Yoko Ueno Lewisの暮らしノート
「Yoko Ueno Lewisの暮らしノート」に関する記事
連載・Yoko Ueno Lewis|暮らしノート・第18回「ドルフィンホテルと羊男の世界」
The Way We Live with “STYLE”暮らしノート 第18回 ブティークホテルACEポートランド「ドルフィンホテルと羊男の世界」EACH MORNING WE ARE BORN AGAIN.WHAT WE DO TODAY IS WHAT MATTERS MOST.「ひとは毎日生まれ変わる。 そして、今日何をするかがもっとも重要なんだ」上記はロサンゼルスのホテル、ACEのブログ(http://blog.acehotel.com)にあった一節です。Text & Photographs by Yoko Ueno Lewis(Aug. 2015)リアルで変化に富むコミュニティのためにACEホテルのウェブサイトのトップ“welcomeメッセージ”にはこう書かれています。「ACEホテルは、ひとつ一つの個性のコレクションであり、感性に反応する感覚派のために、多種多様、かつ包括的な存在感をつくり上げています。ACEホテルはたんに再生プロジェクトの成果として存在しているの...
連載・Yoko Ueno Lewis|暮らしノート・第5回 「デザイン以前」
The Way We Live with “STYLE”暮らしノート 第5回 「デザイン以前」私個人が、日本人でいちばんお会いして、お話をうかがいたいと思うのが建築家の安藤忠雄氏です。といっても、その逆はありえないので、これは夢のまた夢のかなたではあります。が、安藤氏の作品を訪ねることは容易です。建築家だった夫ジム・ルイスと、安藤氏の建築と安藤氏が若いころ訪ねたコルビュジエやミースの残した各地の建築を見てまわりました。写真と文=Yoko Ueno Lewis(Feb. 2011)コンクリートという素材を使った自然とのコーディネイトの仕事その数ある作品のなかでもやはりいちばん印象に残っているのが、コルビュジエの「サヴォア邸」と安藤氏の「光の教会」かもしれません。(「光の教会」については平松剛氏の『光の教会 安藤忠雄の現場』に感動的に書かれています)なぜ、安藤忠雄氏なのか? 私がまだ京都芸大の学生で、無為無策にデザインに接していたころ、衝撃的に打たれたのがコンクリートを素材としてもちい...
連載・Yoko Ueno Lewis|暮らしノート・第14回 「木と暮らす」
The Way We Live with “STYLE”暮らしノート 第14回「木と暮らす raw wood, slow life and less design」(1)高知県四万十川流域に育つ四万十ひのきを素材としたデザインの仕事をして15年になります。アメリカやオーストラリア、スウェーデンやイタリアなどからも、メールで問い合わせがくるようになりました。 最近の掲載「LOOKSLILEGOODDESIGN」Text & Photographs by Yoko Ueno Lewis(Nov. 2013)木に対するアプリシエーションと感性のレベルが上がった現在、私が東京で仮住まいしている部屋は、環境ジャーナリストの箕輪弥生さん(http://gogreen.petit.cc/)と環境建築家の黒岩哲彦氏とのプロジェクトで、部屋の内装が九州の総天然杉の床、北海道の珪藻土(けいそうど)の壁というしつらえです。ひとも自然の一部ですから、壁や床や天井がナチュラルで“raw materi...
新連載・Yoko Ueno Lewis|暮らしノート・プロローグ「スタイルを生む暮らし」
Prologue : The Way We Live with “STYLE”暮らしノート・プロローグ 「スタイルを生む暮らし」気がつくと……たくさんのモノに囲まれて“しまった”暮らしです。でもそれは自分らしいスタイルを探しつづけてきたたしかな証拠といえます。心に感性を吹き込んで、そのときどきの自分を豊かにしてきた自分自身の日々を語ってくれます。写真と文=Yoko Ueno Lewis(Aug. 2010)モノには本来あるべきところ、帰っていくところがありますそろそろ、ただモノがあるだけではなく、お互いの調和に注目してもいい時期かもしれません。調和を創ると、スタイルが生まれてきます。自分にしか生まれない、自分だけのスタイルです。スタイルを生む暮らし方をしていると、自然に余分なものをもたなくなり、暮らし方もシンプルになり、そしてなにより快適で過ごしやすくなり、ほんとうにたいせつなことに集中できるようになります。スタイルを生む“ものリスト”<チープシックなもの><優しいもの><自然なも...
