連載・Yoko Ueno Lewis|暮らしノート・第1回「四万十ひのきの間伐材と暮らす」
DESIGN / INTERIOR
2015年3月13日

連載・Yoko Ueno Lewis|暮らしノート・第1回「四万十ひのきの間伐材と暮らす」

The Way We Live with “STYLE”

暮らしノート 第1回 「四万十ひのきの間伐材と暮らす」

“四万十ひのき”は、高知県四万十川周辺に育つひのきです。仁淀川とならんで四万十川は高知の大きな美しい流れです。この流れを囲むようにもくもくと盛り上がるひのき山があります。セミの声以外はほとんど音らしい音のしない間伐道を分け入ると、そこはとても静かな木もれ日溢れる酸素のトンネルです。

写真と文=Yoko Ueno Lewis(Sep. 2010)


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つくって、使って、そして最後には土に返すために

二酸化炭素を吸えるだけ吸ってぎっしりと閉じ込められている“炭素”、この炭素たっぷりの四万十ひのきを使って普段の暮らしに使えるものをつくってきました。つくって、使って、そして最後には土に返す……これはとても単純なはず。ただ、そのためにはひのきをできるだけ魅力的に加工して、できるだけたくさんのひとに見てもらい、そして使ってもらう流れが必要です。

ウェブショッピングサイト「rumors.jp」でその流れがひとつ生まれました。この流れをできるだけ強く太くするために、デザイナーとして、そしてなにより使い手として、あらためて四万十ひのきと向き合いました。

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お風呂のいす──4つのタイプ
子どもが当たっても優しい「FROISU」、クラシックな踏み台のような「ONSEN STOOL」、そして人気の高い「SAUNA STOOL」、棚付きの「HIGH STOOL」。FROISUは職人さんの手による昔からの味わい深いデザイン。お風呂っぽさがあたたかい。残りの3つはひのきの成長の勢いをそのまま活かした直線のデザイン。リビングに置いてもだいじょうぶなまっすぐな姿。畳でもフローリングでも使えるクラシックモダン。

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タブバー
KYOTOシリーズです。京町屋で見る棧格子のイメージでつくりました。短いタイプはソープトレイ。最初のタブバーをつくってから最新のKYOTOができるまで8年。お銚子とおちょこを置いて……ワイングラスでもいいかもしれません。“そこ”にテーブルができるわけですから、どうか自分だけのお風呂の愉しみを増やしてください。

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テーブルエンターテナー
MOON TRAY、MINI SUSHI BAR、GRIP BOARD……

「MINI SUSHI BAR」はアメリカでブレイクしてから10年。SUSHIブームとあいまって、四万十ひのきの間伐材はたくさん海を渡りました。白い陶磁器とひのきはとてもよく合います。オリーブオイルを入れてみました。庭先にあるオリーブがちょうど小さな青い実をつけていました。フラックス(亜麻)シードのブレッドを浸して……ヘルシーでシンプルなフィンガーフードのできあがり。

「MOON TRAY」は昔からある半月盆のひのき版です。旬のトマトの変わり種と丸いかたちがうまく合います。お箸と花トマト、スイカトマト……禅問答のようにすまして置いてみました。

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GRIP BOARD
写真の直線タイプと職人さんの手による全体の仕上がりが曲線のタイプがあります。写真のタイプはまな板というよりどちらかといえばサービングボード。鰤(ブリ)やカマンベールなどのクリーミーなチーズの食感をひのきの清潔感が引き立てます。運命的に突き刺さっているのは、ベルギーの国民的アーティストPiet Stockmansの陶製のチーズスティック。Pietブルーがドラマティックにひのきと響き合います。

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カッティングボード
総ひのきのカウンタートップのお寿司屋さんやトンカツ屋さんなど、ひのきのカウンターは料理の味を支えてきたともいえます。もともと油脂分の多い四万十ひのきは水切れがとても早く、自浄作用があり清潔なことで知られてきました。なにより、包丁を降ろすたびに感じるトントンという手応え、キャベツの千切りをどれだけしても疲れません。プラスティックと比べると、そこだけは比較にならないのです。スタンド付きと軽量タイプ。軽量タイプはサーバートレイにもどうぞ。

もっと四万十ひのきの間伐材アイテムについて知りたい方は

www.yokoueno.comのweBlogの「hinoki stories」をぜひご覧ください。

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