ベネッセコーポレーションの後押しを受けて設立した。さきごろ、SIM-LEIなるEVを発表して話題を呼んでいる。文=小川フミオ写真=JAMANDFIX未来設計の重要なキーを担う自動車 "SIM-LEI" 未来を設計する、なる言い方がある。そのさい、もっとも重要なキーのひとつがクルマだ。化石燃料で走るクルマに代わり、EVが近未来社会で、大切な役割を担うとも言われる。EV開発のベンチャー企業も出てきている。なかでももっとも現実に近いところにいるのがシムドライブだ。EVの世界でこのひとあり、といわれる慶應義塾大学環境情報学部の清水浩教授が社長を務める。かわさき新産業創造センター内にある清水浩教授の研究室を訪れ、インタビューをつうじて、EVの可能性を聞いた。 性能の向上は効率のよいエネルギーマネージメント...
あたらしい時代づくりに取り組むひとと企業──トヨタ自動車編

あたらしい時代づくりに取り組むひとと企業──トヨタ自動車編

あたらしい時代づくりに取り組むひとと企業――トヨタ自動車編次世代の代替燃料車が担う役割とは?(1)トヨタ自動車では、代替燃料車の新世代を準備中。2012年に、充電ができる新世代のプラグイン・ハイブリッドと、さらに電気自動車の発売を予定。トヨタが代替燃料車にかける意気込みをうかがった。文=小川フミオ2012年投入予定のあたらしいプリウスハイブリッド車プリウスの登場は1997年。当時は「近い将来、(水素を改質して発電し電気モーターをまわす)燃料電池車がメインストリームになる予定なのに、ガソリンエンジンと電気モーターの組み合わせにどれだけの意味が?」と海外などで揶揄された。しかし、いまだ環境への負荷が少ない乗用車としてトップを走りつづけている。 さらにクルマは進化をつづける――。現在、プリウスの近未来系として、プリウス プラグイン ハイブリッドが路上を走り出している(一般への販売は2012年を予定)。くわえて、やはり2012年に、トヨタiQをベースにした電気自動車(EV)の発売も予定さ...
up!の電気自動車e-up!を体験する|Volkswagen

up!の電気自動車e-up!を体験する|Volkswagen

Volkswagen e-up!|フォルクスワーゲン eアップ!EVを主張しないEVup!の電気自動車e-up!を体験する昨年の東京モーターショーで発表されたとおり、フォルクスワーゲンのもっとも小さいモデル「up!」にモーターを搭載した電気自動車「e-up!」が、まもなく日本へ上陸する。6年ぶりに開催されたファンミーティング「フォルクスワーゲン フェスト」にあわせておこなわれた試乗会に臨んだ小川フミオ氏が、ブランド初上陸となるEVをインプレッション。Text by OGAWA FumioPhotographs by HANAMURA Hidenoriフツウの感覚で乗れることが重要電気自動車の動きが活発化してきた。日本は日産「リーフ」や三菱「i-MiEV」など、比較的早くから実用化が進んでいたところにもってきて、外国からも続々魅力的なモデルが導入されはじめた。フォルクスワーゲンが今年後半に日本発売を予定している「e-up!」(イーアップ!)も、注目の1台だ。e-up!は、前輪を駆動す...
論客がポスト3.11のクルマ界を語る─前編

論客がポスト3.11のクルマ界を語る─前編

論客がポスト3.11のクルマ界を語る特別座談会 前編(1)再生可能エネルギー社会の一端を担うクルマとは?3月11日に発生した東日本大震災は、これからの社会を考えるうえで大きなターニングポイントとなった。とくに電力供給に問題が発生しているなか、スマートグリッドについての議論も盛んになりつつある。これからのクルマが果たす役割とは、そして進んでいく道はどこにあるのか、3人の論客とOPENERS編集長が議論を交わした。語るひと=小川フミオ、島下泰久、渡辺敏史、山口幸一(本誌編集長)写真=JAMANDFIX(人物)まとめ=松尾 大SNV=ソーシャルネットワークビークルとしての自動車山口 OPENERSでは今回の震災を受け、あたらしい社会のあり方を考え、取材し、情報を提供していこうと思っています。そのなかでも、クルマが果たす役割は、劇的に変化するのではないかと考えています。ところで、福島原発事故をうけて、再生可能エネルギーを中心とした社会づくりの必要性が、さまざまなメディアで議論されています。...
総力特集|ポスト3.11──あたらしい時代をめざして

総力特集|ポスト3.11──あたらしい時代をめざして

SNV(ソーシャル・ネットワーク・ヴィークル)の時代へ起きよ クルマ革命!ゴットリープ・ダイムラーとカール・ベンツによるガソリン式自動車の発明、世界初の量産自動車であるT型フォードの登場……100余年におよぶクルマの歴史において、これらとおなじくらいに革命的な出来事が起ころうとしています。EV、すなわち電気自動車の普及がそれです。イラスト=ソリマチアキラソーラーパネルとEVとのコンビネーションが鍵ポスト3.11において脚光を浴びているのが、再生可能エネルギーを中心に据えたあたらしい社会のありかたです。しかし、風力や太陽光といった自然エネルギーは、天候などの自然現象の影響を直接的に受けるがゆえ、非常に不安定なものです。そこで重要な役割を担うのが、EVやプラグイン・ハイブリッドカーです。なぜなら、高性能なバッテリーを蓄電池として機能させることで、再生可能エネルギーによる発電の不安定さを補えるからです。たとえば、住宅やビル単位で再生可能エネルギーにより発電し、蓄電池にためた電気を必要にお...
LIVING LIGHT|ニュージーランド発の“ナチュラリズム”キャンドル