連載・Yoko Ueno Lewis|暮らしノート・第1回「四万十ひのきの間伐材と暮らす」
The Way We Live with “STYLE”暮らしノート 第1回 「四万十ひのきの間伐材と暮らす」“四万十ひのき”は、高知県四万十川周辺に育つひのきです。仁淀川とならんで四万十川は高知の大きな美しい流れです。この流れを囲むようにもくもくと盛り上がるひのき山があります。セミの声以外はほとんど音らしい音のしない間伐道を分け入ると、そこはとても静かな木もれ日溢れる酸素のトンネルです。写真と文=Yoko Ueno Lewis(Sep. 2010)つくって、使って、そして最後には土に返すために二酸化炭素を吸えるだけ吸ってぎっしりと閉じ込められている“炭素”、この炭素たっぷりの四万十ひのきを使って普段の暮らしに使えるものをつくってきました。つくって、使って、そして最後には土に返す……これはとても単純なはず。ただ、そのためにはひのきをできるだけ魅力的に加工して、できるだけたくさんのひとに見てもらい、そして使ってもらう流れが必要です。ウェブショッピングサイト「rumors.jp」でその...
連載・Yoko Ueno Lewis|暮らしノート・第3回 「メイドイン・オキュパイド・ジャパンを知っていますか?」
The Way We Live with “STYLE”暮らしノート 第3回 「メイドイン・オキュパイド・ジャパンを知っていますか?」ハロウィンと中間選挙が終わり、アメリカは加速度的にホリデーシーズに突入していきます。毎年この時期になると日本生まれのMr.スノウマンのことを思い出します。写真と文=Yoko Ueno Lewis(Nov. 2010)MADE IN OCCUPIED JAPANの意味写真でおわかりのようにMr.スノウマンは綿(わた)でできています。色褪せてはいますが、赤いモールでできた鼻と黒目がちの瞳、銀紙の帽子、そして3段ではなく2段重ねの姿にどことなく親しみがもてます。(アメリカ生まれの雪だるまは3段重ねなのです。)ちょっと失礼してコロンと裏返してみると、MADE IN OCCUPIED JAPANの文字があります。つまりアメリカが日本を占領していた1945年から1952年のあいだにアメリカ向けにつくられ、大量に輸出されたプロダクツの意味なのです。当時、数え切れな...
連載・Yoko Ueno Lewis|暮らしノート・第4回 「The bunny show」
The Way We Live with “STYLE”暮らしノート 第4回 「The bunny show」アメリカはクリスマスが終わるとヌケガラ状態。お正月はまるでleft over(残りもの)を片づけるため冷蔵庫を開けるような気分です。しかも2日からなにごともなかったかのようにいつもの日常がはじまるのが普通です。威勢がいいのはこの1、2ヵ月で増え過ぎた体重のためのダイエットのコマーシャルのみ。その点、日本はまだお正月にこだわりがありますね。写真と文=Yoko Ueno Lewis(Dec. 2010)干支はうさぎ──素朴でシンプルなバニーをご紹介高知県の作家、武田勇馬さんのうさぎです。間伐材の厚板を使用したうさぎのシルエットのカットアウトで、置き方、ならべ方の工夫でディスプレイも楽しめます。お問い合わせは、高知市のプランタン Tel. 088-873-5005 まで。干支というより、グリーンバニーとしても長くかわいがってください。OPENERSの連載は、日本と自分がつながって...
