新連載・Yoko Ueno Lewis|暮らしノート・プロローグ「スタイルを生む暮らし」
Prologue : The Way We Live with “STYLE”
暮らしノート・プロローグ 「スタイルを生む暮らし」
気がつくと……たくさんのモノに囲まれて“しまった”暮らしです。でもそれは自分らしいスタイルを探しつづけてきたたしかな証拠といえます。心に感性を吹き込んで、そのときどきの自分を豊かにしてきた自分自身の日々を語ってくれます。
写真と文=Yoko Ueno Lewis(Aug. 2010)
モノには本来あるべきところ、帰っていくところがあります
そろそろ、ただモノがあるだけではなく、お互いの調和に注目してもいい時期かもしれません。調和を創ると、スタイルが生まれてきます。自分にしか生まれない、自分だけのスタイルです。スタイルを生む暮らし方をしていると、自然に余分なものをもたなくなり、暮らし方もシンプルになり、そしてなにより快適で過ごしやすくなり、ほんとうにたいせつなことに集中できるようになります。
スタイルを生む“ものリスト”
<チープシックなもの><優しいもの><自然なもの>
<静かなもの><たのしいもの><白いもの>
これらに囲まれて暮らせるように身のまわりを整えていきます。目に入ってあまりよろこばしくないもの、ちょっとがっかりするもの、単純なもらいモノ、ケバケバしいパッケージ(多くは売場のことだけを考えてつくられています)などは思い切りよく排除していきます。
<チープシックなもの>
チープシックなものはシンプルです。主張が控えめです。
しかし、チープシックは決して安くありません
ワイヤーバスケット。ガルバナイズのじょうろ。素焼きやアルミの容器。古いリネン。キャンバスバッグ。ブラウンペーパー。シカゴスクリュー。フレンチガーデンホールディングチェア。
<優しいもの>
やわらかくてあたたかい感じ。清潔そうでいい香りがする
コットンファブリック。ルームシューズ。フェルト。ソープ。テーブルリネン。リードで香るアロマ。バスマット。
<自然なもの>
心に触れる素材感。
いつも手に入れた場所を思い出させてくれる
草で編まれたバスケット。麻の袋。海岸で拾った石。砂。天然素材の刷毛やブラシ。トゥワイン(麻ひもなど)。間伐材の木のもの。
<静かなもの>
気がつくと長いあいだそこにあるもの。そしてこれからも……
陶磁器の白いカップ。アルミのツール。理化学系のガラス容器。プレーンなノート。フレームワーク。プロユースのツール。簡素なパッケージ。
<楽しいもの>
アクセント。サイドウォーク。ほんの少し、夢と寄り道
イームズチェア。草花をさすガラスの容器。ギフトラッピング。スタンプ。ヴィンテージのソルト&ペッパー。クローク。コラージュ。クッション。クリスマスオーナメント。
<白いもの>
インテリアは白ではじまり白で終ります。
あらゆるカラーの帰っていく場所
壁、床。窓枠。食器。温度計。シューズ。キャンバスバッグ。タオル。パウダーコーティドホワイトメタルの棚や収納ボックス。コルビュジェのハウス。Black & Whiteの写真。
なにが自分の気分をuplift してくれるか、ひとつひとつcheck outしていくと、少しずつ自分のスタイルが見えてくるようです。たくさんあってもひとつの感性で束ねられているかぎり決してばらばらにはなりません。そして、モノには本来あるべきところ、帰っていくところがあります。そこをmisplaceしないように……たとえば、ガラスは光の差し込むところに……。ファブリックはきちんとたたんで重ねておく。用途でなく素材やカラーでまとめる。専用の収納家具よりオフィス用段ボールの箱……など、など。