LIVING LIGHT|ニュージーランド発の“ナチュラリズム”キャンドル

LIVING LIGHT|リビングライト自然を守り、自然を映すキャンドルだけが、心を溶かすことができるニュージーランド発の“ナチュラリズム”キャンドルリビングライトの歴史は、1997年、ニュージーランドは南島の最北端ゴールデンベイの小さなキャンドル工房からはじまる。2005年にタカカという小さな町に隣接する工房に移転したが、現在も4人のキャンドル職人とスタッフが、心が洗われるような自然環境のなかで、古代から受け継がれている手法により手づくりしている。Text by KAJII Makoto (OPENERS)パームワックスと環境を考えるパームヤシの実は木になり、それをひとつひとつもいで収穫するので、地面に種をまいて収穫する植物とちがって、収穫にかかるエネルギーも労働力も格段に少ないのが特徴で、パームヤシの種の核(カーネル)は、豊富な油脂を含有し、それから大量のワックス成分を抽出することができる。世界的にバイオ燃料への取り組みが活発化し、広大な熱帯雨林が開墾され、パームヤシ農場へと転...
トヨタ|TOYOTA ベルギーでの風力発電機の設置に協力

トヨタ|TOYOTA ベルギーでの風力発電機の設置に協力

トヨタ|TOYOTAベルギーでの風力発電機の設置に協力トヨタ自動車の欧州統括会社、トヨタモーターヨーロッパ(TME)は、ベルギーのエネルギー会社エベロップ・ベルギーと、TMEの車両物流センターに風力発電機を設置する共同プロジェクトを実施すると発表した。文=谷中朋未再生可能エネルギーなどで、サスティナブルな発展に貢献TMEでは、ベルギーにある車両物流センターの敷地の一部をエベロップ・ベルギー社に貸与。エベロップ・ベルギー社は、敷地内に2基の風力発電機を設置し、2013年初旬に発電を開始するという。設置される風力発電機の定格出力は約3,000kW、年間発電量は約1,710万kWh。このほかにもTMEでは、環境保護へのアプローチとして、2008年からヨーロッパの約3,000にものぼる販売店すべてを環境に配慮し、消費エネルギーを少なくできる店舗にすることを目指した「サスティナブル販売店プロジェクト」をスタート。また、2010年には部品物流拠点で太陽光発電パネルを大規模に導入するなど、幅広く...
福助 × more trees|森を育てる靴下の第3弾が登場

福助 × more trees|森を育てる靴下の第3弾が登場

福助 × more treesコラボレーションソックスの第3弾が登場創造性を宿した森を育む靴下2年目を迎える福助と「more trees(モア・トゥリーズ)」のコラボレーション。第3弾は、ミック・イタヤ氏、ソリマチアキラ氏、アサクラコウヘイ氏のイラストレーター3名によるデザインだ。Text by IWANAGA Morito(OPENERS)人気イラストレーターが靴下をキャンバスに作品を製作一般社団法人「モア・トゥリーズ」は、音楽家の坂本龍一氏を代表とする森林保全団体。これまでも国内外での植林プロジェクトだけでなく、ビジネスラウンジのプロデュースなど、さまざまな取り組みをおこなってきた。なかでも、私たちに馴染みがあるのは、プロダクトだろう。家具やアート作品、アパレルなど、こちらも多岐にわたる。今回紹介するのは、足袋、靴下、肌着といった衣料品を製造販売する「福助」との取り組み。2012年、130周年を迎えた福助が、あらたなプロジェクトとして社会に貢献できることがないかという想いからは...
FORD│フォード 東芝によるインバーターの供給

FORD│フォード 東芝によるインバーターの供給

FORD│フォード東芝がフォードにハイブリッド車用のインバーターを供給東芝は、フォードのハイブリッド車やプラグインハイブリッド車に搭載するインバーターを2012年から供給すると発表した。文=谷中朋未2012年から生産するハイブリッド車に搭載昨年6月、東芝はフォードのハイブリッド車、プラグインハイブリッド車に用いる駆動用モーターを2012年から提供する契約を締結。今回のインバーターとセットになることで、ハイブリッド車の基幹部品を押さえたかたちだ。インバーターは三重県の工場に専用ラインを新設。2012年4月から生産され、生産能力は年間15万台となる。 エスケープ ハイブリッド フュージョン ハイブリッド フォードでは、これまでにもSUV「エスケープハイブリッド」や「フュージョンハイブリッド」などを発売。2012年には、欧州向けの小型ミニバン「C-MAX」をベースにしたハイブリッド車やプラグインハイブリッド車を北米市場に投入予定とのニュースも流れている。今後、厳しくなる環境規制に向...
ホンダ|HONDA CO2排出量を3割低減へ

ホンダ|HONDA CO2排出量を3割低減へ

ホンダ|HONDA2020年までにCO2排出量を3割低減へホンダは、「環境年次レポート2011」を発行し、全世界で販売する製品のCO2排出量を2020年までに2000年比で30パーセント低減するという目標を定めた。文=谷中朋美グローバル環境スローガン「Blue skies for Our Children」を制定これまでにも環境保全活動を積極的に推進してきたホンダ。2006年には、全世界で販売する二輪車や四輪車、汎用製品のCO2排出量を2010年までに2000年比で10パーセント低減するという目標を掲げ、すでに達成している。「環境年次レポート2011」では、すべての製品のCO2排出量を2020年までに2000年比で30パーセント低減するという目標を設定。同時に、生産時やサプライチェーンをふくめた企業活動全体でのCO2排出量低減に向けた取り組みも強化するという。さらに今後、モビリティーだけでなく暮らし全般におけるCO2排出を低減するエネルギーマネジメント技術の進化にも取り組んでいくと...
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