連載・Yoko Ueno Lewis|暮らしノート・第6回 「フィール・フェルト・フェルト」
The Way We Live with “STYLE”暮らしノート 第6回 「フィール・フェルト・フェルト」(1)3月11日の東日本大地震により奪われたたくさんのご尊命と、被災された方々に対し、深い哀悼とお見舞いを慎んで申し上げたいと思います。私の友人のご家族は岩手県大槌町で被災され、奇跡的に皆さまご無事でした。しかし、その後もたいへんな被災状況のなか、日々、生きるための想像を超える努力をされております。まず、この連載のページをお借りして、今後、私自身でできることはなにかと、日本にいる友人たちと協力し合いながら、具体的な方法を見つけて出していきたいと思っております。写真と文=Yoko Ueno Lewis(Mar. 2011)ふたつの優れた素材を組み合わせること今回ご紹介するのは、フェルトのオーガナイザーのデザインです。すべて、約A4大の3ミリ厚ウールフェルトに、何本かの切り込みと、いくつかのスクリュー(ネジ)をとおす穴を開けて、曲げたり、重ねたり、裏返したりして、スクリューで留...
連載・Yoko Ueno Lewis|暮らしノート・第7回 「テーブルガーデン:自分で楽しむ心の緑化プロジェクト」
The Way We Live with “STYLE”暮らしノート 第7回「テーブルガーデン:自分で楽しむ心の緑化プロジェクト」新緑の5月と思いきや、もう梅雨入りの6月です。今回は、自分で楽しむ心の緑化プロジェクトのお話を──テーブルの上で、簡単に楽しめる緑のアレンジメント。100円コイン2、3枚で、スーパーの店先で手に入れたハーブや草花を、ほんの少しだけアレンジして、小さなデーブルガーデンをつくりませんか? これから、暑い夏……。節電、省エネでもっと暑く感じるかもしれません。そんなときに、目に涼やかな緑のアクセント。写真と文=Yoko Ueno Lewis(Mar. 2011)自分の気持ちが緑化したら、光と風をもっとたくさん楽しめるようになりますガーデンづくりに必要なツールは、集めるだけでとても楽しいものです。鉢をならべるワイヤーバスケットやトレー、コンテナー、素焼きの植木鉢やプランツマーカー、そして、小さなオーナメントやチャームたち。クラフト紙でラッピングすると、ナチュラルで...
連載・Yoko Ueno Lewis|暮らしノート・第9回 スウェーデン直感紀行 Vol.2「世界でいちばん注目を集めている環境先進都市 Malmo(マルメ)」
The Way We Live with “STYLE”暮らしノート 第9回 スウェーデン直感紀行 Vol.2「スウェーデンのときめくシンプル“世界でいちばん注目を集めている環境先進都市 Malmo(マルメ)”」環境ジャーナリスト 箕輪弥生さんの仕事の取材で、私たちはマルメ市(Malmo)の環境局に勤める若いスタッフに街を案内してもらいました。箕輪さんが日本の被災地復興に対して、彼らのアドバイスを求めると、「スクラッチ(ゼロ)からやれるいまがチャンスです!」と。このひとことは、まるで、私たちが日本を代表してこのマルメの地に立っているような、金縛り的な瞬間をあたえてくれました。写真と文=Yoko Ueno Lewis(Dec. 2011)暮らしに根づいた水とのかかわりがつくるたたずまいを連想させます私がマルメの住宅街でもっとも印象に残ったことは、雨水の使い方です。雨水はあるとき、天から降り、地をぬらし、草木を生かし、大地にしみ入りつつ、余ったものは、そのままどこかへ流れていく……そん...
連載・Yoko Ueno Lewis|暮らしノート・第11回 ヴィンテージ狂想曲
The Way We Live with “STYLE”暮らしノート 第11回ヴィンテージ狂想曲いまはむかし、1980年代後半のサンフランシスコでのできごと――アートディレクターの八木保氏のオフィスで当時一代ブームだった日本の一流企業のコーポレート・アイデンティティ(CI)・プロジェクトに日夜追われていたころの話です。Text & Photographs by Yoko Ueno Lewis(Feb. 2012)私たちのヴィンテージ狂いの一代騒動日本人デザイナー3名は、アメリカンのヴィンテージ雑貨と家具の収集に、完璧に狂っていました……。あのすっかり上がってしまったボルテージの火付け役は、いうまでもなくボスの八木保氏で、氏のコレクションたるや、それはもう、どんなインテリア雑誌もかなわない、ただ、ひたすらのため息ものだったのです。年に何度かサンフランシスコとその近郊で開かれるアンティークショウはもちろんのこと、近郊のローカルで退屈な街という街のアンティークショップを、しらみつ...
連載・Yoko Ueno Lewis|暮らしノート・第12回 収納のためのマジカルミステリーツアー
The Way We Live with “STYLE”暮らしノート 第12回収納のためのマジカルミステリーツアー(1)“収納”と聞くといつも思い出すのは、建築家の妹島和世さんと西沢立衛氏がくしくも言い当てられておられた“テーブル理論”と呼ばれるマジカルミステリーです。Text & Photographs by Yoko Ueno Lewis(Aug. 2012)収納のミステリーとは <Lessons Learned 疑問と反省>簡単に説明すると、テーブルの上が仕事の書類やサンプルでいっぱいになってしまい、狭くて使いづらいくて、まったく片付かない……。ある日、決心して、もう一つテーブルを増やして倍の面積を使えるようにします。通常ならば、倍もテーブルが広くなったので、さぞかし使いやすくなり、仕事はずいぶんとはかどるだろうと想像できます。しかし……しばらくすると、以前にも増してテーブルの上はいっぱいになり、余裕どころか、さらなる混沌の面積がたんに2倍になったに過ぎないという結果...
連載・Yoko Ueno Lewis|暮らしノート・第13回 ベッドファーニシングブランド「SOVA」誕生
The Way We Live with “STYLE”暮らしノート 第13回「SOVA, Multi-Combination Bedding Linens」(1)ベッドルームの世界を、インテリアデザインとしての遊びやチャレンジの世界へ解放したい!──「ベッドルームの自己実現開放宣言!?」。そのためのブレイクスルーの一つとなってほしい……そんな思いで提案型ベッドファーニシングブランド「SOVA」を立ち上げました。「SOVA(ソーヴァ)」、Swedishで眠るという意味をもつワードをブランド名に採用、一点買いや衝動買い、さらにギフトにも適応し、かつ、マルチコンビネーションのインテリアワールドを楽しめる……そんな世界観をコンセプトにしました。Text & Photographs by Yoko Ueno Lewis(July. 2013)「ベッドルーム」で表現する自分らしさは子どものころから鍛えられるインテリアコーディネイションは、手軽な自己表現の現場として、欧米ではとくに「ベ...
cafe&gallery|「Feel Felt」 Yoko Ueno Lewis個展開催
台東区・谷中近くの銭湯前のグリーンなカフェ「フロマエcafé&ギャラリー」で開催「Feel Felt」 Yoko Ueno Lewis個展日米でグラフィック&プロダクツデザイナーとして活躍するYoko Ueno Lewisさんの、フェルトを使ったデザインワークの個展「Feel Felt」が開催。台東区・谷中近くの銭湯前にできたグリーンなカフェ「 フロマエcafé&ギャラリー」にて、12月3日(火)からスタートする。Text by KAJII Makoto (OPENERS)作品は購入可能、クリスマスのギフトにもぴったりYoko Ueno Lewisさんが作る作品「felt rich」。ドイツ製の3ミリ厚のウール100%フェルトを、糸も針も使わず、建築図面などを閉じる際に使われるシカゴスクリューと呼ばれるアメリカのアルミのネジを使って、点ポイントで留めることによって作られる。その作品は、厚みのあるウールフェルトならではのハリとコシが特徴で、実用的なバッグから立体作品までさまざま。作品...